みかん色の風   作:OCEAN☆S

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第31話「憧れの人」

~1月8日~ (成人の日)

 

 

「あ~…成人式疲れた~…」

 

「お疲れ様、悠之君たくさんの人に絡まれて大変だったね~」

 

「ホントだよ…もう2年くらい同級生の人たちと会ってないのに…バレるなんて思ってなかった…。」

 

 

東京の高校の男子達とは絶対に関わりたくなかったな…二十歳になった途端にガンガン煙草は吸ってるし、酒もがぶ飲みはするし…お陰様でヘトヘトだ…。

 

 

「でも、梨子ちゃんの晴れ着姿は、ほんとに綺麗だったよね~また見たいなぁ~♪」

 

「本人はすごく恥ずかしがってたけどな。」

 

「それに、凄くナンパされてたよね…でも、悠之君がいてくれて助かったよ~」

 

「はは…最初は俺も怖かったんだぞ、酒が回ってる連中は何するかわかったもんじゃないからな。」

 

それと…めっちゃ恥ずかしかった…

 

 

~二時間前~

 

 

「梨子ちゃん、ほんとに綺麗~ずーっと眺めていたくなるよ~」

 

「もうっそんなにジロジロ見ないでよ~///」

 

「えへへ…あ、そういえば悠之君は?」

 

「さっき、トイレへ行くって言ってたよ。タバコの臭いで気分を崩したんだって。」

 

「へー…悠之君にもそんな弱点が。」

 

 

 

「ねーねー可愛いお嬢ちゃん達~俺らと一緒に飲んでかない?」

 

雰囲気がチャラチャラしていて…いかにも、悪そうな人が私たちのそばに来る…

 

 

「ごめんなさい、ちょっと待ってる人がいて…」

 

私は断りを入れたが、その人は引く気配がない…。

 

「そんなのいーじゃんべつに~待たせるやつが悪いんだって~」

 

この人…さりげなく悠之君を……

 

 

「いいから飲もうよ~」グィッ

 

酒に酔った男性が梨子ちゃんの腕を引っ張る…

 

「ちょ、ちょっと離してください!」

 

「おいやめとけって、嫌がってるじゃん。」

 

男性のグループの中の一人が止めに入るが、話を聞かない…

 

「そんな硬いこと言わなくてさ~俺たちと飲んだ方が絶対楽しいって~」

 

「嫌だって言ってるじゃないですか!早く離してください!!」

 

 

~☆☆☆~

 

 

~男子トイレ~

 

あー…まさかあんなに気分が悪くなるなんてな…ぜってー将来タバコなんて吸いたくねえな……って何やってんだあいつら?

 

 

激しく酔った男性に絡まれている梨子と千歌の姿が目に入る…。

 

 

「何やってんだよ、お前ら。」

 

「あ、悠之君……この人がいうことを聞いてくれなくて…。」

 

 

俺はその男のそばに近づく…近づくだけで、酒とタバコの匂いが強烈に漂ってくる……。

 

 

さて…どうするか、高校生の時だったら強引に止めようとしてたかもしれないけど、今はそういう訳にはいかない……

 

 

「なんだよ、この女の子に先に声をかけたのは俺だぞ?」

 

 

なるほど…こいつは酒に酔うとこういう性格になるのか…だったら思いっきり見せつけてやるのがショックを与えるのが一番だ。

 

梨子…うまく合わせろよ?

 

「おい、なんか言えよ!」

 

 

俺は相手が掴んでいる手を無理やり離させ、自分の身体と梨子の身体を密着させるように抱き寄せる。

 

「え……///」

 

「お、お前!何やってんだ!!」

 

「悪いな…俺の予定は全部この子だけで埋まってるんだ…。」

 

「──///」

 

「だろ?」

 

「ゆ、悠之君……恥ずかしいです…///」

 

そのまま、梨子の顎を軽く持ち上げる…

 

「もっと…顔を見せて?」

 

「~~///」ドキドキ

 

(ま、まって…悠之君の顔…近いよ…///しかもあごクイって…ちょ、ちょっと千歌ちゃん!そんなにニヤニヤしながら見ないでよ~///)

