「おつかいですか?」
「お願いできるかねぇ?」
アルマです。
朝食を食べ、ダックスや息子さんと仕事前の準備体操を終えた頃に、農家のおばあちゃんからおつかいを頼まれました。
なんでも、先日収穫したキャベツで売れ残った、もしくは形が規格外のB級品を余所の農家にお裾分け、という物々交換に行くそうな。
「それを私がですか。構いませんけど……」
私が行ってもいいのでしょうか? ご近所付き合いもあるでしょうし、息子さんが行った方がいいのでは?
「ええんよ、アルマちゃんもうちん子やよ。それに、息子が挨拶に行くには……もうちょっと鍛え直してからやね」
「ヒィッ!?」
「グアぁ!?」
おばあちゃんが呟いた言葉に熊のように大きな息子と熊より大きな一撃熊が抱き合って怯えています。ナニガアッタノ?
という訳で。
本日はおつかいです。
キャベツが沢山入った籠を三つ乗せてた荷台をダックスに引かせ、私はおつかい先の酪農家のお宅へ向かっています。牛、鶏、豚をそれぞれ専門に扱う農場で、所在地はどれもアクセルの街の外、大農家らしいです。
ご近所、というからには近い場所にあると思っていましたが、農家の『近所』はとてもあてになりません。ダックスと荷車を引き始めて一時間は経過した頃にようやく、目的地に到着です。
「牛の鳴き声……ここが乳牛牧場ですね」
おばあちゃんに渡された地図通り、そこには沢山に牛が柵の中で放牧されていました。荷台から降りてキャベツの入った籠を掴み中へと入っていきます。
「すいませーん。お届けものでーす。どなたかいらっしゃりませんかー?」
広い牧場です。目に入るのは大きな牛ばかり。なので歩きながら声を上げて挨拶をします。
すると、牧場の中に建てられた家のような、作業場のような建物から一人の男性が出てきました。
「来たか。話は聞いている。入ってくれ……」
「あ、こんにち……は…」
出てきたのはとても背の高い男性。筋骨隆々としたその鍛え上げられた肉体は今にも衣服をはちきらんばかりで、そしてなぜか肩パッドをしていました。
「は、初めまして! アルマです!」
「あぁ、ケンだ。この牧場で妻と子供たちと牛乳、チーズ、肉を作っている」
妻子持ちデスト。
ケンさんは息子さんと同い年と聞いています。成程、確かに結婚して子供が居てもおかしくないでしょう。いや、ですけど、ですけど……。
「あの、これ、うちで採れたキャベツです」
「あぁ……いいキャベツだ。ウチの者たちも喜ぶ」
渡した籠からキャベツをひと玉掴みあげて、ケンさんはニコリと微笑みます。
「待っていろ。今ウチのを持ってこよう」
「はい、ありがとうございます」
キャベツの入った籠を持ち上げると、ケンさんは牧場へと歩いていきました。私はその場に残された形になりましたが、ここで牛たちを眺めてのんびりするのもいでしょう。
ですが、
「なぁ、お前どこの子だ?」
寄ってくる子供はいるもので。
「初めまして、アルマです」
「俺はこの牧場の息子のバットだ!」
「ランです。お兄ちゃんがすみません」
私と同じ年くらいの男の子と女の子が話しかけてきました。どうやらこの牧場の子供たちらしく、お兄ちゃんがバット君。妹ちゃんがランちゃんらしいです。
「私はキャベツと羊を育てている農家さんの家で厄介になっている者です。今日はキャベツを届けに来ました」
「へー、いつも上手いキャベツをくれるとこの子か。ならウチで作ったモンも持ってけよ! 上手いからさ」
「はい。今貴方たちのお父さんが取りに行ってくれているところなんです」
「もう、お父さんったらお客さんにお茶も出さないでこんなところに立たせてるなんて……待ってて、今お母さんに言ってくる!」
「ありがとうございます。お構いなく」
私の話を聞くと、ランちゃんがサッと走り出していきます。
……うーん、出来た子です。あれ? おかしいな……あの純粋さが眩しい。
「なぁお前、その格好ひょっとして冒険者か? なんかでっかい剣も持ってるみたいだし」
と、私の装備や荷台に置いてある『超神刀・豊穣丸』を指さしてバット君がそう尋ねてきます。私は素直にそうですと答えました。
「スッゲーなぁ! お前にもできんなら俺も冒険者になってみてぇ!!」
あ、駄目だ。直視できない。この子の真っ直ぐな目に見つめられるともの凄く申し訳ない気分になります。違うんです。私、真っ当な冒険者じゃないんです。私を見て憧れるとか気まずいので止めてください。
しかしふと、疑問に思うことがります。
この子やランちゃんもそうですが、ダックスこと一撃熊を見ても誰も驚かないところです。
そう言えば、お世話になっている農家のおじいちゃん、おばあちゃん、息子さん、それとこの子のお父さんも特に何も言わなかったのですが……まさか農家にとって一撃熊なんて犬猫と同程度の扱いなんでしょうか?
