ONE PIECE~海賊王への導き手~ 【にじファンから移動】   作:グリム★

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ナミを治療するためドラム王国を目指す麦わら一味。

※9月12日修正


第二十二話 チョッパー登場 ※9月12日修正

 キラたちはナミを治療する為ドラム王国を目指し進み続けていた。

 だが行く手を阻むかのごとく海は荒れ辺りを暗闇が包んだ……どんどん進むのが困難な状態になってくる。

 航海士の指示なしで進むのは危険だろうと考えたキラは停泊の決断をした。

 大きく息を吐きメインマストに背を預ける。

 ゾロがキラへと歩み寄ると声を掛けた。

 

「今日はもう進まないのか?」

 

 小さく頷きキラは口を開く

 

「さすがに航海士無しの状態じゃ暗闇を進むのは辛いな……ましてや看病しながらじゃなおさらさ」

 

 肩を竦めお手上げの表情を浮かべるキラにゾロは申し訳なさそうな顔をする。

 

「何から何までお前に何もかも任せっぱなしだな……」

 

 ニコリと笑いゾロの方をポンポンと叩くと気にするなとだけいいキラは船室へと向かった。

 船室の扉を開け中に入るとナミがこちらに気づき体を起こす。

 今日は停泊することをナミに伝えゆっくり寝てるように声を掛けた。

 濡れたタオルを取り替え少しでも体を暖かくするように毛布を掛けなおす。

 キラには看病と言ってもその程度しか出来なかった。

 ナミの額に手をやり温まったタオルを桶に入った水へと浸すが……

 水はナミの熱でだいぶ温まっていた……

 立ち上がり水を替えに行こうとするとキラの腕が掴まれる。

 振り返るとナミがしっかりとキラの腕を握り締めていた。

 

「どうした? 水でも飲むか?」

 

 首を横に振るとナミは口を開く

 

「キラ……全然寝てないでしょ? 私は大丈夫だから……」

 

 彼女の言うとおり……キラは2日ほど寝ていなかった。

 明るい内は航海……夜になると看病。

 誰かに看病を任せればいいのかもしれないがウチの他の男供には怖くて任せられない。

 なんといっても病気になどなったことがない奴等だ……どんな看病をするのか……怖くて考えられない……

 では女性にやってもらえばいいのでは……と思ったが姫にやってもらうわけにはいかない。

 そうなると……自分しかいないのであった。

 

 気にするなとキラは首を横に振る。

 

「うん。ごめんね。」

 

 ナミの言葉に笑顔を見せキラは船室を出て水を替えに行った。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~朝~

 

 朝日が体に染みる……

 大きく体を伸ばすとキラは軽く立ち眩む……

 ビビが船室から出てきてキラへ声を掛ける。

 

「おはようございます」

 

 笑顔を向けビビに朝の挨拶をする……

 船べりへ腰掛けキラは海を見つめる……早くドラム王国へと……気持ちだけが焦っていた。

 

「キラさんは、すごいわ。」

 

 突然ビビがそう口にする。

 不意をつかれ不思議そうな顔でキラが見つめるとビビは笑顔を見せ…… 

 

「だって、何でもできるじゃない?」

 

 何でも出来る……か……

 キラはクスクスと笑うと口を開いた。

 

「器用貧乏ってやつさ」

 

 二人は顔を揃えて笑う。

 自分の国が心配だろうに……強い子だ……

 絶対に彼女の国を助けて見せると……キラは心の中で誓う。

 

「キラ!島が見えたぞ!」

 

 船首へ腰を掛けていたルフィが大声を上げる。

 海へ視線を移すと確かに島が見えた。

 島は雪で覆われている……これが冬島ドラム王国である。

 それぞれが入港の準備を始める……寒い為防寒具が必要だ。

 準備を終え島に上陸しようと船をつけるが……

 

「待て!海賊供!」

 

 陸で大男が武装した兵と共にメリー号を取り囲む……

 あの男は……見知った顔だ……

 

「俺たちは、医者を探しに来たんだ!」

 

 ルフィがそう叫ぶが聞いてなどもらえない……

 出て行けと言わんばかりに複数の銃口がこちらに向けられていた。

 海賊言うことなど信用してはくれないだろう……

 大きく息を吐きキラは兵たちを威嚇するルフィの前に出ると大男を真っ直ぐ見つめ口を開いた。

 

