創世記〜Make believe genesis〜 作:梟大社
夢を見ていた。
それは鮮明で、リアルで、なおかつどこか幻想的だった。なのに、大事な内容を覚えていない。目覚まし時計の五月蝿い電子アラーム音が鳴り響き、すぐに脳から夢のことを消していく。
よくある事だ。
いつも通りの時間に起き、いつも通りに登校し、いつもと変わらない空気を吸う。
退屈だった。
最近起こった大きなニュースといえば、月基地での完全な自給自足が可能になったことくらいだ。それからというものの、つまらないことしかおきなかった。とある音楽がとてつもない売上を出したり、海上の人工大陸が一つの国として独立したくらいだった。
今は玉歴(ぎょくれき)9765年人口は6800億人。人類は、海上に人工の大陸を作り、なんとかそこに住んでいる。そろそろ、火星への移住が始まるというらしいが、政府はそれを3年近く前に発表しているにも関わらず、ほとんど動いていない。この人口の伸び方だと、人工大陸でさえも2、3年くらいでパンパンになってしまうという研究結果までている。それなのに政府はなぜ動かないのか、俺の他にも、皆が思っていた。何か対策でも立てているのか、それともほぼ無視しているのか、政府の動きは全く読めない。俺には退屈さと同時に、ほのかな苛立たしさもあった。
しかし、突然事件は起きる。
13年ほど前から急激な人口減少が起こっている。既に700億人近く亡くなっているという。その理由の一つとして、人工大陸が挙げられた。人工大陸による埋立で海流が変化。それによる津波や気候変動のために、人口が減っているという。しかし当然ながら、折角作った人工大陸を壊すのは勿体ないし、お金もかかる。だから、取り返しのつかないまま、人口は減り続けている。そしてこのままではやばいと、ようやく政府が重い腰を上げようとした時、また事件は起きた。
今度は環境汚染だ。人口は減りつずけているがまだまだ6100億人もいる。そして、津波による沿岸の下水処理施設の殆どが壊れ、そのまま下水を流さなければならなくなった。察しの通り、海に尋常ではない量の下水が流され、それを海流が各地へ流し、すぐに世界の海は茶色に染まった。そして、魚は取れず、漁師の多くが別の仕事に移った。そうなれば、食料の問題が起きる。そして、人々は肉を好んで食べるようになり、牛や豚などの家畜が減る。すると、肉の価格が上昇する。そして、肉を食べれるのは、裕福な人々だけになり、貧困格差が大きくなり、ストライキが起きる。
この負の連鎖により、政府はもう腰を椅子に留めることすら難しくなってくる。
そう、これが人類衰退へのUターンだったのだ。
そんな中、一筋の、蜘蛛の糸のように細い希望の光が見えた。それは、自称「神」という者の言ったことだ。テレビからパソコン、さらには携帯電話の画面すべてに映り込んで、何か訳の分からないことを話すそれは、人の少女のような姿をしているが、口調は丁寧で大人っぽく、しっかりとしていた。そして、こう言った。
「私のクーデターに参加してくれたら、あなた達が住みやすい星にしてあげましょう。」
と。
政府も最初は馬鹿馬鹿しいと、無視していたものの、何回もモニターに移りこんでは民衆を困らせたし、それになんとしてもこの状況を好転させたかったので、半信半疑でそれを受け入れた。
これが本当の悪夢の始まりとは思いもよらずに。
政府がその要求を受け入れて、そろそろ10日が経つ頃だ。しかし、何も起きない。いつも通りの日常。目覚まし時計を止めて、俺は上半身を起こした。今日は6月27日だが結構肌寒い朝だった。学校の制服に着替え、2階に降りる。その時だ。
とてつもない爆音が鳴り響き、身体が浮き上がるほどの衝撃が伝わってきた。階段の上の方の段にいた俺は、足を滑らせて1階まで落ちた。身体がヒリヒリするが、また爆音とともに衝撃波がきた。とりあえずじっとしていると、数十分ほどで、爆音は止んだ。
「なんだ…」
そう俺は言って、部屋の窓のカーテンから外を見た。すると、そこは俺が住んでいる街とは思えないほど破壊し尽くされ、ちゃんと残っている家は2、3件ほどしか無かった。この家が残ったのも奇跡だろう。俺は急いでテレビを付け、ニュースのチャンネルに回そうとしたが、チャンネルを変える必要はなかった。どのチャンネルでもニュースがやっていて、その異様な光景をカメラは映していた。それは、光に包まれた巨大な人のような形をしたものが、左手に槍のような棒を持ちこちらに向かってくる映像だった。何故か、それは、神を連想させた。そして、いきなり、テレビの画面が変わった。黒い背景にだけになり、何も見えない。が、テレビの電源はついている。操作もきかないので、少し待っていると、加工された音声が流れた。少したどたどしいが一応聞き取れる。
「貴様らハ我々ヲ裏切っタ。貴様らハもう終ワりだ。死ぬが良イ。」
それで、音声は終わり、数秒後にもとのチャンネルに戻った。その直後、電話が鳴った。少しビビったが、電話番号を見て安心した。学校からだ。どうやら、学校が休みになったらしい。普通は嬉しいと思うが、そんな状況じゃなかった。
俺の名は白夜峰 新羅(びゃくやみね しんら)だ。馬鹿げたキラキラネームの普通の高校2年生だ。
しかし、今となっては、その「普通」は、単なる俺が異常に気づいていないだけだったのだと思う。そこから、俺の生死をかけた、死闘が始まった。
玉歴9765年。それは、アダムとイブが生まれる前の世界の暦。それは、誰も知らない、知る事も出来ない物語。
どうも、梟大社でございます。
こんな下手な小説を、最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
そういえば、俺は今年もクリぼっちです(´・ω・`)
リア充爆発s(ry
では、次回もよろしくお願いいたします。
(^_^)/~~