太正?大正だろ?   作:シャト6

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第三話

飯も食い終わり、店も開店した。客は疎らだが、貯蓄もかなりあるから心配していない。すると、店の電話が鳴る。

 

「はい、もしもし?」

 

米田『森川か?』

 

電話の相手は米田のおっさんだ。

 

「米田さん?どうかしたんですか?」

 

客がいるので、言葉も丁寧にする。おっさんもそれが分かってるから特に何も言ってこない。

 

米田『実はな、昼間言った一馬の娘が何処かに行っちまってよ』

 

「娘?あぁ、昼間話していた人ですか。何処かにって、何かあったんですか?」

 

昼間言ってた奴か。けど、確かあそこ(劇場)に住まわせるんじゃなかったのか?

 

米田『ああ。名前は真宮寺さくらってんだが、さくらの奴、今日劇場で迷って舞台中裏に行っちまってよ』

 

「舞台にですか!?」

 

米田『そうだ。んで、すみれの奴が怒っちまってよ。今じゃ他の連中達の間でも邪魔者扱いになっちまってるんだ』

 

おいおい、もう既に問題起こしてんのかよ…

 

「そうですか」

 

米田『そこで悪いんだが、もしさくらを見つけたら今夜はお前の所に置いてやってくれないか?』

 

いきなり押しつけかよ!けどまぁ、まだ直接話してないが、協力するって決めたしな。

 

「分かりました。もし見かけたらこちらでお預かりします」

 

米田『すまねぇ』

 

「いえ、別に構いません。彼女の特徴を教えてもらえますか?」

 

米田『ああ。ピンク色の着物に赤色の袴を着てる。髪の色は黒で後ろで纏めてる。赤色のリボンをしてる』

 

「なるほど…分かりました。店が終わり次第此方でも捜します。それでは」

 

そして電話を切る。

 

「マスター、誰からだったんだ?」

 

客の一人が話しかけてきた。

 

「お得意様ですよ。少し問題が起きたらしく、協力してほしいと」

 

「か~っ!マスターは優しいねぇ!!」

 

「ホント!ウチのカカァにも見習ってほしいぜ。んじゃ、ごちそ~さん」

 

「ありがとございました」

 

店に残ってた最後の客も帰っていった。

 

「さて、片付けて一応散歩ついでに探してみるか」

 

店の片づけをさっさと終わらせて、俺は銀座を歩き回った。服装はおっさんに聞いた感じだと、結構目立つ色みたいだから見つけやすいだろ。と思ってると、簡単に見つかった。

 

「あいつか。っておいおい、フラフラして危なっかしいな」

 

足取りがフラついており、いつ人とぶつかってもおかしくない。そしたら案の定人とぶつかっていた。

 

「イッテ!どこ目ェつけてんだ!!」

 

さくら「あっ…」

 

「何とか言えよこの女!!」

 

2人組の男が、真宮寺に文句を言う。

 

「はぁ…」

 

俺は溜息を吐きながら側に行く。

 

「探しましたよ真宮寺さん」

 

さくら「えっ…」

 

「何だテメェは?」

 

「すみません。彼女少し疲れていまして…」

 

「なら、お前がどうにかしてくれんのか?あぁ??」

 

柄悪い奴だな。今はサングラスもしてないからあんましビビらないか。面倒だが、少し脅しておくか。

 

「何とか言え…!?」

 

「おい、どうし…!?」

 

男2人組は途中で言葉を止めた。ってか止めさせた。

 

「…あんま調子に乗るんじゃねぇぞ?殺されてぇのか?あぁ??」

 

俺は2人の耳元でそう呟く。

 

「「すす、すみませんでした~!!!!」」

 

それにビビって、さっさと逃げてしまった。

 

「…ビビんなら最初っからすんなよな」

 

小声で文句を言っておく。

 

「さて、大丈夫ですか?」

 

さくら「あの…」

 

「おやおや、顔が少し腫れていますね?ウチの店に来てください。そこで治療しますので」

 