「久しぶりですね……ドルトンさん」

 

 ドルトンと呼ばれた大男はしばらくキラの顔を見つめると……思い出したかのように大きく目を見開く……

 

「き、君は……あのときの……」

 

 笑顔でキラが頭を下げるとドルトンは踵を返し歩き始める。

 

「付いてきたまえ……村に案内する」

 

 突然のドルトンの行動に兵たちは声を上げた。

 

『ド、ドルトンさん!?いいんですか!?』

 

 ドルトンは立ち止まり振り返ると兵たちを諭すかのように口を開く。

 

「忘れたのか……一度村が海賊に襲われたとき助けてくれた少女だ」

 

 兵たちは振り返りキラの顔をまじまじと見つめる……

 思い出したかのように一人の兵が声を上げた。

 

「あ、あのときの娘か……」

「男なんだが……まぁいい……」

 

 頭をボリボリと掻きキラはルフィ達の方を振り返ると全員がキラへと飛びつく。

 重さでキラが雪へと埋まるがそれでもなお抱きつく。

 

「く、苦しい……埋まってるって……」

「ったく、何やってんだか……」

 

 大きく白い息を吐きゾロが呆れた顔でこちらを見ていた。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~雪の降る村ビッグホーン~

 

 雪道を進みドルトンの後をついていくと村へと到着する。

 あたり一面雪景色……雪にはしゃぐルフィとウソップを放っておいて

 キラたちはドルトンに一軒の家へと通される。

 家へ入ると寒さで凍えた体を暖炉の火が優しく包み込む。

 どうやらここは彼の家らしい。

 椅子へと腰かけるとキラは早速用件を伝える。

 病気の仲間がいること……熱が高く危険な状態であること……Drくれはに治療を頼みたいと言うこと……

 

「42度か……これ以上上がると死んでしまうぞ」

「百も承知です。だからこそDrに治療をお願いしたい」

 

 ドルトンはキラの真っ直ぐな瞳を見つめるとゆっくり口を開く。

 

「今は、ドラムロックの城にいる」

 

 ドラムロックとはドラム島の中央に高くそびえ立つ山である。

 キラはそれを聞くとナミを背負い家から出ようと扉へ手を掛けた。

 驚きの表情を浮かべドルトンが口を開く。

 

「な!?あそこまで病人を背負っていくのか!?」

 

 時は一刻を争う……それ以外に手段は無い……

 大きく頷きキラは扉を開けた。

 ドラムロックへ向かいキラが歩き始めた……そのとき……

 

『キラ!俺たちも行くぞ!!!』

 

 ルフィとサンジが大声を上げた。

 笑顔を見せキラは頷いた……ドラムロックは標高5000m……

 まずは山までの道を進まなくてはならない……キラたちは雪で覆われた急な斜面を駆け上がる。

 途中途中でキラがフラフラとし真っ直ぐ歩けない……

 寝不足がたたっているようだ……

 それに気づいたサンジが声を掛ける。

 

「無理すんなよ。ナミさん落としたら洒落にならねぇぞ。」

 

 頷きキラは気を引き締め斜面を駆け上がった……

 進んでいると……獣の鳴き声が聞こえる……

 振り返ると……巨大なウサギ……凶暴ウサギのラパーンが姿を現した。

 無視して3人は斜面を駆け上がる……が……

 行く手を阻むかのようにラパーンが周りを飛び回り始める。

 キラがサンジを見つめると……大きく頷き……

 

「鬱陶しいんだよ!!!」

 

 ラパーンを蹴り飛ばすサンジ……

 他のラパーンたちも飛び回るのを止める……それを確認し再び進み始める。

 順調に進んでいると……唸り声とともに目の前に巨大なラバーンが何頭も現れた。

 どうやら先ほどのは子供だったようだ。

 ルフィとサンジがキラに先に行く用合図しラパーンへと向かっていく……

 2人がこじ開けた道をキラはただひたすらにキラは走り抜ける……

 雪に脚を取られ思ったように進めない……それがわかっているのかあきらめずに後を追ってくるラパーン。

 

