8月25日
今年の夏休みの生活はかなり充実することができた、勉強も効率よくできたし、千歌と沢山デートもできた。
これ程、充実した夏休みは今まで無かっただろう…しかし、もうこの夏休みもあと数日の命だ…
そう考えると少し憂鬱な気分になる…最後になにかどーんと、思い出に残せるくらいに楽しいことがしたい。
今、千歌は俺の隣で幸せそうに寝ている…少し早く起きてしまった俺は、そんな千歌の寝顔を見ているしかなかった。
「ほんとに、寝顔も可愛らしいな…」ツンツン
「う…んん…」スヤスヤ
今俺には千歌の寝顔を見ている事しか出来ない理由があるそれは
千歌が俺の腕を抱いたまま離してくれないからだ。
「ん…悠之君…」
「寝言か…どんな夢見てるんだ?」
それに、千歌の胸が俺の腕に当たり、物凄く柔らかい感覚が伝わる…それだけで理性がぶっ飛びそうなのに、千歌はパジャマのボタンが少し外れていて、角度によっては見えそうだ。
「おーい、そろそろ俺の腕を離してくれ…トイレに行きたいんだけど…」ツンツン
「んぅ…あむっ。」
「…!?」
俺の人差し指を…食べた!?
「ん…ちゅぱ…れろ…」
ちょ…ちょいまて!一体どんな夢見てるんだ!?
てゆうか、千歌の舌がやらしい…
「んぅ…こんなに大きいのぉ…はいりゃないよ…」
ちょっ…そ、そんな意味深な事言っちゃダメだ!!!
「もぅ…お腹の中いっぱい…だよぉ…」
やばい…これもうアカンやつだ…千歌のやつトンデモナイ夢を…
「曜ちゃんの…ヨキソバァ…」
「……」
…うん、もう起きるか。
朝から何を想像してたんだ…俺。
俺は自分の腕と千歌の腕を解いて、トイレへ向かった…
そういえばこの指…さっき千歌の唾液が……どうするべきか。
その1 舐める
その2 拭く
その3 水で洗い流す
うーん…俺は確かに変態だが、流石に恋人の唾液を舐めるってのもな…でも、なんか新しい世界観が見えそうだから色々と悩んでしまう。
「どうするべきか…」
「何を?」
「え、さっきの人差し指……ってええええ!?」
トイレの前でウロウロしてると、さっきまで寝てたはずの千歌が背後にいた…キョトンとした顔をしているから、多分まだバレてないハズだ…でも、万が一という事があったら……
「悠之君、トイレ行くなら早くね~私も早く行きたいし。」
「あ、はい…」
よし、ちゃんと洗い流そう。
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千歌と一緒に朝食を食べる…こんなふうにゆっくりと食べられるのも、夏休みまでか…
「そういえば、今日の悠之君なんか早起きだったね、何かあったの?」
「いや、なんか目が覚めちゃってな…そっちこそ珍しく早起きじゃん。」
「えへへ、今日はみんなと富士マリンプールに行くんだ~悠之君も一緒に来る?」
うむ…夏休み終盤でプールに行けるのは嬉しいが…千歌がみんなとって言うことは、いつもの幼馴染みメンバーと黒澤姉妹、よしまるの誰か…全員じゃないにしろ、流石にこの中に混じったら間違いなく俺だけ浮いてしまう…
「悪い、流石に女の子の中に混じってプールは流石に…」
「え~前に千歌と一緒海に行ったじゃーん…」
「それは二人っきりの…デートだった訳だし…」
「お願い~悠之君も来てくれた方がみんな喜ぶし、楽しいから~」
「いや…でもなぁ…。」
「うぅ…悠之くぅん…」
「だ、だけどなぁ…」
「おねがぁい…」ウルウル
よ、よせ…そんな目で俺のこと見つめるな……やれやれ、仕方がないこれも付き合いだと思って頑張りますか。
「分かったよ、じゃあ行こうか。」
「うん!
あ、それと夜には沼津のお祭りにも行くから、そっちも一緒に宜しくね~♪」
「めちゃくちゃハードな1日だな。」
♢
「約束通り、悠之君を連れてきました~」
曜と千歌とそして、梨子…ん?
