悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り 作:(´鋼`)
………ふぃー、結構疲れたぜ。何せ『牙《タスク》』のACT2・3・4の連続使用。DIOとの意識交換の代償の負傷。さらには目を回復させる為に真実を上書きさせたし。
って、これだと俺の損害が多いじゃねぇか!!己魔王め……この恨み晴らされでおくべきかぁ!!!
「よっ…………と」
不意に後ろから声がしたので反射的に声の方向に向かって殴り付ける。
「ぬぁ!?」
「チッ、まだ寝てなかったか…………今度こそ寝てろ」
「ちょ、ちょっと待て!!勇人だ!!俺は勇人だ!!」
「あ?もう少しはまともな嘘をつきやがれ!!」
完璧に腹が立っていたので『星の白金《スタープラチナ》』に変化させて殴り付けていた。
しかし勇人はスタンドの拳を防ごうともせず、黙って食らっていた。その事実に「あっ、本当の事か」と楽観的に考えていた俺はギルティ。
「い、痛い…………これで信じるか?」
「本当に勇人だな?」
「あ、ああ…………嘘じゃない。勇人、嘘つかない」
「その様だな…………手間のかかる奴だ」
「ハハ…………すまない。もう大丈夫だ」
溜め息を吐いた後、スタンドを『クレイジーダイヤモンド』に変化させて勇人の傷を治す。
その後、妖夢が勇人に抱きついてキマシタワー展開が見られた。
俺は咲夜と共に妖夢と勇人のキマシタワー展開を見続けていたが、そこで勇人の祖父さんが止める。
「はい、そこまでじゃ。どっちかが悪いとか言っておったら日が暮れるわい」
「そ、そうだな…………ところであの3人は?」
「それなら、もう京谷が始末してしまったわよ」
「ああ、無限の回転エネルギーを撃ち込んでやった」
「容赦無いな…………」
シャーベットの『俺に構うな!!』よりかは弱いけれども、それでも絶対殺すマンの異名持ちのスタンド攻撃で仕留めたからな。因みにスタンドを『ボール・ブレイカー』に、腕を『牙《タスク》』にしたら絶対殺すメンになる。
「ぅぅ…………こ、こんなところでぇぇ!!」
「まだ、死なないとは…………しぶとい奴だ」
『牙《タスク》ACT4』を食らってもまだ生きてるって初めて見るんだけど。生命力云々関係ないよな?この現象って。
そしたらソネが大きな昆虫へと変貌した。
「スカベラか…………だが、無限回転エネルギーからは逃げられない」
「…………そうですねぇ、この回転という奴はどう足掻いても私達を殺す様ですね。まぁ、これを止める方法とすれば逆の同じ回転をまた撃ち込んでもらうしか無さそうですね…………」
「へぇ…………そこまで分かるのか」
「伊達に長生きしてませんよ…………」
「それが分かったところで取引でもするつもりか?」
「そうですねぇ…………これだけ長生きしたのですから生き延びるコツは知っているつもりですよ」
「何事にも本気を出さず責任を取る立場にならない事。気軽に意見を言える側近の立場でいざとなったら逃げるか裏切る。それが生き延びるコツです…………今回の事も面白半分で参加したのですがね…………」
「こんな大層な事をしておいて面白半分だと?」
「はっきり言ってしまうと、魔王が現れたからって世界が必ずしも大きく変わるとは思ってないのですよ」
「なら、なんでこんな事を?さっさと逃げ出せば良かったものを」
「でもねぇ、なんと言うか…………グフッ」
「ただ生き延びてるだけでは生きてるとは言えないと思いまして…………まぁ、たまには私もカッコつけたくなったんですよ。ハキムやシアンの様にね…………」
「不器用な奴らだな」
「ハハ…………まったくです。だから、ただでは死にませんよ!!」
