意識が回復したとき俺はいつも寝ている俺の寝室に寝かされていた。
「あっ、お兄様お気付きになられましたか」
俺の意識が戻ったことに気がついたのか看病していたと思われるミーナが声をかけてきた。なるほど、ミーナが俺をここまで運んでくれたのか?幻魔となったミーナの力はかなり強いからな。俺くらいなら軽く持つことが出来る。
「お兄様にお客様が来たと言うのでお茶を持ってきたのですがお連れの人から模擬戦をやっているとき来ましたので見に来たら二人とも気を失っていたんですよ?」
どうやらエルバも気絶していたみたいだな。と言うことは引き分けか?
「お客様は別の部屋でお連れの方が看病しています」
「そうか…。ミーナには迷惑をかけたな」
「いえ、このくらいへっちゃらですよ。ただ、模擬戦を行うときは一言声をかけてほしかったです」
「すまない。何時もなら造魔がいるのだが今回はいなくてな。一体どこにいったのやら」
それにしてもエルバを連れてきてからギルデンスタンを見ていないな。
『ハクア様』
丁度ギルデンスタンの事を考えていたからなのかギルデンスタンから通信が入った。
『どうしたギルデンスタン?』
『東の海より大量の船が近づきつつあります。恐らく侵略しに来たのかと』
どうやら戦争が起こりそうだな。
『六人で化け物退治に向かわれその命を落とされたエルバ・アイン・シュテュルツィア様の仇を取るぞ!』
『『『『『おおぉぉぉぉぉぉぉ!』』』』』
カメラ型幻魔から送られてくる内容に俺はため息をつき隣にいるエルバは呆然としている。それもそうか。勝手に殺されたことになっているのだからな。因みにエルバは意識が戻ったところを指令室に行こうとしていた俺と偶然あってなんだかんだで一緒にくることとなった。
しかし、何でこいつらはここが化け物の島って気付いた?この大陸の抵抗戦力に渡航なんて不可能。それに海岸線には刀足軽達が目を光らせているんだ。逃げることなんてできやしない。
となると遠くから双眼鏡を使って見たか?船の上からでも海岸線にいる刀足軽はよく見えるからな。
「敵の数はおよそ十万。敵は船を密集させてこの大陸に向かって航行中です」
ギルデンスタンの報告に俺は考える。俺がスピリットを召喚すれば簡単に殲滅できるだろう。それが一番簡単だ。だが、ここは内陸にあるから海岸線につく頃には敵は上陸している可能性が高い。だが、他にいい方法もないしな。
「…仕方ない。ここは俺が出向くか」
俺は立ち上がり準備をする。途中エルバを見るがエルバは何かを考えているのか顔を俯かせていて表情がはっきりと見えない。
「ギルデンスタン、ここの守りは任せた。俺はこれから海岸線に向かう」
「承知しました」
俺はギルデンスタンの返答を聞かずに地上へと出る。それと同時に召喚をする。
「召喚、突機竜アーケランサー」
俺の声と同時にスピリット、いやブレイヴスピリットは召喚された。
こいつなら早そうだしな。カードにはジェット噴射してるし。
そういうわけで俺はアーケランサーの後ろに飛び乗り海岸線に向かわせる。アーケランサーはそれに答えるように直ぐに発車した。
俺の思った通りアーケランサーは早く何度も振り落とされそうになった。元々乗り心地も良くないしな。もっとも、アーケランサー自体がブレイヴスピリットって言うのもあるのだが。
何はともあれ十分もたたないで目的地である海岸線に到着した。早く来すぎたのか船団の姿は見えない。
となると海上での戦いとなるな。海上にいそうなスピリットとなると青か。一応何体かいるしな。
「四つの鮫首を持つ竜よ!武きその身を持って侵略者を滅ぼしたまえ!鮫首竜シャークハイドラ、召喚!」
俺の言葉と同時に現れるは四種類の鮫の首を持つ巨大な龍。海上版ヤマタノオロチと言えるその姿。俺は命じる。
「シャークハイドラ!この大陸に向かってきている船団がある!それをまとめて沈めるのだ!勿論見方と協力してだ!」
シャークハイドラは返事をするように雄叫びをあげて海へと入っていく。それを見届けて俺は更に召喚する。
「召喚、ミゴー、ヤリスキッド」
俺の言葉と共に新たに召喚されて海へと入っていく。これだけいれば殲滅できるだろう。後は簡易モニターから様子を見るか。