ついにこの話も最終回です。
長〜いお話は後書きにしますので読んでいただけると光栄です。
それでは早速本編をどうぞ!
「ふぅ……でゴールデンウィークも終わりかぁ〜」
先日の野球大会を終えた俺たちはすでに北海道に戻ってきて長ぁ〜いゴールデンウィークをただダラダラと過ごしていた。
そんなこんなでもうゴールデンウィークはもうすぐ終わるというところまで迫ってきている。
そろそろきちんとした生活を送らねばならないはずなのに我が家はというといつものような日常を過ごしていた。
リビングで寝っ転がる俺。
働かない俺とは逆に家事をコツコツとやっている果南。
キッチンに立つエプロン姿がとても眩しい。後ろから抱きしめたくなるレベル。女神かよ、、
そしてわざわざ俺の隣に来て筋トレを始める偽妹。
なんか汗がいい匂いを醸し出してるし、たまに聞こえてくる「んっ……」って声がとてつもなくエロい響きがする。し、シスコンじゃないんだからねッ!
更に果南の手伝いをするため我が家に赴いてくれている梨子ちゃん。
なんで家に住んでるやつらが働いてないのに他所から来てまで手伝ってくれているのだろう……。果南が女神ならばこの娘は天使なのだろうか。梨子ちゃんまじえんじぇー。
そして千歌はというと……
課題が残っているため俺の部屋で拘束(机に)中です♡
なんで俺の部屋にいるんだよ。自分の家でやれよ。
というのが俺の本音なのだが友達がみんな集結してる中で自分だけ仲間はずれは嫌だと思うので一応我が家に招いて勉強させている。
最初は曜か果南の部屋でやらせようと思ったのだが千歌からの強い要望があり俺の部屋で勉強することとなった。
……俺の部屋でなにしてんの?ちょっと不安なんだけど。
一応軽くだが部屋の掃除はしたし、ちぢれ毛が落ちてないか確認はしたけどベッドの下やタンスの下、そして本棚の裏に隠してある薄い本は隠滅できてないのだ。
今俺の部屋の防御力はお鍋のフタと皮の鎧しか付けてない勇者レベル1と同じなのだ。
そう、まだアリアハンを出発したばかり。
──つまり、探されてないかめちゃくちゃ心配。
一応今のうちに部屋まで行って様子見てくるか……。
「ピンポーン」
そう思い立ち上がった時に普段はほとんどなることの無いインターホンの音がリビングに鳴り響いた。
「ごめん聖流、お客さん来たみたいだからでてくれない?」
「あぁ、もちろん」
果南に頼まれて誰が訪問したのかを確かめに覗き窓を覗く……。
するとそこに居たのは──いや、見間違いだろう。あんな人知らないし見たことない。というか見たくもない。
というか"あの人"がここにいるわけないんだ……!
「…………」
……うん、やっぱりみなかったことにしよう。
よし、ソファーに戻ろう、そうしよう。
「あれ、お兄ちゃんでないのー?」
そう思いリビングに戻ろうとするがドアを開ける音がしなかったのを不思議に思ったのか曜が声をかけてくる。
「あぁ、いいんだ。アレは」
「……アレって?」
「まぁ気にするな、とりあえずドアを開けるなよ?いいな、絶対だぞ」
知らない、"お母さん"とか知らないから。
「うーん、よくわかんないけど……了解でありますっ!」
「よし、そういうことで。それじゃあ俺は千歌の様子を見n「ガチャ」……え?」
そうして千歌の様子を見に行こうと俺の部屋へ向かおうとすると鍵をかけていたはずのドアが開いて──
「やっほーっ!我が息子よ☆」
招かれざる客が我が家の敷居を跨いだ。
「てめぇえーっ!どうやって鍵を開けたぁ!?」
「ん?お兄ちゃん結局ドア開けたの?……ってどちら様?」
「んー?誰が来たのー?」
「お客さんですか?」
俺の荒らげた声に皆が反応しわらわらと玄関に人が集まってきている。
ドタバタと音がするので千歌も向かってきてるのだろう。人の家の中を走るんじゃねぇ。
「そりゃあもちろん──黒魔術に決まってるじゃない♪」
「……東京に帰れえぇぇーっ!」
帰らなくても警察に通報してやるっ!これは立派な犯罪だ!
