ONE PIECE~海賊王への導き手~ 【にじファンから移動】   作:グリム★

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エースとの出会い、別れ。

反乱軍を止める為いざ、ユバへ


第二十八話 仲間

 海上を移動し緑の街エルマルへ上陸した麦わら一向……アラバスタへの道のりを砂漠を渡り進んでいく……

 目的地は中間地点のユバなのだが……

 肌を照りつける熱が容赦なく体力を奪い取っていく……

 汗を拭いキラは太陽を睨みつけ……口を開く……

 

「クソッ……あついな……」

 

 冬島出身のチョッパーは完全に暑さにやられ台車に乗りゾロに引っ張ってもらっているようだ。

 顎を挙げ汗を垂らしながらルフィがうめき声を上げている。

 飲み水をみんなで節約しながら進む……大事な水だガバガバ飲むわけにはいかない

 それぞれが少しずつ水を口に含み砂漠を歩く。

 心配そうな表情でビビはキラの顔を覗き込む……

 彼は砂漠を進んでいる間……一度も水を口にしていない……

 

「キラさん……大丈夫?お水飲んだら?」

 

 笑顔で首を横に振りキラは大丈夫と口にする。

 だが渇きで彼の声は出ていなかった。

 

「み、水飲んでいいか……」

 

 水筒を手に持ちルフィがそう言うとナミが釘を刺す。

 

「一口よルフィ。口に含む程度大切な水なんだから。」

 

 ブツブツと何かいいながらルフィは口がパンパンになるほど水を含む。

 それを見たウソップが勢いよく突っ込む。

 

「含みすぎだ!」

 

 叩かれた衝撃でルフィの口に含まれていた水が吐き出される。

 

「ウブッ!はきだしちまったじゃねぇか!」

 

 ケンカを始めた二人の声はキラの耳には届いていなかった。

 意識が遠のいていく……

 自分も人間なのだとクスッと笑いキラは前のめりに倒れた。

 隣を歩いていたビビはキラの体を起こし声を掛けるが……反応が無い……

 

「キラさん大丈夫!?トニー君!」

 

 寝ていたチョッパーが飛び起きキラへと駆け寄っていくと額に手を当て口を開いた。

 

「……熱中症だ!」

「とりあえず日陰で休みましょう!」

 

 ビビは岩陰を指差しそう口にする。

 

「よし!キラ!日陰で弁当だ!弁当食えば治るぞ!待ってろ!」

 

 一足先に荷物を持ってルフィが岩陰へ移動し何もないか辺りを見回すと……

 岩陰に何羽もの鳥が倒れていた……ルフィは荷物を置くと急ぎチョッパーに声を掛ける。

 

「チョッパー大変だ!死にそうな鳥がいっぱいいるんだ!助けてやってくれ!」

 

 大きく頷くと急ぎチョッパーが岩陰へと向かう……ビビは思い出したようにルフィに尋ねた。

 

「鳥!?まさか!?ルフィさん、その鳥って!」

 

 気づいたときにはもう遅く……チョッパーが駆けつけた時には鳥も……そして一味の荷物もなくなっていた……

 苦い顔をしたビビが呟く

 

「その鳥は、人を騙して荷物を盗む。砂漠の盗賊よ。」

 

 サンジがルフィへと歩み寄り掴みかかると怒声を浴びせる。

 

「おまえ!鳥なんかに騙されやがって!」

 

 ムッとした表情でルフィも言葉を返す。

 

「仕方ないだろ!騙されたんだから!」

「てめぇの脳は、鳥以下か!」

 

 今度はルフィとサンジがケンカを始める……

 疲労と乾きで気が短くなってるのだろう……

 

 寝ていたキラがゆっくりと体を起こし立ち上がると……サンジとルフィを見つめ叫んだ。

 

『てめぇら!少し落ち着け!見方内で争ったって仕方ないだろうが!』

 

 怒声が砂漠に響き渡る……

 ケンカしていた2人は静まり返りキラを見つめた。

 2人がケンカを止めたことを確認するとキラは大きく息を吐きチョッパーに尋ねる。

 

