悟空「オラの?」緑谷「ヒーローアカデミア!」   作:須井化

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前回までのあらすじ

どこにでもいる無個性少年緑谷出久。

彼は将来の夢であるヒーローを目指すべく日々修行を積み上げていく!

様々な苦難を乗り越え遂に念願の雄英入試合格を達成するも…

なんと入学初日に除籍を賭けた最悪の体力テストがスタートする。

緑谷少年は最下位になってしまった峰田少年の為に一肌脱ぐのだが…

というかなんで担任殴ってるの緑谷少年!

相澤君短気だからブチ切れちゃうよ!どうするの!?<なんか言いました?

更に向こうへ!PlusUltra!!!

<あらすじにまで出しゃ張るな!





第7話

シュゥゥ……

 

緑谷「はぁ…はぁ…」

 

相澤「…ふぅ……」

 

その2人の手から何か白い煙の様なものが立ち上っていた。

 

どれ程()()()()衝撃が強大な物か…

 

それを物語っている。

 

飯田「なんてパワーだ…入試の時といい今といい……」

 

麗日「わっわわ…デデッデックククッ!?…」

 

クラスの皆も相当びっくりしている。

 

まさか飛び出して先生に殴りかかるとは誰も思わないだろう。

 

…だがそれだけじゃなかった。

 

峰田「お…おい…イレイザーヘッドって…?」

 

青山「ダレダッケ」

 

蛙吹「聞いた事あるわ」

 

蛙吹「滅多にメディアに顔は出さないけど…」

 

蛙吹「ネットとかの噂話だと()()()()()()()()()()()個性を持っているとか…」

 

障子「素顔を見た奴は数人ぽっち」

 

障子「巷じゃミステリアスヒーローだとかの話で持ちきりだ」

 

飯田「まさかこんな場で出くわす事になるとはな…」

 

プロヒーローである全ての人間が名声を求めている訳ではない。

 

逆にそれでちやほやされたり、個人情報やプライパシーが漏れるのが嫌で取材を拒む様なケースも少なくは無い。

 

爆豪「何を血迷ったかは知らねぇけど…」

 

爆豪「好都合だ」ニヤッ

 

かっちゃんはさり気無くあざ笑う。

 

その理由は明確だ。

 

相澤「……」シュゥゥ…

 

相澤「!」ギロッ

 

たった15の子供がプロヒーローに喧嘩を売った為。

 

先生は先程皆にやった様に僕を睨み、怒りを露わにする。

 

緑谷「…っ」ゾッ…

 

それは狂気に満ちた様な顔だった…

 

あまりの威圧感に僕は少し怯えてしまった。

 

暫く沈黙の時間が続き、A組全員の緊張感が最高潮に達しようとしている。

 

…ようやく相澤先生は僕に声をかける。

 

相澤「……一応聞くがその根拠はなんだ…」

 

緑谷「……………」

 

緑谷「な、なんとなく雰囲気で… 」

 

A組「………!?」

 

ごめん。今の冗談。

 

緑谷「…さっき目薬してましたよね?」

 

緑谷「貴方の個性は見た相手の個性を消す能力」

 

緑谷「それで確信がつきました」

 

相澤「無駄に推理力は高いな」

 

相澤「じゃあ…なんで俺に攻撃を仕掛けてきたのか…説明してもらおうか…」

 

緑谷「……」

 

緑谷「勝てるから…」

 

相澤「?」

 

緑谷「()()()()()()()()()()

 

相澤「…」

 

「そのままの意味って………」

 

八百万「どういう…!?」

 

その場に居た誰もが僕が発した言葉の意図を理解できていなかった。

 

…ただ1人を除いて…

 

相澤「……ククッ…」

 

緑谷「?」

 

相澤「ハハハハハハ…ッ!」

 

相澤先生は急に哄笑し始めた。

 

勿論この言葉の意味を分かっていてそうしているのだろうが…

 

いや…まぁ普通の反応だろうなこれが…

 

相澤「…すまないすまない。冗談が過ぎていたもので…」

 

相澤「つまり…俺に挑戦状を出すって事か」

 

飯田「……まさか緑谷君……」

 

緑谷「…」

 

要はこういう事だ。

 

僕が相澤先生に1vs1(タイマン)を挑む。

 

もしこれに勝ったのなら峰田君の退学処分を免除してもらう。

 

そうすれば初日は乗り越えられる。

 

緑谷「ただし、僕がこの決闘で勝てなかった場合…」

 

相澤「自分が道連れも厭わない…と。なるほどね……」

 

 

 

 

 

 

