俺は店に戻ると、早速料理に取り掛かる。
「さて、花見だし本格的な料理は向こうが作るだろう。なら、軽いものでいいか」
となればあれを作るか。料理が決まりテキパキと作る。暫くすると店に誰かがやって来た。
さくら「こんばんは」
「こんばんはさくらさん、それにマリアさんも」
やって来たのはさくらとマリアだ。態々迎えに二人も寄越さなくていいのによ。
マリア「米田支配人に言われて、お迎えに来ました」
「わざわざすみません。劇場の女優お二人に迎えに越させてしまって」
さくら「いえ、気にしないでください」
「では行きましょうか」
出来た料理を袋に詰めて、待ち合わせ場所に向かう。
「いい天気ですね。あまり寒くもなくいいお花見日よりですね」
マリア「そうですね」
さくら「ところで森川さん、それって何ですか?」
さくらは、俺が持ってきた袋の中身が気になるようだな。だが、悪いが教えない。
「これですか?皆さんに差し入れですよ」
さくら「そうなんですか!うわ~なんだろ~」
「それは向こうに行ってからのお楽しみです♪」
3人で目的地に向かってると。正面からガラの悪そうな3人組がやって来た。
「おいおい、冴えない野郎が劇場の女優二人と歩いてるぜ♪」
「へへへ」
「なぁなぁ姉ちゃん達、そんな野郎より俺達とどっか行こうぜ♪」
そう言いながら一人の男がさくらの手を掴む。
さくら「は、離してください!」
「いいじゃねぇか」
マリア「あなた達!止めなさい!!」
マリアが止めに入るが、流石に男二人に手を掴まれては抵抗できないな。やれやれ…
「止めてください。彼女達が困ってます」
「うるせぇな、てめぇは引っ込んでやがれ!!」
さくらを掴んでた男が俺を殴る。
さくら「森川さん!!」
「へっ!お前は黙ってそこで寝てろ」
ブチッ
あったまきた!!人が下手に出てりゃいい気になりやがって!!俺は素早くさくらを掴んでる男を殴る。
「ぐえっ!!」
さくら「……」
「こ、この野郎!」
俺は直ぐ様マリアを掴んでた二人も殴る。そしてそのまま俺の背後に二人をやる。
「こいつ…」
「すみませんさくらさん、マリアさん。これを持って米田さんの所へ行ってください」
マリア「で、ですが」
「正直言って、お二人を護る自信がありません」
ま、本当はあやめの時みたいに性格がバレるのが面倒なんだがな。
さくら「で、でも!森川さんを置いては行けません!」
「お二人は女優です。皆さんに元気を届けるのが仕事です!」
「「……」」
「さぁ早く!」
マリア「分かりました」
さくら「すぐに米田さんと大神さんを呼んできます!」
そして二人は走っていった。さて、これでやり易くなったな♪
「お~お~格好いいね。二人を守る武士か?」
「さぁどうだろな?」
俺は眼鏡を外し、上着のポケットに入れる。さて…殺るか。
「さっきはよくも殴ってくれたな?ん?」
拳をボキボキと鳴らしながらゆっくりと3人に近付く。
「な、なんだよ…やるってのか!」
んなビビりながら言われても迫力ねぇぞ?
「おいおい、さっきまでの威勢はどうした?俺はまだ寝てないぞ?寝かしてくれんだろ?」
「あ、あわわわわ」
「あ、兄貴~!」
既に後ろの二人はかなりビビってるな。けど、マリアとさくらに手を出したんだ。満足に帰れると思うなよ♪
さくらside
私は今、マリアさんと急いで米田支配人達の元に向かっている。こうしてる間も、森川さんが大変なことになっているからだ。
さくら「急ぎましょうマリアさん」
マリア「そうね!もう支配人達は待ってるはずよ!」
お花見をする上野公園に到着した私達は、急いで米田支配人達を探す。皆さんはすぐに見つかり、私達に気が付いた大神さんが話しかけてきた。
大神「やぁさくらくん、マリア。どうしたんだい?そんなに慌てて」
米田「さくらにマリア、森川の奴はどうした?」
さくら「そ、それが大変なんです!」
私は大きな声でそう言う。
大神「さ、さくらくん!?少し落ち着いて」
マリア「そうよさくら」
さくら「で、でも!」
マリア「いいわ、私が話すわ。つい先程、さくらと私と森川さんでここに向かってたんですが、その途中で男性3人に絡まれてしまって」
さくら「森川さんが私とマリアさんを守るようにしながら、逃がしてくれたんです!」
米田「な、なんだと!?」
その事を聞いて、支配人とは驚いていた。勿論、大神さんや他の人達もだ。
米田「なら、あいつはまだそこにいるってのか!?」
さくら「はい…」
米田「大神、今からそこに行ってくれ」
大神「はい!さくらくん、マリア、悪いけど案内を頼む!」
「「はい/了解!」」
そして私達は、森川さんと別れた場所に戻っていった。森川さん…無事でいてください!
