さて、前回は地下研究所を紹介したが今回はこの世界の情勢について記しておこう。
先ず小国である父が治めるベルテルミーニ王国は大陸の北東に存在している。その南側に泊という中国みたいな国がある。勿論中国みたいに巨大な国家だ。
大陸の反対側にはアルテミラ皇国という大陸最大の国家が存在している。他にも中小国家がちらほらとある。
ぶっちゃけリリカルの面影は全くない。魔法を使っていてもその事を忘れるときがあるよ。
今のところ大陸は平穏だ。ここ数十年滅びたくには存在しないらしい。
しかし、やはり中国みたいな国のせいか属国となった国はあるらしい。
ベルテルミーニ王国にもいつその魔の手が来ることやら。
しかもその泊からパーティーの誘いが来ていた。
父は今後のためにもそのパーティーに出席するらしい。そのため俺も行くことになった。弟?弟はお留守番だ。だが妹は連れていくぞ。いた方が楽しいからな。
「にいさま、私はパーティーが楽しみです」
俺の妹、ミーナ・ベルテルミーニは笑顔でそう言った。…天使だ。
「俺も楽しみだよ」
「にいさま、ダンスは一緒に踊りましょう」
「いいぞ」
「ありがとうございます」
そう言ってミーナは俺に抱きついてくる。…天使だ。
「…若、鼻血が出ています。みっともないですよ」
白董、邪魔するな。今いいところなのだから。
大陸で二番目にでかい国家のパーティーとあってとても豪華であった。このパーティーの会費だけでベルテルミーニ王国の一年の国家予算分は使っていそうだな。
「そなたがハクア・ベルテルミーニであるか」
そんな俺はとある男に話しかけられていた。見にまとった衣装が全然似合わないデブは偉そうに聞いてきた。俺としては今すぐ殴ってやりたい傲慢さだがそれはできない。こいつは泊の次期皇帝だからだ。何で俺みたいな奴に話し掛けてきのか不明だが。
「はい、そうでございますが皇子殿下はどのようなご用件で?」
「言わなくても分かっておろうに。これにサインをしろ」
そう言って差し出してきたのは一枚の紙。俺はそれを受け取り内容を確認すると皇子に返した。
「お断りします。これは我が国に傘下に入れという文章でしょう?ならばお断りします」
内容は属国になることを了承する紙であった。誰がそんなのにサインをするもんか。俺はベルテルミーニ王国を大陸で唯一の国にしたいのだ。
「貴様、分かっておるのか?我が国がひとたび動けば貴様のような小国なぞ直ぐに蹂躙できるのだぞ?」
「ええ、分かっています」
表向きはこいつのいうとおり蹂躙される運命にある。しかし、それはあくまで表向きの話だ。
「なら「しかし、我が国は貴国を恐れる理由がありませんからな。そのような運命にはなりませぬよ」き、貴様!我が国を侮辱するのか!?」
「おや、私は侮辱などしておりませんぞ?事実をもうしたまでです」
そう言うと皇子は顔を真っ赤にして戻っていった。俺は直ぐに父と合流。ことの顛末を話し急いで会場をあとにした。侮辱した以上殺そうとしてくる可能性が高かったからだ。
しかし、苛ついたからとはいえこれでミーナと踊ることは出来なくなってしまったな。
俺はミーナのそばにより話し掛ける。
「すまないミーナ、俺のせいでミーナと踊ることは出来なくなってしまった」
「構いませんよ、にいさま。私は国を思って言動したにいさまを最高に誇らしいと思っています。それにダンスは城に戻ってからでも行うことはできます。最もパーティーのような豪華さはないでしょうが」
「そうか…。なら戻ってからでも一緒に踊ろう」
「はい!」
ああ、やっぱりミーナは天使だ。
三日後泊から宣戦布告の使者が来た。そのとき再び傘下の話を持ち出してきたが父が突っぱねたため戦争開始となった。
今回は俺の蒔いた種でもあるからな。泊の連中の土肝を抜かしてやるぜ。
「若、ほどほどにお願いします」
いつのまにか後ろに現れた白董が注意してくる。もうこのやり取りも慣れたな。