太正?大正だろ?   作:シャト6

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第十五話

おっさんの回復傾向も順調の中、日に日に暑くなってくる日を感じながら、俺とさくらと大神は陸軍病院に来ていた。

 

大神「…ふう、暑いなあ。支配人のお見舞いに来るのも一苦労だね」

 

さくら「もう、すっかり夏ですね」

 

大輔「確かにな。けど、さくらは随分と涼し気な格好してるな」

 

さくら「うふふっ、サマードレスっていうんです。似合ってます、大輔さん?」

 

大輔「まあな。普段見れない格好だから、新鮮だわ」

 

大神「そうだね。よく似合ってるよ」

 

さくら「ありがとうございます。大輔さん。大神さん」

 

大輔「取り敢えず着いたんだし、とっとと中に入ろうぜ」

 

大神「そうですね」

 

病院の中に入ろうとすると…

 

「わんわん!」

 

さくら「…あら?」

 

「わん!」

 

さくら「わあ、かわいいワンちゃん。よしよし」

 

大輔「首輪はしてないな」

 

大神「じゃあノラ犬ですね」

 

「わんっ!」

 

するとノラ犬は、俺達から離れていった。

 

さくら「かわいい子犬でしたね…あの子…帝劇で飼えればいいんですけど…」

 

 

 

 

 

 

プーッ!!ププーッ!!!!

 

 

 

 

すると車道に出てしなった子犬めがけて、車が突っ込んで来ていた。

 

大神「危ない!」

 

大神は車道に出て、子犬を抱きかかえなんとかって事なきを得た。

 

大輔「大神!」

 

さくら「大神さん!」

 

俺とさくらは急いで大神とノラ犬に駆け寄った。

 

大輔「無事か?大神」

 

大神「…ええ、なんとか」

 

さくら「…よかった」

 

「待て!」

 

安堵してる俺達に、車を運転してた奴が降りてきた。そいつは軍服を着ていた。

 

大輔(あの軍服は…米田のおっさんと同じ、陸軍の軍服だな…)

 

「我々の車の前に飛び出してくるとは貴様、どういうつもりだ!?我々が怪我でもしたらどうするのだ!?返答次第ではただでは済まさんぞ!」

 

はっ?この軍人何言ってんだ?ノラ犬の事より、自分たちの方が大事ってか?

 

大神「しかし…あのままではあなた達に車が、この子犬を引いてました」

 

「何だと?貴様……我々より犬コロの命の方が大事だとほざくかっ!!」

 

大輔「……」

 

さくら「ちょっと待って下さい!皆さん、いくらなんでも失礼じゃありませんか!?」

 

「貴様たち…帝国軍人に向かって、その口のききかたは何だ!?」

 

口の利き方も何も…何言ってんだこの馬鹿は?

 

大賢者『告。この時代における軍人の権力は、かなり高いものと思われます』

 

大輔(いや、いくら軍人の権力が高いとはいえ、一般人に高圧的な態度とるか?普通…それとも、米田のおっさんとかあやめやかえでがおかしいってのか?)

 

大神「その階級…陸軍の将校だな…」

 

「ほう…貴様も軍属か?階級と名を名乗れ」

 

大神「お前達に名乗る名はない!」

 

「何だと、貴様!!」

 

「…待て。この顔には、見覚えがあるぞ。女ばかりの腐れ部隊、帝国華撃団の隊長…大神一郎だな?」

 

ほう…大神を馬鹿にするだけでなく、さくら達花組の連中をよりにもよって腐れ部隊ときたか……

 

「貴様…昼間から女を連れてチャラチャラと出歩き…あまつさえ、我々の行く手を遮ろうとは言語道断!よって、鉄拳制裁を加える!貴様のような奴が、日本を駄目にしているのだ!!」

 

さくら「そんな…言いがかりだわ!大神さん!加勢します!!」

 