森川side
「ったく、弱いならあんまり調子にのるなよな」
手をパンパンと叩きながら俺はそう呟く。結局あの後、俺は3人に路地裏に連れてかれたが、そこからは俺の独壇場だ。人に見られなきゃボコボコだ。で、その三人は今俺の足下で仲良くお寝んね中。言い方を変えればのびてる。
「ん~…流石にやり過ぎたか?」
まだこの世界で使ってない技を軽く使っただけなんだがな…
「ま、別にいいか」
さてと、差し入れはさくらに渡したけど…花見に場所聞いてないしな。どうすっかな~
「…帰るか」
場所も分かんなきゃ行きようがないしな。もう帰って酒でも飲んで寝るか。と思い路地から出ると、向こうからさくらとマリア、そして大神が走ってきた。
さくら「森川さん!!」
そのまま勢いよく俺に抱き付くさくら。っていうか、心配させたのは悪いが、もう少しスピード緩めてくれ。地味に痛いんだよ!
さくら「無事だったんですね!よかった~!」
「すみませんさくらさん、マリアさん、心配をかけまして。大神さんもありがとうございます。わざわざ来ていただいて」
大神「いえ、さくらくんとマリアから話を聞いたので」
マリア「……」
するとマリアは、俺が出てきた路地裏を見詰めていた。
(まずい!まだあそこにはあいつらが寝てる…)
さくら「森川さんも無事でしたし、戻りましょう!」
大神「そうだね。米田支配人達も心配してるだろうし」
「そ、そうですね。それじゃあ行きましょうかマリアさん」
俺は未だに路地裏を見てるマリアに声をかけた。まさか…見えたか?
マリア「…そうね。行きましょうか」
俺の言葉に反応した。なら見えてないしバレてもないだろ。そしてその場から離れ、俺達は花見が行われる上野公園に向かった。
マリア「……」
到着すると、俺の姿を見て待ってた連中が話しかけてきた。
アイリス「森川お兄ちゃん、大丈夫だった?」
「ええ、大丈夫ですよアイリス。心配かけてしまってすみませんね」
俺はそう言いながらアイリスを抱っこする。
米田「ったく、さくら達から話を聞いたときは流石にビビったぜ」
「ご迷惑をお掛けしました」
米田「気にするな。それに、本当は此方が礼を言わなきゃならないんだしよ」
さくら「そうですよ。森川さんがいなかったら、今頃私やマリアさんはどうなっていたか。ね、マリアさん」
マリア「……」
さくらの呼びかけに反応しない。これは確実にバレたな、あの連中を俺が寝かしたのを。
さくら「マリアさん?」
マリア「あ、ごめんなさいさくら」
さくら「どうしたんですか?さっきからボーッとしてますけど」
マリア「何でもないわ、大丈夫よ」
さくら「ならいいですけど」
「さて、それじゃあそろそろお花見を始めましょうか」
俺の言葉に待ってましたと喜ぶ連中。おっさんは早速持ってきた日本酒を飲み、大神はそれに付き合っている。アイリスやさくら達は、自分達が作った料理と俺が差し入れた料理を食べている。
アイリス「美味しい!!」
さくら「ホント、美味しいねアイリス」
由里「これって、森川さんの差し入れですよね?」
「ええ、お花見にピッタリの中華ちまきです」
酒を飲んでたおっさんや大神も食べる。
米田「こいつはうめぇ。酒のつまみにもピッタリだぜ」
大神「本当に美味しいですね。森川さんは料理人なんですか?」
そういえば、まだきちんと俺の事紹介してなかったな。劇場に行った時は色々バタバタしてたし。
米田「こいつはな大神、ウチの劇場の近所にある【オアシス】って店の料理人だ。俺は勿論、マリアやさくら、アイリス達もよく行く店だ」
大神「そうだったんですか。道理でどの料理も美味しい訳ですね」
「ありがとうございます。今度大神さんも是非ご来店ください」
大神「はい!」
お互い笑顔でそう答えた。
かすみ「森川さん、これってどうやって作るんですか?」
かすみの奴が、ちまきの作り方を聞いてくる。
「そうですね…説明しても難しいと思いますので、もしよろしければ今度お教えしますよ?」
かすみ「是非お願いします!!」
由里「私もいいですか!」
さくら「あの!私も!!」
次々と手が上がる。おいおい、これ以上増えたら料理教室になるぞ。ま、それもいいか。
「いいですよ。時間に都合がつけばですけれど」
由里「そんなのいつでも都合が付きますよ♪」
椿「由里さん、流石にそれは…」
椿の言う通りだぞ。お前らは劇場の業務もあり、尚且つ華撃団としての活動があるんだ。簡単に時間はできないだろうな。
「いつでも構いませんよ」
由里「かすみさ~ん!どうにか出来ませんか~」
かすみ「そうね~…支配人に相談したら?」
そう言われた由里は、おっさんを見る。さくらや他の連中もだ。
米田「な、なんだよおめ~ら」
「まぁまぁ皆さん。今日は折角のお花見なんですし、この話は後日にして今は楽しみましょう」
『賛成~!!』
何とか話はそらせたか。ま、帰ってからおっさんは大変だろうけどな。
米田司令が狙撃されたが、森川も命を狙われるかどうか
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米田と同じく、狙撃されて一時的離脱
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【輪廻を調整されし者】だから、狙撃しても