ONE PIECE~海賊王への導き手~ 【にじファンから移動】 作:グリム★
リトルガーデンへ到着、これから何が待っているのか?
※8月29日修正
~リトルガーデン~
照りつける太陽……辺り一面の森……ここがリトルガーデン
森の奥がどうなっているのかまったく見えないほどの草木……
完全なるジャングルだ……また迷子になるのだろうな……
横目でキラは船べりへと腰掛けるゾロを見つめる。
欠伸をするゾロに大きくため息を吐くと……茂みがガサガサと動く……
何事かと身構えるが大型の虎が茂みから姿を現しただけだった。
「なんだ……虎か……」
キラが視線を外すと突然虎が力なく倒れてしまう……
その光景を見たナミとウソップは青ざめていた。
大型の虎が簡単に倒れてしまう何かがこの森にはいるのだ。
「普通の島じゃないわね。船の上でログが溜まるのを待ちましょう」
力強くナミが宣言しウソップも大きく頷いた。
それにしてもログが溜まるまで次に行けないとは……面倒だ。
そんなビビリ2人を尻目にルフィの目はランランと輝いていた。
「俺は、いくぞ!冒険だ!サンジ、弁当!」
ルフィの発言にクスッっとキラは笑う。
彼らしい発言だとそう思った矢先……
「私も一緒に行っていい?」
信じられないことに……ビビが行くといい始めた……
首を全力で横に振りキラは行かないよう説得するが……ルフィは……
「おう!いいぞ!付いて来い!」
思い切りルフィの頭を引っぱたきキラはビビに向き直る。
「姫に何かあったら……どうするんです!」
「大丈夫!いざとなったらカルーがいるから」
ニッコリと笑いビビは大きなカルガモを指差す。
このカルガモはカルーといって子供の頃からのビビのお供らしい。
ビビと一緒にこの船に増えた仲間の一人……いや一匹だ。
悲しそうな顔でキラはカルーに手を伸ばす。
「かわいそうに。いざとなったら囮なんだな君は。」
優しくカルーをなでながら話しかける。
それを聞いたカルーはブルブルと振るえブンブンと首を横に振り始めた。
どうやら行きたくないらしい。
このカルガモも臆病なようだ。
「ク、クエー……」
弱弱しくなくカルーに……
「行くわよね……カルー……?」
鬼のような表情を見せる一国の姫……
その表情に気圧され首を縦に振り自分も行くぞと泣きながらカルーはアピールする。
可哀想な犠牲者が……
二人と一匹は森の入り口へと移動する。
「よし、行ってくる!」
ルフィとビビが森の中へと消えていった。
心配だ……後を追わなくては……とキラが一歩踏み出そうとした瞬間……
キリクにやられた傷がズキズキと痛み始めた。
額からは脂汗がにじみ出る……
「大丈夫か?顔色悪いぞ?暖かいスープでも作るか?」
異変に気づいたサンジが声を掛けるが……完全にキラに彼の声は届いていなかった……
目は虚ろ……尋常じゃない汗……
「……あああああ!?」
叫び声を上げたかと思うと突然キラは前のめりになり倒れこんだ。
船上はパニックになっていた……
ナミが急いで歩み寄りキラに声を掛けても反応はない……
それどころか体は凄い熱を帯びている。
ゾロが歩み寄りキラを背負うと船室のベットへと移動した……
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~とある場所~
自室でソファーに腰掛け本を読む銀髪の男……
今読んでいる本は中々に面白い……サンダースという男の冒険譚なんだが空に島があるという……
「くだらないですね……」
ソファーに本を置くと彼は窓の外を見つめる……
彼はキラとの戦闘後ルイン本拠地へと戻った。
ルイン本拠地の場所を知っているものなど組織の人間以外誰もいない……
淹れられた紅茶を一口含むと扉がノックされる。
「どうぞ」
扉が開くと兵は膝まづき口を開く
「報告です。キリク様総帥がお呼びです。」
ニッコリと微笑むとキリクは頷き自室を出た。
長い廊下を歩き大きな扉の前へとたどり着く。
おおよそ察しは付いている……キラを始末しなかったことだろう……
扉を開けキリクは膝をつく。
「総帥。お呼びでしょうか?」
総帥の顔は誰も見たことがない……
顔は鉄仮面で隠され体は鎧で固められている。
微動だにしないことから兵の間では、中には誰も入ってはいないのではないだろうかと噂されるほどだ。
「何故キラを始末しなかった」
頭を下げながらキリクはやはりと言う表情を浮かべた。
何も言わず黙っていると総帥は言葉を続ける。
「かつての友に情でも湧いたか?」
「いえ……そんなことは……」
キリクがそう言うと総帥はフンと鼻を鳴らし顔を上げろと合図を送った。
顔を上げキリクは次の言葉を待つ。
「キラの力は目覚めていないだろうな?」
「はい……どうやらキラには記憶がないようです」
