サモンナイト 勇者と姫と越響者   作:玄武Σ

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ほのぼの回の筈が七千字オーバーに…
お茶会や予言は次回になります。


第14話 平和な一日 The Vacation in Biscotti

ライとミルリーフ、そしてシンクがフロニャルドにやって来て数日が経過。その数日の間に、彼らは城内の面々とすっかり親交を深めており、エクレール達を愛称で呼ぶほど親密になっている。

ライについてはユキカゼのみを愛称で呼んでいるのだが、これにはある事情があった。

 

~回想~

「勇者殿にライ殿、拙者のことはもっと親しみを込めて愛称とかで呼んでほしいでござるよ」

 

褒章授与式の後、ユキカゼがいきなりライ達にこのようなことを言うのだった。

 

「親しみ?」

「別に名前で呼んでんだし、オレとしては込めてるつもりなんだが…」

「リコ〜、エクレ〜、ミルリーフ、二人がまだ拙者に懐いてくれんでござる〜」

 

ライとシンクが二人そろってこう言うと、いきなりユキカゼがリコッタ達に涙声で言いだす。

 

「え、え~っと…」

「拙者はこんなに二人を可愛がろうとしているのに、ううっ、寂しいでござる、切ないでござるよ〜!」

 

ライとシンクがリアクションに困っていると、ユキカゼは涙目になってリコッタにすり寄る。見た目年齢的に逆な気もするが…

 

「ユッキー、よしよしであります」

「勇者、それにライ! ユキを泣かせるな馬鹿共!!」

「そうだよ! じゃないとユッキーが可愛そうだよ!!」

 

リコッタがユキカゼを慰める中、エクレールとミルリーフが二人を怒鳴りつける。ミルリーフはすっかり彼女らと親密になっているようだ。

 

「そうはいってもよ、オレが人のこと愛称で呼んだことないのはミルリーフだって知ってるだろ」

「それに、年上をそんな愛称で呼ぶなんてさすがに失礼じゃ…」

「確かに拙者、二人よりは割かし年上でござるけど別に気にしないでござるし、ライ殿もこれを機に試してほしいでござる。どうせならユキっちとかで呼んでほしいでござるよ~」

「「イヤ、ユキっちってなんだよ!?」」

 

どうにか絞り出した言い訳でも真っ向から叩き潰される。そして二人はとうとう観念するのだった。

 

「え~っと、じゃあユッキー!」

「ならオレはユキで!」

「それにござる!」

 

二人が愛称呼びを承認した途端、泣き止んで元通りの彼女に戻った。まさか嘘泣き?

 

「あ、シンクはわたしとリコッタのお揃いだ!」

「本当であります! ちなみにライ様はエクレやノワとお揃いでありますよ」

 

ということである。

~回想了~

 

そして現在、ライはどうしているかというと…

 

「はああああああ!」

「よっと!」

 

フィリアンノ城内の訓練スペースでエクレールと模擬戦をしている。エクレールは自分より圧倒的に強いライを目の敵にしているらしく、ライはミオン砦戦の翌日に工房で注文し、今朝方完成した新品の剣の試し切りついでに、仕方なく彼女の相手をしているのだった。

 

「おらあ!」

 

ライの放った一閃がエクレールの得物である二本の短剣を弾き飛ばし、勝負がつく。

 

「クソ、また負けた」

「なあ、もういい加減休ませてくれよ」

「まだだ! 貴様に勝つまでやる!」

 

朝から始めたこの模擬戦の戦績だが、九戦やってライの全勝となっている。

 

「わかった。次でちょうど十戦目になるからこれで最後、それでいいか?」

「十分だ。次こそは勝つ!」

 

とりあえず、キリのいい回数になったのでこれを最後にすることとなった。

 

「みんな、厨房から差し入れが入った。一息入れよう!」

 

するとそこでロランから休憩の合図が入ったので、結果として模擬戦は打ち止めになる。正直な所、ライは助かったと思うのだった。

差し入れを持っていたのは、シンクとリコッタ、そしてミルリーフである。

 