「俺は……?どうしてた?」

「熱中症で気を失ってたんだ。全然水飲まないからだぞ」

 

 心配そうに見つめるチョッパーの頭を撫でキラが口を開く

 

「ウチの連中は、計画性ないからさ……誰かが飲まなければ少しは水も持つだろ?」

 

 全員が申し訳なさそうな顔をする……

 自分を犠牲にして仲間達の為に……ナミが怒鳴り声を上げる。

 

「少しは、自分の心配もしなさいよ!」

 

 瞳を潤ませながらナミはキラの服の裾を掴む。

 

「心配させないでよ……」

 

 クスッと笑いキラはナミの方をポンポンと叩く……そして先頭をきり歩き始めた。

 

「さぁ、行くぞ……早いとこ戦争を……」

 

 腕をつかまれキラは立ち止まった。

 首を横に振りナミが口を開く。

 

「あんたは、しばらく寝てなさい。」

 

 大丈夫と口にしキラが歩き出そうとするとサンジが声を掛ける。

 

「キラ、少しは甘えろよ」 

「お前の力が必要になったときには、叩き起こしてやるから今は休んでろって」

 

 ウソップがキラの肩を叩き笑顔を見せた。

 微笑みキラは台車に腰を下ろす。

 

「じゃあ、少し休む……」

 

 すこしの間だけ彼は仲間達に甘えることにした。

 正直に言うとまだ視界はよろしくはないのだ……

 少しだけ……本当に少しだけでいい……眠らせてもらおう……

 仲間達が自分の力を必要とする……それまでは……

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~ロベルト サイド~

 

 重たい扉を開け建物の中へと入る。

 ここは表向きはカジノだが……裏はBWのアジトになっていた。

 ロベルトは大きくため息を吐き天を仰ぐ……

 自分に死神を倒せるのだろうか……昔挑んだときは指一本すら触れることが出来なかった。

 あの赤い瞳に睨まれただけで失神しそうになっていたほどだ。

 

「無理だ……」

 

 ボソッっと呟いたロベルトは椅子へ腰を掛けた。

 物思いに耽っていると扉が開かれる……

 

「なんだ……暗い顔じゃねぇか豪腕……」

「クロコダイル……」

 

 扉を開け現れたのはクロコダイルとMsオールサンデーだった。

 クロコダイルはロベルトに近づくと笑いながら口を開く。

 

「これから祭り(戦争)だっていうのに何暗い顔をしてる」

 

 俯きながらロベルトは答える。

 

「来るんだよ……死神が……」

「死神?」

 

 オールサンデーは首を傾げロベルトに聞き返す。

 ふと視線をクロコダイルへ向けると険しい顔をし拳を握り締めていた。

 死神とは……彼が……クロコダイルが表情を変えるようなことなのかとオールサンデーは記憶をめぐらす。

 黙っていたクロコダイルが口を開く。

 

「奴が……生きていたのか……」

 

 歯を食いしばりクロコダイルは踵を返し扉へと向かっていく。

 思い出したのかオールサンデーも顔を真っ青にし固まっていた。

 忘れたくても忘れることの出来ない恐怖……

 背を向けたままロベルトにクロコダイルが声を掛けた。

 

「貴様が始末しろよ……豪腕……」

 

 ロベルトは頷くと震える拳を押さえつけ……俯いたまま答える……

 

「もちろんだ……昔の俺とは違う……」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 麦わら一行はユバにつくとキラをベットへと寝かせる。

 彼の熱は40度近くあり危険な状態だ。

 チョッパーはタオルを取り替えながらキラに感謝した。

 キラのあの一喝からみんな文句を言わずユバへと歩き……そしてたどり着くことが出来たのだ。

 

「ほんと……キラはすげぇなぁ……」

 

 笑顔でチョッパーはそう呟く。

 タオルを交換しようと手を伸ばすと……キラは目を覚ました……

 見慣れない天井が目の前にある……

 

「ここは……?」

 

 体を起こそうとするキラをチョッパーがまだ寝てるようにとベットに戻す……

 

