やはり俺がその罪の意味を知ろうとするのは間違っている。   作:さめのひと
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ローカルな武器ってどのオンゲでも安い傾向がありますよね。
たとえ、それがどれだけぶっ壊れだとしても…


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<<Side Kirito>>

 

ここは安全区内だ。

 

そうわかっていても、咄嗟に体が動いてしまった。

 

「―っ」

 

防がれた相手は驚愕していたように見えた。

 

 

 

<<Side Octo>>

 

「―っ」

 

ソードスキルを防がれた。

 

少し驚いたが、それは別に良い。良いとしても、2vs1となるとこのタカリ共を排除できる自信はない。

よしんば排除できたとしても、PKを伴ったものになりかねないい。

 

そう判断した俺は、舌戦へ持ち込むことにした。

 

デスゲームでPKなんて、気分の良いものじゃないしな。

 

「コンビで俺からタカろうってか。デスゲーム中に良い根性してるな」

「は?タカリ?」

 

ソードスキルを防いできた剣士の男のほうは頭にハテナを浮かべまくっている。

 

…あれ?もしかしてこの二人は無関係の別人で、ただ介入してきただけか?

 

「アー、それに関してはオレっちが全面的に悪いヨ、謝罪すル」

 

といってタカリ宣言してきた奴が頭を下げてきた。

 

「ん?タカリじゃねぇの?じゃあなんだ、何か用があったのか?」

 

どうやら舌戦に持ち込む必要すらなさそうだな、これ。

念のため警戒は続けておくことにするが。

 

「とりあえず、自己紹介からさせてもらうヨ。オレっちはアルゴ。情報屋をやってるんダ。よろしくナ」

 

…まさか俺の一番ほしい人物が向こうから声をかけてくるとは。

 

「なるほど、目当ては情報若しくは商売ってわけか」

「そういうことだヨ、ベータ時代ソロを突き通した謎のプレイヤーさン」

 

…純粋に疑問が一つ。

 

「お前も情報屋やってるぐらいだからベータテスターだろ。とりあえずそれはさておきそれをどこで知った?」

「ニーチャンのアバター、目以外ほぼ変わりないじゃないカ」

 

言われてみればそうだった。

 

「んじゃ、改めて俺からも。ソロでやってるオクトだ。んで、剣士さんのほうは?」

 

リアルと違ってロールプレイに浸れるので噛むこともなく自己紹介を終えることがで来た。

 

これ、リアルなら間違いなく噛んでたな…などと考えていると、剣士の方が口を開いた。

 

「俺はキリト。俺もソロだ」

 

うん、なんとなくそんな気はする。

俺より弱いとは言えぼっちの香りがするもん。

プロぼっちの観察眼舐めんな。

 

「んで、ここにいる二人はベータテスターなわけだけど、あんたはニュービー?テスター?」

「俺もベータ上がりだ」

「オレっちがいつテスターだって言っタ?まぁ違いないけどサ」

 

ふむ、二人共ベータ上がりならまぁ、タカリの心配はないだろう、たぶん。

 

「いや、ベータのときの俺のアバター知ってる時点でお察しだろ。ってかお前ら二人とも知り合いか?」

「一応ベータ時代からの付き合いではあるな」

「だナ」

「じゃあ目的は?」

「さっきも言ったとおり情報ダ。普段なら金を取るところだが、ニーチャンもベータテスターなら情報を情報で買うのもアリだゾ」

 

俺は少し考え、交渉に乗り出すことにした。

 

「どんな情報がほしい?あと、アルゴはどんな情報が提供できる?」

「ベータテスター以外の情報なら売れるものならなんでも売るゾ」

「じゃあ狩場情報と攻略に対する情勢を頼む。あとあれば刃棍の上位武器の情報も。俺が提供できるのはのは…1層迷宮区のフルマップデータとボス以外のMOBの情報、ベータとの差異ぐらいだが」

 

