京川「壁って?」
和也「僕は、黒刃に二度負けて甲子園には行けなかった。もちろん出場経験はあるけど、それは先輩たちの力で僕の力じゃない。だから、僕がチームの顔となり勝利に導ける。そんなスラッガーになりたい」
黒刃「やっと本気になったみたいだな。そうでないと俺が福岡まで行く意味がなくなるからな」
筒井「おい、黒刃」
黒刃「ぜってー獲れよ。巨人の4番」
新堂「交流戦で当たるのを楽しみにしてるよ」
真渕「それよりもみんな一軍に上がらないとね」
大倉川「面白い、4年後まで首洗って待ってろよ」
京川「僕たちも君たちのいるステージ目指して頑張るから」
黒刃「楽しみにしてるぜ若輩ども」
その日は、みんなで遅くまで過ごした。そして月日は流れ、卒業式を迎えた。式を終えると下級生たちの女子たちが卒業生を取り囲む。
後輩女子A「先輩、ボタンください」
後輩女子B「私もお願いします」
これは、どこの高校でも好例だろうと黒刃や京川が嘆いていた。僕はボタンをちぎって渡したが、第二ボタンは残しておいた。そして、黄門の隅で一人いる女性の姿を僕は見逃さなかった。
和也「麗奈」
麗奈「和也」
和也「待ってたのか?」
麗奈「いや、その・・・一緒に帰ろうかなって」
和也「いいぜ」
僕は、麗奈と一緒に帰ることにした。今思えば、こうして麗奈と学校を行き来するのは、もう八年になることに気付いた。彼女と初めて知り合ったのは小学校五年生の時だ。親の都合でうちの近所に引っ越して来た。以降、中学・高校と同じ学校に進学しクラスはバラバラでも登下校は、よく一緒にしたもんだ。
和也「なあ、麗奈はなんで翔星に入ったんだ?」
麗奈「どうしたの急に!」
和也「いや、お前の頭なら私立の進学校や難関公立高校も目指せたのに」
麗奈「私、吹奏楽続けたかったから学力も高くて名門の翔星を選んだだけだよ」
和也「ふーん。結構お前って決心は堅いんだな」
麗奈「そうかな」
和也「でも、お前のピアノ好きだぜ俺」
麗奈「あ、ありがと」
和也「でもお前、将来は何になるんだ?」
麗奈「私、アナウンサーになるのが夢なんだ」
和也「ピアノは、やめるのか?」
麗奈「流石にプロ目指すほどの才能はないからね。でも、趣味の一貫や子供には教えたいかも」
和也「そっか、星桜は音楽教員の資格を文学部なら取れるって言ってたな」
麗奈「うん」
和也「俺、入寮の準備とかあるからさ、ここから走って帰るよ」
麗奈「分かった」
和也「それから、これ」
僕は、彼女に残しておいた第二ボタンを渡した。
麗奈「これ!」
和也「アナウンサーになったら、最初にインタビューしてくれよな」
麗奈「活躍してたらね(笑)」
こうして僕の高校生活は別れを告げた。そして、彼女こそ後に僕と大きな関わりを持つことになるなんてお互いを含め思っていなかった。
遂に次回、入寮&キャンプイン。世間の注目を浴びる和也は、果たして巨人でどんな姿を見せるのか?
※また、次回を以て新堂編は一時中断となります。また、新堂編は、新作Baseball Evolution ルーキーズ(公開未定)で再開を予定しています。プロ選手新堂和也の行く末を楽しみにお待ちください。