三雲修改造計画【SE】ver   作:alche777

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IFと言うか妄想劇場です。
誰か、こんな話を書いてくれませんかね。

速攻でお気に入りするのに……。

※これはあくまで妄想です。原作と色々と異なる箇所が多々あります。
 それが苦手な方はおすすめいたしません。……って、今更言っても遅いかな?


IF章:妄想劇場
SE修【天眼】VS麟児


 運命とはなんと残酷なのだろうか。

 三雲修は今回ほど運命の女神を呪った事はなかった。

 

 

「……久しいな、修。元気そうで何よりだ」

 

「麟児さん。……なぜだ。なぜ、あなたが!? こんな所で何をしているんですか!!」

 

 

 怒りの形相で目先にいる探し人に吼える。三雲修を知る人間がこの場にいたら目を丸くしたことであろう。それだけ、修が本気で怒鳴りつける事は珍しいのだ。

 だがしかし、修が激昂するのも致し方がないだろう。修と麟児が相対する舞台は神の国アフトクラトル。

 親友と大切な者を護る為に一人アフトクラトルに残った修を追い掛けて来た刺客の正体は探し求めていた者が一人、雨取麟児であった。

 普通ならば再会に歓喜する所であるのだが、麟児の頭部に赤いトリガー角が装着されている。それが何を意味するかバカな人間でも分かる事であろう。

 

 

「……千佳は一緒ではないのか?」

 

 

 辺りを見回して、この場に修しかいない事に不思議と思ったのだろう。尋ねられた修は麟児に「みんなでしたら帰還しました」と簡潔に告げるのだった。

 

 

「自分を犠牲にしてお前一人だけ残ったのか。……相変わらずだな、修。だが、愚かだ!」

 

 

 天眼が危険を察知する。地面を伝って何かが己に向かって来ているのを。

 

 

「っ!?」

 

 

 修は下から強襲してくるそれをギリギリな所で躱すのだが、その隙を突いて麟児は更なる攻撃を放つのだった。

 

 

「上手く躱したな修。なら、これならどうだ!」

 

 

 麟児の右手が文字通り崩れる。その現象はボーダーの記憶で見た事があった。

 これはアフトクラトルが大規模侵攻の時に使用していたブラックトリガーの一つ。

 名前は――。

 

 

「食らいつくせ、泥の王」

 

 

 

 ――泥の王、ボルボロス。

 

 

 

 千変万化。変幻自在な攻撃性能を持つ【泥の王】が修の戦闘体を食らいつかさんと襲い掛かる。四方八方から繰り出される泥の斬撃が容赦なく繰り出されるが、天眼を持つ修に死角などない。全ての斬撃を複眼で捕捉し、強化視覚で体感時間を限りなく遅くまで落とす。浄天眼で地中からの奇襲を警戒しつつ、全ての凶刃を避けきってみせた。

 

 

「……っ」

 

 

 しかし、無傷と言う訳にはいかなかった。全方位から放たれた泥の斬撃を完璧に回避する事は不可能と判断した修は最低限のダメージを覚悟して最小限の動きで回避行動を行ったのだ。そうでなければ、隙を窺って必殺の一撃を放たんとする麟児に絶好の機会を与えてしまうのだから。

 

 

「驚いたな。領主からサイドエフェクト持ちである事は知っていたが、ここまでとは……」

 

「……知っていた?」

 

「俺の主はお前も戦った事があるハイレイン様だ。この【泥の王】はミラ様から頂いたモノだ」

 

「何を……」

 

「修。俺と一緒にハイレイン様に仕えよう。お前のその眼があれば、ハイレイン様の力となること間違いない。俺が口添えしてやるから、大人しく――」

 

「――何を言っているんだ、麟児さん! 貴方がいなくなって千佳がどれほど悲しんだ事か、どれだけ悔しかったか分からないんですか! 貴方は! 千佳の為に近界へ行ったんじゃないのかよ。それがなんだ、この有様は!!」

 

 

 悔しかった。許せなかった。今の恩師の姿を目の当たりにして、修はかつてないほど怒りを抱かずにいられなかった。

 

 

「……もう一度言う。修、俺と一緒に――」

 

「――それは僕の台詞だ、麟児さん。一緒に千佳の下へ帰りましょう」

 

 

 返答は泥の斬撃であった。それが意味する答えは否定であった。麟児が自分の差出した手を払いのけ、自身に襲い掛かると知って――力を抑えていた天眼を全開にさせる。

 

 

「麟児さん。あなたは……あなただけは、僕が必ず取り戻す!」




はい、妄想劇場その①です。

麟児さん、ラスボス説を書いてみたり……。

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