早速ポケットから携帯を取り出して……
「さとるさんストップです!……あなた黒魔術ってどういう事ですか?というよりまず誰ですか?」「およ?あー、それはだねぇ〜」
☆☆☆
「「「「え〜っ!?お母さんっ!?」」」」
「そ〜でぇすっ☆私は聖流の母親の舞鈴(まりん)です!きゃはっ☆」
「「「「「…………」」」」」
この空気どうしてくれるんだクソババア。
アンタの挨拶にみんな引いてるよ。気づいてるか?
「えっと……色々質問があるんですけど」
するとこの重い空気を切り裂くように果南が喋り始める。マジナイス。
「いいよいいよ〜!どんどんきちゃって☆」
「……ま、まずその黒魔術ってどういう事ですか?」
このハイテンションな我が母親にうへぇ……となりつつも1番気になる点について質問をする。
まぁ普通の人ならそこは気になるよなぁ〜……。
「う〜んとね、じゃあまずうちの家族についてどのくらいそこの息子から聞いてるのかな?」
「えと……μ'sの星空凛さんが姉であるとしか聞いてないです。それも先日偶然知ったという感じです」
「じゃあ聖流は私の仕事については話してないのね?」
「え、えぇ。聞いたことないです」
母さんは果南に質問を返したあと俺の方をチラ見してくる。
なぜか理由を説明しろってことか……。
「あのなぁ、普通に考えてくれよ。自分の家系が占星術をやっててその傍らで黒魔術に手を出してるとか信じてもらえるか?」
ヨハネなら喜びそうな話だけどここにいるのはそういうのには疎いやつばっかだしな。
「「「「えぇっ!?」」」」
「……ねぇお兄ちゃん、それって本当の話なの?」
俺の話を受けてみんなが驚くなか、曜が質問する。
ほらな、普通は疑問に思うだろ?
「まぁ……、な。ホンット時代遅れだよな」
一応何百年も続いていることだから継ごうと考えてはいる。けどせめて大学までは行かせてくれと高校の時に頼んだのだ。
こんな物騒なことをあのバカ姉貴にやらせる訳にも行かないし。つか、やらせたら失敗してそうだし。
「まぁその話はいい。それで母さん、いきなり北海道まで来て何の用なんだ?」
まだあと約3年も期限が残っているのにその話を持ち出されたくないため話題を転換させる。
「色々あるけど……まずはそうだね、松浦さん、渡辺さん、それと高海さんに桜内さん。うちの愚息の面倒見てくれてありがとね。」
急に先程までのテンションを下げて話し始める。
みんなも急なことに驚いているようだ。
「いえいえ、こちらもお世話になってますから。これからもみんなで助け合って暮らしていくつもりですよ♪」
母さんからの感謝の言葉に果南が対応する。これからも助け合っていくってそれは夫婦になる決意ができたってこ((ry
「果南ちゃんの言う通りです!お兄ちゃんにはたくさんお世話になりましたしね!」
「……お兄ちゃん?」
「ばっ、曜!それはここで言うなって!」
こんなところで急に(偽)妹ができたらいくら母さんでも驚くに決まってる。
「聖流……?」
「は、はい!な、なんでせうか?」
「いつのまにこんなハーレム作ってるのよぉぉぉぉーっ!」
……は?
「な、なんて!なんてうらやまけしからんことをっ!」
「ちょっと待った。母さんがこのシェアハウスに俺を住まわせたんだろ?」
「まぁそのへんにあった安い物件を適当にね〜」
扱い雑っ!?