相澤「何も知らねぇヒヨッコがデケェ面してんじゃねえよ」ニコ…

 

満面の笑みでそんな恐ろしい言葉を発した。

 

正直1番相澤先生が怖かった所はここだと思う。

 

無論僕は反応に困るわけだが。

 

相澤「も少し立場ってのを弁えてから発言しろ」

 

相澤「いいか。お前達が今まで生きてきた十数年……どんな思いやきっかけでここに来たのかなんて知らないし興味も無い」

 

相澤「ただ1つ言いたいのは…素人であるお前らが…」

 

相澤「自分達の何倍も過酷な修羅場を自分達の何倍も多く経験しているプロヒーロー(俺達)に…」

 

相澤「意見できる筈ねぇだろって事だよッ!!!」

 

緑谷「!!」ビリッ…

 

…僕等とプロヒーロー(彼等)の決定的な違い……

 

それは【重み】だろう。

 

1つ1つの言葉の重みが僕達が発しているそれとは全くもって本質が違う。

 

恐喝に怯えた訳でもないし、はたまた興奮した訳でもない。

 

ただ…頭の中で認識せずとも本能的に体が震えてしまう…

 

緑谷(これが上の世界の人達との…)

 

緑谷(差………!)ゴクッ…

 

そう考えながら思わず息を飲んでしまう。

 

 

相澤「………ま、俺には拒否する理由も無ぇし…」

 

相澤「何より俺に勝てるって自信を持っているお前に興味が湧いた」

 

相澤「いい。その話乗った」

 

緑谷「!」

 

相澤「だが…」

 

相澤「………生徒が教師に手を出したんだ…」

 

相澤「それなりのペナルティーを期待してたんだが…」スッ…

 

そう言うと相澤先生は僕………

 

では無く、僕の後ろに居たA組の面々を指差しながらこう言った。

 

相澤「1年A組(お前ら全員)の首まとめて飛ばす」

 

相澤「それに変更しろ。異論は認めない」

 

「………」

 

 

A組「はあああああっ!???」

 

「ふざけんな!なんで俺達までとばっちり食らわなきゃいけねぇんだよ!」

 

「そうだそうだー!」

 

相澤「あ?連帯責任だろうが」ギロッ

 

突如巻き起こったブーイングはまたしてもこの男の眼差し1つで撃沈してしまった。

 

もはや反論する気力も残ってない。

 

相澤「それに…まだ決まった訳じゃない」

 

相澤「緑谷が気分変えてやっぱり撤回って可能性も」

緑谷「勿論やります」

 

相澤「ごめんなかったわー…」ポリポリ

 

呑気に頭をかきながらそんな台詞を言っていた。

 

流石にここまでくると皆の怒りも爆発する。

 

A組「ふざけんなあああっ!!!」

 

「おい!1位だからって何粋がってんだ!!」ガヤガヤ…

 

「おかげでこっちまで悪影響及んでんじゃねえかよ!!」ガヤガヤ…

 

相澤「……はぁぁもー…」

 

一斉にクラスの大半が僕の事を囃し立てる。

 

この若干崩壊気味のHRも流石の相澤先生じゃ収集つかなくなるようだ。

 

だが…

 

八百万「………」

 

八百万「お静まりなさい!貴方達!!!」

 

A組「………」

 

緑谷「…八百万…さん?」

 

相澤「………」

 

八百万さんの一言により再びクラスのざわめきが静止する。

 

そして数秒後…八百万さんは僕にこう話しかけてきた。

 

八百万「………いいですか…緑谷さん」

 

八百万「貴方の身がどうなろうと私達にとっては然程重要な問題ではありません…」

 

八百万「……が貴方の身勝手で夢を掴める筈だった方々を断念させるのは…」

 

八百万「余りにも理不尽過ぎますわ」

 

八百万「それでも貴方がメリットが何も無いただ無謀な賭けに走るのであれば…」

 

八百万「私の見込み違いですわね…失望しましたわ」

 

八百万さんの言っている事はまさしく正論だ。

 

他の人にとっちゃこんなに不合理な話は無いだろう。

 

選択の余地も与えられず、最悪退学へ真っ逆さまなのだから。

 

キレて当然だ。

 

でも…それでも…

 

峰田「……」

 

自分には見捨てる事は出来なかった。

 

緑谷「………僕は……」

 

緑谷「()()()()()()()()()を安全なルートだとは思えない」

 

緑谷「可能性が1割でも1%でもあるなら、最善の術を使う」

 

八百万「………」

 

麗日「…私は…構わない」

 

八百万「!?」

 

