この素晴らしい世界に神様の査察を!   作:ぷらもん

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やめて!魔神アルマの特殊能力で、ベルディアに《不滅》の加護を与えたら、死ぬことなく痛みを受け続けることでベルディアの精神が壊れちゃう!

お願い、死なないでベルディア!あんたが今ここで倒れたら、スケゾウやスカるんとの約束はどうなっちゃうの? アクセルはまだ無事。ここを耐えれば、貴方が魔王軍のニューリーダーよ!

今回「ベルディア死す」。慈悲はない!


この神様にもっと御慈悲を!

「止めてーッ! 誰かあの子を止めてーーッ!!」

 

アクアの泣き声が耳に響く。俺だって泣き出したいよ!!

 

アルマ様のベルディアへの攻撃はまだ続いている。つまり、

 

「ちねー! ちねー! ちねー!」

 

「ぎゃぁああああああああああああ!!! 痛い痛い痛い!! いやぁあああああああああああああああ!!!」

 

大地震はまだ継続中だ。

 

見た目は女の子座りをした幼女がボール(頭部)をペチペチと平手でビンタしている光景だ。

 

しかし、音がおかしい。一発のビンタが、ペちん、ではなくドゴォオオオオオオン!! なのだ。そりゃぁ大地だって揺れるわ!!

 

「というか、なんでベルディアの頭は何時まで経っても潰れないんだよ!? 硬すぎるだろ!!」

 

頭を潰すとか、自分で言ってて怖い発言だが、正直このままだとこの惑星が割れそうだ。どうせ割るなら自分たちのいる世界よりも賞金のかかった首が割れてくれたほうがマシだった。

 

「マズいよ新人くん! このままだとアクセルの街ごとこの辺一帯が人の住めない土地になる!!」

 

「なんで魔王軍の幹部よりも身内の方が被害でかいんだよ!? それよりなんなんだよあのベルディアの硬さは!」

 

アルマ様が星を割りかねない威力で叩いているのに無傷ってどういうことだ!? ……滅茶苦茶痛がってるけど。

 

「あのデュラハン、魔神様の加護って言ったわよね? しかも『不滅』って……それって多分『不壊』属性じゃないかしら?」

 

「不壊?」

 

「『絶対に壊れない』ようにする魔法だよ。耐久力が無限大、自動修復速度ノータイム、時間経過による劣化無効っていう付与魔法だね。いわば擬似不老不死ってやつさ」

 

「なんだその無限コンティニュー!? 誰だそんな状態のアンデッドをアルマ様の前に置いた奴は!?」

 

「でも痛がってるってことはダメージは与えられているってことでは!? このまま倒せないんですか!?」

 

「物理攻撃じゃ不可能なんだ! かけられた魔法を解除しなくちゃ、このままこの星ごと叩き割っても倒せない!」

 

「結局それかよ! おいアクア!! 出番だぞ!」

 

「無理よ! 『命』様の魔法よ!? 構造術式を見慣れた『魂』様の魔法ならともかく、あの御方の魔法を私が解除出来るはずないでしょう!?」

 

いつも自信満々なアクアにしては珍しく、女神の力での完全敗北宣言だった。

 

マジかよ、じゃぁどうすればいいってんだよ!?

 

「とにかく新人くん! アルマちゃんをベルディアから引き離すんだ!」

 

「引き離すって!?」

 

どうやって?

 

「えい! えい! えい!」

 

ドゴォオオオオオオン!! ドゴォオオオオオオン!! ドゴォオオオオオオン!!

 

「ぎゃぁあああああああああああ!!! ぁああああああっ!! いっそ殺せーーーーー!!」

 

あの震源地にどうやって近づけと?

 

アルマ様がベルディアを叩くたびに揺れる大地。その度に地面に這い蹲る冒険者たちは誰も動くことができずに悲鳴を上げている。街の外壁も崩れかけていて中の住民も恐怖で震えている。

 

……いや、ダメだろ。

 

人間が大好きで。アクセルの街の人達が笑顔で暮らせるように頑張ってた人が、この星ごとそんな人々を怖がらせてちゃダメでだろ。

 

アルマ様はなにがなんでも止める。それに異論はない。でも、そんな大層な役目を俺みたいな駆け出し冒険者がなんでやらないといけない? ここにはベテランの冒険者だっているだろうに。

 

……いや、あったわ。俺が頑張らなくちゃいけない理由が。

 

