二度目の転生は廃墟から……?   作:やっぱりイオは最高だよね俺っ娘最高っ!!

9 / 12
今日の投稿はこれまで。
次回は……未定です(土下座)


アホと天然は最強? いいえ最凶です。

「お疲れ様、大丈夫だったか?」

 

 大空洞の入口で待つこと数分。全体的に草臥れた様子で歩いてきた立香たちを出迎える。

 立香やマシュマロ、ビビリが草臥れているのは想定内だったが、キャスニキや傲慢金髪まで草臥れてる様子なのは少しだけ驚いた。……一体俺がいない間に何があったと言うんだ?

 俺の記憶が正しければだが戦う相手はそこまで多くなかったはずなんだが……。

 

「あぁ、アンタが嬢ちゃんたちが言ってた雪歌か……」

 

 クー・フーリン特有の野性的な性格は何処へやら、キャスニキは死にかけの狼の様な雰囲気で声をかけてきた。……いや本当にどうしたよ?

 一体全体何があったんだ。キャスニキも傲慢金髪も草臥れるような事ってちょっと聞くのが怖いんだが。

 ……とはいえ、まぁ気になるし、この後に支障があったら面倒くさいし、聞いたほうがいいよなぁ……。

 

「確かに俺がその雪歌だが……何かあったのか? なんだか草臥れてるみたいに見えるが……」

「……アンタは知っといた方がいいか」

 

 俺が声を潜めてキャスニキに思い切って聞いてみると、思い切り出し方だったが掻い摘んで分かりやすく教えてくれた。

 なんでも、俺と別れてから数分でキャスニキと合流したあと、傲慢金髪は俺が心配だとか言い出して戻ろうとしだしたらしい。それに便乗して立香まで戻ろうとし出して大パニック。なんとかマシュマロ、ビビリ、キャスニキの三人で宥めて進み始めたんだが、そんなことが道中何度も起こったらしく……その度に三人で宥めすかしてここまで連れてきたらしい。

 三人は宥めるのに体力を使って、立香と傲慢金髪が疲れているのはその度に叱られたりしていたから、というのだから何とも言えない。

 

 ……申し訳ないが正直これから騎士王との戦いだというのに不安しかない……。

 

「あぁ……まあ、その……お疲れ様」

 

 肩に手を置いてそういうしか俺には出来ることがなかった……。

 

「む、雪歌ではないか。何時合流したのだ?」

「あっ、本当だ雪歌だ! いつの間にか来てたんだね!!」

 

 そしてキャスニキの肩に手を置いて慰めている最中、さっきまで気付かなかったのに突然俺の存在に気づいて声を上げる二人。草臥れた雰囲気なんてなかったと言わんばかりに明るい声を出してこちらに手を振っている立香と腕を組んで今更偉そうにしている傲慢金髪。

 ……。

 

「よし、キャスター、マシュ、オルガマリー。先に行くか」

「そうだな」「了解しました」「えぇ、わかったわ」

 

 取り敢えず俺は見て見ぬ振りをした。というかあの二人に関わりたくなかったといったほうが正しいか。

 そんな俺の対応が悲しかったのか、二人して頭に手を当ててorzの体制を取る。――――が、勿論俺を含めて三人は全く相手をしないで大空洞の中へと歩き出した。

 そんな俺たちを見て漸く今自分たちがアウェーだということに気付いたアホの子二人は項垂れながら俺の後ろに付いてくるのだった。

 

 ……いやそんな引っ付かなくても歩けるから離れろよ。は? 暗いから怖い? あ? 夫の特権だぁ?

