悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り 作:(´鋼`)
また……倒した。いや、正確にはDIOを行動不能にさせた。あれでは、確かに動くこともままならない筈だ。
その予想は外れ、どうやら血は出ているものの逃げたらしい。
「京谷!!京谷!!オイッ!!」
「……DIOがいない」
「え?」
「DIOがいない!!この後に及んで逃げやがった!!」
「だ、大丈夫だ!!血を引きずった跡がある。そこを追いかければいずれDIOの元に着く」
見れば逃げた痕跡が残されており、それに従い俺たちは先へと進む。その途中、魂が満たされている疑問を勇人たちに質問されたが、知らないので知らないまま答えた。
血を追っていると、直ぐの場所に血は途切れていた。
「チッ……逃げ切りやがったか」
「いや、違う……DIOはここまでしか来ていない」
「これまた、よく断定できるな」
「ああ、よく観察すればすぐに分かる。そうだ、当てたらなんか奢ってやる」
「へぇ……言ったな?絶対何か奢れよ?」
「ああ」
~その5分後~
「……………………分からん」
「へぇ……さっきまで自信たっぷりだったのに」
「いや、ただ血があるだけだろ?何が分かるんだよ?な、咲夜?」
「分かったわよ」
「そうだよな、分かるはずが……は?」
「簡単よ?」
「え…………?よ、妖夢も?」
「はい。何があったまで推測できると思います」
「じ、じいさんは……」
「分かっておる」
「なん……だと……?」
……何か皆分かってた。くやしい。後で咲夜には慰めをしてもらうからな!!
「なぁ、ここら辺一帯どうなってる?」
「どうなってるって……血があるだけだろ?」
「ああ、血だらけだな。まるで飛び散ったかのように血の跡が付いているな」
「…………は!!ま、まさか!!」
「そうだな、多分ここでDIOは殺られた」
「いや……分かりにくいだろ?」
「もっとも、ここにDIOの衣服がある時点でそうだと言えると思うけどな。本体は消滅したのか?」
「……………………」
……ふと咲夜を見ると、少しクスクスと笑ってた。本当に咲夜には慰めをしてもらうからな!!次は“規制音”をしてもらうからな!!
「ま、まぁ……本当の黒幕はDIOではないという事が分かっただろ?多分、道中にあった3人が怪しいがな」
「…………そうだな」
まだまだ続く階段があるので、それを上る。
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~それから数分後~
「ふぁぁ…………」
「欠伸するなんて余裕だな、勇人」
「しょうがないだろ、もう1日以上経ってるだろうはずなのに一睡もしてないんだぜ?逆になんで眠くならないんだ?」
仕方ないじゃないか。俺の故郷の世界で徹夜とかしてたから当たり前になってるんだもん。そん時は他のスタンド使いが邪魔したお陰で、その分気配を集中させなきゃやってられなかったんだもん。まぁ勇人は仕方ないか。
「確かにぶっ続けていくのもキツイな…………次のフロアを通り抜けたら一旦休みを取ろう」
「そうと決まればさっさと行こう」
そんなこんなで先程から見えている5階へと突入する。
「…………京谷、ここの道、通ったよな?」
「え?そうなのか?」
「というか、さっきから同じところをグルグル回ってる気がするわ」
「わ、私は分かりません…………」
何かの幻術か何かかな?でも、俺分かんないや。
「うーん…………どこを行けばいいのやら…………」
「はぁ……道中にゾンビがいたけどもう見なくなってきたし……やっぱり、同じ道を通ってるんだろう」
「途中途中の部屋も全部そこで行き止まりだったし、誰かの術のせいじゃないのかしら?」
「はぁ…………もうここで休めばいいんじゃないか?」
「そういう訳にもいかな…………」
「どうした?京谷」
勇人の無謀な発言にツッコミを入れた後、不意に壁を見てみれば……ゾンビが壁から出てきおった。そんな仕掛けゼル○にあったな。
一先ずゾンビを処理して、壁に腕を通してみる。
「おお〜、すり抜けられるぞ」
腕を出し入れしながら見せた後、その壁の向こう側に進んでいくと、少し広めの空間と……フードを被った奴が居た。
