ONE PIECE~海賊王への導き手~ 【にじファンから移動】   作:グリム★

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第三十話 ”豪腕””旋律”接触

 美しい町並みが眼前に広がる……ここが夢の町レインベース……

 水を求めルフィとウソップは勢いよく食事処へと走っていく。

 無理も無い……砂漠を水の制限がある状態で歩き続けたのだ。

 よくあの2人が文句も言わず歩いたものだとキラは関心していた。

 

「おーい俺達の分の水も頼むぞー!」

 

 サンジがそう叫ぶと2人は手を振って答える……

 心配そうな表情を浮かべるキラにナミが声を掛けた。

 

「大丈夫よ。あいつらだってお遣いくらいできるわ」

 

 キラが心配そうな表情で頷くとビビがクスッっと笑う。

 

「キラさん、心配なら見てきたら?」

 

 笑顔で言うビビに大きく頷きキラは2人の後を追い街中へと走っていった。

 

「ほんと心配性よね」

 

 そう言うナミの横でビビは頷き口を開く

 

「心配性で……とても……優しい人……」

 

 頬を赤らめそう呟くビビにナミはため息を吐く……

 

「ほんと……罪な男……」

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~ロベルト サイド~

 

「あんなに怒ることか……?」

 

 大きな体を丸めロベルトは街中を歩いていた。

 先日訓練も兼ねてバナナワニと戦闘していたのだが誤まって殺してしまいクロコダイルに散々説教をされたのだ。

 

「確かに……5匹ほど殺してはしまったが……」

 

 頭を掻き空を見上げる。

 バナナワニと戦闘したがあんなものではまったく話しにならない。

 死神は早く強く……そして情け・容赦はない……

 恐ろしいまでに非情な男……

 赤い瞳を思い出すだけで恐怖に体が震える……

 

『いたぞー!麦わらの仲間だ!』

「海軍?」

 

 俯く顔を上げロベルトは海兵の後を追いかけていった……

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「クソ……見つかるとは思わなかった……変装意味ないじゃないか!」

 

 キラは暑苦しいターバンのような帽子を投げ捨て町を疾走する。

 海兵達はキラのスピードについて来れずどんどんと引き離されていく……

 

 

「あの男……なんて速さだ……」

 

 大きくため息を吐きながら海兵はあきらめずキラの後を追う。

 あの後姿は間違いなく”旋律のキラ”に違いない……

 必死に追うが人ごみをスルスルと潜りどんどんとキラの姿は見えなくなっていく。

 

「おのれ……旋律……大佐になんと報告すれば……」

 

 海兵達は追うのを諦め来た道を戻っていった。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「ここまでくれば……大丈夫か……?」

 

 開けた道へと出るとキラは背後を振り返る。

 どうやら追っては来ていないようだ。

 だが仲間達とは離れてしまった……来た道を警戒しながらゆっくりと戻り始める。

 きっとこの街にはスモーカーがいる……見つかっては面倒だ。

 物陰に隠れながら進んでいると……ふと背後に人の気配を感じる。

 それはどこか懐かしい……気配……

 

「ロベルトか……」

 

 背後を振り返るとそこには”豪腕のロベルト”の姿があった。

 巨体を九の字にしてロベルトは深々と頭を下げる。

 

「お久しぶりです……ユダ様……」

 

 顔を上げるようキラはロベルトに言うとニコリと笑顔を向けた。

 常に表情を変えず淡々と任務をこなしていた”死神”が見せる笑顔にロベルトは驚いた表情を見せた。

 目を合わせば恐怖を覚える赤き瞳はもうそこにはなく……

 かつての”死神”は優しい眼差しでロベルトに話しかける。

 

「お前……組織を抜けたのか……?」

「ええ……抜けました……」

 

 真実を口にするロベルトにキラは心配そうな表情を見せた。

 組織を抜けると言うことは自分のように死ぬまで組織から監視される状態になってしまう。

 

「大丈夫……なのか?」

 

 微笑ながらロベルトは首を横に振った。

 

「つい先日……チェイスが自分の元に来ました」

「……暗殺部隊が動いたか」

 

 苦い顔をしながらキラはそう呟く……

 暗殺部隊は実力的には尉官ほどの実力がある……まともに戦えば無事ではすまないだろう……

 

「ただ……あなたを殺せば……罪には問わないそうです……」

 

 拳に力を込め真っ直ぐにキラを睨みつける……

 殺気を感じたキラはそれでも柔らかい表情は崩さなかった。

 

「そうか……でも俺もやらなければならないことがある……だから死んでやれない」

 

 ロベルトは震えた……柔らかい表情をしてはいるが……キラの醸し出す雰囲気が恐怖を与える……

 

「腐っても……”死神”か……」

 

 そう言いクスッっと笑うとロベルトは自分の頬を力強く叩く。

 自分にはキラのように”やらなければならないこと”などない……だが……組織に縛られず……己の目で世界を見てみたい……

 

「今は死神じゃない……ただの陽気な海賊さ……」

 

 お互いに距離を取ると……キラは妖しく微笑んだ……

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