悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り 作:(´鋼`)
現在、マウントガンビア付近の上空
京谷と早苗は、少しの間寝ていた。勿論、疲労だ。
咲夜「……………」
咲夜は京谷の寝顔を見ていた。
咲夜「(あんなにカッコ良かった京谷も、寝顔だけは可愛くなっちゃうのね♪)」
咲夜の頬が緩む。それをニヤニヤと見ていた徐倫。何か昔を思い出している康一。気にせず海外の論文を読んでいる承太郎。
その時、操縦士からの知らせ。
操縦士「もうすぐ目標地点に到着します。」
承太郎「分かった。」
徐倫「ほーら早苗ちゃん、京谷君。起きなさい。」
徐倫が早苗と京谷の身体を揺さぶる。
早苗「ん、んうぅ?」
早苗は少々寝ぼけながらも身体を起こすが、京谷は一向に起きない。
康一「京谷くーん、そろそろ着くよー。」
勿論、呼び掛けても返事は無い。
咲夜「こーら、起きなさい♪京谷♪もうすぐ到着するって♪」
京谷「…………んむにゃ?」
但し、何故か咲夜の呼び掛けには反応し身体を起こす京谷。
徐倫「やっぱり、こういうのは彼女さんが起こさなきゃ起きないのかしら?♪」
康一「若いって良いなぁ。」
京谷「あー、おはよーございみゃす。」
京谷は寝ぼけながら挨拶をする。その発言で少し四人の口角が上がった。
京谷「???」
京谷は首を傾げる。それもそうだ。寝ぼけていて思考が纏まってないからだ。
そんな中、プロペラ機が着陸する。
どうやら、建物の屋上らしき場所だ。
京谷「承太郎さん、ここは?」
承太郎「スピードワゴン財団の管理下にある建物さ。燃料や食料の備蓄がある位だけなんだがな。」
早苗「………スピードワゴン財団、恐るべし。」
承太郎「それより皆、次出発するのが三時間後だ。それまでゆっくり、この場所を見ていくと良い。」
その言葉を聞き、京谷たちは降りていく。
『キングクリムゾン!!』
京谷「んー!!久々って感じがするー!!」
康一「そんな大袈裟な。」
京谷たちは地面に降り立った。その場で京谷が背伸びをする。
徐倫「ねぇねぇ、皆。ここからは別行動で行かない?」
徐倫からの突然の提案。
早苗「別行動ですか?」
徐倫「そうそう♪女同士と男同士で別れてさ♪」
その提案を聞くと、咲夜が少ししょんぼりしている。それを見かねた京谷は咲夜に近付く。
京谷「さーくや♪」
咲夜「ん?」
咲夜は首を傾げる。しかし京谷は言葉を続ける。
京谷「徐倫さんと早苗ちゃんと一緒に行ってきた方が良いと俺は思うよ。」
咲夜「…………何で?」
京谷「たまにはさ、女同士で色々と話をしてみれば良いかな?って思った。それだけじゃダメかな?」
咲夜「んー。」
咲夜は京谷に抱きつき、顔を京谷の胸にうずくまる。
それに対し京谷は、咲夜の頭を撫でる。
咲夜「…………♪」
京谷「……実を言うとさ、俺も康一さんと二人っきりで話もしたいんだ。俺が体験した事とか、色々と。」
咲夜「………………」
京谷「咲夜、良いかな?」
咲夜「………………良いよ。でも、ちゃんと私にも……」
京谷「分かってるよ。目一杯、甘えて良いから。」
咲夜「ん♪りょーかい♪」
咲夜は京谷から離れ、徐倫と早苗の元に行った。
咲夜「ちゃんと約束は?♪」
京谷「必ず守るよ♪」
咲夜は満足そうな顔をすると、徐倫と早苗と共にマウントガンビアを探索する。
~京谷&康一side~
京谷と康一は三人を見送った後、少し雑談をする。
京谷「では、こちらも行きますか?康一さん。」
康一「そうしますか。ところで京谷君。」
京谷「はい?」
康一「……彼女さんの扱い方が凄い上手だねぇ。」
京谷「……まぁ、色々と。ね。」
康一「そうかー………ところで何処に行く?」
京谷「あー、ちょっと待って下さい。」
京谷は『パティクル』を取りだし、検索を始めた。
京谷「少し探検ついでに、この辺りにあるカフェに行きましょうか。そこで特別な料理も食べられるそうですし。」
康一「どれどれ?」
京谷はパティクルに写し出された画面を康一に見せる。
康一「成る程……良さそうだね。」
京谷「それじゃあ、行きますか。」
康一「そうだね。そうしよっか。」
京谷と康一は歩き出す。
~女グループside~
京谷たち男グループと反対方向に歩いている三人。その内、一人は嬉しそうな表情をしながら歩いていた。
咲夜「♪~~♪♪~」
早苗「機嫌が良さそうですね。咲夜さん。」
徐倫「まあ、恋人との約束っていうのも有るからなんでしょうね。良いわねぇ、若いって。」
早苗「そういえばなんですが、徐倫さんって今はおいくつで?」
徐倫「今は36よ。あの頃が懐かしいわぁ。あの人から『幸せになりましょう』って誠実に言ってくれた時は嬉しかったわ~♪」