麗日「そりゃまぁ…デク君の言う事は最もだし……」

 

麗日「そもそも…ウチはデク君に助けられへんかったら…」

 

麗日「こ…こんなとこおらんし…」

 

緑谷「…麗日さん……」

 

飯田「………僕も同意見だ」

 

飯田「僕には君にどうこうしろと言う権利は無い…それに」

 

飯田「否定する材料が無い」

 

A組「……」

 

相澤「決まりだな」

 

 

 

 

 

緑谷「……」

 

相澤「……」

 

グラウンドの中心に相手の正面を向く様に立ち並ぶ。

 

2人は臨戦態勢に入り、それぞれ体を構える。

 

爆豪「………」

 

八百万「…」

 

A組「……………」

 

他の傍観客はただ、その光景を大人しく見る事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

オールマイト「」ヒョコッ

 

どさくさに紛れて校舎の建物の影に隠れている。

 

どうやら相澤先生のことが気になって仕方が無かった様だ。

 

居ても立っても居られず僕等の様子を見にきてくれた、

 

オールマイト(どうなっているか気になり来たものの…)

 

オールマイト(何をしているんだ緑谷少年!正気の沙汰じゃないぞ)

 

オールマイト(何とかフォローしてやりたいが…)

 

オールマイト(『仕事に差し支える』と彼は頑なに取材を断っている……)

 

オールマイト(私とウマが合わないぞ!?)

 

 

 

 

 

構えてから数十秒経ち、とうとう痺れを切らしたのか…

 

相澤「…来ないならこっちから行くぞ」

 

ダッ!!

 

先攻は先生の方だった。

 

僕の所へ颯爽と走り出していく。

 

緑谷「……」

 

それに全く動じず構えたままで静止し続ける。

 

相澤(考えが読めん…一体何をしようとしているのか)

 

相澤(だがこの際どうでもいい!!)プンッ!

 

僕に向かって拳を振り下ろす。

 

麗日「っ…デク君…!」

 

その手が当たる寸前、先生はある違和感を覚えた。

 

相澤(…姿が…歪んで…?)

 

 

 

スカッ…

 

突如相澤先生の腕が僕の体をすり抜けた。

 

A組「!?」

 

拳は確実に僕の姿を捉えていた…

 

が実体ではない。あくまで幻影だそれは。

 

緑谷「っ!」ズザザ…

 

ダンッ

 

相澤(いつの間に後ろに…)

 

僕は背後に回り先生に飛びかかる。

 

強烈な飛び蹴りを喰らわせようとするが…

 

緑谷「!?」スカッ

 

緑谷「消えた…!」ザザッ…

 

彼もまた、幻影を残し攻撃を避けた。

 

峰田「さっきから何が起こってんだおい…」

 

峰田「攻撃しようとしても当たらない…って」

 

 

相澤「残像。極端に言えば超高速での移動だな」

 

緑谷「!」クルッ

 

お返しと言わんばかりに僕の背後に迫ってくる。

 

声が聞こえ、振り向きながら焦って距離を取ろうとするが…

 

相澤「生徒にできて、先生に出来ない物があると思うか」シュルッ…

 

緑谷「んなっ…」ギュッ…

 

先生が体に巻きつけていたロープの様な物が両腕に絡まる。

 

相澤先生がロープを投げつけ、僕を捕らえたのだ。

 

緑谷「硬っ……だこれ…」ギチギチッ

 

相澤「捕まえた」グイッ…

 

相澤先生がロープを強く引っ張りこちらに近づけようとする。

 

抵抗しようとするも身動きが取れない。

 

相澤「無駄だ。これは炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ捕縛武器…」

 

相澤「容易く切れたりはしない」

 

緑谷「くっ…」ズザザ…

 

完全に動きが封じられた。

 

ただただ引きずられる事しかままならなかった。

 

…だが対処する手はあった。

 

緑谷(手から気功波を出せば…)

 

寧ろこれはチャンスだった。外見では焦っているように装っているが、内心は相手の虚を突けると考えていた。

 

まぁ勿論そんな自由にさせる訳でも無く…

 

相澤「させるかよ」ギンッ!

 

緑谷(まずっ…!)

 

相澤先生の髪が激しく逆立つ。

 

彼が個性を発動させたのだ。

 

つまり……

 

蛙吹「面倒な事になったわね」

 

飯田「個性を消された…あの妙なレーザービームも飛行能力も使えない…」

 

青山「ツンダネ」

 

緑谷(やばっ…行動が制限されたぞこれで…)

 

個性が消えた事により今まで使っていた技が使えなくなった。

 

いや、厳密に言うと使えるのだがそうしてしまうと今までのが全て個性で無いと判断されてしまう。

 

…?それだと何が困るのかって?

