黒岩さんが聖杯戦争にinしました IF   作:BOX

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何故か筆が進まない進まない
掛けた時間に対してクオリティがー


主従コミュニケーション

「そ、そうだ!ボ……ワタシがお前のマスターだ!」

 

 白い肌に黒い髪

 服装は防御性など皆無の黒いビキニにショートパンツ。その上には黒く裾の長いパーカーを羽織っている。

 モノクロームな姿の中で唯一、その瞳だけが澄んだ蒼を宿していた。

 年齢も自分より下では無いだろうか?

 そんな少女の出現に正直、面を食らったが相手はサーヴァント。

 決して嘗められないように威厳を持って接した。

 

「聖杯の寄りべに従いライダー、参上した」

「ライダー?セイバーじゃないのか」

 

 最優であるセイバーのクラスで呼ばれなかったこと残念だ。

 しかし、その事をウェイバーが嘆くことは無かった。

 何故なら

 

(――【筋力】A【耐久】A【敏捷】A【魔力】D【幸運】C【宝具】EX!やっぱりボクは天才だったんだ!)

 

 そんなクラスの事など些細に思えてしまう程のステータスをライダーが保有していたからだ。

 恐らくは最優のセイバーとも殴り合えるだろう筋力、耐久、敏捷のA、宝具に至っては規格外を示すEX.

 唯一魔力が心許ないがそこを補ってあまりあるステータスだ。

 

(これに僕の知略が加わればもう勝ったも同然……っ!)

 

 そんなことを考えていた最中突如として膝が落ちた。

 現れたサーヴァントの望外の性能に興奮して気づかなかったが召喚にかなりの魔力を消費して、疲労していたのだ。

 そのままでは顔面から地面に突っ込むことになったが

 

「マスター!」

 

 ライダーがウェイバーを抱き支えることでそれは阻止された。

 

「マスター大丈夫?」

 

 ライダーが体調を確かめるように顔が寄せて尋ねる。

 端的に言えば大丈夫ではなかった。

 

(女の子の体ってこんなに柔らかかったのか、何かいい匂いもするし……違う!ここはマスターらしい態度で感謝をって、顔が近い!顔が近すぎる!)

 

 まあ、まだ若々しい青少年らしい反応である。

 

「だ、大丈夫!大丈夫だから少し離れてくれ!」

「?」

 

 まだふらつく足で近くの木までたどり着き、背を預ける。

 するとライダーもウェイバーの隣に座り込んだ。

 

「な、何で隣に座るんだよ」

「……ダメ?」

「別に構わないけど」

「ん。よかった」

 

 そんな言葉と共に向けられた笑顔に思わず鼓動が高鳴るが、ここで一旦思考を戻す。

 改めて、旋毛から爪先までライダーの姿を見るが全く彼女の正体に予想がつかなかった。

 聖遺物を用意しなかったこともあるが、その服装はあまりにも現代的だった。

 

「そういえば、お前の真名は何なんだ?」

「真名……名前?」

「ああ、そうだ。僕はウェイバー・ベルベット。お前は?」

「私の名前はステラ」

「ステラ?」

 

 女性の英雄は決して多くは無いから真名を聞けば正体が分かるかと思ったが、当てが外れた。

 

「聞いたことないな。なあ、ライダー。お前の出身はどこなんだ?」

「違う」

「え?」

 

 急に声色が不機嫌なものに変化する。

 思わず戸惑いが口を衝いて出た。

 

「ステラって呼んで」

「……駄目に決まってるだろ。真名がばれたら直ぐに対策「問題無い」を?」

「今の時代に私の事を知ってる人は居ない。更に言えばまだ私は生まれてない」

 

 言葉は淡々と紡がれ、事実をそのままに言っているのだと分かった。

 そして、そこから彼女の正体の一片を掴むことが出来た。

 

「英霊の座は時間という概念を超越した所にあると言われてる。つまり、お前は未来の」

「そう、私が生まれたのは西暦2035年。私を知ってる人なんて今の時代には居ない」

「未来の英雄……か」

 

 そういう事なら彼女の真名に聞き覚えの無いことも身に纏う装束の違和感も説明がついた。

 しかし、そうなると一抹の不安が生じた。

 

「なあ、お前の宝具は一体どういう物なんだ」

 

 そう宝具だ。

 神秘の廃れた現在から更に未来に存在した英雄の宝具。

 EXという括りである以上、強力なものではあるのだろうがその内容が気になるのは当然だろう。

 そして、それを尋ねられたライダーはウェイバーの目の前に三つ指を立てて突き出した。

 

「私の所有する宝具は三つ。その内二つが移動用宝具、そして、三つ目は」

「三つ目は?」

「――私の最強宝具。けど、一回しか使えない」

 

 一回しか使えない。

 言葉が足りないせいで色々と想像が膨らむ。

 

「一回しか使えないっていうのはどういう事なんだ?使い捨てとか?」

「違う。この宝具を使ったら、そこでマスターの聖杯戦争は他のサーヴァントと再契約出来ない限り終わり」

「それって」

 

 想像の内の一つが当たった。

 自爆宝具とでも言うべき代物。

 聖杯戦争というバトルロイヤルに置いて、欠陥品としか言い様のない。

 

(……試合に勝って、勝負に負けるを地で行く宝具だな。最後の二組になった時以外は使えない)

(けれど、考えようによっては最後まで生き残れば多分確実に勝てる宝具だ)

(サーヴァントが居ないと聖杯は手に入らないらしいけど。僕が欲しいのは聖杯戦争優勝者という称号だ。聖杯自体にそこまで興味は無い。でも、)

 

「なあ、ステラ。なんで、そんな宝具の事を僕に教えたんだ?お前は聖杯に何か願いがあるんだろ?」

 

 そう、それが疑問だった。

 聖杯戦争のサーヴァントは何かしらの望みを持って、聖杯戦争に参加する。

 ならば、聖杯に辿り着く前に消滅してしまう可能性は可能な限り排除するべきなのに。

 

「私の願いは聖杯で叶えられるものじゃない」

「それなら一体どんな願いなんだ?」

「……ひみつ」

「はあ!?」

 

 それまで素直に話していたのにいきなり口を閉ざした。

 

「……まあ、いいさ。話す気になったら言ってくれ」

 

 一瞬、令呪を使うことも考えたが、折角の友好的な関係を三つしかない切り札を切ってまで壊すことは無いと思い直した。

 

「うん。分かったよマスター」

 

 その言葉にステラも胸をなでおろした様に見えた。

 

「さてと。拠点に戻るから霊体化してくれるか?ステラ」

「……出来ない」

「は?」

 

 今なんて言った?

 

「霊体化は出来ない。我儘とかじゃなくてそういう機能が私にはない」

 

 確かに霊体化出来ないというのは色々と問題があるが、ウェイバーが頭を抱えることになった理由は彼の拠点の特異性によるものだった。

 

「おばあちゃん達になんて話せばいいんだよ」

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