 

俺、アルマちゃんのお兄ちゃんだったわ。

 

 

「しょうがねーーなぁっ!」

 

右腕を突き出して震源地へと走る。

 

「アルマちゃん、お兄ちゃんを見ろ!」

 

「え?」

 

『お兄ちゃん』という言葉に即座に反応して振り返る妹アルマちゃん。彼女は俺の、『妹になってください』という願いによってその言葉に軽い強制力が働くのかもしれない。

 

「スティール!!!!」

 

「「「あぁ!!」」」

 

窃盗スキルをアルマ様に使えばどうなるか、俺には分かっている。分かっているんだ!

 

 

全裸のアルマ様が腕の中に飛び込んでくるってことが!!!

 

 

「「「この鬼畜ーーーーーーーッ!!!」」」

 

「うっさいわ! 緊急事態だろ!?」

 

「? かすまおにいちゃん? はなちて! あいつころちぇない!!」

 

「一番妹に言われたくないセリフきた! ダクネーーッス!! ベルディアは任せたぞ! お前とどっちが硬いか競ってやれ!!」

 

「硬いっていうな! だが分かった!」

 

暗に時間稼ぎをしろという指示をすぐに理解し、ダクネスがベルディアに突進していく。アルマ様がベルディアから離れたおかげで地震もおさまり他の冒険者達も次々と戦線に突入していった。

 

「おいアクア! アルマ様の呪いを解くぞ! こっちこい!!」

 

「ちょっ!? まだ無理よ! 魔力が足りないんだってば!!」

 

アクアが弱音をはいているけど、やってもらわなければ困る。

 

物理無効な『不滅』なんて相手に俺達冒険者が勝てるはずがない。何せ、理性のない神様ですら手をこまねき、女神すら無効化できないっていうのだから。

 

だったら、もうこの神様に頼るしかないだろう!?

 

「よくやったね新人くん! そのままアルマちゃんを抱きしめてて! もの凄く変態っぽいっけど!!」

 

「言うなーーーッ!!! また周りから白い目で見られちゃうだろう!?」

 

「へんたいー! かすまおにいちゃんのろりぺどやろー!」

 

「カズマ、フォローできません」

 

「お前もかーッ!!」

 

今俺は全裸のアルマ様を向かい合わせの状態で抱きしめている。ハッキリ言って誰から見ても変態だ。めぐみんが自分のマントを脱いでアルマ様に被せているが、その時でも隙あらば抜け出そうとするアルマ様を抑えないといけないから余計に犯罪集が凄い。

 

「いい新人くん? アルマちゃんは人間相手なら絶対に手を出さない。今きみが抑えている間だけがこの星の救いとなるんだ!」

 

「めっちゃ叩かれてるんですけど!?」

 

「このー! はなちぇー!」

 

ぺちぺちとアルマ様のビンタが俺の顔を叩く。もしや、これが人間仕様のビンタなのだろうか? アンデッド相手の威力なら、この一撃で俺の頭は吹き飛んでいるんだろうな……。

 

「いいかアクア! 今から俺がウィズに教えてもらった《ドレインタッチ》でお前に魔力を供給する! その魔力でアルマ様の『幼児化』の呪いを解け!!」

 

「はぁっ!? アンタ何時の間に《ドレインタッチ》なんてリッチースキル覚えてきたのよ! 女神の従者としての自覚無いの!?」

 

「ねぇ新人くん? リッチーのスキルなんてどこで覚えてきたのかな? かな?」

 

「誰がお前の従者だ! そしてクリスは目がこええよ!? なんなの!? いいから魔力を沢山持ってそうな魔法職の奴らからかき集めてこい!!」

 

やっぱり女神のアクアに黙ってアンデッドのウィズにスキルを習うのは不味かったか? しかもクリスまでなんか怖いし。

 

「でもカズマ? アクセルの魔法職は皆ベルディアの攻撃に行っちゃったのでもう残っていませんが」

 

「なにぃ!?」

 

「それにアクセルの魔法職の魔力だけじゃ全然足りないわよ? アクシズ教の御神体である私が世界中のアクシズ教徒の信仰心を集めた魔力でも足らないのに無理よ」

 

「マジで!?」

 

誤算だった。マナタイトを三十個買えないのなら、三十個分の魔力を集めればいいと思ったのに、アクセルの街の冒険者でも足らないだって!?

