…ゴフッ(吐血
これがISとFateのネームバリューか…
午後の授業
山田先生が教えている
「というわけで、ISは宇宙での作業を想定して作られているので、操縦者の全身を特殊なエネルギーバリアーで包んでいます。また、生体機能も補助する役割があり、ISは常に操縦者の肉体を安定した状態へと保ちます。これには心拍数、脈拍、呼吸量、発汗量、脳内エンドルフィンなどがあげられ――」
「先生、それって大丈夫なんですか? なんか、体の中をいじられているみたいでちょっと怖いんですけども……」
クラスメイトの女子の一人がやや不安げな気持ちで訊く。まぁ、ISを動かした時の独特とも呼べる一体感は、人によって不安を感じてしまうか。
「そんなに難しく考えることはありませんよ。そうですね、例えばみなさんはブラジャーをしていますね。あれはサポートこそすれ、それで人体に悪影響が出ると言うことはないわけです。もちろん、自分のあったサイズのものを選ばないと、形崩れして――」
「――あ」
山田先生が教えていると急に気付いたかのように俺と一夏を見てくる。そして数秒置いてからはボッと赤くなった。
「え、えっと、いや、その、お、織斑くんと御門くんはしていませんよね。わ、わからないですね、この例え。あは、あははは……」
山田先生は誤魔化し笑いをしているが、そんな事をしたところで教室には既に微妙な雰囲気を漂わせている。俺や一夏より女子達が意識しているみたいで、腕組みをするフリで胸を隠そうとしていた。
「んんっ! 山田先生、授業の続きを」
「は、はいっ!」
浮ついた空気を千冬先生の咳払いでシャットアウトした
千冬先生に促された山田先生は教科書を落としそうになりながら話の続きに戻った
「そ、それともう一つの大事なことは、ISにも意識に似たようなものがあり、お互いの対話――つ、つまり一緒に過ごした時間で分かり合うというか、ええと、操縦時間に比例して、IS側も操縦者の特性を理解しようとします」
要はISに乗れば乗るほど、互いの事が分かり合えるって事か。
「それによって相互的に理解し、より性能を引き出させることになるわけです。ISは道具ではなく、あくまでパートナーとして認識してください」
そのパートナーを利用して、男を奴隷のように扱き使うバカ女共がたくさんいるけどな。
俺が内心そう思っていると、女子の一人が挙手をする。
「先生ー、それって彼氏彼女のような感じですかー?」
「そっ、それは、その……どうでしょう。私には経験がないのでわかりませんが……」
赤面して俯く山田先生を尻目に、クラスの女子はきゃいきゃいと男女についての雑談を始めている。
男子生徒の俺や一夏がいるとは言え、やはり『女子校』的な感じだな。もう空気だけでかなりの糖度がある。
いや、この教室だけでなく、学園全体の空気が甘すぎる。それ以上に生徒達の考え方もかなり甘い。
ISと言う兵器を扱う為の知識を学んでいると言うのに、何故こんなに能天気なんだ? 人を簡単に殺せる兵器だと言う実感が無いんだろうか。
…俺が初めて人を殺したのは5年前だ。その時は新選組の人たちと訓練していた。あの時は初めて真剣を使って訓練をしたんだ。その時力加減が悪く一般隊員の人を殺してしまった。その後から数日間ロクに飯も食えず寝ることもできなかった。今では大丈夫だし、人を殺すこともできるだろう。だが覚悟なしに兵器について学びにきてる周りの人たちに、いつか俺みたいになるのかと思うと…少し悲しくなる。
(ちなみに俺が殺した一般隊員は次召喚した時普通にいた。むしろ、俺の事を褒めて俺はびっくりしたのを覚えている)
まあ、この事については別にいいか。
「……………………」
「な、なんですか? 山田先生」
「さっきから俺と一夏を見ていますが、何か?」
「あっ、い、いえっ。何でもないですよ」
訊いても両手を振ってお茶を濁す山田先生。何か妙な事を考えていたんだろうな。この人って妄想癖があるし。
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