さくら「で、でも…」

 

「いいですから」

 

俺はそう言うと、真宮寺が持っていた荷物を強引に持ち、一緒に俺の店兼家に連れて帰った。店に帰ると、カウンター席に真宮寺を座らせ、水で濡らした布巾で腫れている頬を冷やしてやる。

 

「少し痛いかもしれませんが、我慢してくださいね」

 

俺は出来るだけ優しく真宮寺の頬を拭いてやる。すると、真宮寺が布巾を持った俺の手を握ってきた。

 

「おっと、痛かったですか?」

 

そう聞くと、真宮寺の目に涙が溜まっていく。

 

さくら「うっ…うわああああああああああん!!!!!!!」

 

俺の胸でとうとう泣き出しだしてしまった。

 

(おいおい泣いちまったぞ!?マジで向こうの連中何やったんだよ!泣くまで追い詰めたのか!?)

 

流石の俺も泣き出すとは思わなかったので、かなり動揺してしまった。そのまま泣きつかれて寝てしまった真宮寺は来客用の部屋に寝かせた。1階に降り、米田のおっさんに電話する。一応保護したから報告しとかねぇとな。

 

米田『もしもし?』

 

「米田のおっさんか」

 

一方、帝劇では米田とあやめが話をしていた。

 

 

 

 

 

 

【米田side】

 

米田「しかしまぁ、派手にやってくれたもんだ」

 

あやめ「申し訳ありません。光武の欠陥を見抜けませんでした。いくらさくらの霊力に反応したとはいえ、あれ程の暴走を」

 

米田「違う…恐怖だよ」

 

あやめ「えっ?」

 

俺はそう答えた。

 

米田「降魔戦争の時さ。君も恐怖したろ?恐怖は霊力を増幅させる…だが、問題はそれを制御する心だ」

 

そんな話をしてると、電話がかかって来た。

 

米田「もしもし?」

 

『米田のおっさんか』

 

米田「オメェさんか。どうしたんだ?」

 

『真宮寺をこちらで保護した。一応その連絡をと思ってな』

 

米田「そうか…さくらが見つかったか」

 

俺の言葉を聞いて、あやめ君もホッとしている。

 

『後、そっちの連中…真宮寺に何したんだ?』

 

米田「何って何だ?」

 

『真宮寺の奴、頬を腫らしてて、それの治療中に泣きだしたんだぞ』

 

米田「そうか…」

 

森川の言葉を聞いて、俺は心が痛んだ。

 

『そっちの事をとやかく言うつもりはないが、泣くほど追い込んでやるなよ』

 

米田「…すまねぇな」

 

森川の言葉にぐうの音も出ねぇぜ。

 

『で、どうするつもりだ?』

 

米田「俺達にはさくらの力が必要なんだよ」

 

『……』

 

俺の言葉に、森川は黙っていた。

 

『そっちにも色々と事情があるみたいだが、あんな風になるのはどう考えてもおかしいだろ。一体そっちで何があったんだ?』

 

米田「……」

 

俺はアイツの質問に答える事が出来なかった。アイツとは長い付き合いだ。だが、一般人に俺達の秘密を喋るわけにはいかねぇ。

 

『…何か話せない理由があるみたいだなおっさん』

 

米田「…ああ」

 

『そうか…ま、そっちの事情もあるだろう。別に無理には聞かねぇよ。けど、どうするんだ?今の状態じゃ真宮寺が戻っても上手くいかないだろ?』

 

米田「それは…そうだが」

 

森川の言う通りだ。仮に今さくらが戻って来ても、他の連中が受け入れない事には意味がない。

 

『…ま、真宮寺が戻る気になるまで預かっててやる』

 

米田「いいのか?」

 

『ああ』

 

米田「すまねぇ」

 

『別にいいさ。戻ってまたいざこざが起きたら、俺も気分が悪いしな』

 

米田「恩に着る」

 

『気にすんな。それじゃあな』

 

そして森川は電話を切った。

 