「あの、バット君。私のダックスなんですが……怖くないですか?」
「ん? 一撃熊? 捌いたら肉多いし、胆とか薬にもなるし高く売れるよな!」
「グアッ?!」
オゥゥ……成程、そういう……流石農家の子供。猛獣イコール食材兼素材と。あ、ダックス。大丈夫だから逃げない逃げない。
最近ダックスは人間の言葉を理解できるようになってきました。元々賢い子でしたが、私と一緒にいるようになって飛躍的に知能が向上しているようで、その内本でも渡せば文字も理解できるようになることでしょう。
なので、『旨そう』、『売れそう』という言葉に大層怖がるようになっちゃいました。この子は悪くない、うん。
「待たせたな」
「あ、父ちゃん!」
バット君と話している内に、ケンさんが大きな包を幾つか抱き上げて持ってきてくださいました。それはチーズの塊と牛乳の入ったビン、それとお肉の大きな塊です。
「こんなに……ありがとうございます!」
「気にするな。師父にはいつもお世話になっている」
……ん? 師父? 誰?
食品を荷台に乗せてくれながらケンさんがそう言います。誰のことかなー?
「あれ? 父ちゃん、それ昨日仕留めたミノの肉だよな? もう捌いたの?」
「あぁ、早く食えるようにして良かった」
ミノ? ミノ……みのたうろす?
「あの、これ、まさか……?」
「気にすんなって。牛農家じゃよくあることだから」
「よくあるんですか!? そしてやっぱりこの肉ミノタウロス!? 仕留めたんですか!?」
「父ちゃんにかかればミノなんて指先一つでダウンさ!」
「ユアーショック!?」
あ、言っちゃった。
「ミノタウロスは牛の化物だ。故に、牛を育てて食す酪農家から解放しようとするミノタウロスの襲撃は珍しくない」
「だから自衛の為に俺達の父ちゃんは鍛えてるのさ! 余所じゃ冒険者に依頼して警護してもらったりするけど、ウチにそんな余裕はないし」
「……ですね! ケンさんってとっても強いです!」
私は深く考えることをやめました。
「あーあ、行っちゃった。お母さん、ダメ、遅かったみたい」
「まぁ」
一撃熊が引く荷台に乗って、アルマちゃんがお隣の鶏卵農場へと去っていきます。
お母さんにお茶とお菓子を用意して貰っていたらお父さんとお兄ちゃんがアルマちゃんに品物を渡し終わっていました。そしてさっさと見送ってしまったのです。
「お父さんもお兄ちゃんも、ホント我が家の男連中はダメね」
「お兄ちゃんなんてアルマちゃん見て顔を赤くしっぱなしだしね」
「な、なんだよそれ!」
「ほぉ。だがなバット。アルマは強いぞ。お前よりも遥かにな」
「えぇ!?」
お父さんの言葉にお兄ちゃんが驚きます。あたしだって驚きですが、お父さんが言うのならそうなのでしょう。
お兄ちゃんは家の仕事が辛いときによく、冒険者になりたいと呟いていますが、その冒険者だって家の仕事よりも辛いことの方が多いはずです。両方こなすアルマちゃんの方が立派なのだとアタシも思います。
「それにあのアルマという少女……スキがなかった。本当に、強い」
お父さんの最後の言葉はよく聞き取れなかったけど。
とにかく、お兄ちゃんは毎日真面目に仕事をしてればいいと思います。
お父さんを見習って、まずは牧場の草刈を素手で!
