ハイスクールD×D wizard アッパレ番外集ゥ!! 作:ふくちか
4月16日。
「ふぁーあ…………」
赤龍帝、兵藤一誠は目を擦りながらベッドから起き上がった。
「ん…………あれ」
イッセーはふと周りを見渡すが、ベッドには自分以外誰もいなかった。
普段であればこの家に住んでいる女性陣が一緒に寝ている筈なのだが、この日に限って誰もいないのである。
「どっか出掛けたのかな…………」
まぁ良いかと思い、イッセーはリビングへと向かう。
「おぉ、イッセー。おはよう」
リビングに足を踏み入れると、そこには彼の伯父である茂がコーヒーを飲んでいた。
「はよっす、おっちゃん」
「おはよう、兵藤一誠」
「んー」
何気なく返事を返していくが、ここで彼は一つ疑問を抱いた。
自分は今誰に返事をしたのか、と。
『……今の声って、まさか』
寝ぼけ眼で振り替えると、そこには、
「……どうしたんだい?」
「眠そうだな~、赤龍帝」
「お邪魔していますよ」
「飯が冷めるぞ」
彼のライバルでもある白龍皇・ヴァーリ・ルシファーと、その仲間達が寛いでいたのだ。
「…………お前ら、何でいるの?」
朝から頭痛が痛い、そう頭の片隅で思ったイッセーであった。
ーーーー
それはさておき、顔を洗ったイッセーは食卓に付いた。
「いやー、赤龍帝のおっちゃんの料理美味いぜぃ」
「そりゃあそうだろ」
美猴にそう返しながらご飯を掻き込む。
その隣ではアーサーとカイトが各々紅茶に舌鼓を打っていた。
「……で?何でお前らがいるんだ?何か用事か」
「ん、そうだな」
イッセーの本題に、ヴァーリは思い付いた様に椅子の下に置かれていた包みをイッセーに手渡した。
「君へのプレゼントだ」
「……は?」
いきなりそう言われ、イッセーはポカンとする。
その様を喉を鳴らして笑う茂は、イッセーに答えを明かした。
「お前、自分の誕生日も忘れたのか?」
「………………あっ」
そう言えばそうだ、とイッセーは溜め息を吐いた。
「君の伯父上にはお世話になっているからね」
「こないだも飯食わせて貰ったときに教えてもらったんだよ。だから何か渡そうかってな」
ほらよ、と美猴から小包を手渡される。
次いでアーサーとカイトからも、各々プレゼントを差し出す。
「お誕生日おめでとうございます」
「気に入るかは分からんがな」
それを言葉もなく見詰めるイッセーだったが、少し間を置いてから、小さく吹き出した。
「ハハッ……ありがとな」
嬉しそうに笑うと、イッセーはヴァーリ達からのプレゼントを受け取る。
「いやぁ、済まないねヴァーリ君達。甥っ子の誕生日に付き合わせて」
「いえいえ、彼とはこれからも有意義なライバル関係を保ちたいので」
「それに飯食わせて貰ってるお礼もあるし、気にする必要はないぜぃ」
からからと美猴が笑う。
「そう言えば兵藤一誠君」
「ん?」
「リアス・グレモリーから貴方に招待券を預かってます」
徐にアーサーは懐から何かの券を取り出した。
そこには『誕生日パーティー招待券』と書かれていた。
「場所はお前の学校の旧校舎だそうだ」
「羨ましいね。酒池肉林のプレゼントとは」
「いや、別に身体がプレゼントって訳じゃないだろ」
イッセーは苦笑いを溢すが、それを受け取って懐に入れる。
「……わりーけど、ちょっと用事が出来たわ」
「あぁ、行ってくるといい」
「楽しんで来いよー」
「ご武運を」
「……避妊はしろよ」
「どんな激励だよ!?」
カイトの発言に突っ込みつつ、イッセーは駒王学園へと向かった。
ーーーー
駒王学園、旧校舎前。
校門前にバイクを停めたイッセーは、旧校舎前で足を止めた。
「……」
『なーに緊張してんだよ、相棒』
中々足を進めようとしないイッセーを見て、ドライグが発破を掛ける。
『あの女共の事だ。貴様の不利益になることはせんだろう』
彼のもう一人の相棒であるウィザードラゴンも、彼の背中を押す。
「…………そーだな。肩に力入れすぎか」
深呼吸をして気分を落ち着かせる。
それを終えると、何時もの気の抜けた笑みを浮かべ、イッセーは漸く旧校舎へと足を踏み入れた。
「ここかな」
オカルト研究部の前まで来たイッセー。
特に気になる箇所は見当たらないと辺りを見渡しながら扉を開けた。
パンパーン!
「………………へ?」
そんな間の抜けたイッセーを、クラッカーの音が出迎えた。
『誕生日おめでとう、イッセー!』
次いで掛けられたのは、彼を祝福する声。
我に帰って周りを見ると、リアス達が満面の笑みで此方を見ていた。
そしてテーブルには山の様に置かれた料理と、大きいケーキが。
「ふふん、驚いたかイッセー」
「今日は朝から張り切っちゃったわ!」
未だにポカンとしたイッセーを、ゼノヴィアとイリナがしたり顔で見詰める。
「ヴァーリ達がおじちゃんのご飯食べるって言うから、次いでに私も来たにゃん♪」
「……姉様がご飯を摘まみ食いしないかヒヤヒヤしました」
楽しそうに笑う黒歌の横で、妹の小猫が疲れた様子で息を吐いていた。
「こう言うサプライズも学生ならでは、ですね」
「ふふっ。イッセー様、お顔が変ですわ」
ロスヴァイセも、クラッカー片手に得意そうに微笑む。
その横で、レイヴェルが可笑しそうに笑っていた。
「今日はイッセーさんが主役です!」
「腕によりを掛けて作らせていただきましたわ」
「さぁイッセー。こっちに来なさい」
リアス、アーシア、朱乃の三人がイッセーを中央の椅子へと手招きする。
「イッセー君、現実に帰っておいでよ」
「まだ理解が追い付いてないって顔ですぅ」
そんなイッセーを、木場とギャスパーが肩を揺らしていた。
「イッセー様」
イッセーの前に歩み出たのは、彼の一番愛する人――――グレイフィア。
「今日は、貴方にとって記念すべき日です。僭越ですが、私達に祝福させて下さい」
そう言って綺麗に微笑むグレイフィア。
その笑みを見たイッセーは、漸く動きを見せた。
「……ありがと、皆」
何かを誤魔化すかの様に顔を振ると、満面の笑みで皆を見渡す。
「それじゃこれからは…………パーティータイムだ!!」
拝啓、天国の父さん、母さん。
俺は改めて、この仲間達をかけがえの無い物だと再認識させられました。
願わくば、これからも皆と一緒にいる俺を見守っていてください。
曹操「プリキュアの衣装でも良いかな?」
イッセー「いるか!!」