ある剪定事象の記録   作:ペンギン隊長

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最後の適性者

 

 

 酷く眠い。どうも、霊子ダイブは慣れないとこうなるらしい、とのことだが…どうなんだろうな。とりあえず、僕と同じような状態らしい藤丸君はその通りの様だが。僕の場合は…いや、深く考えるのはやめておこう。

「…ところで、なんで先輩と呼ぶんですか、この子」

「・・・」

 マシュは僅かに頬を染めている。うん?

「ああ、気にしないで。彼女にとって、君たちぐらいの年頃の人間はみんな先輩なんだ。でも、はっきりと口にするのは珍しいな。いや、もしかして初めてかな。私も不思議になってきたな。ねぇマシュ、なんだって彼女たちが先輩なんだい?」

「理由…ですか?藤丸さんは、今まで出会ってきた人の中でいちばん人間らしいです」

「ふむ。それは、つまり?」

「まったく脅威を感じません。ですので、敵対する理由が皆無です」

 ああ、なんとなくわかるような気もする。彼は、まるっきり一般人って感じがする。でも、それなら僕は当てはまらないだろうから、僕の場合は違う理由…だよね?

「なるほど、それは重要だ!カルデアにいる人間は一癖も二癖もあるからね!」

「アイカさんは、ちょっと違って…うまく説明できないのですが、傍に居るだけで、なんとなく安心するような、そんな心地がします。ええと…そういう意味では、ドクター・ロマンにも、通じるところもあるような…?」

「ロマニに?しかし、ロマニは先輩ではないだろう?」

「ええ。違います」

 誰の話をしているんだか知らないが、僕は自分の同類に出会った記憶はないからなあ。少し気になる。何を以て通じると言われているのだか、さっぱりだが。

「いや、しかし、ふむ。…ふむ。私もマシュの意見には賛成だな。彼らとはいい関係が築けそうだ!」

「…レフ教授が気に入るという事は、所長がいちばん嫌うタイプの人間という事ですね。……あの。このままトイレにこもって説明会をボイコットする、というのはどうでしょうか?」

「それじゃあますます所長に目を付けられる。ここは運を天に任せて出たとこ勝負だ。虎口に飛び込むとしよう。なに、慣れてしまえば愛嬌のある人だよ」

 そういう知らない人にいらない先入観を与えるようなことを言うのよくないと思う。

 

 

 

「わたしは現状を打破する最適解を口にしているだけ、納得がいかないのなら今すぐカルデアを去りなさい!もっとも、あなたたちを送り返す便はないけどね。標高6000メートルの冬山を裸で降りる気概があるのなら、それはそれで評価しましょう」

 ざわめきが収まっていく中、僕は手を上げる。

「…なんですか、そこの君」

「では、辞させてもらいます。もちろん、自力で帰りますとも。それぐらい出来なくては術師は務まらない」

 とはいっても、外に出る前に三十分だけでも仮眠は必要そうだが。

「なっ…」

 なんか周りが煩くなってきたが、まあ、興味ないからスルーの方向で。

「一応弁明しておきますが、僕が気に入らないのは道具扱いではありません。魔術師に利他的な集団行動をさせようというカルデアの理念です。信用ならないにも程がある。どこまでも利己的(エゴイスティック)だからこその魔術師でしょうに」

「・・・」

 あう…欠伸が出そうだ。うん。許可は出てないが退室させてもらおう。細かい事を考えるのは仮眠の後という事で。

 

 

 

 

 適当な空き部屋を探して歩いていると、背後から何か飛び付いてきた。

「フォウ!」

「ん?君は確か…フォウ君だっけ」

「フォウ。フォウ、フォーウ」

「マシュが確か、特権生物とか何とか言ってた気がするけど、君、丁度良さそうな空き部屋とか知らないかい?」

「フォウ…フォウ、キュー、キュ、キュー」

 何と言っているのか、はっきりとはわからないが、ふむ?

