「グレゴール…」
俺は今は亡きグレゴールを思う。
報告が届いたのは一月前。グレゴールの死は予想以上に俺の心に響いた。
指令部配置の生き残りによると覇王以下少数精鋭による完全な指令部への奇襲でマーセラスが動く前に覇王によってグレゴールは殺されたらしい。その後はマーセラスと戦闘になるが傷を負いながらも全滅させ、指令部にいた者のほとんどを殺し暗闇に乗じて逃げていったらしい。
ベルカ侵攻の状況はグレゴールがうまく進めていたみたいでベルカにあった国の大半が滅び現在は聖王連合の友好国家であるシュトュラの国を防衛戦としてかろうじて防いでいる状態であったがグレゴールが戦死したため幻魔の指揮に不具合が乗じシュトュラが反撃に出たこともあり次第に劣勢となっていったらしい。
既に前線はかなり押されてしまったが俺が到着したことで崩壊だけは食い止めることが出来た。
因みに俺が連れてきた軍団は
造魔
・銃足軽×20000
・砲足軽×10000
・刀足軽×50000
・ドルドー×100
・アサシン×5000
幻魔
・バズー×100000
・バラバズー×10000
・ガッチャ×5000
・バーサー×10000
ゾンビ多数
タナトス改生物多数
合計二十万ごえの大軍勢だ。流石にこの数を揃えるのはきつかったので侵攻が終わった大陸から連れてきた奴もいる。更にマーセラスと同じく新型のドルドーも全て連れてきた。これだけあればベルカなど鎧袖一触にしてくれる。
「敵の増援!?」
シュトュラの王城で国王でもある父の言葉に覇王クラウス・イングヴァルドは驚きの声をあげた。
「そうだ。どうやら敵は他の大陸にも軍勢を出しているらしくシュトュラと関係のあった他大陸の国と連絡がつかなくなった。恐らく既に滅ぼされている可能性がある」
「そして敵の指令部を倒したことにより敵は更なる増援を出した、と言うことですね?」
シュトュラ国王の言葉を繋ぐように聖王連合から留学してきていたオリヴィエ・ゼーゲブレヒトは聞いた。
クラウスと共に各地で武功を挙げているオリヴィエは既にシュトュラの一員と思われておりクラウスと共に来ていた。
シュトュラ国王はオリヴィエの言葉にうなずく。
「そうだ。敵は異形の軍勢、未だに情報は不足している。分かっていることと言えば人間よりも頑強な肉体、決して裏切らないある程度の思考能力、そして一部が操る科学技術。今までは敵の数が少なかったため何とか持ちこたえてきたが…」
「敵の増援はどの程度の数なのですか?」
シュトュラ国王の表情に状況は良くないと悟ったオリヴィエは敵についての情報を聞いた。
「…合計二十万」
「二十万!?」
「それもあくまで異形の軍勢の数だ。ゾンビはそれよりも多く全体で五十万は軽く越えていると思われる」
予想以上の数にオリヴィエもクラウスも唖然としてしまう。
それもそのはずである。シュトュラの人口は戦乱続きのため一千万程度でありベルカで最も強大な聖王連合でさえ億に満たないのだ。そのため軍勢も十万を越える数はなく、それ以上兵を揃えるのは難しかったのである。
「そのため聖王連合はゆりかごの復活を宣言されゼーゲブレヒトの者を呼び戻している」
「ということはヴィヴィも?」
「いや、オリヴィエ殿下への出向は聞いておらんので大丈夫とは思うが…」
「そう、ですか」
シュトュラ国王の言葉にクラウスは安心したようで胸を撫で下ろしている。
「とにかく、ゆりかごの起動までは今まで以上に激戦となるだろう。恐らく敵も奇襲を警戒しておると思われ、前のようにうまくいくとは思えない。引き続き警戒を怠らないように」
「「はっ!」」
「私からは以上だ」