始まりはいつも最悪で 作:TREX(トレック)
とりあえず書きたいように書いた作品なので色々と変な作品ですが、どうぞ見ていってください。
目が覚めるとそこは、真っ青に透き通っている空、見渡す限りの地平線が続いている、しかしそれ以外は何も無い、不気味とも思えるほどの空間に不安を感じる。
(あー、あー聞こえているかい?聞こえていたら何かアクションをとってくれ。)
唐突に頭の中に響いた男性の声に驚いてしまったが、此処が何処か分かるかもしれないという淡い期待を持ち、とりあえず誰か分からない、人物へ向けて声に出して問いかけてみた。
「聞こえています!此処は何処なんですか、俺はどうしてこんなところに居るんですか!教えて下さい」
本当にこちらの声が聞こえているのか不安を感じるが、不安になるだけ仕方ないと割りきる。
(よーし、聞こえた。それじゃあ、早速で悪いんだけど、謝罪させてもらえないかな?)
「謝罪・・・ですか?それは一体」
いきなり謝罪するといわれて、狼狽えてしまった自分の気持ちを知らない男性はそのまま話を続けた。
(僕は、君を殺してしまった)
時間が止まったように感じた。いや、時間なんて目が覚めた時からもう止まっていた。認めたくない、しかし、自分が死んでしまったのならこんな空間に居るのも説明が出来てしまう。
死んだのだと悟った。いや悟れてしまった。この空間に来る前の記憶が一瞬で大量に雪崩れ込んでくる。横断歩道の前で学校へ行く面倒さと気だるさを感じてあくびをする自分、朝早く走り身体のコンディションを整えるスポーツマン、小学生の騒がしい集団登校、サラリーマンがビジネスバッグを持ち片手に電話を持ち誰かと話をしている。
日常的で平和に生きれることを当たり前のように感じれる。そんな生活をおくっていた筈だった。
そんな当たり前の生活をおくれなくなった今、涙が頬をつたい始めた。それと同時に怒りがこみ上げてくる。どうして自分が殺されたのか。形容できない怒りの矛先は姿の見えない男性へと向けられた。
「どうして俺を殺した!答えろ!」
怒りが孕み、そして殺気とも感じ取れる雰囲気をだしなから吠える様に叫んだ。叫んだところで自分の命が返ってくることはない。しかし、この怒りは男性にぶつけなければ何処にぶつけろというのだろうか。
(こちらの不手際で君を殺してしまった。謝って済む問題ではないのは分かっている。)
不手際、その言葉は更に怒りの火に油を注いでしまった。怒りに狂った彼は更に剣幕を上げて男性を罵倒し始めた。
「なんでそんな上から目線で言うんだよ!その不手際で人が死んだんだぞ!ふざけんな!」
罵倒を言い終え、肩でハァハァと息をする彼の目の前に光が集まり、それが徐々に人の形へと変貌していき、光は大柄の男性へと姿を変えた。直ぐに先程まで自分が怒りの矛先を向けていた男性だと理解した。
「もう言いたい事は言い終わったかい?」
先程の言葉をものともしていない様子で、穏やかな声音で彼に問いかけた。
「ハァ、ハァ・・・ええ、もう何言っても命は戻ってこないって理解しましたよ」
まだ呼吸が整っていないが、もうこれ以上叫んだり罵倒しても無駄だと観念した様子で地面に座り込んだ。その様子を見て男性は彼の呼吸が整ったのを確認して、改めて説明をし始めた
「改めて自己紹介をさせてもらおう。私は神と言われている存在だ。」
「それじゃあ、俺も自己紹介をさせて貰う。俺は
少し強気な口調で自己紹介をした秋だが、神は特に気にする様子を見せずに説明を続けた。
「どうにか納得してもらったみたいだから、お詫びをしたいんだ。」
「お詫び?俺を殺したからですか。」
「そうだね、お詫びとして君には違う世界に転生をして貰おうと思ってるんだ。勿論、君が望む特典も付けよう。」
「はいはい、転生ね・・・・って、はいいっっ!!」
どうせろくなことじゃないだろうと半分流しながら聞いていた秋は、不意打ちをくらいかなり驚いていた。
「それでどうかな?転生してみるかい?」
そう聞かれ、返答は勿論
「しますっ!」
即答でYesだった。
━〇━
一時期、転生というものに憧れた事があった。それは思春期の真っ盛りで妄想に耽っていたり自分がかっこいいと思ったセリフやポーズを真似ていた頃、いわゆる《厨ニ病》であった時に憧れていたもの、忌まわしい黒歴史だと記憶の奥底に封印していたがその憧れを叶えられるチャンスがある。そう思うと気分が少し高まってくる。
「それじゃあ、早速特典を決めようか、好きな物をいくつでもどうぞ」
「あれ?転生する世界とかは決めないんですか?」
「えっとね、実は転生する世界は選択できないんだ。しかも、君が知っている作品の世界には絶対に行けないシステムになっている。」
「え、それじゃあガンダムの世界とかは行けないんですか?」
「うん・・・だけど、どんな世界に行くかだけは教えられるよ」
その世界の名前は?
