サモンナイト5、面白いのですが不満が一つだけ…
サモンクラスタが少ないです! あと1種類だけでいいから!
5の不満は自分的にそれだけなので、次回作に期待です。
ライがレオを倒したことにより、シンク達の陣営であるビスコッティという国の勝利が揺るがなくなった。
そんな中、レオに近づいてきた者が彼女にマイクを渡した。ライもマイクを渡され、それでレオと話してくれと言われる。ちなみに、その間にミルリーフが変身する様子を見せて説明もしておいた。
そしてレオがライに話しかけてきた。
「乱入者、はこの状況では無粋か。まずは名を教えてもらおうか」
「え、ああ、わかった。オレはライだ。で、こっちは…」
「義理の娘のミルリーフです」
名前ぐらいなら教えてもいいか、と思ってライ達はレオに名乗ることにした。
「ライ、そしてミルリーフよ、紋章も使わずにこの儂を打ち倒したこと、褒めてやろう。だが、次戦う時はこうは行かせぬぞ」
「知るかよそんなの。事情は知らねえけど、オレの目の前で侵略とか悪いことしようってんなら、いくらでも相手してやるぜ」
「言うではないか。じゃが儂も負けてやる気はないからのぉ、次こそは勝って貴様を泣かせてやろう」
ライもレオも喧嘩腰の口調だったが、そこまで険悪な雰囲気は感じられなかった。
次にレオはシンクに向かって声をかける。
「勇者よ。そこの二人に活躍を取られたようじゃが、活躍できておったからお主も決して弱くはない。親衛隊長共々精進せいよ」
シンクに対してそれだけ言ったレオは、持っていたマイクをシンクに投げ渡す。そしてシンクもそれを使ってレオに話しかけた。
「ありがとうございます。姫さ…」
「閣下じゃ」
「…閣下! あなたとの戦い、怖かったけど楽しかったです。次は僕だけで勝てるように頑張りたいです!」
「よく言った。じゃが、次こそはきっちり侵略してやろう! ライも勇者も共に儂を止めてみるのじゃ!!」
最後に啖呵を切って、レオは去って行った。
『さて、このままガレットが勝利したら戦勝の宴はガレット地酒祭りとなる予定でしたが…』
『閣下の撃退でビスコッティの勝利が揺るがなくなった今、戦勝イベントの権利がそちらに移りますね』
フランボワーズ(以下フラン)とバナードが戦勝イベントという単語を発したのを聞いたライ達は、戦いのあとなのにすぐ宴なのかと、軽すぎるノリについて考えていた。
『ビスコッティが勝利するとなると、やはり戦勝イベントは…』
『はい。フィリアンノ音楽ホールから、音楽と歌の宴をお送りします』
『姫様の歌のセットコースも、バッチリであります!』
フランがビスコッティ主催のイベントについて説明を求めると、スクリーンの映像が別の人物たちものに変わって、そこの人物達が説明を入れる。
一人は、ミルリーフと同じピンク色の髪をした、同じくピンクのドレスを身に着けた少女と、その少女よりいくらか背の低い白衣風のマントを着た栗色の髪の少女だった。服装から察して、前者の方がビスコッティの当主なのだろう。
ちなみに、ビスコッティ人だから揃って犬耳である。
「姫様って、歌とか歌うんだ」
「王族自ら歌…手習いとかはしてそうだけど、どうなんだ?」
「歌うんだとは何事だ貴様ら!!」
シンクとライがそれぞれ口にしたこと聞いたエクレールが、二人に対して怒鳴ってきた。
そして、そのままエクレールは二人に怒鳴り口調のまま説明を入れる。
「姫様は世界的にも有名な歌い手であらせるぞ! 手習いで済ませるな白髪!!」
「せ、世界的!?」
「誰が白髪だ、誰が!?」
「その通りだよ勇者殿。あと、エクレールも君も落ち着きたまえ」
エクレールの一言にシンクは驚き、髪についての悪口を言われたライは怒鳴り返す。そこに近づいてきた一人の男性が一同を大人しくさせる。
見覚えのない男性に、それまで会話に参加していなかったミルリーフが話しかける。
「えっと、お兄さんだれ?」
「私はロラン・マルティノッジ。ビスコッティの騎士団長でエクレールの兄だ。君は、ミルリーフで合ってたかい?」
「あ、うん、そうだよ。(言われてみればなっとくかも)」
目の前のロランと名乗る男がエクレールの兄だと聞いて、ミルリーフは納得した。
背丈や髪の色は彼女からかけ離れているが、唯一の共通点である垂れ耳を発見したからだ。
「姫様は他国との交流などで、楽団を連れて世界中で歌っていらしてるんだよ」
「なるほど、そういうことか」