「チッ……しつこい……」

 

 舌打ちをしキラがラパーンを見つめると……

 ラパーン達が雪の上で何度もジャンプを繰り返し始める……

 

「やべぇ……あれ、きっと雪崩起きるわ。」

 

 平然とした顔でキラがそういうとサンジが叫ぶ。

 

『なんでテメェは、そんな冷静なんだよ!!!』

 

 予想通り雪崩が起きた……こちらへと雪の波が向かってくる。

 3人とも一目散に雪崩から逃げる……が雪崩はさらに勢いを増しキラたちを襲う……

 睡眠不足で足元がおぼつかない……

 キラはナミをルフィに預けた。

 フラフラな自分よりもルフィの方が安心だと判断したのだ。

 

「任せたぞ!」

 

 キラの言葉に大きく頷きルフィは雪崩を避けるようにして逃げていく。

 サンジもルフィの後を追い進んでいく……

 後は自分だけ……キラは指を噛み血を滴らせる。

 雪崩が目の前まで迫っていた。

 大きく舌打ちをしキラは血液で長い板を作り出すとその血の板へと飛び乗る。

 うまく行くとは思っていない……だがダメで元々……

 雪の上で血の板が滑走する。

 雪の波に乗った板はどんどんと加速した。

 途中逃げているルフィの姿を確認すると……キラは大声を上げる。

 

「ルフィ!手を伸ばせ!」

 

 声に気づいたルフィがキラの手を掴み板へと乗った。

 板を大きく作っていた為二人乗っても問題はない。

 

「おおおおお!おもしれぇ!!!!」

 

 喜ぶルフィを尻目にキラはサンジの姿を探す……

 どこにもいない……どうやらサンジはルフィとはぐれてしまったようだ。

 仕方なく2人で安全な場所まで移動する。

 大きく息を吐くとキラの視界に吹き飛ばしたはずの男の姿が入った。

 

『いました!ワポル様!』

 

 そうドラム王国元国王ワポルだ。

 どうやら側近と一緒のようだ……吹き飛ばされた後部下達と合流できたらしい。

 仕返しに来たのだろう……キラはルフィに声を掛ける。

 

「ルフィ……先行け……」

 

 ルフィは頷きドラムロックへと走っていく……

 首をコキコキと鳴らすとキラはワポルを睨みつけた。

 

「この前はよくも……」

 

 ワポルはそれだけ言いかけ言葉を飲み込んだ……

 目の前の男は突然どこからか大鎌を取り出しクルクルと体の回りを回していた……

 鋭い眼差しに側近たちも言葉を失っている……

 キラは大きく息を吐くと……鎌を一振りする……

 風圧で周りの木が吹き飛んでいく……

 

「俺は、寝不足でイラついてんだ……」

 

 側近が青ざめワポルを見つめる……

 焦りの表情を浮かべたワポルがゆっくりと口を開く。

 

「よ、よーし……お、お前は許してやろう」

 

 何も言わずキラはワポルとの距離を縮めていく……

 後ずさりしながらワポルは言葉を続ける。

 

「お、お前は見逃してやるといってるん……!?」

 

 赤い瞳がワポルの恐怖を増幅させた……

 キラの紫色の瞳は怒りで赤く染まっていたのだ。

 

「失せろ……死にたいか……」

「ヒッ……!」

 

 急ぎワポルは逃げていく……

 大きく息を吐きキラは大鎌を血液へと戻す……

 ドラムロックを見つめ頭を抱えた。

 

「これ……登るのか……」

 

 頂上を見上げ苦笑いを浮かべる……

 近くで見ると恐ろしく高い……

 表情を引き締めるとキラはドラムロックへ拳を突き立てると……岩に突き刺す。

 どうやら拳を突き刺し上っていくようだ。

 頂上を目指し山を登っていく……標高は5000m……気が遠くなる……

 睡眠不足の為途中で眠気が襲ってくるが眠気を我慢しドラムロック頂上の城へとたどり着いた。

 

 上りきって一息つくと……背後から人の気配がする……

 

「ヒッヒッヒッヒ。久しぶりだね。キラ。」

 

 振り返ると酒を片手に持った老婆の姿がある……歳のわりに元気なこの老婆こそDrくれはであった。

 