 

「私は今日はもう爆裂魔法を撃てませんので魔力は提供しますが、どうするんです?」

 

「どうするって……」

 

めぐみんはもう爆裂魔法は使えない。ウィズから《ドレインタッチ》を教えてもらうためにスキルの実験台になってもらって魔力を減らしているからだ。そのせいで、今日は台風相手に爆裂魔法を撃てなかった訳だし。

 

「なら新人くん! あたしの魔力を使って!」

 

「クリス?」

 

悩んでいたらクリスがそんなことを言ってきた。気持ちは嬉しいけど、盗賊職のクリスの魔力量じゃ……。

 

「大丈夫! 私だけの魔力じゃない、世界中のエリス教徒の魔力なら足ります! ね! アクア先輩(・・)

 

そう言って、クリスはアクアに向かってウインクをする。どういうことか俺にはわからないが、それを見たアクアは。

 

「………ハッ!! この私を先輩と呼びたくなるくらい敬っているなんてクリスも中々見所があるじゃない! なんならエリス教徒止めてアクシズ教徒にならない?」

 

「………えぇー……」

 

何故だろう。アクアを見るクリスの目が「こいつマジかよ」って言っているように見えた。うん、俺も正直なに言ってんだこの駄女神って思う。

 

「よくわからんが、いけるって言うんなら魔力をもらうぞクリス!」

 

「うん! 早いとこやっちゃって! ダクネスたちも危ない!」

 

ダクネス?

 

「大変だカズマ! このデュラハン、私の鎧ばかり狙って脱がそうとしてくる! とんだ変態だ!!」

 

「ちちち違うわ馬鹿!!」

 

ほっといてもよくね?

 

ダクネスは自分の性癖を楽しんでるみたいだからまだ大丈夫だろう。ウィズに《ドレインタッチ》は相手の心臓に近い位置の肌からが一番魔力を吸収できると聞いたので、クリスとアクアの首を掴んで魔力のバイパスを作る。両腕を離すことになるので、アルマ様はめぐみんに任せる。

 

「じゃ流すぞ! 《ドレインタッチ》!」

 

クリスから俺、アクアへと魔力が流れていく。どれくらい流せばわからないから、そのへんの調整はアクア任せだ。

 

アレ? クリスから流れてく魔力の量が半端ないんですけど。流れる量が膨大すぎて腕が痺れてきてるんですけど!? なんなんだこれ!!

 

「どうだアクア!?」

 

「きてる…すっごい魔力が流れてきてるわ……あれ? なにかしらこの魔力。なんだか覚えがあるというか、懐かしいというか……」

 

「かなり魔力を持ってかれてるのにまだ入るなんて……『魂』様の娘なだけあるよアクア先輩……」

 

かなり怖い会話をしているみたいだから放っておこう。俺は何も聞かなかった!

 

「いける! いけるわよカズマ!!」

 

「よーーし! やれーーーッ!! アクアーーー!!」

 

 

「《セクリッドォオオオオオオオ!!! ブレイクスペルッッ!!!!!》」

 

 

アルマ様の頭上に巨大な魔方陣が五つ展開し、そこから神々しい光が飛び出し一つとなって降り注いだ。

 

「うぉ! 眩しッ!!」

 

「ちょっ!? わたしもいるんですけど!?」

 

「うにゃ~~~~~!!!」

 

あまりの光量に目がくらむ。アルマ様を抱いているめぐみんは巻き添えだが、物理ダメージはない筈なので耐えてくれ。

 

その光を全身で浴びたアルマ様(とめぐみん)はあまりの輝きの強さに姿すら見えない。

 

 

眩しすぎる光景が過ぎ去った後、そこにいたのは……、金髪、碧眼、長身の……ボン! キュ! ボン!! で全裸なお姉さんだった!!

