あれから3日が経ったが、特にこれといった進展はない。スパイ衛星も飛ばし、銀座中にあるカメラで劇場や花組の連中を監視してるが、俺達が話してからその男は姿を見せなくなった。
「何で急に姿を見せなくなった?しかも俺らが話した翌日から。タイミングがよすぎる」
念のために、オペレーター達も数人街で情報を集めに行かせている。顔が同じだから、髪型や服装を変えさせてるけどな。
「とにかく、今は情報が手に入るのを待つしかないか」
そして俺は、普段通りに店を開けるのだった。そこから更に3日後、おっさんから電話がきた。聞くと、遂に花組の連中の私物が無くなったらしい。被害はさくらとすみれ、そして紅蘭の3人だ。さくらはリボン、すみれはチョーカー、紅蘭はスペアの眼鏡を盗まれたそうだ。俺は早速地下に行き、この6日間の様子を確認する。すると、夜中に劇場に忍び込んでる影を見つけた。
「やっぱ侵入してたか」
オペレーター「はい。犯人はこの日に運ばれた荷物の中に潜伏しており、そこから中庭を通り2階の花組の部屋に向かっています」
「しっかしコイツの動き、素人じゃねぇな。動きに無駄がねぇ」
モニターに映ってる犯人の動きは、素人じゃ絶対にできない動きだ。この時間は、大神の奴が巡回している。それを掻い潜っている。あいつは海兵であり花組の隊長だ。気配には特に敏感なはずだ。それに、侵入した紅蘭やすみれはともかく、さくらに限っては余程の事がない限り気配に気づくはず。
「それに気づかないって事は…少し厄介だな」
素人の犯行じゃないとすると、対応できる奴は限られるな。
「とにかく、米田のおっさんとあやめに話しておくか」
俺はさっきの動画を持って、大帝国劇場に向かった。花組の連中は、次の舞台の稽古中らしい。ま、此方にとっては都合がいいがな。
「おっさん、入るぞ」
中に入ると、おっさんが酒を飲んでいた。
「昼間っから飲んでんじゃねぇよ。ったく」
米田「別にいいだろう。で、珍しいな。お前さんが連絡も寄越さず来るなんてよ」
「ああ。大至急あんたの耳に入れとかなきゃなんねぇ内容でな」
米田「……」
すると先程までの酔っ払い顔から一転、真剣な表情へと変わった。流石は陸軍中将だな。酒は飲んでも飲まれるなって事か。
米田「それで、その内容ってのは?」
「これを見てくれ」
俺は持ってきた映像をおっさんに見せる。
「まずは、俺が独自に撮影させたカメラの映像だ。日付は、さくら達の物が盗まれた日の深夜だ」
米田「おいおい、まさか荷物の中にいやがったとは」
「この荷物は、この日に運ばれた物だ。おそらく、何かであんた等が使う荷物を調べて、隙を見て紛れ込んだんだろう」
米田「なるほどな。次から、人が入れそうな荷物は全部チェックしねぇとな」
「まぁ頑張んな。で、ここからの行動だが…」
荷物から出て素早く中庭に出、そこから壁をつたってさくら達の部屋の窓に近づく男。その男の動きを見ておっさんは驚く。
米田「おいおい…こいつは素人の動きじゃねぇな」
「ああ。それに、大神の見回りもうまいこと回避している。だからさくらは、部屋に侵入されても気づかなかったんだ」
米田「相当な手練れだな」
「だろうな」
すると、支配人室のドアがノックされる。
米田「開いてるからへぇりな」
あやめ「失礼します」
来たのはあやめか。
あやめ「あら、貴方も来ていたのね」
「ああ。おっさんに話があったからな」
米田「それであやめ君、何か用か?」
あやめ「はい。実は、最近この近くでネズミ小僧が出てるそうなんです」
米田「ネズミ小僧だぁ?」
あやめの言葉に、米田は驚く。
あやめ「なんでも、ここ最近現れたみたいで、被害もかなりなものだったそうです。宝石は勿論、一部のファンには貴重な物まで盗んでいるそうです」
「「!?」」
あやめの言葉に、俺とおっさんは顔を見合わせる。
米田「もしかすると…」
「ああ。その可能性は大いにあり得る」
あやめ「あの…」
「あやめ、これを見てくれ」
俺は、先程おっさんに見せた映像をあやめにも見せる。
あやめ「これは…」
「お前も分かるだろ?動きが素人じゃないと」
あやめ「ええ」
米田「おそらくだが、先程あやめ君から聞いた、ネズミ小僧に違いねぇ」
「だろうな。一部のファンには貴重な物も盗む。さくらのリボン、すみれのチョーカー、紅蘭の眼鏡。ファンにとっては喉から手が出るほど欲しい代物だ」
米田「となると、もしかするとまた来るかも知れねぇな」
十中八九来ると思うぜ。
「来るだろな。さくら、すみれ、紅蘭のは入手済み。となれば残りのマリア、カンナ、アイリスの3人の持ち物を盗むだろうよ」
あやめ「3人には、特に警戒するように伝えるわ」
「いや、それは無理だろう」
3人に伝えに行こうとするあやめを止める。
「大神やさくらといった、普段から稽古してる連中ですら気づかないんだ。警戒したところで、マリアやカンナも同じだろうよ」
あやめ「ならどうすれば」
どうすっかなぁ。…!そうだ。
「おっさん、1つ提案があんだが」
米田「提案?」
「ああ、それはな…」
俺は思い付いた事を2人に話す。
米田「なるほど」
あやめ「本当に上手く行くかしら?」
「なにもしないよりいいだろう」
米田「そうだな。よし!それでいこう」
こうして、俺の案が採用となった。さて、ネズミ小僧だかなんだか知らねぇが、チョーシに乗った事を後悔させてやるよ。
織姫とレニに対して
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大輔に織姫&レニ両方
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大輔に織姫。大神にレニ
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大輔にレニ。大神に織姫
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大神に織姫&レニ両方