悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り   作:(´鋼`)

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地底蜘蛛と秋の日の

『三時間後』

京谷たちは普通に浮かんでいた。咲夜も同じ様に浮いていた。

 

咲夜「…………………」

京谷「そろそろ地底の入り口とかいう場所かな?ここまでゆっくり過ぎたや。」

プッチ「いや、旅行だろ?ゆっくり行っても構わないと思うが?」

京谷「でも、実際戦闘して終わりじゃん。これのどこが観光なのよ?」

プッチ「じゃあ、次は色々と見ていくか。」

咲夜「…………………」

京谷「……ねぇ咲夜ちゃん。」

咲夜「何よ……」

京谷「何か機嫌悪いね?どったの?」

咲夜「………別に。」

京谷「…………………」

 

京谷は、自然と咲夜の手をとる。

優しく、優しく。

 

咲夜「ふにゃ!?」

京谷「これで、少しは機嫌は良くなったかな?」

咲夜「あう……あう……////////////」

プッチ「おーい京谷、その子から煙出てるぞー。」

京谷「ありゃ、しかも顔が赤い。」

プッチ「一旦降りるか。」

京谷「そだね。」

 

京谷とプッチは一度、地面に降り立つ。

顔が赤くなっている咲夜を介抱する京谷。

京谷は咲夜の額に触れる。

 

京谷「んー、ちょっと熱いね。熱でもあるのかな?」

プッチ「……………」

 

京谷は右腕を『ホルス神』に変え、氷を作った。そして持っていたハンカチで氷を包み、咲夜の額に当てる。

プッチは京谷を見て呆れて溜め息をついた。

 

プッチ「なぁ、京谷。」

京谷「どったの?父さん。」

プッチ「お前は私の居なかった二年間、誰かに恋をしたことはあるのか?」

京谷「いきなり何?」

プッチ「いいから、答えなさい。」

京谷「…………いや、無かったね。そもそも一人暮らしで手一杯だったし、考えてる暇なんて無かったよ。……でも。」

プッチ「……でも?」

京谷「考えなかった原因は、やっぱりスタンドの事かな。」

プッチ「………………」

京谷「ま、僕もそこまで恋愛には興味無かったし。逆に考えてたら、外の世界での仕事も出来なかったし。」

プッチ「………そうか。すまないな。」

京谷「別に良いよ。でも、父さんが居なかった二年間。結構寂しかったからな。」

プッチ「それは悪かったと思っているよ。」

 

その話の後、咲夜が目覚める。

 

咲夜「ん、ぅう~ん。」

京谷「おっ、気が付いた。大丈夫?咲夜ちゃん。」

咲夜「あら、京谷………って!」

京谷「???」

咲夜「はわわわわわわわわっ!!」

京谷「みょげ!!」

 

咲夜は、おもいっきり京谷に向けて殴った。

その拳は、京谷の腹部にクリーンヒットする。

その影響か、変な声が出た京谷。

 

咲夜「あ、ごめん。」

京谷「地味に痛い。」

プッチ「ははは。それはそうとだ、そろそろ地底の入り口は何処にあるんだ?」

咲夜「あぁ、それなら貴方の後ろにあるわよ。」

京谷・プッチ「へっ?」

 

プッチは自分の後ろを見て、京谷はプッチの後ろの方向を見る。よく観察してみると、地面に穴があった。

 

プッチ「これが、入り口か?」

咲夜「そうよ。」

京谷「穴だね。」

咲夜「穴よ。」

プッチ「入るか?」

京谷「じゃあお先に!」

咲夜「あ!ちょっと!」

 

京谷は咲夜を無視し、地面の穴の中に入る。

 

咲夜「あぁ、もう!先に行かないでよ!気を付けてほしい事があったのに!」

プッチ「それは一体?」

咲夜「入り口には蜘蛛の巣があるのよ。けど、それはただの蜘蛛じゃなくて『土蜘蛛』っていう妖怪の巣なのよ。それに引っ掛からない様に降りた方が良いことを教えたかったのに。」

プッチ「…………京谷、早とちりは良くなかったな。」

 

 

 

 

 

 

 

『キングクリムゾン!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

京谷「どうしてこうなったよ?」

 