 

もう学校側に個性届は提出済なんだ。

 

もしこれがバレれば情報を隠蔽しているとされて冗談無しに放校処分を食らう可能性がある。

 

お陰で気功波と舞空術縛りで相澤先生と戦わざるを得なくなった。

 

緑谷「…マジかよ」

 

ズザザ…

 

何とか対策を練ろうとするが勿論そんな時間を与えてくれる訳がない。

 

相手の射程範囲に入ってしまえば確実に負ける。

 

つまり今行わなければならない事はこの捕縛武器を壊す事だ。

 

だが考えが及ばない。

 

緑谷(どうする…どうする……!)

 

緑谷「イレイザーヘッド…個性を消す…恐らくその解除法もあるはずだ多分条件的には視界に入った人とかだろじゃなきゃゴーグルとか付けないしでもだからって…」ブツブツ…

 

ブツブツと独り言を発しながらイレイザーヘッドを分析する。

 

その途中ある事を思い出した。

 

緑谷「………目薬……」

 

相澤「!!」

 

相澤の目つきが変わった。

 

どうやらこっちの考えに気づいたらしい。

 

今の動揺で確信した。

 

緑谷「…っ……!!」ググッ…

 

そう思うと僕は両手を強く引っ張って顔の横にやり、親指以外の4本を広げた。

 

周りの見ている人にとってはただ変なポーズをしているようにしか見えないだろう。

 

だがこの特徴的なポーズがこの技のミソである。

 

相澤「…何だ」

 

A組「…」ジィィ…

 

オールマイト「……?」

 

誰もが僕に目を向け、顔に注目していた。

 

まさにその時…

 

 

緑谷「太陽拳っっ!!!」

 

カッッ…

 

相澤「ぐあっ…」

 

突然グラウンドが眩い光に包まれた。

 

諸に直視したせいで皆の視力が一時的に奪われた。

 

飯田「くっ……」

 

麗日「何…?」

 

八百万「太陽光の反射か何かでしょうか」

 

障子「お前は平気…なのか?」

 

八百万「こんな事もあろうとサングラスを持参して正解でしたわ」スチャ…

 

A組「…どんな事想定してんの…?」

 

相澤「っ…お前まさか…」

 

相澤「ドライアイを見抜いたか」

 

緑谷「へへ…」

 

強烈な光を目に浴びせる事により視界を無くした。

 

これによりしばらくは僕の動きが分からなくなる。

 

相澤「だがそれがどうした。こうして捕らえられている以上お前のいる位置は判定できる」

 

相澤「まずこの捕縛武器を取る事は不可能だ」

 

緑谷「……10…いや…20かな」

 

相澤「?」

 

緑谷「20秒(これ)位なら耐えられるか…」

 

そう言うと腕を曲げ、体を力み始めた。

 

緑谷「はああああ………」ゴオオッ…

 

するとどうだ。

 

風が激しく吹き、またもや木が揺れ始めているではないか。

 

髪は逆立ち、周りの小石等々が強い衝撃波のあまり宙に浮いてしまっている。

 

闘気を剥き出しにし、徐々に体の周りに赤いオーラの様な物が見えてきた。

 

八百万「あれは…?」

 

爆豪「チッ…まだ目が朦朧と…」

 

 

 

 

悟空『コレが試験までにおめぇに教える最後の技だ』

 

緑谷『……』ゴクリ…

 

悟空『いいか?この技はえれぇ負担がかかっちまう』

 

悟空『余程の事がねぇ限り使うな、特に3倍以上は…』

 

悟空『場合によっちゃ命に関わってくる』

 

悟空『本来()()()()()で習得させる様なもんじゃねえしな』

 

悟空『……気を何倍にも上昇させ、色んな身体能力を飛躍的に上げる』

 

悟空『その名も…』

 

 

 

 

 

 

緑谷「界王拳だぁああああっ!!!」ボボボ…

 

ゴオオオッッ!!

 

激しく赤いオーラが迸る。

 

八百万(な…なんて気迫…)

 

相澤「ぐっ…!?」ズザザ…

 

捕縛武器を持っている筈の相澤先生が逆に引っ張られる。

 

僕は左腕を縛っているその布に右腕を近づけ…

 

緑谷「はぁっ!!」ガッッ!!

