戦いはカットします。
「…陛下報告します」
ベルテルミーニ王国の王の間で俺は重臣からの報告を受けていた。
「泊の軍勢凡そ五十万が後数日で国境に到着するそうです」
結局進軍から一週間経つが未だに付いていない。それどころか国境にすら付いていない。
原因として士気の低さがある。それに毎日誰かの惨殺死体があったり物資が焼かれたりするので既に一万近くの人数が脱走していた。
その為ものすごく進軍速度は遅い。恐らく亀よりも遅いかもしれない。
それでも敵は一日もあれば付く距離を一週間以上かけて到着しつつある。そろそろこちらも動くとするか。
「将軍、集まった兵はどのくらいだ?」
俺は以前に指揮権を渡した将軍に声をかける。
「はっ!凡そ三十万程であります!正規兵で固めていますので三十万以上の活躍をしてくれるでしょう!」
「分かった。直ぐに集めた兵を率いて国境へ向かえ。敵を迎え撃つのだ」
「はっ!」
そう返事をして将軍はその場を後にした。一応他のものにも声をかけておくか。
「他の者も何が起こっても大丈夫なように準備を怠らないように」
「「「「「はっ!」」」」」
「それでは会議を終了する。何かあったときは近衛兵を通すように」
俺はそう言うと王の間を後にした。向かうは地下研究所だ。
カメラ型の幻魔が撮す映像には士気が高いベルテルミーニ王国の兵士がいた。
そこへ将軍が現れて出陣のことを説明した後声をあげて何かを言ったら兵士たちが武器を掲げて雄叫びをあげた。残念ながらカメラ型の幻魔は映像のみで音は通さなかった。今度盗聴用の幻魔でも作るか?
そう考えていると兵士が出陣していく。よし、早速始めるか。
俺は泊の軍勢に潜入中のスチラードに指示を出す。指示を出したら直ぐに映像を切り替える。撮すのは勿論泊の陣営だ。
現在泊は休息中のようでテントを張って焚き火を焚いている。その時陣営の中心地から大きな爆発が見えた。残念ながら音は分からないがきっとものすごい音だったに違いない。
爆発したのは火薬を置いてある場所。スチラードが爆発させたのだ。
ベルテルミーニ王国と違い泊は大砲や火縄銃を大量に配備しているためいくら正規兵で固めているベルテルミーニ王国軍でも厳しいものがあるだろう。だから今のうちに潰させてもらった。
更にその混乱に乗じてスチラードが兵士を切り殺している。中にはそれに気づいて止めようとするものもいるが人間より何倍も強い幻魔では一刀で切り殺されていった。
これで将軍が国境に付く頃には泊の士気はマイナスを越えるほど落ちているだろう。その状態で将軍が負けることはないだろう。もしかしたらその前に逃げるかもしれない。
後は将軍に任せるとするか。俺はギルデンスタンの開発に勤しむとするか。何かあれば知らせるように指示を出しているからな。直ぐに行動できるだろう。しかし、ここにいると俺が魔法少女リリカルなのはに転生したことを忘れそうだ。どちらかと言うと異世界に飛ばされたと思った方がしっくり来るな。…ん?転生している時点で異世界か?タイムスリップじゃないし。
…まぁ、その辺は考える必要はないな。今は原作に今のうちに備えて準備を怠らないようにするだけだ。
うちの将軍は上手くやってくれるかな?