「ライさん、厨房からの差し入れは花蜜のタルトですって」

「わたしも運ぶの手伝ったよ」

「そうか。えらいぞミルリーフ」

 

ライに褒められながら頭を撫でられ、至福の笑みを浮かべるミルリーフ。その光景が、城に務める者達の最近の癒しとなっていた。

 

「エクレ、お菓子の差し入れでありますよ!」

「いや、今回はもっと練習をしたいからいい」

 

リコッタから差し入れの報告を聞いたエクレールだったが、彼女はそれを断った。

 

「珍しいでありますね?」

「それもこれも、ライの奴に勝てない所為だ! このまま後れを取ってたまるか!!」

「ちょ、オレの所為!?」

 

とんだトバッチリだった。まあ、ライでなくてもそうなるだろう。

すると、そこでシンクが反応する。

 

「じゃあさ、僕とやらない? 僕もライさんにちょっとは追いつきたいし」

 

シンクのその提案を聞いたロランが、タルトを口に運ぶのを思わず中断する。

 

「それはいい。勇者殿、また相手をしてやってくれるか?」

「はい!」

 

ロランからの許しも出たので、急遽シンク対エクレールの模擬戦が行われることとなった。

 

「みんな! 勇者殿と親衛隊長の戦い、よく見ておくように」

「「「「はい!!」」」」

 

ロランが他の騎士達に話すと、全員が元気よく返事をする。

 

「今日の武器は何にするんだ?」

「今日は……これ!」

 

エクレールに武器を聞かれると、シンクは近くに置いてあった剣を手に取る。

そして何を思ったのか、左手でそれを空中へと放り投げだし、剣は回転しながら天高く飛んでいく。

 

「「!?」」

 

ライとミルリーフ親子は、いきなりのシンクの行動に驚く。その一方で騎士団員達は興味津々でそれを見つめている。

シンクは、ペン回しの要領で器用に指を動かしながら、右手に持った鞘を回しまくる。そして、それを上手いこと垂直な所で止めたかと思うと、そこに丁度剣が落ちてきて、綺麗に鞘に収まる。

 

「剣にしよう!」

 

無駄に格好をつけたシンクの武器選択に拍手を送る騎士団達。

 

「ねえパパ、もし剣が柄から落ちてきたらどうするつもりだったんだろ?」

「さあ? ああなること前提でやってたみたいだから、考えてなさそうだぜ」

 

ライ親子がこっそりとそんな会話をする。ここの戦の様なパフォーマンスとしての戦いを見たことがない二人からしたら、当然のリアクションだろう。

そうこうしている内に、エクレールとの模擬戦が始まった。

今回はエクレールも、シンクに合わせているのか普通の剣で戦っている。

 

「エクレ、楽しそうでありますね」

「そういや、なんか生き生きしてるな」

 

ライもシンクとエクレールの模擬戦を見学していると、隣にいたリコッタの言葉が耳に入る。

ライはエクレールと模擬戦の際に、自分に勝とうと必死になっている様子を見ている。そして一人での訓練や他の騎士達との模擬戦では、相手の実力が足りなかったのか物足りなさそうな様子だった。

対して、シンクと戦っているときは妙に生き生きしており、動きの切れがいいのだ。

 

「妹誉めはなんだが、若い騎士らはなかなか相手になる者がいなかったからな。実力白昼の相手ができたのはエクレールにとっては良いことだな」

 

やはりエクレールは騎士団内でも強い方だったらしく、そのことから兄であるロランにとってもシンクの存在は嬉しかったらしい。

 

「歳も近いし、勇者殿をあれの婿に欲しいくらいだよ」

「あいつ婿にしたら、後が大変そうだよな」

 

とかなんとか言っている間に決着がつきそうになる。そして二人が同時に剣を振り下ろす。

その瞬間。

 

―ドクンッ―

「「!?」」

 