「梨子も一緒なのか?」
「うん、あの後から千歌ちゃんや他の子達とも仲良くなれて…今日は宜しくね?」
「あぁ、一緒に遊ぶのも初めてだしな。」
もっと沢山いるかと思ったけど、思ったより丁度いいくらいだな。
「曜は今日水泳の練習は大丈夫なのか?」
「うん!今日はおやすみの日だったから大丈夫!」
沼津から富士マリンプールまで、電車と徒歩などで大体1時間くらい…ここまでは問題無いのだが、女の子3人連れて歩くと、周りからの視線も少し痛々しく感じる…
「ねぇ、曜ちゃん今日行くプールってどれくらい大きいの?」
「んーとりあえず、遊園地みたいに大きいかなー?」
曜と梨子が普通に会話してる…千歌との繋がりですぐに友達に慣れたのだろうか。
「あ、悠之君!富士山見えてきたからもうすぐかな?」
「あぁ、そうだなあと一駅くらいか。」
「ここに来た時も思ったけど、やっぱり富士山って綺麗~」
「そっか、梨子ちゃんって前まで東京に住んでたんだもんね。」
「えぇ、東京じゃ滅多に見られないから…」
「え、東京からでも富士山が見えたりするの?」
曜が首を傾げる。
「うん、時間帯とか外の明るさとかで、偶に見えたりするよ。
流石にこんなにくっきりとは見えないけど。」
「へ~私も行ってみたいな~東京~。」
♢
~東田子の浦駅~
「千歌ちゃん、ここがプールの最寄り?周りが富士山しか見えないんだけど…?」
梨子が尋ねる
「うん!そーだよ!ここから少し歩くんだ!」
「ふぅん…どのくらい?」
「30分!」
「え…30分…?ほんとにここが最寄りなの!?」
そう、確かにここの駅は富士山マリンからの最寄り駅…だが、都会の駅とは違い、降りたらすぐ目的地とかそんな優しい世界ではないのだ。
「まあ、一応プール行きのバスは出ているわけだし、それに乗っていけば…」
「確かにそれが妥当だな。」
俺達はバスが来るまで10分ほど待機する…
そして、ようやくバスに乗り込み、また10分経過し、ようやくプールに着いた…とにかく長かった…。
「な、長かった…」
「梨子ちゃん大丈夫?はい、これ当日券ね。」
「あ、ありがと…千歌ちゃん。」
「いや~長かったけど久しぶりに来たね、富士マリン!」
あれだけ移動したのに、曜は元気そうだな…流石飛び込み選手。
とりあえず、全員プール内に入場する…
「じゃあ、着替えてくるからまた後でね~」
「おう、後でな。」
確か、千歌の時もそうだったけど、女の子の着替えってちょっと長いんだよなぁ…さっさと着替えて場所を取っておこう。
『先に着替えて場所取りしておくね』…っとこれでいいかな。
俺はとりあえず、千歌のスマホにメールをしておく。
~女子更衣室~
「わぁ~千歌ちゃんの水着凄く可愛いね!」
「えへへ、この前に悠之君と一緒に買いに行ったんだ~」
「素敵な水着だね、悠之君もなかなかいいセンスしてるんだね~」
私の水着を褒めつつも、梨子ちゃんも曜ちゃんの水着もとても可愛いらしい…
梨子ちゃんは桜色のフリフリ付きのビキニ、所々に花柄の模様が着いていて、年上の女の子らしさが出ている。
曜ちゃんも、ライトブルーの水着を着ている…曜ちゃんは相変わらずスタイルが良いからちょっと羨ましいな…
「よーちゃん…私もうちょっとダイエットした方がいいのかなぁ…」
「え、千歌ちゃんはそのままで可愛いよ?」
「そうよ、ちょっとぷにっとしたくらいが可愛いのよ。」ツンツン
「う~曜ちゃん梨子ちゃんもやめてよ~///」
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遅い…流石にそろそろ来てもいい頃なんだが…大体15分位は待った気がする…
「悠之君~」
「ごめんなさい~」
「おまたせ~」
「お~…待って…た…。」
やばい…3人美少女の水着姿…めちゃくちゃ眩しくて可愛い…俺が何だか場違いのようだ。
「おーい、悠之君?」
「な、なんだよ…///」
少し戸惑ってしまい、曜が話しかけてきたことに気づかなかった…
「私達で興奮しちゃった?(小声)」
「え、いや…そんな事は…///」
「おーい、2人とも何ヒソヒソ話してるのー?早く流れるプール行こーよー」
「あ、あぁすぐ行く!」ダッ
プールサイドは走らないでくださいね~と係員の声が聞こえた…それにしても、悠之君ってわかりやすいなぁ
♢
「ねぇねぇ、流れるプールって言ったらさ、やっぱり鬼ごっこしたくない?」
千歌が提案する。
鬼ごっこか…俺は構わないが、他のふたりはどうだろう?
「いいんじゃないかな?」
「じゃあ、悠之君が鬼でスタート!」
「え、ちょ…」
「20数えたらスタートね!!」
マジかよ…結構ここのプール広いよな…しかも、俺が千歌達を追っかけ回して、肌に触れるってことだよな……
20秒経過…
さあ、鬼ごっこの開幕だ!