 

 

「あ”ぁ”ぁ”っ!?」

 

「「「クリス!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寝起きから思考がスッキリとする朝の目覚めのような気分だった。

 

頭にかかっていた靄が取り払われ、鈍っていた頭が冴え渡ってくる。

 

そして、故に思う。

 

 

「何をやっているんだ私は………」

 

 

子供の姿で人並み外れた力の行使。スキルポイントの書き換え。スキルの乱獲と乱用。星を砕きかねない攻撃を長々と続け、人の子らを不安と危険に晒す。

 

自分自身が度し難くてしょうがない。『理』の神である私が『(ルール)』を破ってばかりだ。

 

……あぁ胃が痛い。どうしてこんなことに。いや、全部アレだ。『魂』のが悪い。あのロリババァ、帰ったらお尻ペンペン百叩きの刑に処してやる。

 

あ、そういや俺が意識を失っている間の天界の仕事は大丈夫だろうか? ウチの天使達は教育はきちんとしているが、私が不在の時は『理』の神の加護で事務能力を底上げしていたはずだ。天界は仕事をしない三馬鹿神のせいで仕事が溜まる一方だから、天使達の処理能力を余裕で超えているかもしれん。

 

「一度帰るか……」

 

だがその前に。

 

「アルマ、さん? 服! 服を着てください!!」

 

「めぐみんのマントだけじゃ足りないよ! アクア先輩! その羽衣貸して!」

 

「嫌よ! これは私の女神としての……あぁ! カズマ! カズマさん!! 無理矢理取らないで!!」

 

「俺は何も見てない! 見てないからどうぞごゆっくり!!」

 

目の前のゴミを片付けよう。

 

めぐみんのマントを受け取りキャミソールのように腰に巻く。アクアの羽衣は無理やり奪い取り、胸にサラシのように巻きつけた。まぁこれで、公然猥褻の誹りは受けない程度の体裁は整えたはずだ。

 

まぁ、私としては隠さないといけないような恥しい身体はしていないつもりだがね?

 

「いいから隠してよ恥しい!!!」

 

おいエリス。お父さんに対して酷くないか? あ、今はどっちかというとお母さんか? ままならぬ。

 

なんでもいい。

 

私は戦場へと足を向ける。目の前ではゴミと可愛らしい人の子が戦っている。早く手を差し伸べねてやらねばならない。

 

特に、そのゴミにウチのバカ姉の加護が掛かってるんなら尚更だ!! 何やってるんだアイツは!!! 人の子に神の加護を相手にできるわけないだろうが!!!

 

「ダクネス、離れていなさい」

 

「……え? 誰?」

 

「「「半裸のネーチャンだ!!!」」」

 

ダクネスの肩に手を置いて下がるように告げる。私を見た他の人の子とゴミが口を揃えてこの姿に目を剥くが、戦場で発情できる余裕があるとは素晴らしい。だが、ゴミは駄目だ。人の子ならおおいに結構だが、ゴミムシに見つめられるのは我慢ならん。

 

「ゴミは捨てる、虫は潰す。うむ、アンデッド相手に行うことはいつもシンプルでいい」

 

「なんだこの痴女は! この街は変態だらけか!?」

 

「黙れ」

 

五月蝿いゴミだ。目にするのも耳で聴くのも鼻で臭いを嗅ぐのも肌で吐息を感じるのも、全てが嫌になる。

 

「《ゴッドブロー》」

 

「ぎゃぁあああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

軽く拳を振るう。《ゴッドブロー》は込めた魔力が多いほど威力が上がる。以前はリッチー相手にと張り切りすぎたせいでへまをしたが、今は問題ない。

 

アクアのおかげで『幼児化』の呪いは解けた。アイツはやれば出来る子なのに、中々やる気を出さないのが欠点だ。『魂』のが知性と向上心を全捨てして他の能力に割り振って創ったせいだろうか?

 

だが、流石に『弱体化』と『女体化』までは解けなかったらしい。こちら二つは自分でなんとかしよう。

 

それに、目の前のゴミ掃除を行う分には問題ない。

 

「神気を纏わせた拳でも死なない、か。アイツめ、どれだけ強力な加護を」

 

このゴミは、私の拳でも死なないらしい。よほど『命』のの『不滅』の加護が強力ということだ。

 

なら、さらに威力をあげよう。

 

「《バインド》」

 

「俺に捕縛のスキルなど効かぬわ! ……あれ?」

 

《バインド》スキルはロープなどで相手を縛り上げて拘束するスキルだ。まぁロープなど持っていなかったので、ロープを創ったのだが、問題ないだろう。

 

このゴミはどうやらかなり調子に乗っているらしく、私のスキルなど効かないと思っているのだろう。駆け出し冒険者の街にいるのだからレベルも低いと思っているに違いない。目の前に突如現れたロープを避けることなく捕縛されたことからよくわかる。

 

舐めるなよ?