ライとミルリーフが悪寒のようなものを感じ取り、それと同時にシンク達の剣がぶつかった衝撃で真っ二つに折れてしまう。

 

「今何か、物凄い悪寒と不吉な予感が…」

「エクレール、まさかお前も?」

「ということは、お前達もか?」

「うん」

 

どうやらライ達だけでなく、エクレールも同じものを感じ取ったらしい。

 

「そう? 僕は何も」

 

その一方で、シンクは特に問題がなさそうな様子である。エクレールについては解らないが、ライは響界種でミルリ-フは至竜であるから第六感も優れているのかもしれない。

 

「ライさんは大丈夫そうだけど、エクレはお腹出して寝てそうだから体でも壊したんじゃないかな?」

 

そう言いながらエクレールの頭を撫で始めるシンク。すると、次第にエクレールの顔が真っ赤になっていき…

 

「うわああああああああああああああ!」

「おぶううううううううう!?」

 

エクレールは大声を上げながらシンクに腹パンを喰らわす。かなり力を込めたようで、シンクはその場で蹲って悶絶する。

 

「このアホ勇者! 勝手に騎士の額に触るな!!」

 

そのままエクレールは声を荒げ、蹲っているシンクの体を踏みつけまくる。

 

「まさか、さっきの悪寒の正体ってこれか?」

「というか、そうであって欲しいかな?」

 

ミルリーフの言うことも尤もだ。まだディガルドが死んだと決まったわけではないため、彼による報復を予感した、とう可能性も捨てられないのである。

だが、今はとりあえず忘れることにして二人でシンクを助けることにするのだった。

 

 

 

 

「実際、仲も良さそうだしな」

「え~っと、どうなんでありましょう?」

 

その光景を見ながらロランが穏やかそうに言い、傍で聞いていたリコッタが反応に困っていた。

 

 

それからしばらくして、三人は移動を始めた。

目的地は城からいくらか離れた森の中にある、ブリオッシュ等隠密部隊が住んでいる風月庵という庵だ。森を進んでいるといつの間にか竹林に突入しており、その中に目的の庵があった。建築様式は純日本風で、ライにとってはシルターンを髣髴とさせるものだった。

風月庵の庭では、隠密部隊の隊員だという犬達がくつろいでいたり、使用人らしき人物が掃除や洗濯物干しをしている。

その中で、見知った顔の人物を発見した。

 

「ユッキー!」

「おっす、来たぜ」

「ああ! いらっしゃいでござる~」

 

ユキカゼが庭で野菜の入った籠を持っているのを発見するのだった。服装は普段の隠密衣装ではなく、ラフに丈の短い浴衣を着ている。

聞けばブリオッシュは近くの川で釣りをしているらしく、そんな彼女の昼食用の食材を運ぶのだと言う。

せっかくなのでライとシンクも釣りをすることにしたので、竿を貸してもらってユキカゼに同行することにした。

川に到着すると、ブリオッシュはすでに釣りを始めていた。

 

「ダルキアン卿、こんにちは」

「おお、勇者殿にライ殿。今日は釣り日和でござるよ」

 

早速釣りを始めるライとシンク。その近くでユキカゼは持って来た野菜を切り分けて昼食の準備をする。

ライ達の釣る魚が今回のメインということとなった。

 

「それにしても勇者殿にライ殿、二人そろって不思議な御仁でござるな」

「ん?何が?」

 

いきなりブリオッシュが二人に対していった言葉が引っかかる。

 

「聞けば二人そろってビスコッティに来て未だ数日。なのに、騎士団員のみんなやリコ達、場内の者達はすっかり心を許している」

「まあ、エクレには殴られたり蹴られたりしてばっかですが…」

「オレも一方的にライバル視されて、いい迷惑なんだが…」

「それだけ気を許している証拠でござるよ」

 

と、二人の協調性の高さについての話をブリオッシュとしている。

 

「あ、かかった!」

 

シンクの竿に辺りが出た。その瞬間…

 

「「フィッシュオン!!」」

 