とりあえず、深く潜って気配を消しながら、じっくりと近づいていくとするか…
ゲームが始まって約五分…
お、あの後ろ姿は間違いなく梨子だ…
俺は深く潜って、梨子から気配を消しながら前の方に行く…
そして、梨子の位置から20m先に移動し、待ち構える…こうすれば、流れに乗って梨子は俺のところに強制的に向かってくる…少々やり方が汚い気がするが、そんな事を気にしてたらゲームにならない…
さぁ…来い!
「あ、あれ!?悠之君がなんで私よりも前に!?」
ようやく俺の存在に気づいたようだ…だがもう、この流れから逃れられんぞ…
梨子が頑張って後ろに戻ろうとするが、流れが強くて戻れない…徐々に俺の方に追い込まれていく。
「悪いな、今回は俺の勝ちだ。」
「な、なんで…こんな…に、流れが強いの…!?」ツルッ
梨子がバランスを崩して、もっと距離が縮まり、完全にゼロ距離になった
「お、お願い悠之君…今回は見逃して…」
「許せ、これはゲームだ。作戦にかかった梨子が悪いんだ。」
「そ、そうね…確かに私が悪いかも…」
あれ?案外素直に受け入れるんだ…
「…じゃあ、これを喰らっても文句は言わないね!?」ジャキン
「な!?そんな大きな水鉄砲をどこで!?」
「発射!」
ぶっしゃああああああ!!
や、やばい…目が見えない…勢い強すぎる…
「ゴホッ!勢い強す…ぎ…」
「作戦にかかった悠之君が悪い…これでいいね♡」
「ま、まて…梨子…ずるいぞ…」
「ふふっ…またね♡」
くっそ…完全にやられた…俺の負けだ…。
あの後、普通に追いかけて、梨子は捕まえられた。
「いやぁ、結構疲れたね、鬼ごっこ…」
「そうだな、もう一日分動いた気がする…」
「それにしても、梨子ちゃんはその大きな水鉄砲どうしたの?」
「え、いや…後で遊んだりできるかな~って」
俺はさっき梨子に思い切り顔面にくらったんだが…しかも、あの水鉄砲の威力…結構やばかったしな、しばらく目が開かなくなったぞ。
「ねえねえ、そろそろお昼にしようよ~」
「そうだな…あ、あそこに屋台が沢山あるぞ。」
ホットドッグに、焼きそば、アメリカンドッグなど定番メニューがずらーっと並んでいる…
「こういうのって結構久しぶりだな、皆は何にする?」
「私は~ホットドッグがいいかな~千歌ちゃんは?」
「うーん…焼きそばは多分曜ちゃんが作ってくれる方が美味しいからね~私も、ホットドッグにしようかな~梨子ちゃんは?」
「私も、そうするわ。」
なんだ、みんなホットドッグか、じゃあ俺もそうしようかな。
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全員昼食も済んだので、またプールに戻ることにした。
「ねえ、今度はあれ行こうよー」
千歌が指を指す方向には、大きなウォータースライダーだ。
浮き輪で2人で乗るタイプのようだな。
「4人いるし、2人ずつ乗ろうよ~」
「じゃあ、グーパーで別れましょうか。」
4人でグーパーした結果
千歌;梨子
悠之:曜
の組み合わせになった。
案内役員の人が、順番に呼んでいく…
「ねえ、悠之君は千歌ちゃんとじゃなくてよかったの?」
「ん?今日はデートをしに来た訳じゃないから…」
「そっか…あのね…」
「なんだ?」
「な、なんだろう…言いたい事があったのに忘れちゃった…」
「ははっなんだそれ。」
曜が少し恥ずかしそうにモジモジしている…何か言いたげにしている様子だ。
「本当は何か言いたいことあるだろ?」
「え、な、なんで?」
「だって、曜の顔が少し困った顔してるから。」
「あ、あはは…バレちゃってたか…」
曜が苦笑いを浮かべる…
「じ、じゃあ言うね…」
「おう。」
「えっと…その…手…繋いで?」
「へ?」
「もぅ!手を繋いでって言ってるのー!」
「よ、曜…どうしたんだよ急に…」
「2回も…聞かないでよ…ウォータースライダーが終わるまでだけでもいいから…」
「分かったよ、ほら」クスッ
俺は手を差し伸べる
「え、ほんとにいいの?」
「ほんと!?やったね!!」ギュッ
ムニュ…
柔らかい感覚が俺の腕に伝わる…そうだ、確か曜も千歌と同じくらいに…
「さ、そろそろ俺達も乗るから一回離してくれ。」
「え、うん…」
「大丈夫、乗ってる時だって手を繋いであげるから」
「ほんと!?」パアァ
「約束だもんな。」
今日また、改めて思ったよ…俺の幼馴染みはみんな可愛い。
でも、本命は……
ごめんな、曜…でも、俺は君のことも好きだから。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~沼津駅~
「いや~いっぱい遊んだね~」
「これからお祭りに行く体力がないよ~」
「もう~梨子ちゃんは情けないな~」
いや、普通に考えて無茶なスケジュールだろ、1日プールで遊んで、その後祭りとか、疲れるに決まってる。
「じゃあ、とりあえずまた後で旅館の前に!」
「うん!」 「また後でね~」
曜と梨子と分かれ、俺達も旅館に戻った。
「悠之君、ちょっと浴衣着てくるからちょっと待っててー」
「りょーかい」
浴衣か…曜も梨子も着てくるのかな?
