ONE PIECE~海賊王への導き手~ 【にじファンから移動】 作:グリム★
これからなにが待っているのか……
※8月17日修正
「キラの兄貴!海上レストランにつきやした!」
船室で新聞を眺めていると……甲板からジョニーが顔を覗かせる。
優しく微笑み感謝の言葉を告げた。
「ありがとう……ジョニー」
「キラの兄貴……」
気持ち悪い視線を浴びながらキラは甲板へと出る。
心地の良い風……目の前に大きな魚型の船が停泊していた……
これが海上レストラン……よく目を凝らしてみると……レストランに穴があいている……
「穴……?」
「あれはルフィだ」
ゾロが呆れながら口を開く……話によれば海軍と遭遇し飛んできた大砲を海上レストランへと弾き返したそうだ……
「やってくれる……」
頭を抑えため息を吐く……胃がキリキリと痛む……
「今頃、レストランで雑用でもさせられてんじゃねぇのか?」
鉄アレイを持ち上げながらゾロがキラにそう告げた。
ほどけた髪を縛りながらキラはレストランへと行く準備を整える。
「あのバカは帰って来たら……説教だ」
「かわいそうにルフィ……キラの説教長いんだよなぁ」
ルフィを哀れみながらウソップはキラを見つめた……以前に彼も説教を受けたことがあるようだ。
首を傾げナミがウソップに尋ねる。
「え、そうなの?」
「ひどいもんだ。一時間は正座だ。」
ウソップは肩を竦め手のひらを天に向ける。
手をパンと叩きキラは思いついたように3人を見つめ……
「さぁ、行こうか」
微笑みを浮かべキラは海上レストランへと向かっていった。
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~海上レストラン~
入り口を開け店内を見渡しキラは、感嘆の声を上げた。
満員とは行かないが席もほとんど埋まっている……味は問題なしといったところなのだろう。
客のほとんどが満足そうな顔を浮かべている。
ゾロが空いている席へと腰を下ろす。
メニューを見ながらウソップは口を開く。
「俺は、サンマの料理がいいな!」
「キラ。何食べる?」
「え、ああ。パスタ……」
各々食べたいものを注文し、料理が席に運ばれてくる。
豪勢な料理がテーブルへと並べられる。
料理に舌鼓をうつ……どれも美味しく満足のいく味だ。
ゾロもウソップもがっついている……
キラは微笑ましくその光景を眺めていた。
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空腹も満たし席でくつろいでいると……
「お前ら!俺がいないのにうまいもん食いやがって!」
エプロンを付けたルフィが文句を言いながら現れた……キラがそれを見つけ鋭く睨みつける。
それに気づいたルフィはしまったという表情を浮かべ後ずさっていく。
「ルフィ。お前、話は聞いたぞ……」
席を立ちルフィとの距離を詰めていく……逆にルフィはどんどんと下がっていっている。
「ゲッ!キラ!違うんだ!海軍の奴が撃ってくるから!」
腕を掴みルフィを睨みつけているキラのところにスーツを着た金髪の男が歩みよってくる……
この男はバラティエコックのサンジ。
特徴はクルクルとした眉毛と……タバコ……レストランでタバコはいいのだろうか……
サンジはキラとナミの間に止まると2人に熱い視線を送り……
「美女2人は姉妹かな?」
キラの動きが止まる……美女……2人?
ナミと顔を合わせると笑いを堪えているのか目に涙を浮かべていた。
「君がお姉さんかな?」
サンジがキラのほうにそう告げた瞬間……
4人が腹を抱えて一斉に笑いだした。
「キラお姉さま。お味はどうでしたか?」
笑いながらウソップが言い、ゾロがそれに続く。
「キラ。お前いつから女になったんだ?」
「いつから女って……お前!おかまか!」
鋭い眼光でゾロとウソップを睨み付け……キラは片腕で大の男二人を持ち上げる……
その状態で出口へと走って行きレストランの外に連れ出した。
鈍い音がこだますると……ゾロとウソップが顔を腫らして戻ってくる。
ウソップが頬を擦りながら謝罪し、ゾロは何かブツブツと文句を言っているようだ。
「許してやろう……女に間違われるような俺が悪い」
ナミの元にサンジがデザートを運んでくる。
「ありがとう!」
「どういたしまして」
この男は典型的な女好きのようだ……女性への態度と男性への態度がまったく違う……
キラがふと窓の外へと視線をやると……大きな海賊船がこちらに向かっていた……
気づいた客の一人が大声を出す。
『首領クリークの海賊船だ!!!』
海賊船は海上レストランの横に船を止めると誰かが降りてくる……
扉が開くとフラフラのクリークとクリーク海賊艦隊戦闘総隊長ギンの姿があった。
手配書で見たことがあるので間違いはないはずだ。