ライとミルリーフが同時に叫ぶ。

 

「ライ殿、今のは一体?」

「あ、その、オレ等の釣りの時の癖って言うか…」

「あぅ、はずかしい…」

 

ついつい叫んでしまったリィンバウムでの釣りの掛け声に、ライは親子そろって顔を赤くしている。

その一方、シンクはかなり苦戦していた。引き具合からして相当の大物のようだ。

 

「シンク、オレも手伝う!」

「いいえ、大丈夫です…」

 

シンクは強がってライの手伝いを拒む。全身の力をフルに使って、ようやく魚が釣れた。

釣れたのは地球の古代生物を髣髴とさせる、鋭い牙と岩のような鱗の、全長2メートルはあるだろう巨大魚だった。魚は釣り上げられた勢いでそのまま宙を舞い、ユキカゼが調理をしている目の前に落下した。

 

「ユキカゼ、そいつの調理も頼めるでござるか?」

「心得てございます~」

 

ブリオッシュの指示に従い、ユキカゼが巨大魚の調理を始めようとしたら一人の人物が待ったをかける。

 

「ユキ、こいつはオレに料理させてくれねえか?」

 

待ったをかけた人物は、ライだ。

 

「ライ殿、出来るでござるか?」

「ああ。オレ宿屋の店主やってるって言ったけど、同時に料理番もやってんだ。こっち来てから飯は人任せだったから、腕前が訛んねえようにと思ってな」

「パパのお料理、すんごくおいしいんだよ! 旅行雑誌で帝国一の最年少料理人に選ばれたぐらいなんだよ!!」

 

ミルリーフがライの料理の腕について自慢するように話す。旅行雑誌の名は「ミュランスの星」といい、レストロ・メニエという帝国宮廷料理店の初代料理長が作った雑誌である。

ミルリーフの話を聞いた一同が返事をする。

 

「ちょっと食べてみたいかも…せっかくなんでお願いします」

「じゃあ、役割分担ということでそっちはおねがいするでござる」

「カナタやユキカゼの食事も悪くないが、どれ程の物かお手並み拝見といこうかでござる」

 

揃ってライの調理を了承し、ブリオッシュに至っては半ば挑戦状のような言い回しである。ちなみに、カナタとは風月庵で働いている使用人の女性である。

 

「よーっし。お前ら、手をよく洗って待っていな!」

 

 

ライは巨大な魚を慣れた手つきで下ろしていく。鱗が大きく皮も厚いので、皮は剥いでしまうことにした。

ライの料理が出来るまでのつなぎに、シンク達はユキカゼが準備した分の食事を食べる。平らな石を熱して鉄板代わりにし、その上で野菜や小さな魚を焼いて食べる、ちょっとしたキャンプ気分の昼食だ。

 

「勇者殿もライ殿も異世界の住人、しかも別々の世界の出身でござったな」

「じゃあ、二人ともいつか故郷に帰るでござるか?」

 

ブリオッシュ達から話を聞いたライが答える。

 

「ああ、オレは仕事あるし、仲間もいるから帰らねえといけねえや。シンクも帰るつもりだったろ?」

 

ライが答えた後、シンクに話題を振る。

 

 

 

 

「……しまったああああ!!」

 

すると、いきなりシンクがその場で倒れこみ、そのままのた打ち回り出す。

 

「ほぼ完全に忘れてたーー! まだ帰る方法も見つかってなかったんだーー!!」

「……お前、バカだろ。オレだって定期通信でリシェル達に調査頼んでんだから」

 

ライがシンクのウッカリ具合に呆れていると、ミルリーフがあることに気付く。

 

「あれ? ユッキー、フロニャルドの召喚で呼ばれたら二度と帰れないんじゃないの?」

「召喚勇者は元の世界には帰れない、というのがこの辺りでは一般的でござるが、遠方の国では役目を終えて帰郷したという話を聞いたことがあるでござるよ」

 