「ここが鶏卵農場ですか」
「よく来たね」
うわっ!? 早いッ!
目的地に到着するとすぐに農場主の方が出迎えてくれました。この人、出来る!
お兄さん? いえ、すでにおじさんの年頃に見受けられるその方は凄くやせ細った人でした。髪も白く、病弱な印象を受けます。
「あの、失礼ですがお体の具合が宜しくないのでは?」
「気にしないでくれ。持病なんだ」
持病。つまり普段から体調が宜しくないと。それはお辛いことです。
「でしたら私に構わないでお休みになっていてください。指示をいただければ……」
「ふっ、ありがとう。だが大丈夫。ただの鳥アレルギーさ」
「ここ鶏卵農場ですよね!?」
致命的に職種を間違えているとしか思えないのですが。あぁ、よく見たら目や鼻、喉の辺りが少し腫れています。かなりキツそうです。本当に、何故にこの人はこの仕事についているのでしょう?
「うむ、いいキャベツだ。待っていてくれ。ウチの卵を持ってくるよ」
「ありがとうございます。いえ、私もお手伝いします。というか手伝わせてください、お願いします」
「ありがとう。なら、お言葉に甘えさせてもらおうか」
キャベツの籠は私が持ち、おじさんの後を歩いていきます。大きな鶏舎の横に倉庫があり、そこへキャベツを置き、代わりに卵のたくさん入った包をいただきました。
「そうだ、これも持っていくといい」
「これは……お肉ですか?」
おじさんが渡してくれたのは、これまた大きな鳥肉の塊でした。
え? 大きすぎません? こんなに大きな鶏がいるのでしょうか?
「これはコカトリスの肉だ」
「コカッ?!」
モンスターですよね? モ・ン・ス・タ・ーですよね!!!
「今朝、鶏舎に侵入しようとしているのを見つけてね」
ニコリ、と微笑んでそう話すおじさんの言葉は多くを語らなくとも十二分に意味が伝わりました。
そうですかー。コカトリスも倒せちゃうんですかー。
コカトリスは鶏と蛇が合体したようなモンスターで、体内に毒を持ち、バジリスクのような見ただけで相手を石化させる能力を持っています。それをどうやって? なんて考えたら負けです。何に?
「大丈夫、毒は抜いてある」
「そうですか。それは安心ですね」
またも考えることを止めた私は悪くない。
「養豚場ですね。間違ってないですよね? ここで間違ってないんですよね!?」
最後の目的地は家畜豚を飼育している養豚場です。
ですが、さて何から指摘すればよいのやら。
まず、入口が物々しい石造りの頑強な門で出来ており、見張りの男たちが二人立っています。
どちらもモヒカンで肩パットをしてます。だから何故肩パット? 荒くれファッション?
「止まれーい! ここは
「キャベツのお届けものでーす」
「なにぃ!? 良し、入れ!!」
「ありがとうございまーす」
うん、深く考えるな。考えちゃダメだ!!!
門を通されるとダックスに荷車を引かせて進みます。すると、そこは荒廃した世界。建物は崩れかけ、空気は汚染され、人々は狂気と暴力に支配されていました。
……なんてことはなく。
普通に清潔な農場でした。なんですかこれ。
放牧される豚たち。それをたくさんの従業員が世話をしています。
しかしモヒカンに肩パット。
「ヒャーハーッ! 汚物は消毒だーーっ!!」
泥まみれになって遊んでいた豚を水で綺麗に洗っている従業員がいます。
しかしモヒカンに肩パット。
「家畜の分際でおれの身体にさわりやがったなぁ~~!?」
子豚たちを可愛がっている従業員がいます。
しかしモヒカンに肩パット。
ここの制服なんですかね? モヒカンに肩パット。
モヒカンに肩パットの従業員に案内されてここの農場主の、えーと、豚王様の元に向かいました。そこはとても大きな建物で、まるでお城のようでした。
「よくぞ我が居城に参られた」
あ、やっぱりお城だったのですか。
豚王様はとても大きな人でした。人? 人でいいんですよね?
