ONE PIECE~海賊王への導き手~ 【にじファンから移動】 作:グリム★
※8月21日修正
自分達が今向かっている場所……
それがどこかまだヨサク以外のものは知らないだろう……
海を見つめながらキラは口を開いた。
「今向かってるのは……アーロンパークなんだろ?」
予想もしていなかった一言にヨサクは驚きの表情を浮かべる。
何故そのことを知っているのか……
「キラの兄貴……なんでそれを!?」
『アーロンパーク?』
ルフィとサンジは首を傾げる。
キラは淡々と話を始める……何故自分達がアーロンパークに向かっているのか?
魚人とナミに何の関係があるのかを……
「な、ナミさんがアーロンの一味……?本当なのか……?」
小さく頷きキラはサンジを見つめる。
ルフィもナミを完全に仲間だと思っていた為、動揺を隠せないようだった。
救う手立てなどいくらでもあったはず……自分は何故……
キラは海を見つめ……苦悩していた……
『モォオオオオオ!!!!』
鳴き声とともに海面がもりあがると……ルフィ達の前にデカイ牛が姿をみせる。
海に牛っているんだ……キラは黙って海牛を見つめた……
「な、何で驚かないんすか!?海牛っすよ!偉大なる航路の生物です!」
海牛へと手を伸ばしキラは撫で始める……
ヨサクはありえないといった表情でキラを見つめるが……残った2人は関心していた。
気持ちよさそうな表情を浮かべ海牛は頭をたれる。
もっと撫でて欲しいようだ。
「おい、完全にキラになついてるぞ……」
「キラ、すげぇええええ!」
驚く2人をよそにヨサクは開いた口がふさがらないようだ。
キラは笑顔で海牛に話しかける。
「アーロンパークまで頼むよ」
任せろとばかりに大きく頷く海牛に縄をつけアーロンパークまで引っ張ってもらうことにしたが……
遅い……これでは日が暮れてしまう……
ルフィは欠伸をし口を開く。
「こいつ、おせぇなぁ。」
サンジもタバコを咥え頷くと何かを考え付いたのかキラを見つめ、提案する。
「鞭でもいれるか?」
海牛の背中を抱きしめキラは首を横に振ったのだが……ルフィが脚をしならせ……
『ゴムゴムの鞭!!!』
強烈な一撃を海牛に入れる……
涙を流しながら海牛は泳ぐ……どうやらスピードが上がったようだ。
『おぉ!はぇええええええ!!!!』
はしゃぐ2人にキラはため息を吐き、海牛の背中を撫でる。
しばらくするとはしゃいでいたサンジが青ざめキラの肩を叩く。
「お、おい……岸にぶつかる!」
海牛が岸にぶつかり船が上空を舞った……
4人は……船から投げ出され砂浜へと倒れこむ
キラが頭を抱え起き上がり辺りを見回し……人数を数える。
全員いるようだ。
サンジも体を起こし体に付いた砂をほろう。
大笑いしながらルフィはもう一回やりたいと言っている……それを見たキラは大きくため息を吐いた。
遠くから見知った顔がこちらに向かってくる。
「ロロノア!無事だったか!」
キラは大声を上げ手を振った。
ゾロはキラの存在に気づくがなぜか浮かない顔をしている……
合流するとゆっくりと口を開いた。
「ウソップがアーロン一味に捕まった」
まだ生きているなら問題はないと……キラはほっと胸を撫で下ろすが……
「ウソップの兄貴は、ナミの姉貴に殺されました!」
後から追いついてきたジョニーの一言に場が凍りつく……
殺された……しかもナミに……?