「《インフィニット・ストラトス》っていうライトノベルの世界で、女性しか操縦出来ないロボットが出てくる世界だね」
インフィニット・ストラトスという聞いたことがない作品の世界に行くということに少し戸惑いを持つが、秋はそれよりもロボットが出てくるという点について着目していた。
「ロボットが出てくるってことは、特典としてガンダムに乗れたりは」
「出来るよ、どんな機体がいいんだい?」
「機動戦士OOガンダムに出てくる《デュナメス》がいいです!それに、《デュナメス》を収容出来る輸送艦とヴェーダ、ハロが欲しいです。」
「了解、他に欲しい特典はあるかい?」
「後は、身体能力と思考の強化に、何事にも動じない精神、機械やシステムに関わる知識でお願いします。」
一応それなりに遠慮して選んだ特典だが、それでもかなり充実した特典である事は間違いない。
「よし、特典も決まったから、早速転生して貰おうか」
どうやら転生をする準備が整ったようだ、その証拠に自分の少し前に大きな扉が現れた。自身が座り込んでいた地面から立ち最後に一言何か言おうと言葉を考える。最初は勝手に殺された事に怒りを覚えたが、それに関してはもう何も言うことはない、むしろ新しい世界へ転生させて貰える事に対しての感謝の念の方が圧倒的に多い。だからこの言葉を神に言っておこう。
「色々ありましたけど、ありがとうございました。」
シンプルだが、気持ちを素直に伝えられる言葉を言った。その言葉を受け取り、神は秋に
「次の人生を楽しんで」
と楽しげに言って、秋の目の前から消えた。
秋は扉への一歩一歩を噛み締めて歩いていき、そして扉の目の前に立つ。ゆっくりと開いていく扉を見て益々気分が高まっていくのを感じ、そして扉が開き終え秋は扉の中へと消えていった。
━〇━
おぎゃあおぎゃあ、と泣く赤ちゃんの声が耳に響いた。まだ転生した影響か少し頭がぼんやりとする。
(ん?ここはどこだ?)
ふとそう思い声を出そうとすると、おぎゃあおぎゃあという赤ちゃんの声しか聞こえてこない。しかし、近くに人が居るのか徐々に声が聞こえてきた。
「・・・・・ます。元気な赤ちゃんですよ!」
「ああ、この子が私たちの子どもなのね」
自身が優しく包まれる様に抱かれていることに秋は
(あれ?赤ちゃん?たしか転生するときって大体・・・)
内心で若干狼狽えているが、ふと昔にみた転生物の小説の最初の場面を思いかえす。主人公が転生して目を覚ますと赤ちゃんとして産まれ、そこから物語が始まるという・・・、そこまでの考えが纏まると秋は自身が赤ちゃんになってしまったことに気づいた。
(赤ちゃんの状態からスタートかよ!)
そう内心でつっこむが勿論反応が返ってくるわけではない。
ここから彼の始まりこそは最悪だが、そこからチート特典を駆使した転生生活を満喫する物語が始まる。
これは原作とは一風変わったIFのお話
どうだったでしょうか?
誤字脱字やおかしい部分の指摘等はコメントによろしくお願いします。
※少し書き足しました。