「は、ハーレム……//」
「ハーレムって……よ、よーそろ//」
「ん?はーれむ?ってなに?」
「ハーレム……女の子どうし……ふふふ」
母さんは面白半分で変な発言をしたようだが周囲からは十人十色な反応が見られる。
何言ってるかわからないという反応してるものが1人
顔を赤らめているのが2人
怪しげな笑みを浮かべているもの1人。
最後のなんか怖い。千歌……、お前はそのままピュアでいてくれ……。
「こ、コホン、話を戻すぞ。それで他の要件は?」
このままじゃ埒が明かないので話を進める。
「ん〜、この話はなるべく聖流と二人で話したいから……。悪いけど4人とも席を外してもらってもいいかな?」
……嫌な匂いがするな。この母親がこんな真剣な顔して話すのは久しぶりに見た気がする。
「そういうことなら……みんな、私と曜の部屋に行こっか」
「やったぁ〜!ねぇねぇ、何して遊ぶー?」
「千歌はまず宿題ねっ♪」
「ぶーっ!果南ちゃんのケチーっ」
「「「「あははは!」」」」
なにあの会話。羨ましいあそこに入りたい一緒に遊びたい。
「じゃあよろしくね、聖流は残ってちょうだい」
そんな俺の願いが叶うはずもなく4人は果南と曜の部屋へ行き、先程まで賑やかだったリビングには俺と母さんを残すのみとなった。
☆☆☆
「で、わざわざ人払いまでしてなんの用だよ?」
普段は先程までのようにおちゃらけた雰囲気しか出さないため余計不安が募る。
「そうね、まぁ手っ取り早く話すと今から家業を継いでほしいのよ」
「……はぁっ!?」
母さんからの言葉が衝撃的すぎて一瞬反応が遅れる。
「せめて大学までは行かせてくれるっていっただろ?」
「いや、そうなんだけどさ……。ただ父さんに言われたら私にもどうしようもなくてね……」
「あぁ、父さんか……」
星空 聖治(ほしぞら きよはる)。俺の父親だ。生まれた頃より才覚を現し占星術、黒魔術の腕は一族の中でも随一である。
性格は今の会話でわかると思うがとても厳格で自分があの父親から産まれてきたとは到底思えないほどだ。
「あの人にはどうしても逆らえないよな……」
父さんは機嫌を損なわせるとマジでやばい。実の息子だろうが関係ない。黒魔術で呪われて終わり。俺の人生もサヨナラだ。
「そ。今のあなたに与えられた選択権は『呪われる』か『呪う』かの二択よ。好きな方を選びなさいな」
いや、物騒すぎでしょ。少なくともまだ成人してないやつに選ばせるモノじゃねぇよ。
「あ、1つ安心していいわよ。アンタが継ぐことを選んだ場合だけど私がアンタに1つ黒魔術をかけてアンタの分身を作るわ。その分身は今までの記憶も引き継いでるし今のアンタと何も変わらないわ。ただ見分けるために名前だけは新しくつけるけど」
ふむ……なら果南や曜たちに迷惑をかけることはないってことだな。
「その場合だが果南たちはその分身のことを俺と同じように認識するのか?」
果南や曜はその分身のことを今までのように"星空 聖流"と認識するのか、それとも新しくシェアハウスすることになった人として認識するのか。
少しわかりづらいかもしれないがつまりこういう事だ。
「前者ね。分身は"星空 聖流"として認識されるわ、名前だけ変わってね。あなた自身も記憶はなくならない。つまり儀式が終わってあなたが起きたときも自分が分身になるときの記憶も覚えてるの」
……そうか。周りに迷惑をかけることなくむしろ家業を継げて家に貢献できる。そして今まで過ごしてきた分の思い出もなくなることは無い。
だったら俺の答えはただ一つ──。
「わかった。母さん、俺に黒魔術を掛けてくれ。」
「……いいのね?」
「あぁ。……失敗とかしないよね?大丈夫だよね?」
母さんの性格的にありえそうで急に怖くなってきた。まぁこれでも優秀な人なのでおそらく大丈夫だろうけど。
「もちろん成功させるわよ。……確率は五分五分だけど」
衝☆撃☆的
マジでか。俺半分の確率で死ぬの?