「そこの部屋がおすすめだと、そういうことかな?」

「フォウ!」

 今の僕にはさっぱり見分けがつかない(より正確に言うのなら、知識がないというべきか)が、無機質な扉は個人認証で開くようだった。

 うん。まあ、誰かいたらその時はその時だ。

 フォウ君が肩に落ち着いたのを確認し、センサーに手をかざす。機械音を立てて自動扉が開いた。

「はーい、入ってまー――って、うぇええええええ!?誰だ君は!?ここは空き部屋だぞ、ボクのさぼり場だぞ!?誰のことわりがあって入ってくるんだい!?」

「おまえこそ誰だ」

 …おっと、つい素が。

 しかし、空き部屋なら問題ないな。丁度よくベッドもあるし、此処で仮眠を取らせてもらおう。見知らぬ人には申し訳ないが、現在僕は深く物を考えられる状態にない。というか眠い。

「鳴狐、一刻ほどしたら起こしてくれ。仮眠する。おやすみ」

「かしこまりました、主殿!鳴狐とわたくしが主殿の安眠をお守りいたします」

「おやすみ」

 収納から打刀の一振りを喚び出し番を頼む。おふとんがぼくをよんでいる。睡魔は人類最大の敵…。

「え、え?え??」

 

 

「え?今、彼女が出したのは、剣?だった、よね?で?え?人?狐?ど、どういうことだい!?」

「やや、こちらの施設の職員の方でございますな。主殿がおねむのようですので、お静かに願います」

「え、あ、ごめん…。…じゃなくて、いや、えっと、喋る狐?それともそっちの彼の腹話術かい?」

「腹話術ではございませぬ!わたくしは、鳴狐の代理に過ぎません。人付き合いの苦手な鳴狐の代わりに、わたくしが交流させていただいているのです!」

「そうだ、驚いたか」

「フォウ…」

「それと、今更の訂正ではありますが、鳴狐は(つるぎ)ではなく打刀でございます。ええ、ええ、改めて名乗らせていただきましょう。

――やあやあこれなるは、粟田口派、左兵衛尉(さひょうえのじょう)藤原国吉が打ちたる打刀、号を鳴狐と申します。そしてわたくしはお付きの狐にございます」

「よろしく」

「これはどうも丁寧に…って、いや、刀?刀って言った?」

「現在の立場は、主殿が元に集いし式神が一振、西洋の魔術師の言葉で言うのなら、使い魔、それのいっとう上級なもの、ということになりますなぁ!」

「そうか、使い魔…いや、しかし、ここまで精巧な使い魔となると、彼女は相当な実力の魔術師…なんだね…」

「フォウ、フォーウ、キュー、キャー」

「いえいえ。主殿は魔術師ではございません。しいて言えば陰陽師、あるいは呪術師ですので」

「東洋の魔術にはそこまで詳しくないけれど…やっぱり違うのかい?」

「少なくとも、主殿は根源を目指してはおられませんので、魔術師という呼び名が当てはまることはないかと」

「あはは…。現代じゃあ、ストイックに根源だけを求めている魔術師は少なくなってきているんだけれどね…」

 

 

 

 

