悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り 作:(´鋼`)
京谷「ッハァ!!はぁ………はぁ………はぁ………。」
京谷は疲れからか、その場に膝を着いた。しかし、立ち上がる。ゆっくりと。
京谷「『クレイジー………ダイヤモンド』」
右腕を変化させ、康一を治す。
京谷「こ、康一………さん………良かったです………」
康一「そ、それより二人を助けないと!!」
京谷「分かってます………けど先程ので………立つのが限界で………すみませんが………支えになってもらって構いませんか?」
康一「それ位なんてこと無いよ。さぁ治しに行こう。」
京谷「はい………」
京谷は康一に支えられながらも早苗の元に歩き、早苗を治す。
徐倫はというと………
京谷「『ストーン………フリー………』」
左腕を変化させ糸にさせた後、徐倫の体をゆっくりと降ろす。そして治す。
徐倫「っく………京谷君………助かったわ。ありがとう。」
京谷「これぐらい………どうってこと………無いです。」
康一「………もしかして京谷君、疲労でも溜まってるのかい?」
京谷「………恥ずかしながら………賭けだったので一安心して………」
承太郎「緊張の糸がほぐれた訳か。無茶なことをするなぁ。」
承太郎の隣には先程目覚めたであろうシャーベットも居た。承太郎の背中には咲夜がおぶられていた。
徐倫「父さん………」
康一「承太郎さん………」
京谷「ですが………油断させるにも………こうしたら良かったと思ってます。」
承太郎「今回ばかりは京谷君に助けられた。ありがとう。」
シャーベット「すみません、京谷様。この私が不甲斐ないばかりに………」
シャーベットは京谷の前で座る。そして謝罪の言葉を言った。
京谷「平気さ、シャーベット。どんなスタンドにも弱点はある。どんなスタンドにも対処しずらい出来事は起こる。自分を責めないでくれ、シャーベット。」
シャーベット「!!!………勿体無き御言葉………」
と、ここで康一が話題を変える。
康一「そういえばなんですが承太郎さん。そのカーズが衝突するまで、まだ猶予があるんですよね?」
承太郎「あぁ。………だが、何だ?この妙な胸騒ぎは?………」
京谷「と言いますと?」
承太郎「………本当に嫌な予感がする。それだけなんだが………」
と、話の途中で承太郎に電話が。承太郎は電話に出た。それと同時に門が勢い良く開かれた。
一斉に門の方を見ると………
ブロウ「京谷様アアアアァァァァ!!」
京谷「ブロウ!?もう起きたの!?」
ブロウ「ソ、ソレヨリモ!!緊急事態デゴザイマス!!」
ブロウは切羽詰まった中、重要なことを言い出す。
それは承太郎が発した内容と同じものであった。
ブロウ・承太郎「
カーズ(隕石)が接近シテオリマス(しているだとぉ)!!(!?)
四人「!?」
承太郎「ば、バカな!?その隕石の衝突は後六日の猶予がある筈だ!!何故急に!?」
研究員『そ、それが!!急激に落下速度が上昇されたんです!!何故この様な事が起きているのか、私どもも判明できません!!』
ブロウ「私モ外二出タ後、妙ナ感覚ヲ覚エタノデス!!ソシタラ、財団ノ人間カラノ電話デ『カーズ』ガ速度ヲ上昇サセ地球二接近サレテイルノヲ聞キマシタ!!ソレヲ御伝エシニ参リマシタ!!」
康一「ど、どういうこと何だ!?何でカーズが急に!?」
京谷「………!!!まさか!!」
京谷は康一から離れ、倒れているリーバスの元へと近付く。
そこにはリーバスが『右手の甲に左手が触れている』場面であった。
京谷「くそっ!!当たってしまった!!コイツ!!最後の悪あがきを!!」
承太郎「京谷君!!どういうことだ!?」
京谷「リーバスは最後の足掻きで、『時間を決めたんです』!!どの様な時間を決定したのかは分かりませんが、確実にリーバスの能力が原因です!!」
徐倫「アイツ!!何処までも往生際の悪い奴ね!!」
京谷「徐倫さん!!動けますか!?」
徐倫「少し痛むけど、平気よ!!」
京谷「シャーベット!!早苗ちゃんを運んでくれ!!」
シャーベット「仰せのままに!!」
京谷「承太郎さん!!今すぐ『カーネッジ湖』へ!!」
承太郎「あぁ!!行こう!!」
京谷一行は疲労困憊の状態だろうと関係なく、門の前で止まっている車に乗り込み『カーネッジ湖』へと目指す。
承太郎「後どのくらいで衝突する!?」