「あっ。えっと、次の時間では空中におけるIS基本制動をやりますからね」
逃げる口実が出来たと言わんばかりに教室から出ようと準備する山田先生。
これが午後の授業の一部であった
放課後、剣道場にて……。
「どういうことだ」
「いや、どういうことって言われても」
ギャラリー満載の中、一夏は箒と手合わせ開始して十分後にアッサリと負けた。一夏の無様な姿に箒はすぐに面具を外して目じりがつり上がって怒っている。
「どうしてここまで弱くなっている!?」
「さすがにこれはひどいぞ一夏」
「……中学では何部に所属していた」
「帰宅部。三年連続皆勤賞だ」
一夏が帰宅部なのは家計を助けるためにバイトをしていたからだ。
「……一応聞くが御門。お前は武道を嗜んでいるみたいだが、何部に所属していた?」
「俺も一夏と同じく」
尤も俺は学校から帰って速攻に山奥で修行だったから、ハッキリ言って部活以上の事はしていた。
そう思っていると箒は引き攣った顔をしており……。
「――なおす」
「はい?」
「ん?」
「鍛え直す! お前たちはIS以前の問題だ! これから毎日、放課後三時間、私が稽古を付けてやる!」
何故か俺も含めて稽古すると言って来た。
「え。それはちょっと長いような――ていうかISのことをだな」
「だから、それ以前の問題だと言っている!」
こりゃ言っても無駄みたいだな。やはり山田先生に教えてもらったほうが良いみたいだ。ま、一夏の場合は少し体を動かしておいた方が良いかもしれないな。あんな体たらくじゃ、ISの知識を学んで動かしたところで身体が付いていけないと思うし。
「全くお前と来たら……! おい御門、今度はお前の腕を見てやるから防具を身につけろ」
随分な物言いだな。まるで実力は俺より上だと分かりきってる台詞だ。
「悪いが俺は箒の稽古に付き合う気は無いぞ」
「なっ!?」
俺の台詞に驚く箒だが、それでも俺は言い続ける。
「そもそも俺は剣道知らないし、俺の戦い方は多くの武器を使う刀だけを使うわけじゃない」
「だ、だがお前は何処にも部活に所属して無いと……」
「確かにそう言ったが俺は学校外で鍛えられてるんだ。大して体を動かしてない一夏とは違う」
「……本当なのか?」
信じられないみたいつぶやく箒。さっきの手合わせを見て篠ノ之の実力は大体把握した、俺でも充分に対応出来る。というか新選組の隊長クラスまでなら十分戦えるくらいに俺は強い。…油断しなければ。
「そうか……すまなかったな御門。だがどの道お前の実力も知っておきたい」
「だから俺は剣道をやらないって……まあ良い。この際だから箒に鍛え直される必要が無い事を分かってもらわないとな。一夏、竹刀を借りるぞ。それと少し離れててくれ」
「あ、ああ」
俺の台詞に一夏は俺と篠ノ之から距離を取った。離れた一夏を見て俺は竹刀を拾って篠ノ之と対峙する。
「さあ箒、いつでもどうぞ」
「………貴様、私を馬鹿にしているのか? 防具を着けずに私と手合わせをすると?」
制服のままで片手で竹刀を持ったまま構える俺に、篠ノ之は顔を引き攣らせながら言って来る。
「おい御門、いくらお前でもそれは無茶だ。箒は中学の剣道大会に優勝するほどの実力を……」
「問題無い」
「……わかった」
俺の『問題ない』発言を聞いた箒は構えた。
そして俺が構えたあと
「貴様の実力を見せてもらおうか!」
箒は俺に攻撃してきた。
へぇ、中々の気迫じゃないか。だけどまだまだだな。
「いぇやぁぁぁぁぁ!!」
気迫と同時に切り裂くような雄叫びを上げながら、竹刀を上段に構えた篠ノ之が向かって来る。
そして竹刀が俺の頭に当たろうとする直前に……。
バシイッ!!
「な、何だと!」
凄まじい音がすると攻撃をした篠ノ之、見ていた一夏だけじゃなく他のギャラリーも驚愕した。俺の竹刀で箒の竹刀を横から叩いて箒の竹刀が思いっきり飛んでいったことに
このくらいなら近藤さんクラスになればすぐ対応するのに
そして俺は驚いている箒に近づいて
パシンッ!