ソネが向かってくる。しかし、それは勇人の銃撃により阻止され動かなくなった。
「ハハハ…………やはり、真面目にやるとロクな結末になりませんねぇ。でも、こういうのが生きているという感覚なんでしょうね…………」
そしてソネは回転の中に消えていった。
「お前らァァア!!」
今度はハキムが決死の覚悟で俺たちに向かう。しかし呆気なくチェンジャーで殴って回転の中に沈めさせた。
だが、その回転から禍々しい何かが出てくる。
「おい、京谷もう1人のあれは偽物じゃないか?」
「は?…………あれは…………ゾンビか?」
その禍々しい何かの中から、シアンがボロボロの状態で出てきた。
「シアン、後はお前だけだぜ」
「ソネとハキムがやられたか…………魔王誕生計画は大失敗だな…………」
「どうする?降参するか?」
「ハハハハハ!!降参?ふざけないでくれ。私は魔族の未来の為に最期まで計画は続ける!!」
「また、虫の大群でくるか?そうだとしても全て燃やし尽くしてやる」
「舐めないでくれ、魔族は進化するのだ。貴様ら蠱毒の儀式と言うのを知ってるか?」
「「コドク?」」
「東洋の呪術だよ。大量の虫を狭い部屋に閉じ込めて共食いさせる。最後に残った一匹には死んだ全ての虫の怨念と魔力が結集する」
「何を言ってるんだ?」
「私の体を構成する数百万の虫で蠱毒の儀式をとりおこなった。さらにはハキムとソネの分まである」
「今の私は虫の群れではない!!…………最強最後の一匹のみ、だ」
シアンは赤く巨大な蝶の姿へと変貌していた。
「グッ…………凄い風圧だな…………」
「あいつの相手は俺がする」
「そうか、じゃあ任せたぞ勇人」
勇人が前に出る。どうやら色々と解決して、吹っ切れたな。その考えている間、シアンから鱗粉らしき物が発せられる。しかし勇人は避けようともしなかった。ただ突っ立っていた。
勇人は何かを唱えた。いや、喋ったというべきか。それから5秒後、シアンの羽がもがれていく。それに驚くシアンは地面に叩きつけられた。
「羽がないと何もできないな」
「ウグ…………やはり、私ではどうしようもないか…………」
「ああ、そうだな」
「フッ…………すっかり忘れてたつもりだったが…………お前はあいつにそっくりだ…………」
「あいつ?」
「私は元は人間だった。普通に暮らしていた。普通に恋愛をした。普通だとしても私はその相手をとても大事だと思っていた。そして、結婚へと至った。あの時は嬉しかったよ。だがな、村が傭兵どもに襲われた。結婚式の日にだ。傭兵が襲った理由が国家が金を払わなかったからだと。目の前で家族が村の人たちが私の大切な人達が殺されたよ。もちろん、夫となる人も…………私はその日には死ななかった。数日間生きながら虫に食われ続けた。そして、気づいたら私は魔族になっていた」
「…………そうか」
「同情はいらない。魔族になって私はハキムやソネの様な者に出会えたのだからな」
「お前は…………いや、何も言うまい」
「そうしてくれ…………さぁ、その手で終わらせてくれ。私は少し疲れた…………」
勇人はまだ突っ立っている。その5秒後、シアンの体は塵となり消えた。
「はぁ…………終わったァァア!!」
「ようやく、ね」
「いや、まだ真のラスボスがいるかもしれないぜ?」
「それはもう勘弁な」
「ハハ、冗談だ。ほら、とっとと戻ろうぜ?」
「ああ、早く布団に戻りたいぜ」
俺たちは帰路へと着く。帰ったら宴会じゃ宴会。
どうも皆様、うぷ主の鬼の半妖です。
はて、今回のコラボは残り1話で終了させて頂きます。
後、この小説も残り1話で終了させて頂きます。次回作の案は考えていますので、それも楽しみに待っていてください。
では、最終話。お楽しみに