とりあえずこれからの追加要素、なるはずのものをタグ付けしました。まだ恋愛やバトルはありません。ご了承ください
第一章 学園騒乱編Ⅰ(改)
─ザーーッザーーッ─
強い雨がバチバチと地面を叩き騒がしく音を立てる。
しかしそこにある施設はシンとしていた。真っ暗な建物の中に少年がひとりポツンと立ち尽くしている。目は虚ろで焦点があっていない。
おもむろに少年は自分の両方の掌を見た。手は赤い液体に染まっておりポタポタと赤い雫が地面に落ちる。少年は全身が赤く濡れていた。
目を自分の手から離し部屋を見渡す。
辺り一面は飛び散るように赤い液体で濡れている。
そして1m程先に視線を落とす。
そこには複数の人の死体が転がっていた。
少年はそれを見て僅かに高揚した。涙を流しながら──
2050年 4月8日
新しい季節が始まりそれと同時に次の道へと進む人達がいる…────
「今年から皆は新学年になり、《魔獣》から人々を守る《魔術師ウィザード》になる為に必要な事をこれからも学ぶことでしょう。これまでに学んできた事を糧とし、そしてこれから──」
「あの学園長の話長いんだよねぇ〜…はぁ…また同じ事話してる。」
ここは魔獣を狩る《魔術師》を育成するためにつくられた学校。そして今始業式が行われている。
「あ〜!!もう疲れたぁ!!早く終わってくれないかなぁ…」
私の隣にいるのはこの学校に入って知り合った友人─いや、親友と言うべきであろうこの人物は同じ2年生の《富永 真理とみなが まり》である。
「こらこら、そんな事言ってると聞こえちゃうわよ。大人しくしてないと…」
苦笑しながら注意をする私。
名前は《白村 幸奈しろむら しいな》だ。
この学校に入ってからというものの他の普通校と比べて特に変わったことはない。ただ魔術の練習の授業や魔獣についての授業などの魔術師育成学校ならではの授業がここにはある。私はこの学校に中学2年生の時に転入した。昔から魔術は使えていたが決して魔術師になれるようなレベルの魔力は私には無かった。しかし中学1年生の後半からいきなり魔術の力が強くなりこの学校に入ることになった。最初は乗り気でなかった私だったが真里と知り合い、充実した毎日を送れて幸せだと感じていった。今じゃ学年成績の上位に入るほどの力を身につけていた。
「そういえば今年はどんな子が入ってきたのかなぁ?気にならない?」
「うー…ん、去年なんか酷かったね〜。」
「まぁ…魔術が発現するなんて滅多にないことだもんね。魔術を持つことで異常に一般人を見下す人なんて良くいるもんね。それと同じようにすっごく自信がある人もいたもんね。今年は少しでもましな人がいるといいね〜。」
「そうだね。」
始業式を終えて学年主任と思しき人物に教室を案内され自分の教室に向かった。席につくと何もやることが無いため窓の向こうの景色をただただ眺めていた。街には桜が満開に咲いている。風が吹くと綺麗に咲いた撫子色の花びらを雪の様に降らせている。
歩道では新人のサラリーマンがやや緊張して歩いていたり小学生が道に散らばって友達と話しながら歩いている。
そんな豊かな街の景色を眺めていると心が落ち着く。
俺の名前は《黒月 朔摩くろつき さくま》。
俺はある人物からの頼み事を果たす為にこの学園に入学したのだ。
窓から目を離し教室内を見渡すと生徒同士で仲良く話をしたり、初対面同士で挨拶をしたり…そんな光景が見て取れる。
(学校か…まともに通った事無かったからなぁ…やっぱ慣れないな。)
そもそも学校に入ること自体初めてだった、勉強などは身近な人から大体は教えられていてそこに関しての心配はいらなかった。学校に通っていないからと言って不登校でも非行に走った理由でもない。さっきも言った通り通う必要が無かった。いや、通えなかった。
そして俺が一番心配なのはこの空気にこれから馴染めるかどうかだった。学校に通っていなかった為、人との接触は少なくコミュ力も著しく低かった。
(まっ、別に自分の意思で来たわけじゃないから…馴染まなくてもいいかな。いざとなれば学園をやめてしまえばいいし。その為にも早めに頼み事終わらせておいた方が良さそうだな。)
大きく口を開け欠伸をする。昨日はほとんど寝ていなくて眠気がいつもより強かった。
早く家に帰りたいなぁと思った途端教室の前のドアから中年くらいの男性が入ってきた。
「はぁーい!今からここで学ぶために必要なものを配布するから座って!」
思った以上に大きい声が教室に響き渡り、皆言う通りにした。先生の言うことに素直に聞く様子に少々驚きながらも結構真面目なんだなぁと感心していた。そんな下らないことを考えていると先生の話が知らぬ間に進んでいた。
「ここで学ぶためには専用の電子機器や道具が必要だ。最低限のものは学校側で用意しているがその他に必要なものは各自、購入しておくように。」