 

「さて。《筋力強化》《筋力強化》《筋力強化》《筋力強化》《筋力強化》《筋力強化》《筋力強化》《筋力強化》《筋力強化》《筋力強化》《速度強化》《速度強化》《速度強化》《速度強化》《速度強化》《速度強化》《速度強化》《速度強化》《速度強化》《速度強化》《防御力強化》《防御力強化》《防御力強化》《防御力強化》《防御力強化》《防御力強化》《防御力強化》《防御力強化》《防御力強化》《防御力強化》《威力上昇》《威力上昇》《威力上昇》《威力上昇》《威力上昇》《威力上昇》《威力上昇》《威力上昇》《威力上昇》《威力上昇》」

 

「は? おい、待て……」

 

身体能力上昇スキルの過剰がけ。これなら人の子でも行える、この世界のレベルに合わせた攻撃手段だろう。

 

「《害虫駆除烈拳》」

 

「ぎゃぁああああああああああああああ!! ぎゃぎゃがっ!? がぁああああああああああ!! いやぁああああああああああああ!!!」

 

うむ、虫を潰すにはやはりこれだろう。

 

拳の連打が目の前のゴミを殴り続ける。農家の技がスキル扱いで覚えていたことが驚きだが、なんとも素晴らしい人の編み出した技だ。

 

まずは威力の検証だ。攻撃力を上げた拳で神の加護を突破できるか? というのは実に問題だ。人の子が使うスキルで、人の身である今の私で無理なら……。

 

「あ、が、が……待って、なんだ、お前……なんなんだ!?」

 

む、まだ生きてる。やはり無理か? いや。

 

「《筋力弱体化》《筋力弱体化》《筋力弱体化》《筋力弱体化》《筋力弱体化》《筋力弱体化》《筋力弱体化》《筋力弱体化》《筋力弱体化》《筋力弱体化》《筋力弱体化》《速度低下》《速度低下》《速度低下》《速度低下》《速度低下》《速度低下》《速度低下》《速度低下》《速度低下》《速度低下》《速度低下》《防御力低下》《防御力低下》《防御力低下》《防御力低下》《防御力低下》《防御力低下》《防御力低下》《防御力低下》《防御力低下》《防御力低下》《防御力低下》《魔法付与無効》《魔法付与無効》《魔法付与無効》《魔法付与無効》《魔法付与無効》《魔法付与無効》《魔法付与無効》《魔法付与無効》《魔法付与無効》《魔法付与無効》《魔法付与無効》《痛覚倍増》《痛覚倍増》《痛覚倍増》《痛覚倍増》《痛覚倍増》《痛覚倍増》《痛覚倍増》《痛覚倍増》《痛覚倍増》《痛覚倍増》《痛覚倍増》」

 

今度は弱体化させてみよう。

 

「待て! お願いします!! 待ってくれ!!」

 

「《ゴッド……》《ブロー!》《ブロー!》《ブロー!》《ブロー!》《ブロー!》《ブロー!》《ブロー!》《ブロー!》《ブロー!》《ブロー!》《フィンガーーーーーー!!》《レクイエム!!》《レクイエム!!》《レクイエム!!》《レクイエム!!》《レクイエム!!》《レクイエム!!》《レクイエム!!》《レクイエム!!》《レクイエム!!》《レクイエム!!》」

 

「あぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

おや? まだ生きている。なんとしぶとい。

 

「ふうむ、これはもうあれだな。やはり人の手には余る、か」

 

この先、《不滅》のスキルはこの世界から抹消するとしよう。後で『命』のにも釘を刺しておかねば。

 

ん? そう言えば、周りが静かだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前でベルディアの可哀想すぎる断末魔が何度も響く。

 

あんまりにも理不尽で、不憫すぎるその光景に、周りの冒険者達はドン引きだった。

 

「なぁカズマ? アレは本当にアルマなのか? なぁ? 頼むから嘘だと言ってくれ!!」

 

「お前あぁいうの大好きなんだろ? 頼んで混ぜてもらってこいよ」

 

「私に死ねというのか!?」

 

ダクネスが自分のキャラをと性癖を忘れて何か言っているが、こいつに限ったことじゃない。他の冒険者も似たような状態だった。

 

「うわぁぁ……いくらアンデッドでもアレは引くわー。でもどっか見慣れた光景よねー」

 

「おと、アルマ様。頼むから自重して! 本当に頼むから!!」

 

「ああああの冷静に相手の耐性を検証しながら殺しにかかるところとか紅魔族でもしませんよ!? なんですかアレ!? おっかなすぎて見てられないんですけど!!」

 

うん、めぐみん。俺もそう思うよ。

 

前に馬小屋でアクアが言っていたのはこういうことか!! そりゃ怖いわ!! 相手を殺す方法をじっくり検証しながらいたぶるってどんな悪魔だ! いや神様でした!! すいません! だから怒らないでください!! すんませんでした!!!

