目の前の少女に、これまで他の艦娘にも行ったかのようにこれまでの簡単な歴史を説明していく。
「3年前に、太平洋上で大型客船が軍艦に沈められるという事件が起こった。まあ、同じ海域じゃあ小型船がいくつか行方不明になってたが…それまでは嵐か何かに巻き込まれたと思っていたら、まさかの軍艦だったんだ。大型客船だからその分浮力を蓄えていてな、それであいつらの正体が軍艦連中だってわかったんだ。」
その半年後、国連軍主導による掃討艦隊が組まれた。
「自衛隊も護衛艦を5隻、強襲揚陸艦…じゃなくてあの時はまだ輸送艦だったな。そいつを出したんだ。」
護衛艦あたごを旗艦に、さわぎり、まきなみ、ありあけ、きりさめ、おおすみが国連軍艦隊として横須賀を発った。
「あの時は俺もわざわざ横須賀に行ったんだよ…その頃は民間人だったし、付き添いで…だがな。まあ、あの時ほどデモが無い出航は自衛隊創設以降無かったんじゃないか?」
しかし、最悪の結果に終わった。ミッドウェーでの艦隊集結前にゲリラ的に攻撃を食らい、帰投できたのは輸送艦おおすみ一隻だけ。しかも甲板使用不能・舵損傷・タービン損傷と帰ってくるだけでも奇跡的な状況だった。
「その後だったな、君達艦娘が現れたのは。」
日本近海で発見された深海棲艦への決定打。深海棲艦と同じく人型で軍艦の機能を持つ、万能の海上歩兵。それが、艦娘。
「最初は色々と問題だったらしいな、少女を戦に送り出すのは何事だ!とか…後は、当時の陸自が歩兵運用なら俺たちの本分だからこっち寄越せ!って言ってたりしたらしいな。」
「り、陸上自衛隊がですか…」
目の前の少女は軽く引き攣った笑みを浮かべている。
「まあ、現状を見ればわかるとおり海上自衛隊が運用していた。それで、今は自衛隊を解体して国防軍…要は、国を守る軍隊になったってことだ。理解できたか?」
「ええと…深海棲艦、が全世界の制海権を掌握して…海上自衛隊、が最低限の領海を奪還して解体…そこで、艦娘が…」
「ああ、そういうことだ。理解してもらえたか?」
「…はい、この姿になってしまったからには、理解するしかないかと…。」
私が、姉さんたちが産まれていない世界…二つの世界を生きた私には、信じられないような話ではありませんでした。
それでも、この世界の自衛隊が解体されていたのは、私の心の支えが無くなったような気分でした。
「みらい…大丈夫か?」
「ええ…」
一度、深呼吸をする。
「…天城少将、私も戦わせてください。」
「声が震えているぞ、みらい。」
落ち着いた…いえ、無理やり落ち着こうとしても心の焦りはなかなか隠せませんでした。
「私の乗員がいなくとも…
「…三日与える。とりあえず一度冷静になろう。」
「はい…」
そういうと少将は扉の方へ向かいました。
「…龍驤、聞き耳立てているのはバレているぞ?」
「なんやぁ、バレとったん?」
少将さんが扉を開けると、お盆の上に湯呑を二杯乗せた龍驤さんが入ってきました。
「はいな、これみらいちゃんのねーっ」
「あっ…ありがとうございます、龍驤さん。」
受け取って飲むと、洋上にいたから体が冷えていたのか、体の芯から温まるような気分になりました。
「ん、そんで俺のは?」
「無いわアホ、これはウチのやっ」
そんな二人のやり取りを見ていると、ついつい笑ってしまいました。
「あー…どうした?」
「あ、いえ…二人は指揮官と現場といった仲を超えているように思えて…」
「いやー、だってこいつ。本物の指揮官や無いねんで?」
その言葉の意味を理解する前に、執務室の扉がバンと音を立てて開かれました。
「げ、護衛艦キチ…」
「さあ、私の鎮守府に入ってきたっていう護衛艦娘ちゃんは誰なのっ!?」
次は艦これの短編を上げると言ったな、あれは嘘だ()
ごめんなさい久里浜です、投稿が遅れて申し訳ございません。
設定を練り直したりイベントで沼ったりしていました。
そこで、もともと書いてあったこの話を出してひとまずのつなぎにしたいと思いました。
短いですがいつも通りなので問題ありませんね!()
もっと文章量を増やせるように努力します……