現在、京谷は蜘蛛の巣に引っ掛かっている状態であった。ご丁寧に背中全体に貼り付いていた。

 

京谷「(あー燃やしたら良いんだけど、何か被害が大きくなりそうだし。『オーバーヘブン』は使うと疲労するし……あ、そういえばそうだった。)」

 

京谷はスタンドを出した。しかし、物音が聞こえたのでやろうとしていた事は直ぐに中止した。

 

?1「おやおや、こんな格好いいお兄さんが捕まっちゃってるじゃない。」

 

暗くてよく見えないので、京谷は誰が来ているか分からずにいた。

 

?1「あ、でもよく見れば確か『さとり』が言ってた人間かしら?ここに近づく人間なんて、最近居ないし。」

 

漸く暗闇に慣れると、そこには蜘蛛の巣を伝っている女性が一人。

 

?1「あーそうだ、そうだ!この顔だ!なーんか格好いいと思ったら聞いていた人間だわ!」

?2「ヤマメー。どうしたのー?」

ヤマメ「キスメ、あの人間さんよ。写真見せたでしょ。」

キスメ「おー、あの人間を捕まえたの?」

ヤマメ「そうそう!実際見ると一段と格好いいわよー!」

キスメ「聞いてないし。それで?食べるの?渡すの?」

ヤマメ「私は……食べちゃおっかな?」

 

そう言い、ヤマメと呼ばれる人物は京谷に近づく。

 

ヤマメ「初めましてお兄さん。私は黒谷 ヤマメ(くろたに ヤマメ)。土蜘蛛っていう妖怪よ。宜しくと言いたいけれど、貴方は今から私に食べられちゃうの。残念だわー、こんな格好いいお兄さんと仲良くなれそうだったのに。」

キスメ「さっさとしたらどう?」

ヤマメ「もぉ、せっかちねー、キスメ。あぁ、そうそう。こっちは私の友達のキスメよ。因みに釣瓶落としっていう妖怪ね。さてと、与太話もこれぐらいにして……」

 

そんな時、京谷は『にやり』と口角を上げた。しかし、気付いていなかったらしい。

 

ヤマメ「それじゃ……頂きま……」

 

ヤマメは京谷に近付きすぎた。

京谷は放った。『色気』と『恐怖』を、ヤマメが一メートルまで近づいた時点で。

 

ヤマメ「!?」

キスメ「!?」

 

ヤマメは京谷から離れた。もし、あのままいれば、間違いなく呑み込まれていたと考えていたからだ。

いや、『考えていた』ではなく『感じ取っていた』のだ。

ヤマメは自身の直感で動いていたのだ。

 

ヤマメ「(このお兄さん、本当に人間!?人間のソレじゃ無いわよ、こんなの!!)」

キスメ「(こ、恐い………………)」

京谷「すまないが、この蜘蛛の巣を外してくれないか?ヤマメ君。」

ヤマメ「!!!」

 

ヤマメは思った。この人間の色気は何だと。この人間は人間なのかと。考えていた。

 

京谷「……すまないが、返事を聞かせてくれるか?」

ヤマメ「……お兄さんの言うことを聞きたいのも、やまやまだけど。ごめんね、貴方を明け渡すか食べなきゃいけないの。だから、そのお願いは聞けないわ。」

京谷「………そうか。手間を取らせたな。」

 

そう言い、京谷は降りた。

 

ヤマメ・キスメ「!?」

 

いや、正確には『蜘蛛の巣を外した』のだ。何時の間にか、蜘蛛の糸は切られていたのだ。

この二人は驚きを隠せなかった。それもそうだ。一瞬の内に何が起こったのか、さっぱり理解出来なかったからだ。

 

ヤマメ「い、一体、何が?」

京谷「私が切ったのだよ。」

 

京谷がヤマメの問いかけに答えた。ヤマメは京谷の方向に向く。

 

ヤマメ「『切った』?私の糸を?」

京谷「あぁ、そうだ。」

ヤマメ「どうやって?」

京谷「君が色々と話している途中にな。全て『必要な』部分を外したのさ。」

ヤマメ「へぇ、私の糸を破ったと。格好良くて、中々頭が冴えるじゃない。」

京谷「そんな事よりだ。君は…私を食べようとしていたのか?」

ヤマメ「勿体無かったけど確かにそうよ。」

 

