「…ほぅ、つまり護衛艦娘と海上で合流したのか…。」
出撃した第一艦隊から無線で入った情報は、少なくとも俺の興味を引いた。
『そうみたいやね、とりあえず連れて帰るわー。』
「ああ、頼んだ。」
執務室に備え付けられている無線機が通信を拾わなくなると、俺は指揮官の椅子にもたれかかる様に飛び込んだ。
「…書類も、姉さんも面倒なことになりそうだな…。」
「第一艦隊、帰投したでーっ…ってなんや、まだ帰っとらんのかー?」
「帰ってないって…姉さんのことか?あいつならあと数時間は拘束されてるって、さっき電話で言ってきたたぞ。」
帰投した龍驤から受け取った報告書に目を通す。
「ああ、せや。例の保護した護衛艦娘、連れてきたで?」
「ん、ああ…入って貰ってくれ。」
そういうと龍驤が部屋の外に飛び出して例の艦娘の手を引いて戻ってくる。
「え、えっと…」
「君が、護衛艦の艦娘…か?とりあえずまあ、そこに腰掛けてくれ。」
普段は秘書艦が使うべき椅子を指して座るように促す。
「なんやぁ、うちはどこに座ればええねん?」
「冗談を言うなら茶でも淹れて来い。」
あー、はいはいっと龍驤が返事をして部屋を出る。
「…何か、申し訳ないね。それで、君は?」
「え、っと…海上自衛隊第一次護衛隊群所属、ゆきなみ型ヘリコプター搭載ミサイル護衛艦の三番艦、みらいですっ…えっと、艦娘って、なんです?」
目の前の少女は転生したばかりのようで、今の状況を未だに掴み切れていないらしい。
「その件は後で話すが…ゆきなみ型、というのは嘘ではないのだな?…すまない、俺はそのような艦級を聞いたことがない。」
そう言うと目の前の彼女が驚いたような、あるいは絶望をしたような顔をする。
「…もう一度言うが、我々の前身である海上自衛隊にはゆきなみ型なる艦型もヘリコプター搭載ミサイル護衛艦なる艦種も存在していないんだ。」
「…冗談、ですよね…?」
みらい、そう名乗った彼女はいまだに信じられないといった表情をしている。
「…ここに、海上自衛隊の創設から解体の65年、所属していた艦を纏めた本がある。」
「か、解体…!?だったら貴方たちはいったい…!?」
そうか、もし所属していても例の戦争の初期に沈んでいれば我々のことを知らないのか…。
「…日本国国防軍、海軍少将の天城龍夫だ。」
目の前の少女は未だに信じられないといった表情をしている。
「…どうして、自衛隊は無くなったんですか…!」
「落ち着いてくれ。みらい、と言ったか…知りたいなら、教えるぞ。」
「…お願い、します。」
決意を固めたかのような目でこちらを見る。
「ああ。それじゃあ、話そうじゃないか。例の戦争の始まりを。自衛隊の終わりと、私たち国防軍の始まりを。」
どうも、久里浜燐です。
年末投稿期間です。何本投稿するかは未定です()
と、言うわけでこの小説二話目。次回、解説回入ります。
それでは。下手したらよいお年を…((