ほうと洩らすと総帥は笑い声を上げた。
「海に落ちたショックか……いいざまだ」
「ですが……あの男は力がなくとも強い……」
その一言に総帥の笑い声が止まり……
冷たい空気が流れ始める……
「手はうってあるのだろうな……」
「はい……神経毒を刀に塗っておりましたので……今頃奴は苦しんでいるかと……」
ニヤッとキリクが笑うと総帥から発せられていた冷たい空気は和らぎ……
笑い声が部屋へ響き渡った……
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ナミとウソップはキラの傷を見て思わず声を上げた……
腹部の傷は肉を抉られ化膿している……
毒のせいなのか傷は黒ずみ……熱を帯びていた……
「うぐぅ……!?」
痛みでキラは上体を起こす。
体の節々に痛みが走る……キリクめ……
ふとビビとルフィのことを思い出し……起き上がろうとするがナミとウソップに静止される。
心配そうな顔をする2人にキラは一言大丈夫と告げた。
2人は首を振り寝てるようキラを説得する……
仕方なくキラが了承した……その時……
ズン!とものすごい音と共に船が揺れた……音は外から聞こえる。
顔を見合わせ2人はキラに絶対に寝てるよう言うと扉を開け外へと出て行く……
しばらくすると……だいぶ外が静かになった。
何かあったのかと重たい体を持ち上げドアノブに手を掛ける……
扉を開け外に出るが……人の姿はない……
胸騒ぎがしたのもつかの間……視界が歪む……
その場に座り込み壁に背中を預け天を見上げる……
このまま毒で死んでしまうのだろうか……
それは嫌だななどと思いながらクスクスと笑っていると……
視界に人の姿がある……
「ユダ様」
聞き覚えのある声に目を細めなんとか見ようとするが……
「クッソ……」
「目が……見えないのですね……」
声の主はキラに近づくと服の袖をまくる。
抵抗する力もないキラに取り出した注射器の刺さった。
不思議と体が少し軽くなったような気がする……
じゃあ……今のは……血清……
視界がはっきりし声の主の姿がはっきりと映る。
そこには、全身ボロボロの少年が立っていた。
キラははっきりとその名前を口にする……
「ジル……お前……どうして……?」
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ジル
ルイン部隊長
キラがRUIN所属だったころの部下
細く小柄な青年。
キラに心酔している。
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「覚えていてくれたのですね……」
瞳に大粒の涙を溜め……座り込みジルは嗚咽を洩らす……
「わ、私は……あなたに死んでほしくないんです……」
彼のことは子供のころから本当の弟のように面倒を見てきた。
キラは優しくジルの頭を撫で感謝の言葉を告げる。
何度も何度も首を横に振り「いいんです」と口にした。
だがそんな彼を組織は許すだろうか……
「ジル……お前大丈夫なのか?」
思わずキラは口にしてしまう……大丈夫な訳がない……
それは彼の姿が物語っていた……
ジルは体のいたるところから出血していたのだ。
「平気です……覚悟していましたから……」
笑顔を見せるジルにキラはただただ……謝ることしか出来なかった……
「ジル……すまない……本当にすまない……」
首を横に振りキラの手を握る。
「私は、あなたの為ならどんなことも苦ではないんです……」
お互いにクスッっと笑うとキラは口を開く。
「そうだ!どうせ組織には戻れないんだ俺と一緒に海賊やろう」
突然の一言にジルは驚きの表情を浮かべるが……すごく嬉しそうな顔を見せ口を開く。
「はい!私をあなたのおそばにずっと……」
ドンッ!っと銃声が森に響き渡る……
座っていたキラはとびおき辺りを見回す……
「ジル……気をつけろ敵は……!?」
口から血を噴出しジルが糸の切れた人形のように倒れこむ……
腹部には血が滲み……弾は貫通しているようだった。
キラはジルの傷を手で押さえ体を抱きかかえる。
「待ってろ……すぐに治療してやる……」
「キ、キラ様……」
力強くジルがキラの服を掴む……
痛みに耐えているのだろう……
『ハハハハハハ!裏切り者は、こうなるんだよ!』
船首から声が聞こえる……
顔を上げると視線の先に……汚い笑みを浮かべた男の姿があった。
「よぉ。ユダ様!元気かい?」
「ケイ……」
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ケイ
ルイン部隊長補佐
キラがRUIN所属だったころの部下
背が高く痩せ型の男。
頬に大きな痣がある。
現在ジルの部下。
武器:銃(RUIN仕様)