どうだ、と言うとアルゴは目をまん丸にして

 

「オクトのニーチャン…あんたいつぐらいから迷宮区に潜ってるんダ?」

「初日からだ」

 

そう言うと二人とも驚いた様子を見せた。

 

「オクト…命が惜しくないのか?」

「その時点で俺のレベルは5だった。ベータからの経験で言うと狩れない訳じゃないだろ」

「いや、でも今はベータと違ってデスペナで済むわけじゃないんだゾ?」

「無理だと思ったら即撤退するつもりだったさ」

 

そう言い放つ俺に、二人して驚きを隠せないようだった。

 

「失礼かもしれないけど、レベルはいくつなんだ?」

 

…こればっかはPKのリスクもあるから少し慎重になる。

そして、少し悩んだ末に、俺はある条件をつけることにした。

 

「レベルそのものを情報商材にしないこと、お前ら二人もレベルを開示すること。この2つが条件で教える」

「俺は構わない。アルゴは?」

「今回に限ってはオレっちも了承するヨ」

 

噂のソロプレイヤーの素性のほうが大事ダ、と付け加えた。

 

「オーケイ、じゃあ条件提示したわけだし俺から。10だ。もう少しで11になる」

 

二人はまた目を丸くしていた。

というかフリーズしてる。

 

「おーい…ラグか?」

 

そう呼びかけると二人はハっと我に返り

 

「俺は8だ」

「オレっちは6だヨ」

 

と返してきた。

 

「ちなみに隣のキー坊は所謂”攻略組”って呼ばれてる面子でもかなり上位の方ダ」

 

と付け加えて。

 

え?攻略組でそんなもんなの?」

 

「オイ、声に出てるゾ?」

 

…マジか。

 

「いや、実際問題トップはもうちょい高いと思ってたぞ? PT組んで帳尻合わせてるならともかく、キリトはソロだろ?」

「寧ろどうやったらそこまで効率上がるんだよ…」

「迷宮区で睡眠時間削って篭ってりゃ勝手にこれぐらい行くだろ」

 

そう言うとキリトはどこか肩を落とした様子で

 

「そのりくつは おかしい」

 

と返してきた。

 

どこもおかしいことはないはずなんだがなぁ…

 

 

 

*****

 

 

 

とりあえずその後、話を元に戻し、俺とアルゴの情報交換が行われた。

横でキリトが聞いていることに関してはアルゴは特に思うところはないようなので、こいつは俺からもたらされる情報を除いて”既に知ってる”と考えて問題ないだろう。

 

だからどうした、という話ではあるが。

 

ある程度情報交換を終えて

 

「今回のオクトのニーチャンからの情報は、正直言ってオレっちの情報分じゃ相殺しきれないから貸し一つってことでいいカ?」

 

と提案してきたので素直に了承する。

 

そして二人とフレンド交換をして別れる運びとなった。

 

…俺もネトゲならフレンドくらいいるからね、作れるからね!?

まぁ、そのフレンドに「フレに呼ばれたので失礼します^^」と言われてPTから出られることもよくあったが。

 

それはさておき、明日は刃棍のレアドロップMOBを狩り続けるところからだな。

 

アルゴからの情報によると、幸い経験値効率も迷宮区ほどとは行かずともそれなりな狩場にもなるようだ。

 

ただ、ポップするMOBがそれなりに火力があるようで、そこまで人気のある狩場ではないらしい。

 

火力がある代わりに体力や防御力はそんなに高くないらしく、ある意味俺向きとも言えなくもない。

 

「そういや、アルゴのお陰で街に行く必要なくなったな…」

 

そんなことを考えながら、俺はシャワーを浴び、眠りにつくことにした。




もう一つのほうのSSですが、プロットから練り直してます。
消えましたしおすし。

キャラ同士が本格的にからみだすと字数がとたんに増えますね…




※コメントより指摘いただきましたので八幡、キリトのレベルを修正致しました。併せて表現も少し変更しました。







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