身体は二メートルを越え、鍛え上げられた筋肉はまさに鋼鉄の肉体を形作っています。その身体を更に鎧で纏い守りを固め、被った兜は対するものに威圧感を与える迫力があります。そんなお人が巨大な椅子に腰掛け、周りに武装したモヒカン達を従えているのです。
あの、貴方はどこの魔王ですか? いえ、豚王様でしたね。
「初めましてアルマです。この子はペットのダックスです」
「グァッ!」
「ほう……一撃熊を従えるか。気に入った、娘! 余の女になれ!!」
「ごめんなさい。あとこれ、キャベツです。どうぞお受け取りください」
「うむ……ほう見事。皆の者! 戦の前に腹ごしらえだ!! 食らいつけぃ!!」
「「「ハッ!!!!」」」
は?
手渡したキャベツを一目見ると、豚王様はそれを従業員に配ります。すると、彼らはワイルドにかぶりつきました。一人につきキャベツひと玉丸かじりです。
「あの、戦とは?」
「うむ、オークの軍勢が迫ってきておる」
「オーク?! 軍勢!?」
なにそれ恐い。何が恐いってこの空気がです。
この人たち、慣れてる。間違いなく、戦い慣れてる!!
「豚農家とオークは長年の宿敵同士。戦は避けられぬ運命よ……」
「質問いいですか豚王様」
「ぬ、なんだアルマよ」
私が挙手をして豚王様に質問すると、律儀に相手をしてくれる豚王様。
「オークとはアレですよね。オスが絶滅してメスしか存在せず、他種族と交配しまくってもはやオークなのかよく分からない天然のキメラ集団ですよね?」
そう、この世界のオークはオカシイのだ。
まずオークと言えばその繁殖力が有名か。豚と人間が混ざったような外見に、他種族と交配して子を産み、産ませる種族。しかし、何故かオスの数が激減したのだ。そうすると、残されたメスたちは数少ないオスに群がり、枯れ果てるまでナニを搾り取りました。そうしてテクノをブレイクさせたオスたちはあっという間に滅んでいったのです。
今ではオスのオークは遺伝的にも弱くなったのか、生まれてもすぐに死んでしまいます。成人する前にブレイクさせられるからです。すると、メスたちは軟弱な同種のオスよりも強い他種族のオスを求めるようになりました。
その結果生まれたのがキメラ化したメスのオークです。強いオスの遺伝子を取り込みまくり、何度も世代交代した彼女らは元のオークからかけ離れた見た目と能力を獲得したのです。
故にこの世界では、『オークを見かけたら男は逃げよ、戦うな、勝つべからず!』という一般常識が成り上がったのです。なにせ、男と認識されれば喧嘩を売られ、それを買い、勝てば惚れられ子種を求められる。そのまま連れ去られれば待つのはブレイクされるまで搾り取られる監禁生活。
え? そんな危険生物に狙われてるんですか?
「一つ訂正しておく。ここを付け狙うオーク共は皆、オスだ」
「なんですと!?」
珍しいオークのオスで軍団とな!?
「彼奴は生まれながらに強者だった。メスに蹂躙されながらも生き残り、逆に自分を取り囲むメス共を蹂躙していった。そして真の同胞たるオスを産ませ、余所の巣穴のオス共を開放して軍隊を作った」
「それ、確実にオスよりもメスの方が増えてますよね!? オークの出産率舐めんな!!」
産まれたオスで軍隊作ったって、絶対メスの方が多く生まれています。あぁ……世界に迷惑なモンスターがまた増えた……駆除しないと。
「彼奴等の軍勢……その数三百!!」
「多いような少ないような……それでもメスはその何倍もいるんですよね……」
でも、なんでオスのオーク達はここを狙うのでしょう?