 うーん、よく寝た。頭もはっきりしてきたぞ。やはり睡眠は大事だな。

 ベッドから体を起こすと、鳴狐がティーカップを手に首を傾げた。

「…目が覚めた?」

「ああ、おはよう、なっちゃん、狐さん。僕はどの位寝ていた?」

「丁度そろそろ一刻程ですぞ、主殿。時間ぴったりでございますな!」

「フォウ」

「ああ、フォウ君もおはよう」

「おはようアイカちゃん。シミュレーターの後遺症で酷い眠気があったんだって?」

「ああ、はい。おはようございます」

 …。

「いや、誰ですかあなた」

「酷い反応じゃないかな?!せっかく狐君たちの話を聞いて君の目が覚めるまで待ってたのに?!」

 いや、別に待ってて欲しいって頼んだ覚えはないし、特にそう思ってもなかったしなあ。

 というか、確か先にこの部屋でサボってた人だよね。そんな事言ってた気がする。

「主殿、この方はここに勤めていらっしゃる医療部門の方だそうですので、念のために主殿に本当に異常がないか確認していただきたいとお頼みしたのでございますよぅ」

「ああ、それはどうもお手数をおかけしました」

「いやいや、ボクも所在なく一人ですねていたところに狐君たちが来てくれて楽しかったからね、それは別にいいんだ。所員の健康管理は本業だしね」

 さすが狐さん、口八丁に定評がある。しかし、僕は眠かったからといって色々とやらかしてしまった事があるので、ここは訂正しておかないとならない。

「いや、僕、所長に啖呵切って説明会をボイコットしてきちゃったんで多分現状所員とは言えないんですよ」

「えっ」

 

 

 

「…なるほど。まさか、所長も本気でそう言って帰るものが出るとは思っていなかっただろうなあ…」

「そうですなあ。所謂挑発…いえ、牽制?のための発言でしたでしょうからなぁ。当然、自力で下山できないのだから従わざるを得ない…という反応を期待してのものでしょう」

「自力で下山できない場所に来るなんて、軟禁されにくるようなものなんだから何かしら対処法を用意した上でやってくるのは当然のことだろう?」

「いや、それはおかしい」

 解せぬ。

「そもそも標高6000メートルだよ?どうやって自力で下山するつもりだったんだい」

「まあ一応、およそ一月程度活動できる備蓄食料は持ってきているので普通にのんびり歩いて下山してもいいんですけど、面倒くさいので、さくっと虚数空間(うらがわ)挟んで座標転移します」

 勿論、歩いて降りる場合は相応に寒さや風を防いだりなんだのという術も併用しなければならないだろうが。

「ははははは、こんな時にジョークかい。アイカちゃんは面白いなあ」

「いえ。真面目に言ってますけど?」

 いくら僕がマントを常用してるからって普段から刀を佩いている人間だと思っているのだろうか。…いや、用心が必要だな、って時とか、虚数空間に足を踏み入れる時は念のために一振は装備するけどね。普段からってのは流石にちょっと邪魔くさい。

 僕が真面目な顔で見つめ返していると、やっと彼は僕が冗談で言ったのではないとわかったようだった。

「…え、本気?本気で歩いて下山できると思ってるし、座標転移もできるつもりなの?」

「できないことは言いませんよ。僕、嘘はつかない主義なので」

 ただし、嘘をつかないからといって人を騙さない訳ではない。

「一月分の備蓄食料を持ち歩けるような手荷物の類は見当たらないけど」

「自作のデバイスに四次元収納機能を備えていますので。科学と魔術の融合です。ちなみに転移の方もそれの応用です」

「いやいや。転移魔術って言ったら、魔法の域にも届くような大魔術だよ!?それこそ、聖杯でも持ってこないと、現代の魔術師には手の届かない魔術だよ!?」

 そういえば、時間移動もこの時代の魔術的には魔法扱いなんだっけか。魔術師は頭が固いなあ。

「魔術だけでは届かないから科学を使い、科学では説明がつかないから魔術で補う。簡単な論理です」

「いやいやいや。確かに、カルデアも魔術と科学の融合を謳っているけれどね?そういう意味じゃないんだよね?科学はあくまでも魔術を補助する為のツールなんだよね???」

 …ふむ。こういう(やから)を黙らせるには、やっぱり目の前でやってみせるのが一番早いんだよね。百聞は一見に如かずという奴で。

「歌仙兼定」

 あえてマントの外、差し出した手の上に刀を取りだす。彼には、何もなかったはずの空間から唐突に刀が現れたように見えるだろう。それを見て、彼の表情がやっと真面目なものになる。