ブロウ「恐ラク、残リ二時間デ衝突スル!!」
京谷「運転手さん!!急いで『カーネッジ湖』に!!」
運転手「りょ、了解!!」
京谷たちを乗せた車は『カーネッジ湖』を急ぎで目指す。
『一時間後』
運転手「着きました!!」
その言葉を合図に京谷、承太郎、シャーベット、ブロウ、徐倫は車から降りる。
カーズの衝突ポイント近くに。
上を見上げると、赤く燃えている物体が落ちてきているのが見えた。
京谷「まだ猶予は残っている!!シャーベット、手伝ってくれ!!」
シャーベット「如何なされるのですか!?京谷様!!」
京谷「まだ衝突させる訳にはいかない!!シャーベットの影響を受けないスタンドの名前を先ずは教えてくれ!!」
シャーベット「名前で宜しいのですか!?」
京谷「それで良い!!」
シャーベット「了解致しました!!私のスタンド名は『俺に構うな!!』です!!」
京谷「よし!!『俺に構うな!!』」
突如、京谷に羽織られるローブが出現した。
シャーベット「それは!!私のスタンド!!」
京谷「もう一つの頼みだ!!シャーベット!!俺を隕石の近くまで運んでくれ!!」
承太郎「!?京谷君!!幾らなんでも無茶過ぎる!!」
京谷「シャーベットのスタンド能力は『全ての影響を受けない』能力です!!それを利用して、カーズを殺します!!」
康一「で、でも!!カーズは不死身で不老不死なんじゃ!?」
京谷「咲夜のスタンド能力、『殺す』能力は不老不死だろうが不死身だろうが全て殺せます!!ただ、発動条件がスタンドが持っているナイフを当てなければ通用しないんです!!だからこそ近付くんです!!」
承太郎「しかし!!あれほどまで接近していれば、カーズは活動できる可能性がある!!つまり反撃を食らわされるかもしれないんだぞ!!」
京谷「ただ待って無意味な命を殺すより!!こんな無茶な作戦でカーズを殺せば良い筈です!!承太郎さん!!俺はやります!!」
シャーベット「私は京谷様に忠誠を誓った身。京谷様に着いていきましょう。」
京谷「ありがとう!!シャーベット!!」
徐倫「父さん!!このままだと戦闘になって全員御陀仏になる可能性が高いわ!!だったら賭けてみても良いんじゃない!?」
承太郎「……………………」
京谷「承太郎さん!!」
承太郎「…………分かった!!無茶だけはするな!!」
京谷「!!!はい!!シャーベット!!」
シャーベット「御意!!」
シャーベットは京谷を支え、飛び立つ。
残された承太郎、徐倫、ブロウ、康一は見守っていた。
現在、京谷とシャーベットは『カーズ』の軌道に合わせ飛行していた。策としては『接近した後、チェンジャーをJ・T・Rに変化させナイフを刺す』。単純ではあるが難しい。
先ず何が難しいのかというと、『とてつもない速度で落下しているカーズに合わせて飛行する』ということだ。
つまり、一瞬でも速かったり一瞬でも遅くなってしまえばタイミングを逃すことになる。
次の問題は『ナイフを当てること』だ。これは、『ナイフを構えた状態で待機すれば良い』という答えでそこまで考えていない。
そう、ここで重要なのは『タイミング』だ。タイミングがずれれば、そこで計画は全て水の泡に帰る。なので……
京谷「もう少し速度を速く!!」
シャーベット「御意!!」
スタンドを予め変化させ、その精密性でカーズと衝突するタイミングを計っていた。
京谷の指示にあわせ、シャーベットが動く。
だんだんと接近する二人。その熱量は本来であれば耐えきれない熱さだが、二人は能力で『全ての影響を受けない』。つまり熱による被害は受けない。さらに自身らに掛かる風圧やカーズの周りからポロポロと剥がれ落ちるものにも影響は受けないのだ。
京谷「!!!不味い!!カーズが目覚めた!!」
シャーベット「ッ!!」
しかし運の悪いことにカーズの目が開いてしまった。即ち、目覚めてしまったのである。
カーズ「………………んむぅ?………この場所は………」
カーズは目を草食動物の目に変化させ辺りを見渡す。
下には緑と青の色があった。カーズは、それを見た瞬間驚き、微笑んだ。
カーズ「おぉ!!ま、まさか!!地球か!!だが、どうやって………いや、それは考えないでおこうか。漸く地球に戻ることが出来たのだからなぁ!!」
カーズは自分の状況を直ぐに確認すると理解したのか、自身の皮膚を伸ばし滑空飛行を行った。それはまるでモモンガの様に!!そしてカーズは上に上昇した!!
