私が私を自覚したとき、私は開けた庭にいた。
よく整えられた洋風の庭だ。
両手小さく、目線は低い。まるで子どもにでもなってしまったかのようだ。
まるで子どもにでもなってしまったかのようだった。
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目が覚めるとふかふかのベッドに寝かされていた。事の顛末を話すと、私は幼い男の子でいいところのお坊ちゃんのようだ。自分のことなのに推量形で話す日がくるとは。私がメイドらしい人に話しかけるとすごくあわてた様子で白衣の年寄りを(恐らく医者だ)呼び、それからわけのわからぬまま寝かされたというわけだ。
彼らには日本語が通じない。英語ですらない。イタリア語でもフランス語でもドイツ語でもない。試しに人の前でワン、ツー、スリー、と色んな言語で話してみたが可哀想なものを見る目で見られただけだった。解せぬ。ラテン語も違った。
これだけ立派な家…というか寧ろ宮殿に勤めている医者が英語もドイツ語も理解しないということで、なんとなくここは私の知っている世界ではないのではないかと推論をたてた。そしてそれは正しいと私の第六感が叫んでいたができるだけ無視した。
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私は6歳になった。「こちら」へ来てから麦の収穫を3度見たから、たぶん3年が経ったのだと思う。あれから、私はこちらの文字を必死で覚え、言葉を話せるようになった。詰め込み教育舐めんな。ただ、未だに思考回路は日本語なせいか、同年代の少年少女には「発音おかしーい」なんて言われたりするのだけれど。
こんな話はまだ可愛いもので。ここは、つまり…なんというか…主人公ミカサとヒロイン、エレンが主役の舞台だったのである。どうせなら御坂の方の世界にいきたかっt…
いやまあ、まだ彼らの存在を確認したわけではないけれど、ここは壁に守られた場所で外には巨人がいるとなると確実にいるだろう。
しかしこんな話はまだまだ可愛いもので。何よりも絶望したのは食事の味の薄さである。私の家はこの世界ではものすごく裕福な部類に入るのだけど、それでも控えめな塩味である。豪華な食器に乗せられているからてっきりこってりフレンチのような味かと思ったら拍子抜けである。そのような味だったら毎日胃もたれをしていただろうからよかったのかもしれないが。
残念なことにこの世界観に似合って米がないのだ!茶漬け食べたい!塩鮭!漬け物!緑茶!味噌汁!吸い物!茶に関しては紅茶があるしSHIOJAKEは塩は高価だが別の魚で似たようなものはできるかもしれない…しかし昆布がないので出汁がとれない鰹がいない和食がいないつらい食いたい。
そう、ご存じの通りこの世界では塩、肉は貴重なのだ。生産はパンを作るための麦、効率よく生産するための豆、そして手間のかからない芋が優先されている。香辛料や青い野菜はあまり作られていないのだ。大航海時代かよ。
だけど私は食に関して妥協するつもりはない。職は妥協しまくりだったくせにってうるさいだまれ。色への興味は失せた。
そう、壁の中にないなら壁の外にでればよいのだ。簡単な話である。
壁の外で探せば良いのである。なんと難しい話だ。でも私は食べたいのだ。向こうから食材はやってこない。私が見つけだすのだ。そう、戦わなければ勝てない。探さなければ見つからない。
そうやって食へ想いを馳せながら私は今日も筋トレをするのだった。
初めまして。見てくださってありがとうございます。長い文章を投稿するのは初めてですので至らないところも多いでしょうがお付き合いくださると嬉しいです。
スマホからの投稿です。さっそく、うっかり完成前に投稿されてしまいました。