太正?大正だろ?   作:シャト6

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第十六話

さくら「…許さない。お父様を愚弄するなんて…あたし、決して許さない!!」

 

大神「…さくらくん」

 

大輔「気持ちは分かるが、少し落ち着けさくら」

 

さくら「でも!」

 

大輔「なんで俺が、態々出張ったと思ってんだ。お前や大神だと、問題がある。だが、俺だと一個人の男が、知り合いを馬鹿にされて殴った。そうすれば、陸軍と海軍、帝国華撃団にそこまで大きな問題が起きないと思ったからだ」

 

ま、完全に問題が起きないとは限らないがな…

 

さくら「分かってます…でも…」

 

大輔「ま、今はそれだけ覚えてくれてりゃいいさ」

 

さくら「…はい」

 

大神「さて、そろそろ米田支配人の病室だ」

 

おっさんが入院してる部屋に到着すると、中から話し声が聞こえてきた。

 

『申し訳ありません、長官。我々が至らないばかりにこの様な事に…』

 

大神「…ん?支配人の病室に誰かいるみたいだ。…話し声が聞こえる」

 

米田『気にするこたあねぇよ。俺もあんな所でも撃たれるとなんて、夢にも思わなかったしな。俺もまた、しぶとく生き残ったってわけだ。ワハハハハ!…さあ、お前も自分の仕事に戻れ。いつまでもクヨクヨするな』

 

『…分かりました。引き続き、任務に戻ります。では、失礼いたします』

 

話が終わったらしく、部屋から白スーツの男が出てきた。

 

「くそっ…俺がついていながら…」

 

大神「加山じゃないか…」

 

加山「のわぁっ!?お、大神ぃ!…い、いやぁ、大神!海はいいなあ。やはり夏といえば海だなぁ」

 

うわ〜…話の逸らし方露骨すぎるだろ…

 

大賢者『……』

 

みろ。あまりの露骨さに、大賢者ですら黙ったぞ。

 

大神「夏の海か…確かに…いいなあ」

 

大輔(お前はお前で、何受け入れてんだよ!)

 

頭痛くなってきた…

 

加山「そ、そうだろう、大神!やっぱり夏の海は最高だよなあ!いやあ、理解のある友人を持って、俺は幸せだなあ。そ、それじゃあ、俺はこれで失礼するよ。【病も気から落ちる】米田支配人には、お元気にと伝えておいてくれ。じゃあ!」

 

大神「それを言うなら【病は気から】じゃないのか?」

 

さくら「加山さん…っておっしゃるんですか?面白い方ですね」

 

大輔「……」

 

大神「まあ、面白い奴であることは間違いないな」

 

あれを面白いで済ませるお前達も凄いよ…ホント。んで、ようやくおっさんの部屋へ入った。

 

米田「…おぅ、お前達か」

 

さくら「こんにちは、米田支配人」

 

大輔「見た感じ、元気そうでなによりだ」

 

ま、俺はおっさんの経過を知ってるから、そこまで心配してないがな。

 

米田「ところで大神。その傷はどうした?」

 

大神「え…ええっ。少し転んでしまいまして」

 

言いにくそうに言い訳するな。こいつは…

 

さくら「…大神さん。やっぱりあたし、我慢で来ません!」

 

米田「…何があった?」

 

さくら「実はさっき…」

 

さくらは、先ほど起きた事を包み隠さず、おっさんに伝えた。

 

米田「…なるほどなぁ。森川、お前暫く外出は控えろ」

 

大輔「どういう事だ?」

 

米田「京極慶吾は…若くして陸軍大臣の地位まで駆け上がった男だ。世間じゃ、軍縮が叫ばれてるのによ、【軍部による統治国家】って、過激な思想を提唱してな。血気盛んな、一部の陸軍青年将校達の支持を集めてるって話だ」

 

大輔「なるほど。今回の俺の件を聞いた、その一部連中が何かしてくる可能性があるって事か」

 

米田「そういう事だ。ま、お前さんの場合、俺みたいにヘマをするとは思わないが…」

 

「せやな。大輔はんには、暫く外出とか控えてもろた方がええかもしれへんな」

 

すると、廊下から声が聞こえてきて、その人物が入って来る。ま、声を話し方で誰かはすぐ分かったがな。

 

大輔「紅蘭か。随分と久し振りだな」

 

さくら「ホントですね」

 

大神「久し振りだな。紅蘭」

 

紅蘭「どうも御三方。久し振りやな。ようやく花やしきの方が終わったから、復帰する前に米田はんの所に来てみたら、大輔はん達がおったさかい」

 

米田「おう紅蘭。来たのか。ま、さっきの話だが、大神はよく我慢したな。あそこでお前が手を出してたら、最悪陸軍と海軍との内戦が起こるとこだ」

 

大神「はい。だから自分の代わりに森川さんが…」

 

米田「ま、大神が手を出すよりはマシだが…できればお前にも我慢して欲しかったな。森川?」

 

大輔「流石に、自分の女の家族を馬鹿にされたらちっとな」

 

さくら「そうです!あいつはお父様の事も…」

 

米田「そうか…一馬の事を…何か言ったか…。ま、森川は既に遅いが、他の連中はちっと辛抱してくれ。ヤツの挑発に乗っちゃいけねぇぜ…いいな」

 

さくら「でも…」

 

米田「おっと、もう回診の時間か。三人とも、今日は俺の見舞いで酷い目に合わせたな」

 

大神「…い、いいえ」

 

米田「俺の方はいいから、おめえらももう帰れ。これじゃゆっくり酒も飲めやしねぇ」

 

おいおい…

 

紅蘭「米田はん、怪我人なんやから程々にせなあかんで。ほな、また来るわ!」

 

大神「では支配人、これで失礼いたします」

 

米田「おうよ…あ〜、待て。森川、大神。お前達はちと残れ。話がある」

 

大神「は、はい」

 

さくら「じゃあ、私と紅蘭は外で待ってます」

 

そしてさくらと紅蘭は部屋を出て行き、俺とおっさん、大神の三人だけになった。

米田司令が狙撃されたが、森川も命を狙われるかどうか

  • 米田と同じく、狙撃されて一時的離脱
  • 【輪廻を調整されし者】だから、狙撃しても
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