ミルリーフの疑問に答えたのは、ブリオッシュであった。どうやら旅の最中に送還された勇者の話を聞いたことがあるらしい。

すると、その話を着たシンクが復活する。

 

「そうなんですか!?」

「リコも、その辺りまでは調査が進んだと言っていたような…」

「よかった~」

 

ユキカゼからさらに話を聞いたシンクは、物凄く安心した表情になる。

 

「勇者殿には、やはりご家族が?」

「はい。父さんと母さん、あと親戚とか友達とか」

 

ブリオッシュから家族の話題を振られたシンクは、家族構成や交友関係について話す。

 

「おっし! 巨大魚ムニエル完成!!」

 

丁度その時、ライが担当した料理が完成する。料理を配りながらライも会話に参加していく。

 

「聞いた感じ、シンクは本当に普通の家族がいるんだな」

「そういうライ殿はどうなんでござるか? その年で働いている辺り、わけありのようでござるが…」

「差支えなければ聞かせて欲しいでござる」

 

ライとしても話しづらいわけでもなかったので話すことにした。

 

「まず、オレの幼馴染姉弟、その父親でオレの店のオーナー、街の駐在兵士でオレの兄貴代わりに同じくねえちゃん代わりの召喚師、ミルリーフに仕える四人組、あとはつい最近まで死んだと思っていた母さんにも会えたな」

「え? ライさん、それって…」

 

シンクは、ライが最後に発した言葉が引っかかる。母親がつい最近まで死んだと思っていた、というのは普通の家に生まれ育ったシンクからしたら想像もつかないだろう。

 

「オレが物心つく前に死んだって親父から聞かされてたんだけど、つい最近になって嘘だったってわかってな。直接は暮らせてないんだけど、会おうと思えば毎日会えるから別に寂しくはないな」

 

ライの母メリアージュは、トレイユの町の近くに生えているラウスの樹という樹木が作り出した結界に住む妖精なのだが、その樹を別荘を建てるのに邪魔だと言った貴族によって切られてしまい、結界の開け閉めが出来なくなってその中に閉じ込められてしまったという。ライの父ケンタロウは、そんなライを悲しませないためなのか嘘を言ってたのだった。

だが、ギアンが敵対していたころ解魂病という病の病原体を召喚してトレイユを汚染、その際にライの響界種の力を解放して、ともに解魂病を慈雨の大奇跡という技で浄化した。その時にライは母の生存とその正体を知ったのだ。

戦いが終わってから、ライはラウスが切られた跡地である望月の泉にて定期的にメリアージュと話に行っているのだ。

 

「母上殿に会えてよかったでござる」

「だね。僕もちょっと泣けて来た」

「うむ。家族の愛に勝るものはないでござるよ」

 

具体的なことは面倒くさかったのか話してはいないが、シンク達は大体の事情を察して感動している。

すると、ブリオッシュはあることに引っかかる。

 

「? ところで、その父上殿はどうなのでござるか?」

 

ブリオッシュがライに父親に関する話題を振った瞬間…

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あああああああああああああああ!!」

 

いきなライが発狂したのでシンクは仰け反り、ブリオッシュ等も予想外の事態に目をぱちくりさせる。

 

「ミルリーフ、ライ殿はどうしたでござるか?」

「…実は、パパは自分のおとうさんがあんまり好きじゃないんだ」

 

ミルリーフが苦笑しながら説明すると、ライが具体的な説明を始めた。

 

「ああ。あのクソ親父はな、まだ四歳位の頃からオレに戦い方を叩き込んだと思ったら、双子の妹のエリカが病気だから治療法探しに行くっつってそのまま便りも寄越さずに帰ってこねえまま約十年、最近帰ってきたと思ったら…」

 

説明から愚痴へと変わっていき、そのままライの父に関する愚痴は延々と続いた。

とりあえずしばらく放っておくことにしてライの作ったムニエルを食すことにするシンク達。ムニエルの味は、そろって「筆舌に尽くし難し!」と思わず叫んでしまいそうになるほど美味かったらしい。

 

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