気が付いたらポケマメ好きのおじさんだった件 作:パルプンテを唱えた!
ザザァ…ザザァ…
ここはどこだろう。
波の音が聞こえるが、そんなところに来た覚えはない。
「フカァ…」
と、謎の生き物の声も聞こえたが、そんなもの飼っている覚えもない。
というか、今は11月のはずなのにどうも暑い。
照りつける太陽、波の音、まるで南国の島のようだ。
ん?照りつける太陽………いや、あきらかに家の中で寝た記憶がある。
「うーん…」
その瞬間である。
カプッ。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ痛ってええええええええっ!」
右腕に刺すような痛みを感じて、俺は飛び起きた。
「ううん…!?」
右を見ると、俺がいつも対戦で使っていたポケモン…ガブリアス、の進化前であるフカマルがそこにいたのだ。
「フカァ!」
飛びついてくるフカマルを何とか抑える。
肌のざらざらが痛いが気にしない。
ざらざらなフカマルの肌を撫でながら、俺はある一つの考えに至った。
「ここ、もしかしなくてもポケモンの世界だよな…?」
腕を見ると、見事な歯形がついていた。
血が出てなかったのは奇跡だろう。
とりあえず顔を洗おうと、海を見て気づいた。
何と自分の顔が金髪緑目とかいう外国人のような見た目になっていたのである。
もうあれだね、乾いた笑いしか出ないね。
「とりあえず今手元にあるものは…お、服…なのか、これは」
どうやら白衣…のなれの果てのようだが、この世界の俺はもともと医者か何かだったのだろうか。
「お、名札…名前はモーン、と。それとこれはまさか…」
そこにあったのは、水色の布。
(これどう見てもこだわりスカーフなんだよなあ…)
まさかこの世界にきて廃人御用達のアイテムを見るとは思わなかったが、とりあえずフカマルに着けてあげてみよう。
あ、服はシャツがありました。
「腹減ったなあ…」
フカマルにスカーフを付けながら、そんなことをつぶやく。
実際にここが無人島なのはほぼ確定として、問題は水と食料の確保である。
さっきよりはるかに移動速度が増したように見えるフカマルをぼんやりと眺めながら、生存のための方策を練っているのであった。
さて…どうしたものか。
「眠い…いやここで寝たら死ぬぞ」
とかいう茶番を繰り広げている間も陽気に走り回るフカマル。
「あ、木にぶつかった…ん?何か落ちたな」
頭を痛そうにしているフカマルをひょいとどけると、そこには虹色に輝く豆状の物体があった。
見た感じ食べられなくもなさそうだがさすがにこれを食べるのは勇気がいる。
そこで、
「おーい、フカマルちょっとこれ食べてみて」
「フカッ……フカァッ!」
そこには満面の笑みを浮かべている(と推測される)フカマルがいた。
どうも、これは食べられるらしい。
よし、俺も食べてみよう。
付近を捜すと、緑色の同じような物体が落ちていた。
おもむろにそれを口へ放り込む。
殻が少し硬めだが、みずみずしくておいしい。
「おっ、ここにも…こっちにもあるな」
いくつかの豆を食べてみて分かったことだが、色ごとに味が違うようだ。
ポフィンとかポロックとかもそういうのがあったし、これもそういう類なのかもしれない。
とりあえず、しばらくはこの島でフカマルと暮らすことになりそうだ。
どうもみなさん。
一話は短めですが、どうだったでしょうか。
今回手に入れたポケモン…
フカマル Lv:???
せいかく:ようき
もちもの:こだわりスカーフ
とくせい:さめはだ
技:???