「久しぶり……元気そうだね。俺の仲間来てるかい?」

「あの麦わらの小僧だね、中にいるよ」

 

 そう言ってDrくれはは城を指差した。

 Drに招かれキラは城の中へと入る。

 

 城の中は雪で覆われていた。

 それもそのはず城門がひらっきっぱなしになっていた……

 

 何故締めないんだと辺りを見回していると……

 視界の端で何かが動いた……何かいた気がするが……

 殺気がない……敵ではないのだろう……

 

「チョッパー出てきな!」

 

 Drが突然叫ぶ……

 チョッパー……助手でも取ったのだろうかとDrの見つめる先を眺めていると……

 

「ドクトリーヌ……俺……」

 

 扉の向こうから声が聞こえる。

 どうやら扉の影に隠れているようだ。

 声からするととても幼い気がするが……

 

「大丈夫だよ……こいつも化物さ。」

 

 Drはキラを指差すと化物呼ばわりする……

 あいかわらず口が悪いなと笑っていると……

 

「化物って……女だろ?」

 

 鹿のような生き物が扉の向こうから顔を出した。

 どうやら彼がチョッパーらしい。

 

「女じゃない。ちゃんとした男だ。君がチョッパー?」

 

 コクンと頷くと再び扉の後ろへと隠れてしまった。

 キラは腰を落としチョッパーの視線に合わせると声を掛ける。

 

「俺はキラ。よろしく。」

 

 そう言うとキラは握手を求め手を出す……

 少し警戒心が解けたのかチョッパーは影から出てきてキラの手を掴む。

 ニコッっと笑うとチョッパーもぎこちないながら笑顔で返してくれた。

 

 チョッパーはまじまじとキラの顔を見つめるとDrに問いかける。

 

「ドクトリーヌ、キラのどこが化物なんだ?」

 

 キラの手をペタペタと触りチョッパーはどこが化物なのか確かめているようだ。

 その光景が微笑ましくキラは思わず笑顔になる。

 Drはチョッパーの質問に対し昔を思い出すかのように口を開いた。

 

「こいつはね……普通の人間なら1年はかかる怪我を1週間で治したのさ」

 

 昔組織から逃げ出したキラは運よくこの島に流れ着いたのだ。

 そのときキラの体は普通の人間ならば死んでいるであろうと言うような状態だったらしい。

 

「あれは、Drの治療がよかったんですよ」

 

 肩をすくめながらキラはそう口にする。

 

「何言ってんだい。あたしが治療して完治まで1年ということだよ。」

 

 Drが呆れた顔でキラを見つめた。

 チョッパーはキラキラした瞳で見つている。

 

「キラの回復力はすごいんだな!こんど体見せてくれよ!」

 

 今度なと口にするとキラは辺りを見回しナミの姿を探した。

 それに気づいたDrが声を掛ける。

 

「ああ、あの娘かい?」

 

 頷きキラは口を開いた。

 

「やっぱりケスチアだったでしょ?」

 

 Drはクスクスと笑うと大きく頷き

 

「あいかわらず目だけは、確かだね」

 

 驚きの表情を浮かべチョッパーはキラに尋ねる。

 

「キラは医者なのか!?」

 

 首を横に振るとキラは笑顔を見せた。

 チョッパーの頭を撫でると口を開く。

 

「チョッパーほどすごくはないよ。」

「う、うるせぇ。すごくなんかねぇよバカヤロウ~。」

 

 体をくねらせチョッパーは嬉しそうな表情を浮かべた。

 面白い奴だとキラは笑顔を見せる。

 

 医者が仲間だと心強い……キラはゆっくりと口を開く……

 

「仲間にならないか?」

 

 突然のキラの誘いにチョッパーは固まった。

 自分でも何故そんなことを言ったのかはわからない……

 だがルフィならそう言うだろう……そう思うと思わず口にしてしまったのだ。

 

 「で、でも俺……バケモノだし……」

 

 やはりチョッパーは躊躇っていた。

 笑顔をチョッパーに向けキラはナミの部屋へと向かっていく。

 

 「俺だってバケモノさ……まぁ、考えといてくれ」

 

 困惑の表情を浮かべるチョッパーはどう思ったのだろうか……

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