ハーレルヤ♪ハーレルヤ♪ハレルヤ♪ハレルヤ♪晴れるー屋♪   作:有限世界

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作者のお財布もヤバい。


こいつはヤバい
危険種あらわる、お財布ヤバい。


 この世界には『危険種』と呼ばれるものがいる。それはただいるだけだ魔法を含む神の奇跡を無効にし破壊する。リサの知識なら幻想殺し(イマジンブレイカー)の効果を持った空間、或いはヒロアカのイレイザーヘッド先生に常に見られている空間、マイナーだが的確なのは太極・無間身洋受苦処地獄が常時展開されているというところだろう。

 なので危険種がいるとこんな事が起こる。

 

 ガチャガチャ!

 

 町を歩いていたリサ・ノースランドのインベントリ(魔法の収納スペース)が破壊され、中の物が一斉に零れてきた。

 インベントリ使用の制限、或いは遠隔からの取り寄せが、危険種の存在が広まった現在の主流である。なので落ちてきたアイテム自体は大した事がない。事実リサは魔法の込もっていない予備の剣と盾と財布しか入れていない。

 腰の剣を軽く抜いて見る。ひび割れてボロボロな剣がそこにあった。ここは町中、チートは封印された。住人を守る以前に自分の身を守れるのか?

 予備の武具に持ち替えて危険種がいる思える方向を向く。彼女は危険種の存在は知っていたが、遭遇するのはこれが初めてである。

 全身の魔力が抜ける感覚が徐々に強くなる。来る、きっと来る、危険種がすぐそこに。

 そして対面。緊張の瞬間

「ワン!」

「いぬ?」

 プッチン切れた緊張だった。さっきまで警戒してた意味はいったいなんなのかと。

「あれ?リサ先輩、何しているんですか?」

 犬の後ろからミーヤがやってきた。手にはリード、その先には危険種の犬がいた。

 本当に何をしてたのだろう。顔を赤くして失敗談を笑い話に持っていったリサだった。

 因みに、危険種の何が危険かと言われたら、真っ先に上がるのはマジックアイテムの破壊によるお財布が危険なのである。まあ王国の方には『異世界から召喚した勇者はお財布が危険種の熊に食べられた』という情けない話もあるが。その熊は猟師のおじさんに熊鍋にされたとさ。

 ぶっちゃけ、チートがなかったらこの世界の一般人よりも一般的な異世界人の方が弱いのだから、危険種を本当に危険だと思っているのは異世界の彼等彼女等であり、大概は『お財布が危険』種程度の認識しかない。危険種に魔獣が存在しないためであり、危険種で一番危険種なものは虎や鰐辺りである。それなら武器を持った普通の人間でなんとかなるレベルだ。1人では不安だとしても、5人もいれば十分。

 なお、世の中には古竜等が比較にならない程強い殺神種というものも存在する。星巡りを代表とするこっちは奇跡が発動すれど通らず、しかも一方的に魔法を使ってくる。つまり神でさえ逃げるしかできない、文字通りの殺神種。出たら竜巻に襲われたと思って(実際の竜巻だったなら実力次第だが魔法で防げない事もない)諦めるしかない。逆にそんなのをどうにかした帝国はなんなんだというツッコミが入るのだが。

「ところで、どうしたのこの犬?」

「依頼者から保護しました」

 かくかくしかじかと説明を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 それは昨日の事だった。

「随分最近ね」

「そこは放っておいて下さい」

 

 

 

 

 

 ミーヤはギルドの依頼板を見ていた。高報酬なのは遠くで日数がかかる物が多い。しかしアッシュの料理が食べられない。だからなるべく近場がいい。

 となると受けれる依頼は限られて、

「これしか残ってないのかぁー」

 手にしたのは犬探し、名前はティンダ朗。彼女の適正とは合っていないが。なお、リサは名前を聞いて何処の猟犬よと呟いた。

 ギルドの方で犬の写真、性格等ある程度纏められていたので依頼人の所に寄らずそのまま探しに行く。幸か不幸か危険種であるという事は不明のまま。

 リサとは違って魔力の込められたアイテムもなく、インベントリも無いため探すときに特に問題はなかったが。その代わり探知魔法も無力化されるので探し難くはあるが、元々彼女には使えないので関係ない。何でそんな依頼を選んだのよとリサに突っ込まれたのは当然である。

 話を戻すが、本来なら簡単にはいかないのだが、彼女に運が味方した。

 犬を探しに広場にでると、件の犬を被ってニコニコした男が槍を背負って歩いていた。犬を被るってどういう意味よとリサに質問されるが、犬の腹を頭部に乗せて両前足を持って後ろ足を肩に乗せているのは被っているで合ってませんか、という意見に成る程ねぇと納得した。今度は何でそんな事をしてたのか気になったが、もうその変人の事を気にするのをリサはやめにした。

 なお、ミーヤは言っていないが彼は遥か東方の和と呼ばれる地方の女物の服を腕捲りして着ていた。(かぶ)いていると言われればそれまでだが、真っ当なセンスではない。洒落にならないくらい発達した筋肉をしていたのはここでは余談だろう。

 話を戻すが、何でその男は犬を被っていたのかミーヤは尋ねた。

「すみません、何故あなたは犬を被っているんですか?」

 変人相手に直球とは度胸あるなと思いながらリサはツッコミを我慢して聞いていた。

「こいつ、足と背中を怪我してるんだよ。で、今獣医を探してんだが、場所を知らないか?初めてきた町で土地勘がなくてね」

 まともだった。リサが思っていたよりまともな理由だった。

「抱えればいいのでは?」

「それだと面白く無いだろうが」

 先程の感想は即座に訂正された。

「そもそも回復魔法を使えばいいのでは?」

「ああ、使えたら使うんだが、俺は魔盲でね」

 魔盲、則ち生まれながら魔法(神の奇跡)に否定された者。彼等が魔法を使える様になる可能性はゼロである。

「加えて魔法薬の類いは使わない主義でな」

 持っていたところで破壊されるのだが、この段階でこの犬が危険種とは知らないかったので特に問題ない。むしろ下手に魔法薬屋なんかに行った日にはお財布が危険種である。

 危険種と知ったのはこの後、ミーヤが回復魔法をティンダ朗にかけようとして発動しなかったから発覚した。

 仕方がないので獣医を迷いながら探したとな。ミーヤにまだ土地勘が不十分なのが痛かった。

 

 




ティンダ朗の治療費でお財布が危険種なまま後半へ続く。

なお、作者は神様嫌いです。そして危険種の特殊能力第一案は周囲の魔力等を吸収(パッシブで)して自分のフィジカルにブーストだった。仙界伝封神演義のスーパー宝貝、太極図の能力と訳しても可。強すぎるから止めたけど。殺神種も同等の能力だったが、帝国がおかしな事になるから止めにしたが。
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