大鳥 疾風(おおとり はやて)
法政大学4年生・投手・左投げ左打ち・通称「6大学の左の魔術師」
最速は147㎞/hの速球にスライダー、カーブ、そして最大の武器チェンジアップは球速を代えながら同じだけの変化量を加えられる。リーグ通算18勝のうち10勝は4年時に記録する。
運命の日 (大鳥編)
この日、テレビではドラフト会議に中継が行われていたが僕はそれを観ていない。なぜなら、大会に向けての練習があるからだ。高校生は甲子園、社会人は都市対抗があるが、それらは夏には終わる。僕ら大学生には秋季リーグと秋の神宮大会が残されており、勝ち残った大学はそれに合わせ調整を行う。
桜木「大鳥先輩、ドラフト観なくて良いんですか?」
大鳥「観たってなるようにしかならないさ」
桜木「先輩、確かオリックスが1位指名確約してましたよね」
大鳥「まあね。でも指名してくれる球団があること自体が名誉なことだと思うし、特に愛着のある球団はないしね」
穴井「狙うは目の前の全国制覇だけってか?」
桜木「穴井先輩」
大鳥「穴井、後で数球受けてくれないか?」
穴井「そのことだが、明日のリーグ戦は桜木を先発させるからお前は上げるように監督に言われたんだ」
大鳥「おいおい、俺は全然投げれるぜ」
穴井「監督の指示だ。それに神宮大会の初戦の後のリーグ戦の相手は首位の明治だ。明日の慶応戦も負けられないが慶応は4位、3位につけるうちは早稲田と明治を倒さないとならない。その前哨戦である明治戦にお前をぶつけたいんだろう」
大鳥「分かったよ。じゃあ、今日は上がらせてもらうわ」
木嶽「大鳥、部長がすぐにミーティング室に来いとドラフトの記者会見を行うってよ」
桜木「木嶽先輩、大鳥先輩の行く球団もう決まったんですか?」
木嶽「ああ、オリックスの1位単独だとよ」
大鳥「オリックスか」
穴井「しかし、意外だなてっきり巨人やソフトバンクも競合するかと思ったのにな」
木嶽「ソフトバンクは黒刃で巨人は新堂をそれぞれ競合入札だとよ」
桜木「でも、どうしてソフトバンクと巨人なんですか穴井先輩」
穴井「2球団とも左の先発タイプが圧倒的に少ない。まあ、ホークスその弱点を高校生で即戦力の投手獲りにいったみたいだが、巨人は野手とはな」
大鳥「ドラフトなんて賭け事と一緒さ。行くと言って指名しない場合もあるし、言わないで指名する場合、公言通り指名する場合もあるんだし普通のことさ。じゃあちょっくら行ってくるわ」
桜木「まあ先輩の場合意中の球団もないみたいですし」
河北「本当にそうかな?」
穴井「河北、お前も練習にいたのか?」
河北「志願届出してない奴がドラフト見てどうするのさ。でも、大鳥って優勝経験とかしたことないのにオリックスで本当に満足なのかな?」
【会見場】
記者A「大鳥君、オリックスに1位指名が決まりましたが率直な感想は?」
大鳥「高評価をいただきとても嬉しいです。やっとプロのスタートを切れたという感じです。
記者B「プロに入って対戦したい選手はいますか?」
大鳥「いっぱいいますね。個人名を上げるなら投手なら猪狩守さん、野手なら松尾秀斗さんと対戦してみたいです」
記者C「その理由を聞かせていただけますか?」
大鳥「球界のエースと主砲を相対することはそう多くはないはずなので、自分の投球がどこまで通じるのかを試してみたいです」
記者D「オリックスは近年はBクラスが続いていますが、球団に対する戸惑いとかはなかったでしょうか?」
大鳥「ははは、結構きつい質問をしますね。別に弱くても構わないじゃないですか。弱者が強者を喰うこと以上に面白いことがありますか?」
自信にあふれるその言葉、大鳥投手の実力とは?