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キラが鋭く睨み付けるがケイはまったく気にせず話し始める。
「まったくウチの隊長は、困ったもんだな。裏切り者に手を貸すとは。」
何の躊躇もなく自分の隊長を撃つ……
何故そんな非道なことが出来る……
歯を食いしばりキラは大声を上げた。
「ケイ!貴様!心はないのか!」
怒りに唇が震える……
何かが体の奥底で燃えている気がした。
ケイはヘラヘラと笑い口を開く
「心なんかもってたらあんたみたいになっちまうだろ?ユダ様?」
確かに昔からこの男は自分とジルのことが嫌いだった……
そんな俺達のようにはなりたくないと残虐非道な任務はすべてこいつが請け負っていた……
怒りに任せケイに掴みかかろうとするとジルがキラの腕を掴む。
「いいんです……悪いのは俺ですから……」
「何言ってんだジル!?」
組織では裏切り者は殺される……これは当たり前のことだった。
生かされる場合など……ありえない……
「裏切ったのは事実です……それに……後悔してません……あなたを助けることができて良かった……」
ジルは優しくキラに微笑む。
優しくキラはジルを抱き寄せる。
「死ぬな……一緒に海賊やるんだろ……!」
「あなたの……そばに……いたかった……」
笑顔で尊敬していた男の腕の中で彼は静かに目を閉じた……
「ハッ!最後まで仲良しごっこしやがって!」
ケイが大笑いし始める……
そしてジルを見下ろすとケイは口を開く。
「クズらしい最後じゃねぇか、良かったな~」
その言葉を聞き……キラはの怒りは頂点に達した……
脳がコイツを殺せと呼びかける……
絶対にコイツはお前が裁け……と……
瞳は赤く輝き鋭さを増す……
ケイを恐怖が支配していく……
「お、おい……まさか……」
無意識にキラは自分の指の皮を噛み切る……血が指を滴り地面に落ちた。
「思い出したのかよ……」
二歩三歩と後退しブルブルと体を震えさせる……
指から滴り落ちたキラの血液が形状を変えていく……
「報告だ……キ、キリク様に……報告しなきゃ……」
ケイがつまずきながら森の中へとすごい勢いで逃げていく。
木から木へと飛び移り必死になって逃げる。
「目覚めた……目覚めさせちまった……!」
ブツブツと呟くケイの首に一瞬光が走った……
なぜかケイの目に……自分の体が映っている……
首のない体が木から落ちていく……
『断罪の鎌』
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断罪の鎌
キラの血液により創造された大鎌
彼の意思で伸縮可能。
強度、鋭さも意思で変化する。
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ケイの頭が地に落ちる。
自分の手に持つ大鎌を見つめ大きく息を吐いた。
「裁き……完了……」
自分の能力を思い出した……物質・液体などの形状を変化させ武器とすることができる。
だが思い出したところでジルは帰ってこない……彼の元に歩み寄る。
ジルの死体を抱き上げ森の中に入る。
彼を埋めてやるために。
何故、自分が能力を忘れていたのか……それは……
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~記憶~
組織から逃げ出すときキラは海に飛び込んでしばらく漂流していた。
漂流してる間に衰弱し……拾われたときにはすでに過去の記憶のほとんどが消えていたのだ。
飛び降りた時に頭を強くうったショックだったのだろう……
たまに記憶が戻ろうとしたときもあったが……激しい頭痛を恐れ思い出すことを避けていた……そのうちに肝心な能力の部分は完全に眠ってしまったのだ。
そしてこの能力はなんなのか?
悪魔の実を研究していたルインは悪魔の実の成分を取り出し、実験し、何万もの人間を犠牲にして完成したのが……
『禁断の果実』とよばれる悪魔の実の類似品。
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禁断の果実
禁断の果実特徴:能力者の弱点の水、海楼石が弱点ではない。
弱点:防御面
超人・自然系の一部は、打撃・斬撃が通じないなど利点があるが。
禁断の果実の能力者はそれらの攻撃が通じる(ただし一部を除く)
禁断の果実を食べることを許されているのは、ルインの人間のみ。
(隊長クラスより上の人間)
ルインの科学力を知っている人間は、ほんの一握りの人間だけ。
禁断の果実の存在を知っているものはいないに等しい。
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過去の記憶を辿りながらもくもくとキラはジルを埋める穴を掘っていた。