 

 

(おぉ~悠之君の演技も凄いけど、梨子ちゃんの表情もたまらないのだ…♪これは完全に堕ちてるね♪あのチャラい人も凄いショック受けてるし、これは作戦成功だね♪)

 

 

さて…これだけ見せつければ相手も充分理解しただろう…。

 

 

「さ…行こっか。」ギュッ

 

「ひゃ…ひゃい…///」

 

 

 

~☆☆☆~

 

「今思えば俺って、結構やばいことしてたんだな……」

 

「いや~平和的でいいと思うけどな~でも、演技とはいえ千歌もちょっと嫉妬しちゃったな~」チラチラ

 

「じゃあ…千歌もやる?」

 

「うん♡」

 

ピンポーン!

 

「あら、このタイミングで誰か来ちゃったか…」

 

「あ、私がでてくる~!」

 

 

ガチャ……

 

 

「あ、梨子ちゃーん!」

 

「こ、こんばんは~」

 

「あれ?こんな夜にどうしたんだ?」

 

 

梨子が少し恥ずかしそうにモジモジとしている…。

 

「その…今日…助けてもらったお礼に…」

 

何かが入った箱を俺たちに渡す…

 

 

「梨子ちゃん、開けてもいい?」

 

「えぇ、もちろんよ。」

 

梨子をとりあえずリビングに入れて、一緒に箱を開ける…。

 

「わあぁ~シュークリームだ~!これ、梨子ちゃんが作ったの?」

 

「凄いな…流石は梨子だ。」

 

「悠之君が助けてくれたから…その…だから、ありがとうね。」

 

「あぁ、どういたしましてだな。」

 

恥ずかしそうにお礼を言う……

 

 

「そうだ!せっかくだし、梨子ちゃんも泊まっていきなよ?」

 

「え、でも急だと悪いんじゃ…」

 

「いーからいーから♪じゃ、お風呂入ろ~♪」

 

もう…こうなった千歌は誰も止められない…。

 

 

 

 

~浴場~

 

「千歌ちゃん、あれから何か進展はあった?」

 

「え、何が?」

 

「悠之君と、千歌ちゃんの事よ。」

 

「進展か~うーん…いっぱいエッチした♡」

 

「それは、高校からでしょ?…っていうか何言ってるの!」

 

「えへへ~」

 

「全く…」

 

女の子なんだから、少しくらいはデリカシーを持たないと…。

 

「でもね…」

 

「?」

 

「なんか、悠之君…大人になったな~っていうか…丸くなったっていうか…」

 

「うん…確かに。」

 

「梨子ちゃんも…悠之君も…時間が経つにつれて、どんどん大人っぽくなって…なんだか高校の時のような雰囲気がちょっと薄くなっちゃって…。」

 

「千歌ちゃん…さみしいの?」

 

「うん…少し。」

 

私は小さくうなずく。

 

 

「もう、千歌ちゃんがそんな顔をしてどうするの?」バシャッ

 

「ふぇっ!?」

 

「千歌ちゃんは、私たちの太陽なんだから、いつまでも明るくなくちゃダメ!」

 

「梨子ちゃん……うん!」バシャ

 

「きゃっ!もーやったな~!」

 

二人でお湯をバシャバシャと掛け合う……その時の二人の笑顔がなんだか高校生の時のような、無邪気な顔をしていて、なんだかとても楽しい。

 

梨子ちゃん…いつもは、大人っぽいけど、たまに見せてくれる無邪気な笑顔がすごく素敵……

 

実は、髪の毛を伸ばそうとした時に真っ先に相談したのは梨子ちゃんだった…そのおかげで綺麗に伸びたし、悠之君にも褒めてもらえた。

 

「くすっ」

 

「ん?何笑ってるの?」

 

「んーん…私ね、悠之君のことも、もちろん大好きだけど…梨子ちゃんの事もだーいすき!」

 

「ふふっもう…欲張りね♡」

 

私の憧れのお姉さん…これからもよろしくね♡

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