「ただ、近頃は戦続きでツアーもめっきり滞ってしまっていてね、我々も久しぶりに姫様の歌を聴ける位なんだが……」
「貴様らも姫様の歌を聞いてみろ。そうすればきっと納得するはずだ」
ロランの礼儀正しい態度と温和な雰囲気から、本当にエクレールと兄妹なのかが疑わしく思えた。
「えっと、それってつまり、僕達も聞いていいってことですか?」
「ああ。勇者殿もライ殿も活躍してくれたからな、特等席を用意している」
「やったぁ。ありがとうございます!」
ビスコッティの姫の歌が聞けると聞いて、シンクは興奮しながらロランにお礼を言う。
すると、今度はライが口を開いた。
「あー、ちょっといいですか」
「どうしたんだい?」
「オレさあ、いきなりここに飛ばされてきたから向こうの仲間とか、仕事先の上司に連絡を入れたいんですけど」
「あ、僕も家族に連絡を入れたいんですが」
ライとシンクの言ったことに互いの顔を見合わせるマルティノッジ兄弟。その様子を見て何事かと思うと、ロランがとんでもないことを告げた。
「召喚された勇者は、元いた世界に帰ることはおろか連絡も取れない筈だが…」
「それが召喚のルールだ。まさか、知らなかったのか?」
ライとミルリーフの表情は驚愕に染まり、シンクの場合は引き攣った笑顔になった。
「え? そ、そんな訳ねえだろ」
「あはは、またご冗談を…」
「そうだよ! 召喚と送還で1セットが相場だから、帰る手段がないとしたら召喚主が死んじゃうか送還を拒否するしかないはずだよ!」
ライ達はロラン達の言葉が嘘か冗談だと願い、それぞれで言葉を発する。
まあライとミルリーフの場合、召喚したのが誰かわからないので手段があっても現在は帰れないのだが。
「いや、残念ながら冗談ではないんだ。勇者召喚はめったに行われないのだが、理由はそこにあるんだよ」
三人の願いもむなしく、ロランの口からは最悪な答えが返ってきた。
「「「えええええええええええええええええええええ!?」」」
ライ達は絶叫した。
ちなみに、同時刻にフィリアンノ城からも絶叫する声が聞こえたとか。
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「異世界だもんなぁ、通じなくて当然だよなぁ…」
「オレ達の居た世界でも、異世界間の通信なんて出来ないから当然か」
戦終了後、フィリアンノ城下で意気消沈中のシンク。帰る手段がないと聞かされ、手に持っていた携帯電話にも圏外と表示されており、連絡すら不能だというのが伺えた。
ちなみに、携帯電話そのものはリィンバウムには存在していないが、無線などの通信機器は存在しているのでライ達でも通信装置だというのは理解できた。
「まったく、覚悟もないのに召喚に応えるからだろ」
エクレールが呆れながら呟くと、シンクが近くにいた犬を指差しながら彼女に文句を言う。
「覚悟も何も! このわんこが踊り場から降りようとした僕に、落とし穴を仕掛けて」
「ちょっと待て! 飛び降りって、お前何考えてんだ!?」
ライはシンクがこちらに来る直前に取った行動を聞いて、思わずツッコんだ。シンクの身体能力を考えると近道のつもりなのだろうが、ライからしたらそんなことをするのは、自殺志願者かバカしかいないというものだ。
「落とし穴、タツマキが?」
エクレールが疑問に思うと、シンクが言っていた犬タツマキが小さな魔法陣を自身の目の前に出現させた。これがシンクのいう落とし穴のようだ。
エクレールが近づいて、その魔法陣の方を見る。
「なになに、『ようこそフロニャルド、おいでませビスコッティへ』」
エクレールは魔法陣に書いてある文字を読んでライ達に聞かせる。その次にタツマキが前足を手の様にしてある個所を指すと、エクレールがそこを読む。
そこには、かなり小さい文字で聞き捨てならないことが書かれていた。
「注意、これは勇者召喚です。召喚されると帰れません、拒否する場合は紋章を踏まないでください」
それを聞いたシンクはすぐに真っ白になった。
「そんなん、分かるかぁあああああい!!」
「知るか! 私に聞くな!」
すぐに復活したシンクはキレながらエクレールに詰め寄るが、エクレールも反論する。
すると、ライ達が会話に口を挟んだ。
「でも、こんなちっちゃな文字じゃ気付かない人の方が多いよ。それにこれって、この世界の文字みたいだから、気付いても読めないんじゃないかな?」
「だな。下手すると詐欺じゃねえか?」
「何だと!? 勇者召喚は国の主にしか許されない神聖なものでな」