「奴らはメスと交配していくうちに気づいたのだ。『こいつらはオークじゃない』と」
「まぁ、色々と混ざってますし」
聞けば、豚ベースのオークなのに、ネコ耳だったりイヌ耳だったりする個体が多いらしい。どんだけ雑食なのか、スキモノなのか。男の私も、女となったこの身の私も恐怖でいっぱいですハイ。
「だからこそ、彼奴等は真の豚を求めたのだ。それが、ここだ」
「え、やだ気持ち悪い。メスの豚さんですか。そうですか。それでは私はここで失礼しますさようなら!!!」
やだ、ほんとやだ。もう何も考えたくない、逃げ出したい!!
何が悲しくて、豚の穴を付け狙うモンスターの大群と向き合わなければならないのか。私はもうお腹いっぱいです。胸焼けです。
ダックスに跨ると、私はすぐにここを離れようとしました。しかしその後を追うようにして、巨大な黒い生き物が後に続きます。
黒い豚さんでした。それも普通の豚なんて目じゃないほどに大きい。一撃熊であるダックスと遜色ない大きさです。
「ブギッ!」
「グアッ!?」
豚と熊が視線を合わせます。やや豚が優勢。こらダックス、お前それでもモンスターか!!!
「ほう、我が黒豚号に気に入られたか……ますますお前が欲しいものだな、アルマよ」
「豚王様!? って、当然の様に黒豚さんに跨らないでください!!」
気づけば、黒豚王と呼ばれた巨大豚に豚王様が跨っています。なんで着いてくるんですか!?
「この黒豚は我が農場の種豚。故に、オークのオス共に一番の敵対心を持っておるのだ」
「豚さんハーレムのピンチですもんね! ではサヨナラ!」
つまり自分の女達にコナかけようという余所の男達に闘志を燃やしているらしい。確かにこの豚ならオークとだって戦えそうである。
しかし私はこんな戦いには関わりたくない。モンスターは根絶やしにしたいですが、私にだって選ぶ権利はあります!!
「どうだアルマよ。我が下で時代の豚王軍を作らぬか?」
「色んな意味に聞こえますのでお断りします!!」
我が下が文字通りの意味にしか聞こえない。軍隊ができるほど子供が欲しいねってことですかふざけるな!!
「ぬぅ、仕方がない。では、気が変わったらいつでも来るがいい」
「ハハハそうですねー、無いです」
お土産にベーコンを沢山もらって帰りました。次からは息子さんに来てもらおうそうしよう。
「ただいま帰りました」
「お帰りアルマちゃん……」
おつかいを終えていつもの農家に帰った私を出迎えてくれたのは息子さんでした。
「あれ? どうしました、大分お疲れのようですが」
「は、はは……まぁ、ね」
あー……おばあちゃん、どんだけ……。
どうやら息子さんは今日一日を農家修行で酷使され続けたらしいです。ナニカサレタヨウダ。
「これ、沢山いただきました」
「どれどれ……あぁ、凄いね。ありがとうアルマちゃん」
「はい、どういたしまして」
私が持ち帰ったチーズや牛乳、ベーコンに魔物のお肉を見て息子さんが感嘆の声を寄せてくれます。それが今日の私の被った心労に癒やしを与えてくれて……。
「息子さん。貴方はそのままでいてくださいね……本当に」
ホロリと、涙が流れちゃいました。
「ちょっ、どうしたのアルマちゃん!? 何かあったの!?」
いえね? 農家って、なんなんでしょうね、うん
ミノタウロス「おのれ! いたいけな女の子を産む機械とし乳を奪い去り、男は殺して食らうとは!! 許せんぞ人間どもめ!!」
酪農主 「あたたたたたたたたたたたたたた!!! ホァタァッ!!」
ミノタウロス「たわらば!」
コカトリス 「少女を監禁し愛無き卵を産ませ続けるなどなんと非道な!! 人間滅ぶべし!」
鶏卵主 「せめて痛みを知らずに安らかに死ぬがよい・・」
コカトリス 「あ、あぁああああああああああああ!!」
オークキング「豚王よ! 大人しくメスを差し出し、死ぬがいい!!」
豚王様 「黙れ下郎! この天に王は二人もいらぬ!!」
オークキング「ならば死ねぃ!!」
豚王様 「家畜剛掌波!!」
オークキング「ヌワーーーーーーッ!!!」
彼らは農家のおじいちゃんの弟子です。