リリカルな世界の転生者   作:鈴木颯手

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ここから少しずつ主人公が狂っていきます(今までも狂っていたが)。不快になる可能性もあるので注意してください。


第二十一話 狂う王、そして始まり

どれくらいこうしていたのだろう?

 

何秒か?何分か?何時間か?涙がかれるまで泣き続けようやく落ち着いてきたとき向かえと思われる幻魔が現れた。

 

恐らくギルデンスタンが配慮してくれたのだろう。そう考えると地下研究所は白董に占拠はされていない。もしくは侵攻してきていてもギルデンスタンは余裕があると考えるのが妥当だろう。

 

やがて地下研究所に存在する司令室に到着した。そこではギルデンスタンがモニターを見ながら指示を出していたが此方に気づき近づいた。

 

「おお!ご無事で何よりですハクア様。只今傷の方の手当てをさせていただきます」

 

ギルデンスタンにそう言われて俺は右肩を負傷していることを思い出した。道理で右手が動かないわけだ。

 

「現状は?」

 

「はっ、賊の頭の白董とはゾンビ及び幻魔といった此方の勢力の指揮権を剥奪しました。そのため白董勢力はアルテミラ皇国兵と裏切ったベルテルミーニ王国兵のみであります。そのため白董は地下研究所に侵攻はせずにここに続く道をふさいで通れないようにしています。また、カメラ型の幻魔は大半が潰されて残った者達を回収中です」

 

「分かった。留守の間の指揮ご苦労であった」

 

「いえいえ、臣下として当然の事です」

 

どこぞの賊とは違って、と小声でギルデンスタンは言う。恐らく白董のことをいっているのだろう。

 

しかし、白董はなぜ裏切ったのだ?…いや、どうでもいいか。

 

「ギルデンスタン。俺は壊れてしまったのかもしれない」

 

ギルデンスタンは不思議そうにこちらを見るが構わず続ける。

 

「俺はベルテルミーニ王国を大陸唯一の国にしたかったがもうどうでもよくなってしまった」

 

「白董は教育係としてずっと一緒にいたはずなのにな。俺をわかってくれていると思ったが違った」

 

「もしかしたらアルテミラ皇国が侵攻してきたのは白董が教えたからかもしれない。だったらアルテミラ皇国が侵攻してきた理由もわかる」

 

「だが、ミーナを殺すことはなかった。確かにミーナはベルテルミーニの王族だがなんの力も持たない優しい妹だった」

 

「俺はこんな妹のためにも平和な世を作り見せてやりたかった。…だが、ミーナはもういない」

 

俺はそこまで言って息を吸い込む。

 

「…ベルテルミーニ王国がこの時を持って消滅する。ギルデンスタン。幻魔を率いて王城の敵を皆殺しにせよ」

 

「そして各出入り口からタナトス感染者であるゾンビを解き放て。命令は人間を襲え、だ」

 

「ギルデンスタン。これが終わったら例の計画。幻魔化を頼む」

 

「…了解しました。直ぐに実行に写します」

 

ギルデンスタンはそう言ってその場をあとにした。

 

ギルデンスタンがいなくなり一人となった俺は呟く。

 

「白董…。お前のお陰で俺は壊れてしまったよ。人間を豊かにする必要はない。俺はこの大陸を幻魔界とするために動こう。そうすればこのような悲劇もなくなるだろう」

 

その呟きと共にモニターからは道をふさいでいたものを破壊して王城になだれ込む刀足軽の姿が写っていた。

 

人間よりも圧倒的に強い刀足軽によってアルテミラ皇国兵はなす統べなく殺されていく。

 

そして、各出入り口からゾンビが王城を中心に四方八方に散らばっていく。そして、その一部は兵を率いて戻ってきたベルテルミーニ王国軍と出会った。

 

「…フフハハハハハ。将軍。悪いな、もし生きていたら幻魔として使ってやるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フフハハハハハ。アハハはハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ !!

 

今日この時を持って人間が統べる世界は消える。これよりは幻魔が貴様らを支配する!そこには希望はない。絶望の中細々と生きていけ!

 

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