 ……もうやだこの二人……。

 

 

☆彡

 

 

 大空洞に入ってから歩くこと数分。俺を含めた立香一行はつい十分くらい前まで俺とエミヤが争っていた場所まで来ていた。

 

「なんだぁ、こりゃ……俺が最初ここに来た時にゃこんなもん無かったぞ……? っつかこのデケェ穴……洞窟の外の民家まで消し飛んでんじゃねぇか」

 

 入った瞬間俺を除いた全員が周囲の参上に唖然としていた。まぁ、改めてみるとその反応も分からなくはない。上下左右余す所なくクレーターのように陥没してるし、極めつけに俺がちょっとやらかしちゃった常絶の跡があるしね。

 でも、うーん……深遠なる闇とかドゥドゥと殺りあった時はこんなんじゃ済まないし、ぶっちゃけ比較的綺麗な方だと思うんだけどなぁ……。

 これも世界観の違い、なのかな?

 

「それにあのいけ好かねぇ弓兵も居ねぇ……。なぁ、雪歌。アンタ、オレ達がここに来る前から洞窟の入口に立ってたよな? この惨状の件についてなんかしんねーか?」

「ん? 知ってるぞ? っていうかこの惨状作り出したの俺だしなぁ……」

 

 若干警戒混じりに俺を見てくるキャスニキに、まぁ別に言っても構わないだろうと思ってさらっと事実を口にする。

 それに……俺にとって、エミヤとの戦いは久々に楽しかったのだ。隠す必要もない。隠して後ろめたいような物に落としたくはない。

 そんな思いで口に出したんだが……何故だか、傲慢金髪を除いた皆が俺を唖然とした表情で見つめていた。

 

「戯け。少なくとも黒化していたとはいえあのバーサーカーを打倒した者だぞ。この程度出来ると容易く想像出来るであろうが」

 

 そんなに弱そうに見えるかな……なんて落ち込みそうになった時に、さも当たり前のことのように傲慢金髪がフォローをしてくれた。

 ……なんだ、コイツ意外と良いトコあるんだな……。なんて傲慢金髪呼ばわりを訂正しようかと思った直後――――

 

「いやだってよ、お前も嬢ちゃんも異様に心配してやがるし、魔力も武術の心得も感じないど素人っぽい感じの奴だったんだからしょうがねーだろ」

 

 訂正しようと考えたことを訂正した。いや、うん。心配してくれるのは嬉しいしありがたいが、まさかそれで雑魚のレッテル貼られたってのは……なんだか不愉快だなぁ……。

 自慢じゃないが一応この世界でもトップ狙える程度の実力はあると思ってるんだが。

 まぁ……そんなこと気にしても仕方ないか……。

 

「そんな話より、さっさと進もうぜ? この先にラスボスさんが待ってんだから」

「それもそうですね」

 

 俺の発言にイチ早く反応したのは意外にもマシュマロだった。どうやらこのグダグダな空間に辟易しているのか疲れたような表情をしている。

 まぁ、途中から合流した俺でもちょっと辟易しているのだ。ずっと一緒にいたマシュマロは相当だろう。……ふむ。

 

「マシュ、ちょっとこっち来てくれるか?」

「なんでしょうか……?」

 

 最早俺に敵意を向ける気力すらないのか、手招きに大人しく従って俺の近くに来てくれた。

 うん、よし。これで準備はオーケー。後はギクスジェウドを取り出して片手に持ち、無警戒なマシュマロ……いや、なんかもう苦労してそうだしマシュでいいか。マシュを抱きしめる。

 

「えっ……ぇっ、ふぇっ?!」

 

 抱きしめられて漸く状況に気が付いたのか、白い肌を朱に染めてわたわたと両手を横で上下に振り回す。

 しかし、ふふふ……今更抵抗しても何もかもが遅いのだよ。行くぞ――――!