「…いったい、どういう理論だい。古代の、大気に魔力(マナ)が満ちていた時代ならありえないことではないかもしれないけれど」

「フォウフォウ、フォーウ」

「概ね、デバイスの方に依存しているので僕自身は収納の出し入れでは然程魔力は使ってないんですけど」

 

 

 

「うーん…それだけのことが出来るのなら、トリスメギストス並みのスパコンが必要になる気がするんだけど…」

「ああ…トリスメギストスがどんなものかは知りませんけど、この次元に存在している…霊子接続用コンソールがこのサイズってだけで、デバイスの本体は相当なサイズになっていますよ。十四次元経由で七次元空間にごっそり移してありますけど。この時代の科学技術ではどうしてもそれ以上の規模縮小が出来なくて、持ち歩き出来ないんじゃ意味ないんで発想の転換として」

 苦肉の策という奴だ。コンソールがチョーカー型になったのは利便性との兼ね合いだが。

「霊子接続?けど君、シミュレートの霊子ダイブで後遺症が出るほど脳にきてたんだよね?」

「個人的な印象で言えば、過去に何度かあった神降ろし後の倦怠感にも似ていたような」

「…。ボクはつっこまない、その話題にはつっこまないぞ。今更だけど仕切り直しをしよう。

――予期せぬ出会いだったけど、改めて自己紹介をしよう。ボクは医療部門のトップ、ロマニ・アーキマン。なぜかみんなからDr.ロマンと略されていてね。理由は分からないけど言いやすいし、君も遠慮なくロマンと呼んでくれていいとも」

「はあ」

 …ロマニ・アーキマンって、ラテン語だとすると大層な名前だよなあ。

「実際、ロマンって響きはいいよね。格好いいし、どことなく甘くていいかげんな感じがするし」

「…ああ、ゆるふわ系なんだ…」

 というか、そういえば、マシュにロマンに通じるところがある、とか言われてた気がするけど、どの辺が?僕のどの辺が彼に通じてる感じなのかな??一人称かな???

「ふわふわ?ああ、髪型のコト?時間がなくてね、いつも適当にセットしてるんだ」

「成程。鶯丸殿や髭切殿に通じるところのある方なのですねぇ」

「…ちょっと違うと思う」

「フォウ、フォーウ?」

「ああ、そういえば。空き部屋だとは言ったけれど、さっき確認したら、何事もなかったらアイカちゃんの自室になる筈だった部屋だったよ、この部屋。つまり、君がこの部屋で休もうと思ったのもある意味では無茶苦茶な事じゃなかったってことさ」

 まあ、言ってみれば住み込みの仕事みたいなものだし、滞在用の部屋もあるか。といっても、あれだけ啖呵を切って、居残る訳にもいかないし、やっぱりここは空き部屋になるんだけどね。

自室(マイルーム)ですか。…ここを去る僕にはあんまり意味ないですけどね」

「君が所長に啖呵を切ったのは一種の売り言葉に買い言葉ってヤツだと思うんだけど、違うのかい?」

「嘘はつかない主義なんですよ、僕。だから、言った以上実行しないと」

 啖呵切って出てかなかったら馬鹿にされるだけだしね。…なんとなく、そうするべきではないんじゃないかって予感もして来てるんだけど。なんだかなあ。

「ううん、残念だなあ。君ならきっと、所長やマシュにいい影響を与えてくれるんじゃないかって気もするんだけど」

「買いかぶりじゃないですかね。僕そんなに立派な人間じゃないですよ」

「相手にいい影響を与えられるのは立派な人間に限った事じゃないだろう?いやね。君は確実にこれまでカルデアにいなかったタイプの人間だからね。君の存在で何かしら変わるのは間違いないと思うんだ」

「そうかなあ…」

「まあともかく、暫くボクとのんびり世間話でもして、考えてみてくれてもいいんじゃないかな」

「…まあ、急ぐ必要とか特にないですし、ここ僕の部屋らしいですけど」

「うん。つまりボクは友人の部屋に遊びにきたって事だ!ヤッホゥ、新しい友達ができたぞぅ!」

 …面白い人だなあ。

 