 

手刀を浴びせる。

 

だが勿論傷などつく訳がない。

 

相澤「こんな代物が素手で切れるはずが…」

 

緑谷「はっ!だっ!っだ!!」ガッガッ…

 

そんな事御構い無しに何発も捕縛武器に手刀を繰り出す。

 

すると、ある効果音を耳にする。

 

ピリッ…

 

相澤(何…千切れ…)

 

緑谷「………だりゃあっ!!」ガ…

 

ビリィッッ!!

 

手刀の威力に耐えきれず捕縛武器が破れてしまう。

 

相澤「馬鹿な…!」

 

緑谷「っ!」ガシッ!

 

自由になった左腕で右腕に巻きついている布を掴み思い切り引っ張る。

 

緑谷「ぐおおおっ……」ググッ…

 

緑谷「らあっ!!!」ブチブチイッ!!

 

こちらも腕力には敵わず無残に千切れた。

 

相澤(まずい…これで自由に…!)

 

緑谷「さっさと決めるぞ…」ボボ…

 

フッ…

 

八百万(き…消えた…?)

 

消えたのではない。相澤先生の所へ移動しているだけだ。

 

緑谷「…ジャン拳…」スッ…

 

相澤「!?」

 

緑谷「グーーッッ!!」プンッ…

 

ドボオオッ!!

 

相澤「がっ……」

 

先生は腹部に強烈な正拳突きをモロに食らってしまう。

 

相澤「舐めっ…」ブオッ…

 

先生はカウンターを狙って攻撃を仕掛けてくるが…

 

緑谷「チョキ」ガッ…

 

相澤「何…!?」

 

その手刀も人差し指と中指のたった2本で防がれる。

 

緑谷「パァァァアアッッッ!!!」ゴッッ!!

 

相澤「ぐあっ…」

 

バキッ…

 

右手を大きく開き顔面めがけビンタを食らわせる。

 

その衝撃により顎の骨からある不快音が発生する。

 

相澤(こいつ…骨を…?)ヒュゥゥ…

 

ズドオオッ!!

 

勢いよく吹っ飛び校舎に衝突する。

 

その際、校舎の壁に小さなクレーターが出来てしまった。

 

後で弁償とかすんのかなこれ

 

緑谷「…ふぅ」

 

動きが止まると、オーラがふっと消え先程までの姿に戻っていった。

 

飯田「終わった…のか?」

 

麗日「うっ…そ……」

 

オールマイト「…なんと…」

 

皆が皆この決闘に終止符が打たれたのかと感じた。

 

だがその予想とは裏腹に……

 

グラッ…

 

緑谷「?」

 

「……この位で倒したと思われちゃ困るな」スタスタ…

 

相澤「言っただろ…プロはお前らより遥かに過酷な修羅場をくぐり抜けてるって…」

 

平然とした表情で相澤先生は僕らの方へ戻ってきた。

 

障子「あれ受けて無傷なのかよ…!」

 

八百万「流石…雄英教師の名は伊達じゃありませんわね…」

 

相澤(いや正直言うとメッチャクチャ痛いけど…)ズキズキ…

 

痛めた体の箇所をさすりながら相澤先生は僕の様子を伺った。

 

緑谷「…ハァ…ハァ…」

 

相澤(小さな息切れを起こしているな…)

 

相澤(さっきの技にそれ程の負担が…?)

 

緑谷「まぁ…効きませんよね」

 

相澤「いや……普通に効いてる効いてる」

 

緑谷「…でも手は抜いていますよね」

 

緑谷「手を抜いて負ける様な人ではないはずだ…貴方は」

 

相澤「…どうだろうな」

 

混沌とした空気がA組に漂ってくる。

 

このままでは大変なことになる。

 

それだけは確信できた。

 

障子「いつまで続くんだこれ…」

 

青山「これヤバいね」

 

峰田「キリっねぇぇ!誰かぁぁあっ!!」

 

そう喚き始めた時…

 

ある人がやって来た。

 

「キリはある。何故かって…?」

 

緑谷「!?」クルッ

 

声の主が誰かは分かりきっていた。

 

だが生で聴くのは初めてだったものだから…

 

興奮して反射的に彼の方を向いてしまった。

 

そこに居たのは……

 

 

 

オールマイト「私がスーツで来た!!!」

 

緑谷「キタァァァ…っ!!」

 

緑谷(まさか生の姿を拝められる日が来るとは…)

 

緑谷(すっげぇ!やっぱり画風が違いすぎる!)