そう言うと後ろに置いてあったダンボール箱を開け生徒達に配り始めた。
「これは魔術師専用の携帯端末だ。大事に使えよ。使い方は説明するが後でしっかり説明書を読んでおいてくれ。
まぁ普通に携帯とあまり変わりはないが特別な技術が施されている。
それで使い方だが──」
と長い説明が終わり一通りの事を終えて帰ろうと席を立とうとした時放送が流れた。
─放送器具まで最新式なんだな─と思っていると。
『1年D組 黒月 朔摩くん…今すぐ生徒会室に来てください─』
入学初日に呼び出しとは何たることか。周りからすれば<入学早々何やらかしたんだアイツ。>と思われているだろう。
(知らないぞ。俺は何かをした覚えはない。)
そう心で呟きながらも生徒会室へと足を運んだ。
───────
とりあえず生徒会室前までに来たものの俺が何したってんだ!という疑問が渦巻くが生徒会室に入る。
ノックをして失礼します。と言い部屋に入ると大きいテーブルの向こうに人が立っていた
「はじめまして。黒月くん。」
と挨拶をするのは始業式の時に生徒代表として挨拶していた人物だった。おそらく彼女が生徒会長の《秋波 琴音あきなみ ことね》だろう。
「どうもはじめまして。」
丁寧に挨拶を返しちらっと生徒会室を見回すと綺麗に整頓されている上広い。
(余裕で50人は入るぞ。これ。)
と思っていると生徒会長が尋ねてきた。
「黒月くん。話、いいかな?」
(話?)
新入生にどんな難しい話をするのだろうと考えながら返事を返す。
「はい。どういったご用件でしょうか?」
「実はこの学校には入学時の成績上位10名に6月にある全国魔術競技大会の選抜の出場権ともう一つ…今月にアザゼルの塔っていう塔があるんだけど、そこの攻略作戦があるの。それに参加してもらいたいの。」
「へぇ…そんな大規模な作戦があったんですか…」
「君はこの学校を主席で入学している。だから是非とも加わってほしいの。戦闘力の高い人がいれば安定するしね。」
朔摩は顎に手を当て少し悩んでから顔を上げ返事をした。
「良いですよ。俺もその作戦に参加します。」
「ホント!ありがとう!君が参加してくれて嬉しい。」
と嬉しそうに手を合わせた。
「それでは詳しい事はまた後日ということで。ほんと助かるわ。ありがとね。」
「良いですよ。体動かすのに丁度いい機会ですし。」
「うん。わざわざお呼びたてしてごめんね。」
「丁度帰るところでしたし、大丈夫ですよ。それでは失礼します。」
と生徒会室を出ようと踵を返す瞬間今まで気付かなかったが生徒会長の隣に今まで見た事の無いようなしかしどこか懐かしい感覚を感じた。青みのかかった銀色の髪の毛その上眩しい程の美貌を持つ少女に目が向いた。
そしてその少女もこちらを見つめた。目が合った瞬間何かが体に走った。
──この感じ…どこかで…──
と思ったら突き刺されたような頭痛がした。すると一瞬でさっきまで自分が感じていた何かが頭痛と共に跡形もなく消えていった。
しかしあの少女を見ても消えることなく頭に残るものがあった。
(あの雰囲気…似ていた。そんなはずないのに…)
「失礼しました。」
と頭を下げて廊下に出て生徒会室のドアを閉めるとそのドアをに背を向けもたれ掛かる。先ほどの少女がどうしても頭から離れなかった。少女から感じた雰囲気が似ていた。
「玲…さん…。」
小さな声でそう呟くとだだっ広い廊下がその言葉を響かせた。
「失礼します。」と大人びた低い声が聞こえドアの方へ視線を向けると今年、入学してきた1年生であることが直ぐにわかった。
その一年生を見て大人しそうな好青年と思った。
そして彼が会長と話している最中もずっと彼の事が気になりずっと見つめていた。
「会長、そろそろ解散にしましょう。それと、残りの9名の返答も…その方達の返答がきたら会議をやりましょう。」
「そうですね。いつもありがとね。白村さん。」
「いえ、これも仕事ですから。」と笑って返すと、部屋を後にした。
翌日、いつも通り私は登校して、自分の席についた。そして今日もいつものように授業が始まると思っていた。あの事が起きるまでは───
はじめまして。Sakutoです!
ついに初小説…読んでくださるかは分かりませんが投稿できて感激です。
内容も薄っぺらくダラダラとしていて面白くないと思う方が多いと思いますが、それでも読んでほしいです!
そしてこのシリーズは結構長く続くと思います!大体episode10くらいはやろうかと考えております。内容はまだまだですが題名だけはいっちょ前に考えてます!(結構そのまま)頑張って書いていきます!
この作品を最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます!
※2017/05/20 この回を書き直させていただきました。変わらない部分もありますが追加や書き直しをしました。
前よりかはマシになってるはずです。