 

格好も、胸にサラシ(アクアの羽衣)を巻いたロンスカ(めぐみんのマント)の女番長みたいで余計に恐い。恐いと怖いで正しく恐怖のお人だわ。そりゃこんな神様怒らせたらいかんよ!!

 

「ん、もういいや」

 

この場にいるすべての生物を恐怖で縛った神様は、気だる気にそう言うと、動けない哀れなベルディアに指先を当ててなにやら呟いた。

 

「《付与魔法除去》」

 

アルマ様の指先から出た光がベルディアを包み込んでいく。それに一番驚愕したのもやはりベルディアだった。

 

「馬鹿な!? 消えていく…ッ! 魔神様の加護が消えていくだと!?」

 

さっきの魔法は、どうやらベルディアにかけられていた《不滅》の効果を打ち消したみたいだ。アクアが無理って言っていたのにあっさりと……。

 

「脳筋馬鹿のかけた魔法を、『理』の神である私が解けない道理もあるまい」

 

「……は?」

 

それは小さな呟きだった。俺以外、耳に出来た奴は居ないかもしれない。でも、ひょっとしたら俺のパーティーの奴らには聞こえたかもな。

 

「お前の来世はナメクジか、それともボウフラにしてやろうか」

 

「待て! 色んな意味で待てぇえええええええ!!!」

 

俺は、その光景に静かに合掌した。自然と、周りの冒険者たちも各々の宗教の形式で手を合わせている。

 

 

サヨナラ、ベルディア。

 

 

「《セイクリッドォオオオオオオオオ!!」

 

アルマ様の拳が光って唸る。

 

「タァアアアアアアンッ!!!」

 

振りかぶった一撃がベルディアの身体を貫き輝き弾ける。

 

「アンデッドオオオオオオオオオオオオオ!!!!》」

 

「ぎゃぁあああああああああああああああああああああああぁぁぁ………」

 

拳から迸った光がそのまま突き抜け、水平に飛んでいって遠くの山の一部を砕いていった。

 

「それそういう技じゃないからぁああああああああああああああああ!!!!」

 

最後に、ウチのアークプリーストはそう言って叫んだ。

 

 

こうして、魔王軍の幹部ベルディアは浄化(物理)された。

 

アクセルの街はその驚異から救われたのだった。

 

 

……正直、神様の方がよっぽど酷い被害を出したのだがぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその翌日。

 

俺たちのパーティーはベルディア討伐の報奨金三億エリスと。

 

 

アルマ様が引き起こした大地震による街の被害、総額五億エリスの弁償金を背負うことになった!

 

 

差し引き二億エリスの借金である!! どうしてこうなった!!??

 

おせーて神様ぁ!!!

 

 

 

 

 

 

久しぶりの報告書。

 

神が付与する加護について。

 

・チート転生者への特典という前例があるが、これは能力で劣る人類種への配慮であって、魔物に与えてはもともこもないだろう。

 

・《不滅》《不老不死》《復活》といった、死なない、殺せない系統の加護は基本禁止とする。

 

・悪魔、アンデッド、魔物といった脅威は人類の生活範囲を脅かさないようにバランスに留意されたし。

 

・なお、悪魔とアンデッドと虐殺することに関しては問題ない。

 

結論。天界規定通り、『神は下界に干渉してはならず』を徹底されたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

「アルマちゃん、今度はこっち手伝って」

 

「はい! 息子さん!」

 

小さい身体も慣れれば悪くないものである。




『魂』 「いやー、『理』のが元に戻ってよかったのう!」

『物質』「いえ、また女の子になってませんでした?」

『命』 「なぁ、もうそろそろ弟分を補充したいのだが……」

『理』 「よう」


『魂』『物質』『命』「「「!!??」」」


『理』 「お し お き の 時 間 だ 」


アルマちゃんの査察はもうちょっとだけ続くんじゃ。
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