 

緑谷(今すぐサイン貰いたいーーでも紙が無いーー…)

 

相澤「喜怒哀楽激しいなぁ…オイ」

 

決闘の事などそっちのけでオールマイトとの出会いを存分に堪能しようとするが…

 

まぁそんな事してる場合じゃ無いよね

 

オールマイト「一部始終見させてもらった」

 

オールマイト「相澤君、緑谷少年…」スッ…

 

僕が作ったクレーターを指差しながらこう言い放つ。

 

オールマイト「これ以上被害が出れば君達は確実に退学・退職だが?」

 

相澤「…不満でも?」

 

オールマイト「HAHAHA!あるわけないだろう!君の担当のクラスは君に委ねられたんだ!」

 

オールマイト「僕は君の提案に不服はないよ」

 

A組「!?」

 

オールマイト「だが緑谷少年の言う通り峰田少年は入試の時よりも更に逞しくなったと見る」

 

オールマイト「そのガッツは評価できないかい?」

 

相澤「……」

 

少し考え込んでしまう相澤先生。

 

やがて顔を上げて戸惑いながらもこう言った。

 

相澤「いいでしょう…」

 

相澤「今回の除籍処分…無しだ」

 

緑谷「え……ってことは……」

 

皆「や、やったぁぁぁっ!」

 

八百万「嘘…」

 

グラウンドから絶え間ない歓声が巻き起こる。

 

オールマイトの説得もあり、全員ここの学校に在学する事を認められたのだ。

 

峰田「よ…よかった…」ドサッ…

 

終始ヒヤヒヤしながら戦いを見ていた峰田君もようやく解放された。

 

緊張が一気に解された為か地面に倒れ込む。

 

緑谷「ありがとうございます…オールマイト!」

 

緑谷「後サインください!後握手してください!後写真撮らせてください!後…」

 

オールマイト「分かった分かった…全く…はしゃいじゃって…」

 

オールマイト「……」

 

オールマイト(危なかったな…)

 

オールマイト(後ちょっとで病院行きだったぞ?)

 

オールマイト(相澤君…)

 

彼が考える事が何となく分かったのか相澤先生はぶっきらぼうに

 

相澤「……分かってますよそんな事…」

 

と答えた。

 

 

 

 

 

その後、着替えて教室に戻り軽くHRを行い、すぐ解散となった。

 

校内の施設の概要や各教室の配置…

 

後ついでに入学証書授与……ついでに。

 

相澤「…では各自解散とする」

 

相澤「明日から通常授業だ。くれぐれも…」

 

相澤「今日みたいな事が起こらない様……」ニヤァァ…

 

相澤「武運を祈る」スタスタ…

 

ガラッ

 

悪魔の微笑みと言わんばかりの怖い笑顔にしながら僕等を脅しつつ教室を出て行った。

 

ドアが完全にしまったと確認し終わった瞬間…

 

A組「……はぁ……」

 

全員で同時に大きなため息をついた。

 

無理もない。初日にこんな命懸けの授業を受けたのだ。

 

精神が病む。

 

麗日「ウチ…この後B組のとこに挨拶しようかと思たけど…」

 

麗日「やめようかなぁ…」

 

障子「やめとけ。ロクな事にならん!」

 

蛙吹「多分入学式のヤツでネタにされて笑い者になるだけよ」

 

緑谷「本当大変だった…」

 

A組「誰のせいじゃゴラァァッ!?」

 

緑谷「え」

 

いきなりまた口を揃えて大声で叫ばれたのでビビった。

 

僕何したっけ

 

「ったくよ…一時はどうなるかと思ったぜ」

 

「皆まとめて放校行きかと…」ピロピロ…

 

「測定のお陰でかなり()()()()()()()

 

瀬呂範太。個性【テープ】

 

セロハンを腕から伸ばす!かなりの強度を持つ。

 

これを建物とかに引っ掛けてスパイ○ーマ○的な事もできるぞ

 

「でも男らしかったぜー!誰お前!」ポンポン…

 

緑谷「え…み、緑谷出久…だよ?」

 

「緑谷かー…よろしくな!俺ァ切島!」

 

切島鋭次郎。個性【硬化】

 

用途によっちゃ最強の盾にも矛にもなる万能個性。

 

でも本人曰く地味らしい。

 

ご覧の通り性格は暑苦しい。

 

「よく勝ったよー!凄い凄い!」

 

「あたし芦戸ー」

 

芦戸三奈。個性【酸】

 

溶解度を調整可能で物を溶かすだけじゃなく、床にかけて滑走したりとか汎用性ある。

 

一歩使い方を間違えたら服が溶けるらしい。

 

……今なんか変な妄想した?