箒の頭に軽く面をして終わりっと。
「なっ!」
造作も無く篠ノ之を倒す俺に一夏とギャラリー再び驚愕した。
「とまあ呆気無い終わり方だったが、これで俺の実力は分かったか? 箒」
「…強いな」
「俺はISに関しては全くと言っていいほど大した事は無いが、この強さだけが唯一の取り柄だ」
新選組の隊長たちやイスカンダルについていった英雄達にはまだ及ばない所があるものの、それでも強くなると彼らに約束しているからな。
「じゃあ俺はやる事があるから部屋に戻るから一夏は箒にたっぷり縛られてこい」
「あっ、ああ」
そして俺はこの場を去った。
部屋に戻り周りを見渡すが誰もいないそれを確認すると俺はあることを始める。
それは…
この宝具俺が何もしなくても常に物が増え続けているため。週に一度この中身を整理しないといけない。
放出する物を選んだり(間違えて世界を終わらせるような物を使ったらやばい)
便利そうな物を選んだり(ドラえもんの秘密道具があった時はどうしようかと思った)
とやる事が多いのだ。
ちなみにこれやってる時は俺の周りに金色の波紋が現れるため迂闊にできない。
しかも俺が集中しているから何か起きても俺自身が気づかない。
だから俺は気づかなかった。
「…何してるの?」
この部屋に彼女、簪が戻ってきたのを。
俺がそれに気づいたのは整理が終わったあとだった。
俺は整理が終わったあと。シャワーを浴びようとした。
「…なにしてたの?」
そしたら近くから聞き覚えのある声が
俺は恐る恐る声がした方を向くと
「…更識?」
「…更識って呼ばないで」
「じゃあ、簪」
「で、何してたの?」
「…」
や、やべぇ!?どうしよう!?
何か、なにかないか!?
俺は必死に考える。そして思いついた。この状況を打破する方法を!
「ヒ、ヒーローごっこ」
その瞬間、空気が凍った。
この世界の特撮の一つに変身シーンで金色の波紋を出すヒーローがいると思い出した。
前世でも特撮ヒーローは結構好きな方だった。周りの人たちは見ないため俺も見なくなったが。今世はまだ見ているためこうなった。さすがにみんなの前でこの話題は絶対にしないようにしている。絶対に笑われるので。
「…天を断ち地を割り、魔神どもごと宙ソラを裂く!」
…これは!?
「おおよ、これが電火でんかの宝刀、いま必殺のォ!」
『天下無双、
「…」「…」
ガシッ
「…なりふり構わずやって来たぜ。呼ぶ声が聞こえたからな。」
「ああ、もちろんアンタたちの声じゃねえ。もっとか細く弱い声さ悔しくてやりきれないってな。ありゃあ世界が灼かれた瞬間、無数の誰かが叫んだ声だ。」
「やりたい事どんだけあったろうな。飯をじょさえる母もいた。明日も遊びたいガキもいた。」
「……オレにはてんで分からねぇ。奥歯をかみ砕くぐらいわからねぇ。」
「そういうものがよ、どんだけ大切なものか分からねぇってやつの頭ん中が分からねぇ!」
「人理だ未来だ言う前に、この馬鹿どもの精根を叩き潰す!」
「コイツらが灼き尽くしちまったなんでもない毎日と」
「そんなモンを手に入れたくても手に入れられなかった奴らの為にブン殴る!」
「俺は金時、坂田金時、音に聞こえた頼光四天王!」
「悪鬼を制し、羅刹を殴り!時にはゴールデンなマシンを駆ってひた走る」
「雷電一閃、ゴージャス•ゴールデン•ライダー」
『変身!!』
「…」「…」グッ
多くの人なら知ってると思うがこれは前世で聞いたことがあった。
そう、Fateにでてくる坂田金時である。
彼はこの世界では特撮ヒーローになっていた
「…御門亮。アキラでいい」
「…更識簪。簪って呼んで」
俺たちはこの時、心の友ができた
次回はセシリア戦…をかければいいなぁ…