早苗「それは………どなたなんですか?」
徐倫「日本人よ♪」
早苗「…………え?」
徐倫「今の旦那様なんだけどね♪」
徐倫は笑顔になる。対し早苗は……
早苗「(ま、まさかの結婚!?しかも日本人男性!?)」
ということを考えていた。ここで早苗が尋ねる。
早苗「因みに、旦那様のご職業は……?」
徐倫「えぇとね、確か……書道家だったわね。」
早苗「(メチャメチャ特殊だった!!)」
徐倫「何回かルーブルにも作品が出展されてるのよ~♪」
徐倫の言うルーブルとは、お馴染みルーブル美術館のことである。
早苗「まさかの凄腕!!」
徐倫「凄いでしょ~♪」
咲夜「早苗~!!徐倫さ~ん!!こっち来てくださーい!!」
突然、咲夜が二人を呼び出す。
早苗「どうしたんですかー!?」
咲夜「美味しそうな飲み物あるから、どうかなって思ってー!!」
徐倫「今、行くわー!!」
徐倫と早苗は咲夜の元へと歩き出す。
咲夜の居る所に到着すると、人が店内におり飲み物を買っていた。
徐倫「成る程………ちょっと買ってく?勿論、あたしの奢りってことで♪」
早苗「良いんですか!?」
徐倫「良いの良いの、これぐらいは。」
咲夜「お願いします。」
徐倫「はいはーい♪あ、でも二人も来て。どんなやつか見てみたいでしょ?」
早苗「わ、分かりました!!」
三人は店内へと入る。
店員「いらっしゃいませー。ご注文は?」
徐倫「どうする?二人とも。」
早苗「え、えぇと………」
早苗は戸惑っていた。そう、何故なら……英語表記だからだ。
咲夜「あ、私はこれを。」
早苗「分かるんですか!?咲夜さん!!」
咲夜「あのねぇ、私たちだって元は別の場所からやって来たのよ。英語くらい分かるわよ。」
早苗「そ、そうだったんですか。」
徐倫「あ、ならこれでどう?」
徐倫は上にあるメニューのドリンクを指す。
早苗「あ、ではそれで。」
徐倫「おっけー。これと、これとこれを。」
店員「3ドル80セントとなります。」
徐倫はお金をちょうどの金額分出す。三人はドリンクが出来るのを少し待つ。
と、そんな時……
ガタイの良い男「よぉ、もしかしてアンタら日本人?」
咲夜「ん?」
ガタイの良い男がやって来て話してきた。
所謂ナンパである。
徐倫「そうだけど、もしかしてナンパ?」
ガタイの良い男「おいおい誤解しないでくれよ。仲良くしようとしに来ただけじゃあねぇか。」
徐倫「それをナンパと言うのよ。汗臭いからどっか行ってくんない?」
咲夜「同じく。」
徐倫はナンパを一蹴する。咲夜も無関心状態に入り、徐倫に賛同する。
ガタイの良い男「んじゃあよ、そこの緑髪の方はどう思ってるよ。ん~?」
早苗「ふぇ!?わ、私ですか!?」
早苗は急な出来事で戸惑う。そこにすかさず徐倫がフォローする。
徐倫「早苗ちゃん、こういうのは嫌だって伝えときゃ良いのよ。」
早苗「そ、そうなんですか?」
徐倫「そういうもんよ。ほら、早く言って。」
早苗「あ、はい。えぇと、すみませんが、お引き取り願います。」
早苗は頑張った。頑張ったが、まだ男には響いていない。
ガタイの良い男「良いじゃんかよぉ~。」
ガタイの良い男が早苗に近付いた。その時………
店員「お待たせしましたー。」
徐倫「お。ようやく出来たのね。早苗ちゃん、咲夜ちゃん。行くわよ。」
早苗「ちょ、徐倫さん!?」
徐倫は早苗の手を引き、ドリンクを早苗に一つ、咲夜に一つ渡す。そして徐倫も一つ持ち、その場から退出したちょうどその時……
ガタイの良い男「何処に行くんだよぉ、無視すんなよー。」
付いてきた。ナンパ。だが、
ガタイの良い男「痛っ!!」
突如、ナンパの頭に鋭い痛みが走る。
ナンパが自分の頭を触ると、少し血が出ていた。
ガタイの良い男「…………ひぃぃぃぃ!!」
ナンパは、その場から逃げていった。
早苗「あ、あれ?走って逃げてしまいましたね?」
咲夜「何かしたのですか?徐倫さん。」
咲夜が尋ねる。しかし、
徐倫「いや、私何にもしてないわよ。」
早苗「あれ?でも何で……」
その時、早苗の持っていたドリンクが奪われる。
早苗「きゃ!!」
咲夜「早苗、平気?」
早苗「だ、大丈夫ですが……ってあぁ!!ドリンクが無い!!何で!?」
徐倫がふと、上空を見上げる。
徐倫「あ、」
早苗「ど、どうしたんですか?徐倫さん。」
徐倫「犯人………分かったわ。」
早苗「えぇ!?だ、誰なんですか!?」
徐倫は上を示す。
咲夜と早苗も上を向く。
早苗「あー!!」
そこには、
咲夜「烏?」
黒い烏が一羽、ドリンクらしきものを足で掴み滞空していた。
「カアァァァァァァァ!!」
どうも、うぷ主の鬼の半妖です。
さて、何か烏が出てきましたねぇ。あれ?確か烏ってオーストラリアに入れないんじゃ………あれ?
では、次回もお楽しみに。