 

「ねぇねぇさっきのカイオーケンって何何?」ズイッ

 

空中に浮いて喋っている制服が僕の目に映った。

 

緑谷「っふ!ふふふ服!?」

 

「あっははは。違う違う。これ私の個性」

 

「葉隠透。よろしくね緑谷君」

 

葉隠透。個性【透明】

 

文字通り透明化の個性。

 

個性のON・OFFは切り替えられない。その為いつも透明化してる。

 

素顔とかどうなってるんだろ。

 

隠密行動とかめっちゃ向いている。戦闘は未知数…?

 

「疲れたろ、皆糖分補給するか?」スッ…

 

砂藤力道。個性【シュガードープ】

 

糖分10gで3分間5倍のパワーを発揮する。

 

でもやりすぎると脳機能が低下するとかのデメリットも。

 

チョコありがたくいただきます。

 

「フン。騒々しい」

 

飯田「常闇君!机は腰掛けじゃないぞ!今すぐやめよう!」

 

「人の勝手だ」

 

常闇踏陰。個性【黒影(ダークシャドウ)

 

あらゆる攻撃を無効化できる。チートか。

 

個性発動時は相棒の黒影が現れる。なんかちっちゃいカラス。

 

闇が強ければ黒影の力も強くなるけど明るい場所は不得意手。

 

麗日「もふもふやー」フワフワ…

 

「…これ触り物じゃないからね?」

 

尾白猿夫。個性【尻尾】

 

尻尾が生えてる。以上。

 

でも頑丈。人1人位なら持ち上げられる。

 

この人も素の身体能力がありそうだ。

 

「………」

 

口田甲司。個性【生き物ボイス】

 

声で動物にあらゆる命令を出して操る事が可能。

 

…?なんで台詞が無いかって?

 

無口故。

 

緑谷(…改めて見ると…)

 

緑谷(色んな人がいるな…まさに個性的だー)

 

まぁまだ全員は紹介しきれてないが。

 

一気にクラスの注目の的になった。

 

今の自分からしてもあれは馬鹿馬鹿しい事やったなって思う。

 

でも…結果論になっちゃうけど…これで本当に良かったなぁって思う。

 

麗日「デク君ー!一緒に帰ろ」

 

緑谷「え…い、いいよ…」

 

飯田「お、∞組は帰るのか?」

 

緑谷 麗日「∞組……」

 

八百万「…」

 

爆豪「…」

 

 

 

 

 

 

ようやく体力テストから解放され、肩を荷が下りた。

 

色々麗日さんや飯田君と喋りながら一緒に下校道を歩いていた。

 

……いつの間にか仲良くなってる!

 

飯田「…それにしてもまさか個性無しでも戦えるよう訓練していたとは…」

 

飯田「君には毎回驚かされるよ…」

 

緑谷「そんな事ないよ…ちょっとトレーニングしただけ…」

 

麗日「いやいや!初めから分かってたよ?デク君なら勝てるって!」

 

緑谷「…あれ…そういえば麗日さん。なんでデクって…」

 

麗日「え?ああ。爆豪君と幼馴染なんでしょ?爆豪君がそう呼んでて…」

 

緑谷(そういえばかっちゃん…)

 

緑谷(相当混乱してるはずだよな…いきなりあんな事になってて…)

 

そんな不安をよそに麗日さんはこんな事を言い出した。

 

麗日「なんか私好きだ(響きが)」

 

緑谷「ハイッ!デクです!」プシュゥゥ

 

顔を真っ赤に染め上げながらそう答えた。

 

チョロい。流石僕チョロい。

 

飯田「緑谷君!?」

 

 

まだまだ出来ない事だらけだし…

 

色々頑張らなきゃならない。

 

でも悟空さん…友達が出来た事位は…

 

喜んでもいいですよね。

 

 

 

悟空「……ひひ」ニッ

 

デク母「ど…どうしたの?いきなり笑っちゃって」

 

悟空「いや…ちょっと……」

 

悟空「でぇしょうぶだ」ニコッ

 

デク母「…?」

 

 

 

 

 

緑谷(……)

 

緑谷「……」

 

麗日「?どしたの?デク君…」

 

緑谷「いや…なんでも…」

 

緑谷(気のせいか…オールマイトが居るような気がしたが…)

 

お見事大正解。

 

オールマイト「……危ない危ない。見られそうでscared……」ガタガタ…

 

僕らの帰宅を何故か電柱に隠れながら監視しているオールマイト…

 

だいたいそんな目立つ様な格好したら皆にバレると思うけどなぁ

 

オールマイト「……あの子は確か1年前私が追いかけていた敵に襲われた少年…」 ヒョコッ

 