 

「傷ついている者に癒しの手を、疲れているものに安らぎの光を……『閃光のレスタ』!!」

 

 抱きしめてたりした所為か普段は絶対しないであろう詠唱なんかをして回復魔法の様な効果を持つテクニック、レスタを発動させる。

 ゲームではただ体力を回復させるだけだったこのテクは、どういうわけか疲労回復、精神安定などの効果を持っているようでこういう疲れている人相手だと特に効果的なのだ。因みに接触してる部分が多ければ多いほど、詠唱が長ければ長いほど効果がアップするという本当に魔法の様なモノになっていたりする。勿論詠唱なくても充分効果はあるし触れていなくてもしっかり回復させることは出来るが、やっぱり詠唱&接触があるのとないのとでは効果が天と地ほど差が出る。

 

 そんな理由で抱き着きながら行使されたレスタは俺とマシュの回りを明るい光で優しく包み込み、心と身体を回復させていく。

 

「……あっ……あったかいものが、私の、中に……」

 

 精神安定の効果、つまりリラックスの効果もあるのでマシュは気持ちよさそうな声で小さく呟く。

 抱きついてる為俺の方からマシュの顔は見れないが、恐らくリラックスした表情をしてるんだろうなーなんて考えると、ちょっとだけマシュが可愛く思えてしまい、丁度いい位置にあった頭を優しく撫でる。

 

 そして数秒で光は収まり、レスタの効果は終了した。これで少しは元気になってくれればいいなと考えながら撫でていた手を退かし、離れられるようにした。……の、だが……。

 そのまま数秒待ってもマシュが離れる気配が全くない。どうしたものか……。取り敢えず軽く揺すってみるのだが、イヤイヤをするように首を左右に振って、全く離れようとしてくれない。それどころかいつの間にかマシュの腕が俺の背中に回されている。

 ……いや、うん。どうしよう。確かリラックスしすぎると幼児退行するとかいう現象があると小耳に挟んだことはあるが……まさか、それじゃないよな……?

 

「あの……マシュ?」

「……」

 

 軽く肩を叩いて声を掛けてみるが、返ってくるのは無言。

 もしや寝てるのでは……と考えてちょっとだけ強く揺すってみると、漸く返事が返ってきた。

 

「あの……もうちょっとだけ、こうしても、いいですか……?」

 

 かなり斜め上の方向であったが。

 いやちょっと待て、君俺のこと敵視してたよね。それがなんでたったこれだけでこんな甘えんぼになるのさ?

 え? いや、どうなってるのこれ? 滑舌は悪くなってないし、意識はハッキリしてるっぽいし幼児退行してるわけじゃないと思うから……いや、え? なんで?

 

「あと、えっと……お姉ちゃん……いえ、お姉さま、と……呼ばせていただいても、いいですか……?」

「……は、ぃ……?」

「いいんですか……!? ありがとうございます……!」

 

 突然頓珍漢な、いや可笑しな言動をしだした為、俺が聞き間違えたのではないかと少し上擦った声で聞き返してみれば、どこをどう間違えたのかマシュはそれを了承の言葉として受け取った。

 ……いや、まて、落ち着こう。まず落ち着こう。

 えーと、どこから突っ込んでいけばいいんだ? まず俺は男だって所だろ? その後に突然何言い出してるんだってことだろ? 最後に頭大丈夫かを聞くだろ……?

 えっと、えーっと……? あぁ、うん。俺だけじゃ解決できないわ。

 そう思って周りに目を向けてみると――――そこはカオスが広がっていた。アホの子二人が般若の形相で俺を……いや、正確にはマシュを睨んでいて、ビビリは何故か顔を赤くしてそっぽを向いてる。

 なら最後の希望と思ってキャスニキに視線を向けてみれば……歯を見せながらいい笑顔でサムズアップしていた。

 

「……は、ははは……なぁにこれぇ……」

 

 結局、この騒動が一段落した頃には三十分ほど時間がかかっていた。




ラスボスがいる洞窟の中でのアットホームな雰囲気。……緊張感ないな。
因みに雪歌もマシュも性知識が全くないという意味では同じ()
今回の最大の戦犯は雪歌。天然も行き過ぎれば……ね?

マシュの身長が158cmなのに対し雪歌の身長が142cmなのでマシュが膝をついて身長の割に意外と豊満の胸の谷間に顔を埋めている絵面になります。
そう考えると前話のエミヤと雪歌が抱きしめ合ってるような絵面の場面は事案発生待ったなし……(´・ω・`)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。