クリークは一人では歩けないのかギンに肩を貸し支えてもらっている。
何をしにきたのかは予想が付く……あの船ではこれ以上の航海は無理だ……ならば目的は……食料をたくさん積んでいるこの船だ。
麦わら一味全員の眼がクリークに集中している間……ナミがコソコソとレストランを出て行く。
ナミの動きに気付いたキラはこっそりと後を追う。
メリー号を出航させようとするナミに後ろから声を掛ける。
「戻るのか?あそこに……」
「わ、私の勝手でしょ!」
好きで戻るわけではないのは顔を見ただけでわかっていた……だからこそ……
「……俺も行こう……君の村を救える」
「確かに……あんたなら……でも来ちゃダメ……」
彼女は歯をくいしばり……何かに耐えているようだった……
「辛いんだろ……だったら……」
「あいつらには!あいつらには……あんたが必要なのよ……」
消え入りそうな声……彼女は何を背負っているのだろう……
ナミを乗せたゴーイングメリー号は遠くへと行ってしまう……自分は彼女の事情を知っておきながら一人で行かせてしまった……
海から自分を呼ぶ声がする……視線を落とすと……
「キラの兄貴~助けてぇ。オボッ……ヴェル……」
ヨサクとジョニーが溺れていた……ナミに落とされたか……2人を海から引き上げると同時に……ルフィがこちらへと向かってくる。
辺りを見回しルフィはキラに尋ねた。
「ナミは!?」
気付いた所で……もう遅い……
キラは、ナミがどこへ向かったのかを説明しようとするとウソップが海を指差し口を開く。
「メリー号が見えるぞ!」
もう見失ったと思っていた……まだ希望はあるようだ。
「ロロノア!ウソップ!追ってくれ!」
ルフィもキラに続き2人に追うよう指示をする。
「ウチの航海士は、あいつなんだ!連れ戻してくれ!」
「わかったよ。船長」
ニヤッと笑いゾロはウソップを連れ小船に飛び乗った。
船を出そうとした時……一隻の小船がキラの視界に入り……一瞬の間にクリークの船は残骸となった……
これほどのことを出来る人間など……ごく少数しかいない……キラの想像どおりその船には……最強の剣士が乗っていた。
なぜ……あいつが……鷹の目が……
鷹の目の視界に……キラが捉えられる……
「強きもの……生きていたか……」
小船に乗っていたゾロがミホークの姿を見つけると子供のような笑顔を見せ……三本の刀を握り締めた。
「ちょっと用事が出来た……」
ゾロは船を飛び降り……クリークの船の残骸へ飛び移る……
戦う気だ……挑戦するにはまだ早い……止めなければ死……
キラがミホークの所に行こうとするとルフィが腕を掴む。
「離せ!ロロノアが死ぬ!」
「ゾロは負けねぇ!信じろ!」
何を言っている……相手は世界一の剣士だぞ……
捕まれた腕を振り解きルフィに背中を向ける。
「見てられるか……」
レストランの扉を開けキラは一番奥の席へと腰をかける……
頭の中を色々な思いが駆け巡る……
「勝てるわけがない……七武海だぞ……」
頭を抱え目を瞑る……
どれほど時間が経っただろうか……どうなった……あいつは生きているのか?
扉の開く音に気付き顔を上げる。
「もう、終わったぞ。女男」
海上レストランオーナーのゼフが義足を引きづりキラの隣に腰を掛ける。
「剣士は……生きてますか?」
フッっとゼフは笑うと外を指差す……
「てめぇの目で確かめな。」
恐る恐る店の扉を開ける……高く剣を上げゾロがキラを見つめていた。
死んではいなかったか……良かった……
「強きもの……」
小船から鷹の目がキラに声を掛ける……
「いい表情になったな……」
キラはミホークに笑顔で答えた。
「こいつらのおかげさ……」
「フッ……次は昔のように手合わせ願う……」
ミホークは水飛沫の中に消えていった黙って海を見つめているキラにルフィが声をかける。
「キラ。泣いてる場合じゃないぞ」
「大丈夫なのか?お嬢さん」
笑いながらルフィとサンジがキラの顔を覗き込む……涙をふき前を向く
「うるさいバカども」
「ヘッ、大丈夫そうだな。」
サンジが笑いながらそう告げた。
大砲の音が聞こえる……クリーク海賊団が本格的に海上レストランを襲うつもりのようだ。
黙ってやられるつもりなど無い……ましてや……負ける気などまったく無い。
キラの眼光が鋭くなる……
「よし!やるぞ!キラ!サンジ!」
「誰に向かって言ってんだ。レストランは俺が守る」
勢い良く飛び出そうしていた二人をキラが止める……二人の視線がキラへと向けられた……
「二人ともこれだけは、守ってくれ」
大きく息を吸い込みキラは力強く言う。
『絶対に死ぬな』
ルフィとサンジがニヤッと笑い叫ぶ。
『『お前もな!』』
二人はクリーク海賊団へと向かっていく。
大きく息を吐き……遅れてキラもクリーク海賊団に突っ込んで行った。