「ここはユバだよ」

 

 チョッパーがそう答えるとキラは申し訳なさそうな顔をする。

 彼は自分がずっと寝てたのが迷惑になったと考えたのだろう。

 

「仕方が無いよ。熱40度あったんだし……」

 

 タオルをキラのおでこに乗せチョッパーがテーブルの上のコップを手に取る。

 

「キラ、水飲んだら。もう少し休むんだぞ」

 

 渡されたコップを手に取りキラは微笑み口を開く。

 

「はいはい。ウチの船医さんはおおげさだな……」

 

 水を飲み干すとキラは再び深い眠りへと落ちていった……

 

 

~翌朝~

 

「昨晩はお世話になりまして……申し訳ありません……」

 

 痩せた中年の男性(トト)にキラは深々と頭を下げる。

 昨日は一日中眠っていて挨拶などろくに出来なかった。

 

「体は、もう大丈夫かい?」

「ええ、おかげさまで。」

 

 優しく微笑むトトにキラも元気よく答える。

 出発しようと荷物をまとめ進もうとするとトトがルフィを呼び止め水筒を渡す。

 

「おお!水じゃん!」

「正真正銘ユバの水だよ。もって行きなさい。」

 

 首を傾げ水の何が珍しいのかと……ナミに尋ねるとものすごい表情でにらまれてしまった。

 何か悪いことを言っただろうか……

 ユバを後にし……反乱軍を止めるために進み始める。

 進めど進めど砂漠……一向に町は見えては来ない……

 歩いていると突然ルフィが立ち止まる。

 

「やめた」

 

 突然のルフィの発言に全員の歩みが止まった。

 立ち止まっている時間などないのだが……

 ビビが座り込むルフィに声を掛ける。

 

「ルフィさん、反乱軍を止めなきゃ……」

「反乱軍止めたらクロコダイルは、止まんのか?」

 

 ルフィの発言にビビは言葉を失う……

 確かに反乱軍を止めたからといってクロコダイルの暴走は止まらないだろう。

 次なる策を打って出てくるだけだ。

 それだとこちらは常に後手に回ってしまう……

 

「ビビは、この戦いで誰も死ななきゃいいと思ってるんだろ?」

 

 その言葉にビビは答えることが出来なかった……

 彼女の確信をついたのだろう。

 容赦の無い言葉がルフィの口から発せられる……

 

「甘いんじゃねぇか?」

 

 冷たい表情でそう言い放つルフィにビビは顔を真っ赤にして怒りを露にした。

 

「人が死ななければいいと思って何が悪いの!?」

「人は死ぬぞ」

 

 冷酷だが事実だ……

 こういう事態になってしまっては人の死は避けては通れない……

 重たいかもしれないが現実だ……一人の少女に背負わせるには重たすぎる……

 感情を露にしたビビがルフィともみ合いになっている。

 ビビの拳がルフィの顔面にクリーンヒットするが……かまわず彼女は拳を振りかざす……泣きながら何度も何度も……

 

『俺たちの命くらい一緒に賭けてみろ!仲間だろ!』

 

 ルフィの叫びがこだまする。

 顔をくしゃくしゃにしてビビが座り込み泣く……背負っているものの重さ……それに押しつぶされそうなのだろう……彼女自身もどうしたらいいのかわからないのだ……

 そんな彼女に答えを提示する……導くのも……自分の運命なのかもしれない……

 キラはビビの近くにしゃがみ込んで左腕をめくりビビに仲間の印を見せ話しかける。

 

「俺たちは仲間だ……君の背負ってるもの……俺達も背負う……軽くしてやるよ……」

「キラさん……ううぅ……」

 

 声にならない声を上げビビがキラにしがみ付き泣き声を上げた……

 彼女の頭を優しく撫で……強い視線をルフィに向ける。

 

「ルフィ……負けられないぞ……」

「おう!ビビ教えろ!クロコダイルの居場所!」

 

 クロコダイル……首洗って待ってろよ……

 紫色の瞳を赤く染め……キラは不適な笑みを浮かべた……

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