ミルリーフが問題点を指摘、ライがオブラートにも包まずに詐欺だと言うと、エクレールも反論する。
だが、ライは止める気はさらさらなかった。
「あと、さっきシンクが話した通りなら拒否したくても出来ない状況だったんじゃないか? 詐欺じゃないにしてもそんな状況で呼び出すのは問題があると思うぞ」
「ウグッ」
色々と問題点を指摘されまくってエクレールはついに黙り込んでしまう。
「まあ、オレの世界の召喚を考えたら、人のこと言えねえか」
「え、どういうことですか?」
ライの一言が気になったシンクは彼に聞いてみる。すると、ライは知っている範囲でだがリィンバウムの召喚術について簡単に説明した。
「オレ等の世界、リィンバウムじゃ召喚術が生活の支えになってるんだけど、相手を何の前触れもなく一方的に呼び出しちまう術なんだよ」
「え? それって、僕の状況よりひどくない?」
「ああ、恥ずかしながらな…」
ライが少々暗い表情になりながら言う。リィンバウムの召喚術のシステムを考えると、フロニャルドの勇者召喚はまだ善良な方だと言えよう。
ただ、今回のような場合はそうとも言えないが。
「まあ、オレ等も人のこと言えねえから、そんなに気にすんなよ」
ライはリィンバウムでの召喚事情を話してエクレールをフォローする。そしてエクレールが再び口を開いた。
「まあ、どちらにしても貴様らを返す方法は学院組が調査中だ。そのうちに判明するさ」
「だといいけど…」
「ああ、もし帰れないうえに連絡も取れねえなら…」
「…オーナー、おこりすぎて胃にあな空いちゃうね」
ライもミルリーフも、かなり気まずそうな表情になってしまう。
旅行雑誌【ミュランスの星】で、帝国最年少の天才料理人と紹介されたおかげで客足は以前よりも向上、オーナーであるテイラーからの待遇も良くなったライ。だが、それでも連絡なしに何日も休んでしまったら、再び評価が下がってしまい、テイラーもミルリーフが言ったような状態になってしまうかもしれない。
だから、なるべく早く帰らないといけないのだった。
「とりあえず……まぁ、そのなんだ。貴様等は賓客扱いだ、ここでの暮らしに不自由はさせんさ。まずは、これを受け取れ」
そう言ってエクレールはライ達に一つずつ革袋を差し出す。ご丁寧にミルリーフの分まであった。中からはジャラジャラと金属音がしているので、何が入っているのかはすぐに分かった。
「これって、金か?」
「わたしの分まであるよ?」
「いや、流石にそこまでは申し訳が…」
「戦での報奨金だからな、受け取り拒否をしたら財務の担当者が青ざめるぞ」
全員が気まずそうに言うが、エクレールの一言で受け取りを決めた。
「ちなみに、レオ閣下を直接倒したお前が一番多いぞ」
エクレールが、ライがこんなことを言い出した。
「そういう理由なら貰っておくけど、今の金額が多い理由、オレはなんか不本意だな」
「え?」
「貴様、せっかく活躍しておいてその言い草は何だ!?」
エクレールがまたも機嫌を損ねながらライに問い尋ねる。
ライがこの報奨金のシステムで不本意だと言うのは、彼のモットーによるものだった。
「オレのモットーは『真面目にコツコツ、爺さんになるまで働く』なんだ。これだと、あんな遊びみたいな楽しい戦いで、活躍しまくったら億万長者みたいな感じだろ? オレのモットーに反するんだよ」
「え? ああ…」
「ごめんね。パパの家族ってわけありで、だからパパは平凡な人生を送りたいんだって」
エクレールがライのモットーを聞いて、リアクションに困っていた。
どうにか平常心を保ったエクレールは、咳払いして話を続けることにした。
「兵士達も楽しいから戦に参加している者も多いだろうが、褒賞金の支給は自分がどれだけ戦に貢献できたかが大切な目安だ。少なくとも参加費分は取り戻したいというのも本音だろうしな」
「え?! 参加費!?」
「か、金取るのかよ!?」
先程の戦に参加費が必要だと聞いてライもシンクも驚く。ちなみに、ミルリーフも驚いているが二人ほど大げさではない。先代の守護竜の記憶をついでから一気に大人っぽくなったミルリーフだが、メンタル面もそれに合わせて成長しているのが伺える。ライはそれを再認識することになったのだった。
「……これはかなり初歩的なことから話さんといかんな」
「お願いします」
「頼む…」
「おねがい」
そういう訳で、エクレールにフロニャルドの常識や戦に関する知識のレクチャーを頼むことになったのだった。