バスに揺られながら、僕は見慣れぬ景色を眺めていた。これから向かうのは巨人のキャンプ地・宮崎だ。
「おい新人、顔が堅いぞ」
和也「あ、はい。すいません松永さん」
松永「そう堅くなるな。まあ、一軍の面々を見てするなという方が難しいがな。だが、お前は期待されてるんだ。片鱗を見せてくれよゴールデンルーキー君」
彼は、松永剛郎(まつなが よしろう)8年目の選手でポジションはショート、巨人の2番を打つレギュラー選手だ。そういう間もなくバスは、キャンプ地に到着した。
神奈「よし、みんな部屋に荷物を置き次第食堂に向かえ」
神奈京次郎、巨人軍の監督で現役時代は巨人不動の4番打者として本塁打王を4度獲得したスラッガーだ。昨年から指揮を執る現在44歳。
松尾「よし、みんな明日からキャンプインだ。気合い入れていくぞ」
全員「はい」
彼は、松尾秀斗(まつお ひでと)7年目・ポジションは外野、現在の巨人不動の4番レフトで選手会長も務める。今シーズンは本塁打王と首位打者を獲得した25歳。
和也「やっぱり、すごいな松尾さんは」
その時、僕は後ろからバシンと背中を誰かに叩かれた。
文嘉「新人、何ぼさっとしてる。はよせな決起会が始まるで」
このすごい関西弁をしゃべるのが文嘉勝占(ふみよし かつら)12年目・投手、巨人の先発投手陣の一角として昨シーズンも11勝を挙げた右のスリークハンド。大卒で今年で34歳を迎える。
和也(こんなすごい人たちとキャンプやるって場違いじゃねえかな俺)
僕は、そろそろっと部屋に向かった。部屋はそれぞれ決められており僕は二人一組の部屋を使う。
和也「ここだな1108号室。同部屋は楢垣航(ならがき わたる)さんか?」
僕は、そっと部屋を開けるとすでに楢垣選手がいた。
楢垣「おっ、来たか大物ルーキー。お前と同室の楢垣だ」
和也「初めまして新堂和也です」
楢垣「まあ、相談があれば気軽にしてくれや。でも、打撃のことは聞くなよ。俺、お前みたいなホームラン打てる選手じゃねえからハハハ」
和也(結構陽気な人だな・・・)
楢垣「けど、守備なら負けないぜ。俺、ポジションはセカンドだ。同じ内野手だろ?」
和也「は、はい。サードですけど」
彼は楢垣航・内野手・巨人の正二塁手の1番打者、巨人の特攻隊長と呼ばれる29歳
和也(やっぱり、一人一人の個性がビンビン伝わってくる)
コンコン・・・
和也「はい」
僕は、ノックされたドアを開けた。そこには鋭い眼つきをした人がいた。
和也「あの・・・」
楢垣「おー、悠太じゃねえか」
和也「楢垣さん?」
楢垣「ああ、こいつは小林悠太。うちの3番打者でキャプテンだ」
和也「もしかしたライトのあの閃光返球と呼ばれる強肩の?」
小林「お前、新人か?」
和也「はい」
小林「なら、そのバカに付き合ってないで準備しろ。決起会に新人が遅れたら一大事だ。それと楢垣、お前は教育係だろが」
楢垣「堅いねえ悠太、同期で同じ教育係の仲じゃねえか」
小林「たく、お前のせいでとばっちり喰うのはこりごりだ。行こうか長野君」
長野「はい」
新堂(あの人は、確か2巡目指名の長野誠選手だっけ)
楢垣「君と同じ一軍スタートさ。ポジションは悠太と同じ外野手で、確か高卒の社会人出だから21歳だったな」
その後、食事会場で決起集会が行われ、神奈監督、松尾選手会長の号令のもと日本一を誓い。明日のキャンプインに向けチームの士気を高めた。
いよいよキャンプイン。今後の和也の未来を左右する選手たちが続々参戦