オールマイト「爆豪少年を助けた時あんな個性使わなかったが…」

 

オールマイト「うーむ…」

 

オールマイト「wonderful」

 

オールマイト「…」

 

 

 

 

 

それは数分前…僕等が丁度教室で騒いでいた時まで遡る。

 

職員室にて

 

オールマイト『まったく!ヒヤヒヤさせて!』

 

オールマイト『私が来ていなかったらどうなってた!?』

 

オールマイト『相澤君!ただでさえ君は去年の高1一クラス丸ごと除籍にしちゃってる!』

 

オールマイト『おまけに今回は校舎に被害が出た!』

 

オールマイト『メディアを避けたいならそんな派手な行為を慎みなよ!』

 

オールマイト『去年だって皆大変だって言ってたぞ!?』

 

相澤『それとこれとは話が別です。私のクラスの存亡は私が決める』

 

相澤『貴方が言ったんでしょ』

 

オールマイト『ぐ…反論はしないが…』

 

相澤『一応、私も先輩側なので言っておきますが…』

 

相澤『生徒を甘やかすような教師はこの学校では通用しませんよ』

 

オールマイト『…そういう訳じゃ…』

 

相澤『…緑谷出久』

 

オールマイト『』ビクッ!

 

図星だったのかオールマイトは体が激しく震え、冷や汗をかいてしまう。

 

相澤『気に入ってるんでしょう?あの少年』

 

オールマイト『………さ、さぁ?』

 

相澤『……誰をどうしようが貴方の自由ですけど…』

 

相澤『あいつらを棚にあげる事だけはしないで下さいよ』

 

相澤『本来ヒーローにならなければもっと有意義に人生を送れた筈の銀メダリスト達が泣いている現場を…』

 

相澤『俺は見た事があるし、実経験でもある』

 

オールマイト『……』

 

相澤『中途半端な力を身につけた者はかえって早死にする…』

 

相澤『昔のお偉いさんの一言ですよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

オールマイト「…君なりの優しさって事かい…でも…」

 

オールマイト「やっぱりウマが合わない!」

 

オールマイト「…一難去って又百難……」

 

オールマイト「まだまだ…雄英生活は始まったばかりだぞ…少年少女!!」

 

 

 




うぃー…体調悪い須井化ですー…

眠いだるいそして疲れた…

あと危ない!後数分!!

(17日までだと16日23:59みたいな感じになるけど正確には17日以内です)

(紛らわしい様な事を言ってすみません)

今日は緑谷 vs相澤先生ですた!

どうかな…戦闘上手く作れたか…

見てると同じ単語を連続で何度も使っている様な所をチラホラ…

まぁぼちぼち直していきます。

界王拳については後々補足等を加えていきます。

ちょっとドラゴンボールの【界王拳】とは定義が違ってきちゃいますから…

(話の展開・設定上これはしゃーんなろ…)

あと後回しにすると面倒くさいのである程度は自己紹介させました。

これで台詞言えるキャラが増えるよ!やったね井化ちゃん。

…口田?手話するじゃん(惚け)

さてと…余談は此れくらいにして…

恐らく皆待ち望んでいたであろう挿絵紹介をするぜよー!!(パフパフ

作者は毎度お馴染みさいころソードさん!!ありがとうございます!
一応その方のマイページのリンクも貼っておきます!↓
http://syosetu.org/?mode=user&uid=175541

え?そろそろこの下りくどくなってきた?
仕方ないだろ!初見の人もいるかもしれないんだから!!

今回描いてくださったのはお餅大好きお餅子……じゃなかった。

麗日お茶子(初期ベジータ戦闘服)!!

【挿絵表示】


けろっとしてる反面吐きそうになってるその姿がまた愛らしい!

スカウターは置いてきた。はっきり言って(ry

因みにフリーザ様曰くうららカップは○○○○

おっとこれ位にしないとまた粛清されちゃう(残機529999)

では解説の某ソードさんお願いします!

さいころソード「宇宙感がほしかったので、初期ベジータの戦闘服を着せてみた」

さいころソード「それなりにしっくりくる」

ウラビティやからな!

ゴムみたいだけど軽いってどん位の重さなん?

結論→スパッツってエロいよね。


何か意見等ございましたら感想・メッセージで気軽にご相談ください。

次回は1/22(日)以内に投稿します。
ちょっと遅いかもだけど私の体に免じて許してやってくだせぇ。
ヒーロー基礎学&八百万緑谷に急接近ー
まぁ程々に期待しやがれ!!(汗)

お楽しみに。

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