京谷「!?皮膚を伸ばして上昇した!?」
シャーベット「恐らくパラシュートの原理と同様です!!京谷様、どの様に変更なさいますか!?」
京谷「チッ!!シャーベット、6度上に傾けて上昇!!」
シャーベット「御意!!」
シャーベットは京谷の命令通りに動き、上昇する。
それをカーズは見ていた。何か変な物体が上昇しているという風にしか考えてなかったが。
カーズ「何だあれは?このカーズに向かって来るではないか。邪魔だ。」
カーズは髪の毛を針の様に鋭くさせ、その髪の毛を京谷たちに放った!!
しかし!!京谷たちは避けることはしなかった。何故なら!!
京谷「針が来たけど気にしないぜ!!」
シャーベット「我がスタンドは例え貫通する物であろうと影響と捉えられ貫通せず、痛みすら感じない。そんな攻撃なんぞ通用せぬわ!!」
未だに向かって来る京谷たちに、不信感を覚えたカーズ。目を操作し京谷たちを見た。
カーズ「!?に、人間が!!飛んでいるだとぉ!?ば、バカな!!波紋使いが空を飛べる訳が!!」
そう、カーズは未だに地球には波紋使いしか立ち向かってくる者は居ないと考えていた。つまり!!スタンド使いを知らなかった!!
そんな考えをしていると、京谷たちはカーズに近付いていた!!後残り10メートルの所であった!!
カーズ「ば、バカな!!人間が究極生命体である、このカーズに!!何故近づけるのだ!?」
残り七メートル。カーズは焦りを覚え、腕を羽に変化した後上空へと逃げる。
京谷「シャーベット!!俺を飛ばしてくれ!!」
シャーベット「御意に!!」
シャーベットは京谷を持ち上げ、フルパワーで京谷を飛ばす。京谷も飛ばされる直前、しゃがんで体勢を整える。そして飛ばされると同時にジャンプしカーズに追い付いた!!
カーズとの距離、三メートル!!
カーズ「何ぃ!?」
京谷「永久に死にやがれ!!カーズウウウウゥゥゥゥ!!」
京谷はスタンドが持つナイフをカーズに刺した!!
カーズ「ウグッ!?ぐぎゃぎゃぎぃぃぃいいやあああぁ!!や、やっと!!やっと地球へと戻れたというのにィィィィ!!」
カーズは雄叫びを上げながら塵となって消滅した。
つまり、死んだのだ。
京谷は、それを確認すると落ちていった。そこにシャーベットが落ちていく京谷をキャッチする。
京谷「………終わったぜ………シャーベット。戻ろう。」
シャーベット「えぇ。仰せのままに。」
シャーベットに連れられ京谷は地球の大地へと降り立った。
こうして京谷の里帰りに起きた奇妙な冒険は幕を閉じた。
どうも皆様!!うぷ主の鬼の半妖です!!
やっとカーズまで到達したー!!よかったー!!
後残り一話!!里帰り編最終回になります!!
では!!次回もお楽しみに!!