京谷は、少し微笑んだ。

 

京谷「君の様な妖怪、中々珍しいな…友好的になれそうだ。」

ヤマメ「ごめんねー。私もそうしたいけど、今は流石に無理というか何というか。」

京谷「………一つ聞きたい。」

ヤマメ「何かしら?」

京谷「君の能力は…一体何だ?」

ヤマメ「そうねぇ、危険な能力だけど『病気(主に感染症)を操る程度の能力』よ。これで満足?」

京谷「あぁ、十分だ。能力も、暗さも。」

 

京谷はDIOのジョジョ立ちをした。そして、スタンドを出す。

 

京谷「『変化者 パープルヘイズ《チェンジャー パープルヘイズ》』」

 

京谷は、少し紫がかったチェンジャーを出現させた。勿論、ヤマメやキスメからは、全く見えていない。

 

キスメ「……何をしているの?」

京谷「何、君たちに『お土産』があってね。それを受け取ってほしいんだ。」

ヤマメ「有り難いけど、今はそれどころじゃ……」

 

しかし京谷は言葉を続けた。

 

京谷「この、『殺人ウイルス』をなぁ!!」

ヤマメ・キスメ「!?」

C(PH)「うぼおっシャアあああああああ!!」

 

チェンジャーと京谷は近づいた。二人に向かって。

そして、スタンドの拳に衝いていた球体を飛ばした!

その球体は、ヤマメやキスメの近くで破裂する!

 

ヤマメ「こ、これは!!ウグッ!!」

キスメ「カハッ!!ガッ!!グゲェ!!」

 

二人は、そのウイルスを吸い込んだ。勿論、このウイルスは『殺人』ウイルスだ。あまり妖怪に効果が無かったとしても、足止め位にはなるだろう。

 

京谷「貴様ら、何故この京谷が、あの蜘蛛の巣から脱出出来たか不思議に思わなかったのか?」

ヤマメ「カハァ!!カッ!!」

京谷「そういえば、話が出来なかったな。『キラークイーン』。」

 

そう言い、京谷は右腕を変化させ石に触れた。

 

京谷「ほれ。」

 

京谷は右腕で触れた石を二人の方向に投げつける。

次の瞬間、京谷は右手をスイッチの様な形にする。

そして、スイッチを押すように、親指で人差し指に触れた。

その石は何と、爆発した。

 

ヤマメ・キスメ「!?」

 

咄嗟の事であったので逃げる事が出来なかった二人は、爆発をもろに受けた。

 

ヤマメ「ぐっ!!」

キスメ「うわあああ!!」

京谷「さて、これで話が出来るな。」

ヤマメ「ッ!!………あれ?」

キスメ「あ、熱い……あ、声が出た。」

京谷「さぁて少々荒っぽかったが、まあ大丈夫だろ。」

 

京谷は冷やかな目で二人を見ていた。

 

京谷「貴様らに頼みたい事がある。貴様らに勝ったのだ、別に頼み事の一つや二つ良いだろう?」

ヤマメ「……そうだね。別にいっか。」

キスメ「に、人間に負けた。何で負けるんだ?」

京谷「………この地底を案内してもらえれば助かるんだけど?」

 

京谷は元に戻った。色気も恐怖も元からそこには無かったかのような空気になっていた。

 

ヤマメ「………あれ?」

プッチ「おーい、京谷ー。」

京谷「おー!父さーん。こっちこっち!」

ヤマメ「へっ?」

 

プッチと咲夜が降り立つ。

 

咲夜「大丈夫だった!?京谷!」

京谷「大丈夫だって。そんな事よりさ、このヤマメさんって方が案内してくれるらしいよ。」

プッチ「ほぉ、そうか。それはよかったな。」

ヤマメ「は?へっ?」

キスメ「………この人間、読めない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、うぷ主の鬼の半妖です。
という挨拶は置いといて……ココロジョジョル第4部キター!!

京谷「WRYYYYYYYYYYYYYYY!!」

最高にハイッ↑ってヤツだー!!

京谷「うぷ主!!」

何だ!?

京谷「ロードローラーだ!!」

WRYYYYYYYYY!?



プッチ「何をやっているんだ二人は?」

あー、死ぬかと思った。
では、次回もお楽しみに。

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