ONE PIECE~海賊王への導き手~ 【にじファンから移動】   作:グリム★

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第三十六話 ロキ

 ゾロはジリジリと距離を保ちつつ隙を伺った……

 だがどう見ても隙だらけ……誘っているのか……?

 腕はダラリと下げ……視線は地に落ちた首を見つめ数を数えている……

 それにしても……見れば見るほど……ただの少女だ……

 体は小さく細い……大体150くらいだろうか……赤い瞳に……狂喜が宿っている……

 

「マリモ!後ろだ!」

 

 サンジの声に気づきゾロが後ろを振り返ると背後から炎の剣が迫っていた

 だがロキの姿は前にある……炎が意思を持ち襲ってきているとでも言うのか……?

 

「クッ……!」

 

 刀で受け止めるが煙が上がっている……

 このままでは刀が溶かされてしまう……ゾロは攻撃を受け流し少女の元へと走り……

 

『鬼切り!』

 

 当たった……が感触がない……

 

「こっちだよ……それじゃあ……僕は切れない……」

 

 背後に少女の姿がある……切られる……そう思った瞬間……

 

「お兄さん……怪我してるじゃん……つまんない……」

 

 腹部から血を流しているゾロにロキは不服そうな表情を浮かべた。

 どうやらMr1との死闘での傷が開いてしまったようだ。

 膝をつくゾロにため息を吐き辺りを見回す……

 自分の正体がばれてしまった……が戦争に終わりなどない……

 

「ま、いっか……他にも一杯殺す奴いるしね~」

 

 ニコニコと笑い地に落ちた死んだ兵の剣を拾い上げると近くにいた国王軍の首を刎ねた……

 首がなくなり糸が切れた人形のように転がる体をロキは恍惚の表情で見つめる。

 

「やっぱ……殺すの最高……」

 

 今……彼女はどちら側に着く必要もない……ということは……まさに殺したい放題……

 

「さ、ゲームスタート!」

 

 悲鳴が戦場を包みこむ……

 何故彼女は炎で出来た剣を使わないのか?

 それは普通の剣のほうが肉を切る感触が伝わりやすいから……

 彼女は欠陥品……品性が完全に損なわれ……快楽に溺れる……欠陥品……

 

 そしてその刃は……戦争を止めに来た……ナミにも向かっていた……

 

「ちょっと……何なの……これ……」

 

 どんどんと兵士達が倒れていき自分の元へと血まみれの少女が迫って来る……

 恐怖で……足が竦む……逃げることが出来ない……

 

「お姉さんも……兵士なの?」

 

 目の前まで来たロキが立ち止まりナミの顔を覗き込む

 少女の両手には兵士の首が握られ……どちらも恐怖の表情で止まっている……

 ナミは首を横に振りその場に座り込む……そんな彼女にも容赦などはなかった……

 

「お姉さん綺麗だね……きっと死に顔も凄く綺麗……」

 

 首に剣の先を突きつけられる……冷たい感触とヌルヌルとした返り血が感じられる……

 剣を振り上げた少女の顔は快楽を感じていた……

 振り下ろした瞬間……少女の体は宙を舞い地面へと落ちる……

 何が起こったのか……ロキは体を起こし辺りを見回す……と……自分と同じ赤い瞳と視線が合う……

 

「あぁあああ……ユダぁ……待ってたよぉ……」

 

 座り込むナミの体を起こし……キラはその赤い瞳に怒りを滲ませた……

 大鎌を手に持ち真っ直ぐにロキへと向かっていく……

 

「殺してやる……2度とてめぇの顔を見なくて良いように跡形もなくな!」

 

 叫ぶキラの気迫に国王軍、反乱軍は気圧され……気を失うものもいた……

 だがその状況もロキを楽しませることにしかならない……

 

「アハッ!最高!殺してよ!僕を美しい君の手で!」

 

 両腕に炎の剣を作り出しロキは満面の笑みでキラへと向かっていった。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

~ アルバーナ宮殿 ~

 

「ふん……だから貴様と俺では海賊の格が違うって言ってんだ……麦わらのルフィ……」

 

 力なく床に倒れているルフィへ向かいクロコダイルはそう口を開く……

 ルフィは確かにクロコダイルへ攻撃を当てた……だが……それで勝ちとはならない……

 相手は王下七武海……いくつもの死線を潜り抜けてきている……

 経験……その差がこの結果を生んだのかもしれない……

 

「さぁ……古代兵器の場所まで案内してもらおうか……」

 

 コブラを引き連れ……クロコダイルは歩き出す……何かを思い出したかのように立ち止まるとビビの元へと歩み寄り耳元で何か囁くと時計等の時計を指差し笑いながら去っていく……

 怒りに震えたビビは……大粒の涙を流し……力なく地面へと崩れるのだった……

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