ちょっと気になるな。
「おまたせ~」
千歌はオレンジ色の、浴衣を着て出てきた。
「どうかなどうかな?」
「相変わらず可愛いな、思わず写真を撮りたくなるくらいだ。」パシャ
「もう撮ってるじゃん!」
「おっと…なんか勝手に操作しちゃったみたいだ。」
「もう~!」
あ、流石に今のやり方はちょっとまずかったか…?
「写真撮るなら、悠之君も一緒!」
「あ、はい。」
あの後、めっちゃ二人で自撮りした
♢
「あ、悠之君、千歌ちゃん~!」
旅館を出ると、浴衣に着替えた、曜と梨子の姿が目に入った。
「わぁ~梨子ちゃんも曜ちゃんも浴衣姿可愛いね~♡」
「ん?千歌ちゃんもすっごく可愛いよ?」
「ほんと?ありがとう♡」
俺はこれから、この浴衣美人3人を連れてお祭りを回らなくちゃ行けないのか…
みんないつもの雰囲気と違った、可愛いらしさと色気が出ている…
特に梨子、やっぱり一番年上だからなのだろうか、いつもの下ろしているあの長い髪がうなじが見えるようにセットしてあって、エロさを感じた…
「じゃ、どこから回ろうか?」
「みんなが行きたいところから回っていきましょ?」
「そうだね~じゃあ一つずつ回っていこうか。」
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千歌はみかん飴、曜はたこ焼き、梨子は焼きそばを買ってきた。
無論俺は、ラムネと大判焼きだ。
「悠之君って結構甘党?」
梨子が聞く…そうか、梨子は俺の甘い物好きの事は知らなかったんだっけ。
「まあな、しょっちゅう食ってるから血糖値がかなりヤバめだ。」
「ふふっ、その若さで血糖値なんて上がらないよ。」
「まじか、今まで心配して損したわ。」
まあ、とりあえず全員分買ってあるので食事には困らない…後は、花火が上がるのを待つだけだ。
ひゅ~…ドーン!!!
パラパラパラ…
「おぉ~花火始まったね~!」
「うん…凄く綺麗…」
沼津の夏祭り…もう何年か前に行った以来だけど、やっぱりここの花火は格が違うな…
「ねえ、悠之君」
「どうした、千歌?」
「ちょっと…」
俺は、千歌に連れ出される…
「どうしたんだよ、花火は見なくていいのか?」
「う、うん…それよりもお礼が言いたくて…」
「お礼?」
千歌が赤い顔をして俺を見つめる…
「今年の夏…悠之君がいてくれたから凄く楽しかった!
夏休みが終わったら言うつもりだったんだけど…待ちきれなくて…」
「俺も、千歌がいてくれたからとても楽しかったよ…って、何かGWの時も同じようなこと言ってた気がするけど。」
「あははっ確かに~」
俺も千歌も照れくさそうに会話を続ける…
「ねえ、またして欲しいな…」
「何を?」
「その…お外での…キス…///」
「あ、あぁ…いいよ…///」
俺は千歌との距離を縮める…
「目…つぶって…?」
「うん…」ドキドキ
お互い目をつぶったまま、唇が触れ合う…千歌の体を抱き寄せているので、鼓動音がどくん…どくん…と伝わって来るのがわかる…それは俺も同じこと。
「んっ…気持ちよかった…♡」
「…俺も。」
「…もう一回する?」
「そうだな…もう一度…。」
もう一度俺と千歌の唇が触れようとしたその時…
「あーママー!おにーさんとおねーさんがチューしてるよ~!」
「「…!?」」
「コラ!大きな声で言わないの!!」
どうやら、子連れの家族に見られてしまっていたようだ…
「…悠之君。」
「ど、どうした?」
「続きは帰ってから…ね…♡」
「ふふっそうだな…」
今日は寝られるまでがハードな日のようです。
今年の夏は天気が不安定で、全然遊べなかった気がする…