翌日、俺が起きると明石がすぐ横に座っていた。心配してそうな顔でこちらを見ている明石をしばらくながめているとちょっとした違和感に襲われた俺は少し考え違和感の理由に気がついた。
「なぁ、明石?何で左目が見えてるんだ?」
「それは…」
「起きたか」
答えようとしたタイミングに限って時宗が入ってくる。文句を言おうと時宗の方を向くが不思議な事が起きていた。時宗が急にペットボトルの水を投げてきているのだが、妙にスローモーションで見える。そのお陰てペットボトルを難なく右手でキャッチするが余程の勢いで投げたのだろう強い衝撃が手を襲ってきた。
「痛いんだが?」
「よく取れたな。下投げで出せる最速で投げたのに」
そんな速度で投げるなと文句を言おうとするが強い頭痛が襲ってきて頭を抱えて呻いてしまう。すると明石が俺に素早く近寄って俺の左目の義眼を取りだすと左目の視界は見えなくなり。頭の痛みも少しすると消えた。
「何なんだ?今のはスローモーションになったぞ。左目も見えてたし」
「実は…」
明石によると今現象は俺の左目に入っていたのは俺が寝ている間に入れられたナノマシンと義眼を影響で妖精と言うこと存在が作った物であり色々とオーバースペックなのだそうだ。先ず俺の体にナノマシンを入れてナノマシンと義眼をリンクさせることで目に写った物をそのまま脳みそに届けることで左目が見える状態にしているらしい。見えて更には向かってくるものが有るとスローモーションに見せる以外にも他にも機能はあるが日常では使い物にならない物でまさかこんなものが出来上がるとは思ってなかったから許してほしいと言われたので詳しくは聞くことは止めて朝食を食べることにして眼帯を着け食堂に向かった。食堂に向かうまでの間中庭などを窓から眺めたが誰もいなくて悲しくなった。
「前哨基地を作るといったが一体何人規模になる予定なんだ?」
「戦える艦娘が百人、まだ到着してないですが伊良湖と間宮と言う給糧艦を入れて艦娘は最大102人ですかね」
それだけいればここも騒がしくなるか。そう思い自然と笑みがこぼれる。気持ち悪いぞと時宗に言われながら食堂まで行くと…
「あっ…時宗さんに祐也さん」
夕張がインスタントのかき揚げソバの包みを剥がそうとしていた。
「夕張、またインスタントか?」
「だって美味しいじゃないですか」
俺の質問に不機嫌そうに答えた。夕張に少し待つように言うと俺は厨房に入って冷蔵庫を物色すると卵に玉ねぎ、ソーセージがあり調味料も一通りにありご飯もある。十分すぎる材料を見てなにをつくるかを決めて右目だけで不安だが何時ものを作れるかと思い包丁を取ろうとすると明石が寄ってきて手伝うといい二人で料理を作ることになった。
先ずは玉ねぎを二人で二個を丸々微塵切りし明石に飴色に炒めてもらいその間にソーセージを丸切りにして此方も玉ねぎを炒めているフライパンに入れて炒める。普通はここでご飯を入れる人が多いのだが…
「明石、ケチャップ」
「はい、どうぞ」
ここでケチャップを入れる。すると少し水分が飛んでベタベタしたケチャップライスが出来にくくすることが出来る。さっさとケチャップライスを作り終わると冷えないうちに卵を二つ割り混ぜて半熟トロトロのオムライスを完成させる。
「明石、そこにいる腹ペコ娘に持っていってケチャップは自分でかけるように言ってくれ」
「わかりました」
明石が持っていくと夕張の喜ぶ声が聞こえてくるがそちらを見ることなく次の卵を割って明石分を用意して渡す。
「ほら、治療してくれようとした礼だ。先に食べてな」
「いいんですか!?やった~」
はしゃぎながらオムライスを持っていくと明石を見送ってると時宗がノロノロと来た。腹へったと文句を言うと少々急かしてくる友人の変わらない姿に苦笑いしながらも急いで用意をし渡して自分の卵を焼こうとしたのだが少々めんどくさい。その結果…
「何で目玉焼き何だよ」
「自分のだからいっかな~と思ってな」
ケチャップライスに目玉焼きが乗っている不思議な料理が出来た。俺はこれはこれで好きだ。半熟の黄身がトロリとしていて場所によって卵の濃さが違って美味しい。みんな満足したらしくゆっくりと堪能した後、俺達は基地見学を始めた。燃料や聞き慣れないボーキサイトなど言う鋼材等をしまう資材庫、弓道場等の鍛練場そして、
「ここが工廠で、それが艦娘の作るための装置であっちが装備を作る場所であっちが港に続く運河で、あの装置が資材を入れると艦娘を建造することが出来る装置であっちが…」
工廠、ここに来て目を輝かせながら説明している明石達を見ながら運河に浮かぶ二つの物が気になっていた。大きさは人が1.五人ほどの高さに横幅は人二人分でそれぞれ違う兵器を搭載していた。手前のが右手に単装砲を持ち腰には大きな日本刀と三連装魚雷。その後ろのは大きな二連砲が両手に持ち両肩には30発ほど撃てるロケット砲が二個乗っている。はっきり言って確実に既存の兵器では無い。
「なぁ、明石?これなんだ?」
「あっ‼それはですね…」
そう言うと明石はベラベラと喋りだした。置かれているのは俺達の沈んだ船の代わりで兵器としての名前は機神。艦娘の技術で作られており深海棲艦を沈めることが出来る。刀を持っている方が時宗ので、もう一つが俺の物だそうだ胸の所に乗り込み動きは俺は知らなかったが時宗にも入れられたナノマシンにより脳波をキャッチして動くそうだ。時宗のナノマシンにも驚いたのだが一つ気になる事がある。明石の肩に乗っている小さな人形みたいな存在が俺と時宗が機神を見ている間に乗ったらしく手には指輪でも入っていそうな箱を持っている。
「祐也さん‼義眼が完成しましたよ」
「って事はそいつが妖精か?」
明石の肩に乗っているのが頷いた。不思議そうに見ていると明石の解説が始まった。妖精は艦娘の砲や対空機銃を艦娘の指示通りに操作をしたり、戦闘機などの操縦士そして、艦娘の建造、兵器の製作を担当しているそうだ。
「で、これが完成した義眼か?」
「えぇ、今朝の自動で動作した点を修正した物です」
この義眼の何処が違うと言うと此方にもナノマシンのリンクにより自分の意思で視界をスローモーションにするとかの機能を使えるようになってるそうだ。
そう説明を受けているのだがさっきから気になる事がある。実は工廠からは資材庫が見えるのだがその中の鉄鋼が保存されているはずの倉庫が、見えるのだが…
(空っぽ何だよな~…倉庫の中が)
空っぽなのが気になるな…。俺は意を決して聞いた。
「それで艦娘を作りたいんだが資材は有るか?」
「それが~…機神を作るのに使いまして…資材は新しいのか三日後に届きます♪」
明石の言葉に頭を抱えながらもこのバカ騒ぎを楽しく思ってしまっている自分に気が付いて苦笑いを溢してしまう自分に呆れながら新しい義眼を入れてしっかりと見える事を確認しその事を嬉しく思うのだった。