困惑した表情を浮かべるキラと……鬼の形相を見せるルフィ。
ルフィはジョニーに掴みかかり怒鳴りつける。
「ナミが仲間を殺すわけねぇだろ!」
ジョニーも力強く反論した。
「でも、俺はこの目で見たんだ!」
「お前!!」
拳を振り上げルフィがジョニーを殴ろうとする……キラが腕を掴みなだめる。
「落ち着け……」
物陰からナミが姿を現す……キラはルフィの腕を放し彼女を見つめた。
「何しに来たのあんた達。」
彼女の口からは冷たく突き放すような言葉が出てくる……
「何って……迎えに来たんだ!」
ルフィがナミに近づくが距離を離されてしまう……
「迷惑よ……早く帰って!」
「帰るのは、かまわないんだが……」
キラがそう言うとルフィが食って掛かる。
「おい!何いってんだよ!キラ!俺は、帰らないぞ!」
「黙ってろ!」
怒声を上げるキラにルフィは唖然としていた……
ここまで感情を露にするキラは珍しかったからだ。
真っ直ぐにナミを見つめキラは決意を口にした。
「俺はココヤシ村をアーロンの手から開放する。」
「キラ……か、勝手にすればいいでしょ!アーロンに勝てるわけなんてないのよ!」
それだけ言うとナミは踵を返し去っていってしまう……彼女には隠していることがある……
キラは一度ココヤシ村を訪れたことがあった……そのときもこの村はアーロンに支配されていた。
あの時、倒せる実力がありながら自分はなぜアーロンを倒さなかったのか……
自分が決着を着けなければならない……キラは歩き始める……
ゾロがキラに気づき声を掛けた。
「どこいくんだ?」
首を振りキラは口を開く
「アーロンのとこ」
キラは再び歩き始める……ルフィが自分も行こうと立ち上がるが……手でそれを静止する。
「俺一人で行く」
黙ってキラの背中を見つめる……誰一人今の彼に声を掛けることが出来なかった……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
アーロンパークの扉の前に立つ……前にもこの扉は見たことがある……
脚を振り上げ門を蹴り飛ばし……破壊する
魚人たちの目が門へと集中する……椅子に腰を掛けた魚人が鋭い目つきを向けた。
「アーロン……!」
椅子に腰掛けこちらを睨み付けているのがノコギリザメの魚人アーロン……
アーロンはキラの顔を確認すると笑みを浮かべ声を上げる。
「旋律のキラじゃねぇか……お前さんほどの男が……何のようだい?」
何も言わずキラは一歩一歩とアーロンに近づく……
他の魚人たちも手を出すことが出来ずただキラを見送る……
それほど今のキラには怒気が満ちていた。
手を出せば自分が殺される……そんな空気を纏っている……
アーロンまでたどり着くとキラは拳を振り上げた。
「おいおい……俺とやろ……ッ!?」
言葉を待たずキラは拳をアーロンの顔目掛け振り切る。
アーロンの巨体が簡単に吹き飛ぶ……
「テメェ……覚悟は……!」
キラの瞳が赤く染っている……アーロンの脳裏には自分が殺される残像が映像として映し出された……
「ま、待て……俺が何を……!?」
首に手が添えられアーロンの巨体は軽々と持ち上げられる……
キラは口元に笑みを浮かべ腕に力を入れた……メキメキと骨の軋む音が聞こえる……と……
「おーい!」
我に返り右手に持ったアーロンを落とす……
扉の方を見るとルフィがこちらに向かってくる。
「アーロンは、俺がやる!」
キラの隣まで来るとルフィがそう宣言した……
アーロンはふと我に返ると大笑いし始める。
「シャハハハハハ!願ってもねぇ!旋律のキラに比べればお前など……!」
話し終わる前にルフィがアーロンの顔を殴りつける……勢いよく巨体が吹き飛んでいく。
大将が吹き飛ばされたのを皮切りに一斉に魚人がルフィ達のところに向かってくる。
『鬼切り!!!』
『首肉シュート!!!』
『火薬星!!!』
魚人達が次々と倒れていく……キラはアーロンに笑顔を向ける。
「さぁ……始めようか……」
キラの一言にアーロンは地団駄を踏み……怒りの表情を浮かべた。