あやめ「あの…米田支配人」

 

米田「なんだ?」

 

あやめ「いえ、先程話されていた方は一体?」

 

米田「ウチの近くにある“オアシス”の店主だよ。暫くの間、さくらの面倒を見てくれるってよ。今戻ってもややこしくなるだろうってな」

 

あやめ「そうでしたか」

 

俺の言葉を聞いて、安心した表情になるあやめ君。あやめ君もアイツとの付き合いは長いからな。どんな奴か知ってるから安心したんだろう。

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、俺の店…

 

 

 

 

 

 

【主人公side】

 

「……」

 

俺は、店にある応接室で1人考えていた。何をかって?あの真宮寺の事だよ。

 

「…少し調べてみるか」

 

俺は地下に行きモニターを起動する。昔おっさんや藤枝と同じ部隊に所属してたらしいから、軍のデータベースをハッキングすれば情報はいくらか出るだろ。

 

「こりゃ最悪徹夜だな…」

 

そんな事をボヤいてしまう俺であった。翌日、調べ物もひと段落し上に行きコーヒーを淹れる。すると、2階から真宮寺が降りてきた。

 

さくら「おはようございます」

 

「おはようございます真宮寺さん。昨日はよく眠れましたか?」

 

さくら「はい。ありがとうございます」

 

「それは良かった。今コーヒーを淹れているんですが、飲まれますか?」

 

さくら「コーヒーですか?」

 

少し微妙な表情をしたな。あんまりコーヒー得意そうじゃなさそうだな。しゃあない、日本茶淹れてやるか。

 

「コーヒーは苦手みたいですね。でしたら、丁度頂き物の日本茶の茶葉がありますのでそちらの方にしましょうか」

 

さくら「す、すみません」

 

「いえいえ、苦手な物を無理矢理飲ませる訳にはいきませんからね」

 

取り敢えず、お湯は沸かしてるし充分足りるだろ。やかんからお湯が沸き、コーヒーと日本茶に注いでいく。

 

「どうぞ。少し待てば飲めますので」

 

さくら「あ、ありがとうございます」

 

真宮寺はカウンター席に座り、俺は湯呑と急須を置く。

 

さくら「両方できるまで時間がかかりそうですね」

 

「そうですね。ゆっくりと待ちましょうか」

 

俺達はのんびりとコーヒーと日本茶が出来るのを待った。俺はこののんびりとした時間が結構好きなのだ。暫くして両方完成したので飲む。徹夜明けには効くな…

 

「真宮寺さん」

 

さくら「さくらでいいですよ。えっと…」

 

「ああ、すみません。まだ自己紹介していませんでしたね。私はこの店のオーナーをしてます森川大輔といいます」

 

さくら「じゃあ、森川さんと呼ばせてもらいますね」

 

「ええ」

 

お互い自己紹介を済ませた。ま、俺だけだがな。

 

「それでさくらさん。今日はどうなされるんですか?」

 

さくら「私は…皆さんにキチンと謝りたいんです」

 

「それでしたら、後程劇場に行かれるんですね?」

 

さくら「はい!」

 

「頑張ってください。一応、荷物はそのままでも構いませんので」

 

一階の隅に置いてるさくらの荷物を指差す。

 

さくら「そんな、悪いですよ」

 

「いえいえ、気にしないで下さい。上手く仲直り出来たら取りに来てくれれば構いません」

 

さくら「じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」

 

「そうして下さい。では、朝食の準備をしますので着替えてきて下さい」

 

さくら「何から何まですみません」

 

そしてさくらは、二階に着替えに行った。

 

「さて、さっさと飯作って調べ物の続きをするか」

 

俺は朝食の準備に取り掛かった。さくらもいるし和食だな。そんな事を思いながら俺は調理を始めたのであった。

米田司令が狙撃されたが、森川も命を狙われるかどうか

  • 米田と同じく、狙撃されて一時的離脱
  • 【輪廻を調整されし者】だから、狙撃しても
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