「これまた…………空間どうなってるんだ?」
「さぁな…………あいつに聞いたらいいんじゃないか?」
そのフードの奴を指差す。
「なぁ、あんたがこんな事を?」
「……………………」
「少しは反応してからもいいだろう?」
そのフードの奴に近付く。刹那、剣が現れ、それをチェンジャーで止めて防ぐ。
「あ、あぶねぇ……!!」
少し距離を取り、フードの奴と対峙する。
「やるって言うのなら、手加減はしないぜ!!」
しかし俺には眼中にないのか、剣を納めた後ある方向を指差す。そこには……妖夢が居た。
「え?わ、私!?」
「だとよ、どうする?」
「お、同じ剣士としては是非お手合わせしたいとは思いますが……」
「なら、いいんじゃないか?一騎打ちしてこいよ」
「京谷、今の内に奥に行け」
「え?」
「多分、こいつは誰かの配下だ。お前はその頭を討ってきてくれ」
「ああ、任せとけ」
時を止めて、咲夜と共に奥を目指す。
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奥へと進んだ先には、先程の部屋より広い部屋と……目の前の玉座らしき物に座る一人?の男。その男からは異質な雰囲気が漂っていたが……ぶっちゃけDIOよりも弱いオーラなので怯みもしない。
その男は頬杖をつきながら俺たちを見て一言。
「………君たち、中々素晴らしいじゃないか。この僕のオーラを受けても怯みもしないなんて」
んで、俺たちも向かって一言。
「「ぶっちゃけ弱くて話にならない」」
その発言で少々口角をピクッと動かした男だが、直ぐ様平静になり話をした。
「そういえば……そこのメイドさんは初めましてじゃないよね?」
「残念ながら、アンタみたいな雑魚知らないわよ。ましてや、DIOみたく色気も包容力も感じないし」
その男は脚を組み換え、話を続けた。
「……成る程、別世界のメイドさんって訳か。合点がいったよ」
「それで?どんな内容なのか聞かせてもらいたいものね」
「実は、この世界の赤い館の吸血鬼の子……その子に『一緒に幻想郷を支配しないか?』って、誘ったんだよ。1日だけ猶予を与えて考えてくれるとは言ったけど、この場合だと絶対に断れないよね」
笑いながら、そう答えた男……吸血鬼。俺たちは顔をしかめていた。そんな事にも気にせず、その吸血鬼は淡々と、面白おかしく話していく。
「それにしても凄いね、人間の癖に。僕人間を並べて一気に倒すゲームが好きなんだけど、君たちはそれに出来ないね」
「……つまりは、ドミノ倒しってか?悪趣味な奴だ」
「これが、普通さ。さて、君たちには1度だけチャンスをあげよう」
その吸血鬼は玉座から立ち上がり、俺たちに指差して言い放つ。
「君たち、僕の下僕にならない?」
「「断る」」
「……いささか早くないかい?」
「テメエみてぇな小物の下に着く位なら、テメエぶっ飛ばして俺が王になるわ」
「アンタみたいに意気がってる雑魚って、厨二病って言うのよ。そんな事も分からない訳?」
こういうタイプはプライドが高い。貶されると怒るタイプだ。術中に嵌まったのはテメエだけどよ。
「そんなに言うなら……証明してみせろよ!!」
指を鳴らすと、壁から一斉にゾンビが出現する。
「このゾンビの大群から!!逃れてみr………!!?な、何が……起きて……!?」
ゾンビの動きは止まっていた。それもその筈、俺がDIOのオーラを全快で出していたからだ。
「………何をしている、貴様ら。早くアイツを殺せ」
ゾンビは言う事を聞くかの様に、その吸血鬼の方へと向き歩きだす。因にだが、その吸血鬼は固まっていた。蛇に睨まれた蛙の様に。
「ッ……!!くっそがぁ!!!」
無理矢理DIOの金縛りから解き、ゾンビを殺しつつ俺に向かい爪を立てる。残り3メートルという辺りで……
「」
バタンッ。という音が響き、その吸血鬼は動かなかった。俺からの視点では、咲夜がスタンドで殺した。そう見えている。残っていたゾンビは俺と咲夜が殺した。
安らかに眠ってくれる様に願って。
気づけば、そこには一時の静寂が広がっていた。
どうも、皆様。うぷ主の鬼の半妖です。
京谷君の魂補充完了。続いてテンション&体力回復。おまけにDIO様モード全開。
……これは相手もオワタしかない。
次回もお楽しみに。