大神「待つんだ、さくらくん!ここで騒ぎを大きくすると、陸軍と海軍の問題になる。米田支配人のいない今…揉め事はまずい」

 

「ふん、どこまでも腑抜けな男め!では、いくぞっ!」

 

すると男は、大神を思いっ切り殴った。

 

さくら「大神さん!」

 

「待てっ!」

 

すると、車に残ってた男が降りてきた。そして、大神はその男を見て驚いていた。

 

大神「あ、貴方は!?」

 

「……」

 

「貴様、無礼な!陸軍大臣、京極慶吾閣下に敬礼をせんかっ!」

 

大輔「へ〜…あなたが陸軍大臣、京極慶吾閣下ですか」

 

「何だ貴様は!民間人が、閣下の名前を気安く呼ぶでない!」

 

京極「よい。貴方が、大神一郎少尉ですか。いい眼を…していますね」

 

大神「……」

 

京極「そしてあなた…やはりお父上の面影がありますね。真宮寺さくら…」

 

さくら「えっ!?お父様…お父様を知っているんですか…!!」

 

京極「ええ…あの方も哀れなものだ。きっと…今頃は…馬鹿な死に方をした…無駄死にをした…とあの世で悔いて…ゴハッ!!」

 

大輔「それ以上喋るな。耳障りだ」

 

俺は京極に腹パンをお見舞いする。

 

大神「森川さん!!」

 

さくら「大輔さん!?」

 

「き、貴様!京極閣下になんてことを!」

 

部下が殴りかかってくるが、俺は大神の分も含め、少し強めに顔面を殴った。すると案の定、殴りかかってきた奴は伸びてしまった。

 

大輔「チッ…加減してこれかよ…」

 

京極「なん…だと…」

 

大輔「ま〜そんな事はどうでもいいか。んで陸軍大臣の京極慶吾閣下。誰の父親が無駄死にだって?誰の父親が馬鹿な死に方をしただって?悪いが、もう一度、俺に、聞こえるように、言ってくれるか?」

 

蹲ってる京極の髪を掴んで、俺は顔を近づける。

 

京極「何度でも…言ってやるさ。真宮寺一馬は…無駄死を…ガハッ!!」

 

大輔「悪い。全然聞こえないもんだわ。もう一度どうぞ。repeat?」

 

京極「…クッ」

 

さくら「大輔さん!もう止めてくだだい!」

 

大神「そうです!それ以上にすれば、森川さんの立場が!」

 

大輔「……」

 

大賢者『告。真宮寺さくらと大神一郎の言う通りです。マスター』

 

…分かったよ。

 

大輔「大神とさくらに感謝するんだな」

 

俺は掴んでた髪を離した。

 

京極「この屈辱…忘れんぞ!」

 

大輔「別に忘れんでもいいわ。文句あるなら、俺個人にしろよ?これで帝劇や華撃団に文句言ったら…潰すからな?」

 

京極「クッ…戻るぞ!」

 

「ハッ!」

 

そして京極は、車に乗り込んだ。

 

京極「…名を聞いておこう」

 

大輔「森川大輔。劇場近くで飲食業をしてる、しがない料理人だ」

 

京極「森川…大輔…その名、覚えておくぞ」

 

そして京極達を乗せた車は、出発していった。

 

大輔「さてと…取り敢えず大神に肩貸すか」

 

俺は座ってる大神の右腕を掴んで、自分の方に回した。

 

大神「森川さん…」

 

大輔「お前が気にすることはない。お前が人として当然のことをしたんだ。それに関しては、誰にも文句は言わせねぇ…」

 

さくら「大輔さん…」

 

そして俺達は、米田のおっさんが入院してる病室に向かったのだった。途中で大神の治療をお願いしたのは当然である。

米田司令が狙撃されたが、森川も命を狙われるかどうか

  • 米田と同じく、狙撃されて一時的離脱
  • 【輪廻を調整されし者】だから、狙撃しても
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