 

 

 

 ドクターの端末が着信を知らせる音を出す。彼は軽く謝るような仕草をして端末を手に取った。

『ロマニ、あと少しでレイシフト開始だ。万が一に備えてこちらに来てくれないか?Aチームの状態は万全だが、Bチーム以下、慣れていない者に若干の変調が見られる。これは不安からくるものだろうな。コフィンの中はコクピット同然だから』

「やあレフ。それは気の毒だ。ちょっと麻酔をかけに行こうか」

『ああ、急いでくれ。いま医務室だろ?そこからなら二分で到着できるはずだ』

 ぷつり、と通信が途切れる。

「ここ、医務室じゃないですよね?」

「…あわわ…それは言わないでほしい…ここからじゃどうあっても五分はかかるぞ…」

「あまり運動の得意ではなさそうなロマン殿で五分なら、長谷部殿なら要請通り二分で駆け付けられるかも知れません」

「フォフォーウ?」

 そこで何故長谷部さんが出てきた。まあいいや。流そう。

「ま、少しぐらいの遅刻は許されるよね。Aチームは問題ないようだし。ああ、今の男はレフ・ライノールと言うんだ。あの擬似天体(カルデアス)を観るための望遠鏡――近未来観測レンズ・シバを作った魔術師だ。シバはカルデアスの観測だけじゃなく、この施設内のほぼ全域を監視し、写し出すモニターでもある」

 ふむ。監視システム、か。

「ちなみにレイシフトの中枢を担う召喚・喚起システムを構築したのは前所長、その理論を実現させるための擬似霊子演算器…ようはスパコンだね、これを提供してくれたのがアトラス院。このように実に多くの才能が集結して、このミッションは行われる。ボクみたいな平凡な医者が立ち会ってもしょうがないけど、お呼びとあらば行かないとね。お喋りに付き合ってくれてありがとう、アイカさん。やっぱり方針は変わらないかい?」

「カルデアがやろうとしていることは興味深いとは思うけど、概ね僕の矜持の問題ですね。まあ、気が向いたらまたお邪魔しに来ますよ」

「ううん、無断で侵入されると警備が駆けつけてくる事になるから、どうにか穏便な方法でね…」

 その時、突然部屋の電気が消えた。

「なんだ?明かりが消えるなんて、何か――」

 何か、大きな音がした。

『緊急事態発生。緊急事態発生。中央発電所、及び中央制御室で火災が発生しました。中央区画の隔壁は90秒後に閉鎖されます。職員は速やかに第二ゲートから退避してください。繰り返します。中央発電所、及び中央――』

「今のは爆発音か?!一体なにが起こっている…!?モニター、管制室を映してくれ!みんなは無事なのか?!」

 ドクターの呼びかけを受けて、モニターに映し出されたのは、赤く照らされた場所。瓦礫が散乱し、火が燃えているのが見える。

「…ひどい…」

「これは――」

 警告のように赤が光る。なんだかよくわからないが、大変な事が起こっているようだ。

「アイカ、すぐに避難してくれ。ボクは管制室に行く。もうじき隔壁が閉鎖するからね、その前にキミだけでも外に出るんだ!」

 僕が何か返す前にドクターは走っていってしまった。

「・・・」

 フォウ君と目が合う。

「わかってる。助けに行こう。鳴狐は一旦戻っていてくれ」

「…無理はしないで」

 心配そうな目をした鳴狐に頷き返してみせた後、その本体たる打刀を収納にしまい、出しっぱなしだった歌仙を腰に差す。フォウ君を肩に乗せ、僕も部屋の外に走り出た。

 

 

 

 

『全工程完了(クリア)。ファーストオーダー 実証 を 開始 します』

 

 

 

 

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