「ねぇ、成功させてね……お母さん。」
「も、もちろんよ〜♪(震え)」
怖いよ、怖いって。震え声でもちろんとか言われても信用出来ねっつの。
「それじゃあそこに寝っ転がって」
母さんはリビングの広いスペースに怪しげな絨毯を敷いて指を指す。
ヨハネがみたら喜びそうだ。
「よっこらせっ……と」
俺が寝っ転がるとその周りにこれまた怪しげな燭台やらなんやらを並べていく。
そして部屋の電気を消しカーテンを閉めて何語かわからない言葉を呟いていく。
「オボカタ・スタップサイボウ・ノノムラギイン・モリトモガクエン・アベフジン……」
……なんか見覚えのある字面だな、これほんとに呪文かよ。
「……っ!?」
半信半疑に呪文を聴いていると突然胸のうちから熱く燃えたぎるようななにかを感じた。
「メラ・ヒャド・スクルト・ピオリム・ベホイミ・ザオラル……」
母さんの呟く呪文に対してなんで炎の後に氷使ってるの?とか、素早さ上げてどうすんだ?とか、黒魔術掛けてる相手に回復&蘇生して意味あるのかなど色々ツッコミたいところではあるがそんな場合ではない。
「くっ、がっ、あぁあ、あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ーっ!!」
身体の熱さに耐えきれず俺の咆哮とも言えるような叫びがリビングに響き渡る。
そして俺の意識は闇へと沈んでいくのだった。
☆☆☆
「──ぇん、れん!漣っ!」
……ん、誰かが俺を呼んでいるようだ。どこか聞き覚えのある懐かしい声だ。
誰が呼んでいるのか気になり重い瞼を開く。
「あ、ようやく目を覚ましたんだね〜♪安心したよ……」
やっとのことで目を開くと4人の女の子達が俺のことをのぞきこんでいた。
「あぁ、悪いなみんな。少しあのクソババアに儀式をとりおこなわれてな……」
「「「「あ、アハハハ……」」」」
みんな顔が引き攣っているようだ。そりゃそうだよね、自分たちが遊んでた部屋の下で儀式行われてたんだもの。なんなら俺、というか"聖流"の絶叫までもが聴こえてたんだもんね。
「で、そのクソババアはどこいったんだ?」
「あぁ、舞鈴さんなら「うちの愚息をよろしく〜☆」っていって帰っていったよ」
あんの野郎、息子に黒魔術掛けといて起きる前に帰りやがったのかよ……。
まぁでも五分五分の成功率だったのに成功させてくれただけ感謝するか。
そう考えたら俺って2分の1の確率で死んでたんだよな……。ナニソレコワイ。
さて、儀式が終わったということは今から俺はもう"星空聖流"じゃない。これから『新しい自分』になるんだ。そう考えると結局は名前以外変わらないはずなのになんだか新鮮な気持ちが込み上げてくる。
それはさながら空に輝く星のようにキラキラと光を放っている──。
──その光を失うまで俺達の日常は終わらない。
急なことだったので超展開になりましたね……。黒魔術って……(笑)
お母さん(舞鈴)さんは新しく始まる方でも出てきます。
というのも元々黒魔術設定は出すつもりでした。その方がカオスになるかなー?と思って(笑)
そしてこの続編のタイトルが決まりましたっ!
その名も──「青いポニテとヨーソロー(時々ちかりこ)」です。
なんかそれっぽいでしょ?笑
元々アレですよ。シリアス作品じゃないのにタイトルがシリアスの時点でおかしいですよね(笑)
軽くタイトル詐欺でした。
続編がいつ投稿できるかは分かりません。が、曜ちゃんの生誕祭は新作で書くのでもしかしたら一話目から特別編という可能性が……。
まぁ楽しみにして頂ければ(笑)
さて、長い話のお時間です(笑)
気づけばこの話を書き始めてからもうすぐ5ヶ月も経つんですね……。
最初はノリと勢いだけで書き始めて、勉強優先したいので投稿ペースは週一くらいにしますと言ったくせにほぼ毎日投稿(むしろ1日に3話投稿した日もありましたね……)してました(笑)
それくらい小説を書くのが、みなさんに読んでもらえるのが、感想・評価・お気に入りをいただけるのがとても嬉しかったです!
今では感想を80件近くいただき、お気に入り登録も約150件、評価も20件とたくさんの方々から頂けております。
味気ないプロローグから始まり地元の良さを知ってもらいたいと思って書いた北海道旅日記編。ちょっとした日常を挟んでから再び始動した長編の野球編。
上手くかけなかったので投稿しなかった果南ちゃんの生誕祭特別編etc.
今まで最初から読んでくださっていた読者の方々には感謝してもしきれません!
こんなくだらない話を面白いと言ってくださったり次も楽しみにしてると応援してくださったり。
いつも私の執筆へのモチベーションを支えてくださったのは紛れもなく読者の方々です。支え続けてくださり本当にありがとうございました!
僕が小説を書き始めるキッカケとなり更にはアドバイスをしてくださったモカさん、いつも感想を書いてくださった由夢&音姫loveさん、稀神翔平さん、猛虎一閃さん。
そしてTwitterで更新報告をする度にRTして下さったりお疲れ様と声をかけてくださった作家の皆さん、ありがとうございました!
これから始まる「青いポニテとヨーソロー(時々ちかりこ)」を私共々宜しくお願いします!
そちらの感想欄でまたお会い出来ることを楽しみにしています!
お気に入り登録や評価も待ってますよ♪
それでは長文失礼しました!
またお会いしましょう!