みかん色の風   作:OCEAN☆S

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何だこのタイトル……


第36話「男子の知らない痛みと痛くないピアス」

「千歌?」

 

「う…ん…?」

 

「千歌、起きろ?」

 

「ん…悠之君おはよ…。」

 

「どうしたんだよ?なんかあまり元気なさそうだけど…?」

 

千歌が目を擦りながら大きなあくびをする…。

 

 

「ん~?そうかな?私は別に何ともなっ——」

 

 

ズキ…

 

 

「千歌?」

 

「……たい」

 

「え?」

 

「お腹…痛い…。」

 

「えぇ!?」

 

 

千歌が辛そうにお腹を抑える…。

 

 

「だ、大丈夫か?トイレ行く?」

 

「いや…そういうのじゃなくて…。」

 

ズキズキ…

 

「あいたたた…」

 

「え?どういうのなんだ?病院に行くほどのなのか?」

 

「だから…その…そうじゃなくてさぁ…///」

 

「?」

 

 

千歌が俺の耳にごにょごにょと喋りかける…

 

 

「——ってことなの。」

 

「あ~そっか生……」

 

「あー!言わないでって!!!」

 

ズキズキズキ…

 

 

「あたたた……」

 

「ご、ごめん…つい…。」

 

それにしても辛そうだ…男には一生縁のない悩みなんだろうな…千歌の痛みを知らない分俺がちゃんと面倒見てあげないとな。

 

 

「どうする?今日は一日休んでおくか?」

 

「うん…ごめんね悠之君…。」

 

「どうして謝るんだよ?」

 

「だって春休みいっぱい遊ぼうって…約束したのに…体調悪くしちゃって…。」

 

「そんなことでいちいち気にしなくていいさ。辛い時に無理しちゃうと体にもっと負担がかかっちゃうんだしな。」

 

 

寝ている千歌の頭をそっと撫でる。

 

 

「千歌は女の子なんだし、そんなに無理しちゃダメだ…それに俺には一生縁のない痛みなんだから…。」

 

「うん…ありがとう…悠之君…。」

 

 

~☆☆☆~

 

「朝食はどうする?こういう時って消化がいい物の方がいいのか?」

 

「んー、胃腸炎とかとそういうのとはまた違うから、あまり気にしなくて大丈夫だよ~。」

 

「そっか、じゃあいつも通りの感じでいいか。」

 

「うん!」

 

 

とりあえずいつも通りにトーストとサラダを用意する…。

 

「飲み物は何がいい?」

 

「うーん…ミルクティーがいいな~」

 

「あいよ~」

 

 

今はまだ普通だが、いつ痛みが走るかは分からない…。

 

 

「あ、そうそう。昨日の夜にこんな物が届いてたんだった…はいコレ。」

 

「あぁ~!内浦のみかんじゃん!!どしたのこれ?」

 

「志満さんが送ってくれたみたいだぞ。」

 

「ほんとだ!さすがはしまねぇ~♡」

 

 

千歌が幸せそうにみかんを頬張る…さっきまでの辛そうな表情とは大違いだ。

 

 

俺がみかんを持っていると、物欲しそうな顔をしてから口をあーんと開ける…沢山あるんだから自分で好きなだけ取っていけばいいのに…。

 

 

 

「はい、あーん…」

 

「あー……ん~っ!やっぱり美味しい!」

 

「わざわざ俺のから貰わなくても…まだいっぱいあるんだから。」

 

「んーん、悠之君に食べさせて貰うのが1番美味しいもん♡」

 

「はは…なんだそりゃ。」

 

 

♢

 

 

あれ梨子ちゃんと善子ちゃんからLINEがきてる…

 

 

『ごめん、今日はちょっと体調悪いから無理~ごめんね~。」

 

 

これで…よしっと…

 

 

「千歌、腹の調子はどう?」

 

「うん、今のところは大丈夫。」

 

「そっか、じゃあ何かあったら言ってね。」

 

「ありがと、悠之君はやさしいねぇ~ふわ…ぁ…。」

 

千歌が大きくあくびをする…

 

 

「なんだかまた眠たくなっちゃった…また寝るね…。」

 

「そっか、じゃあ…おやすみ。」

 

「まって~いっしょに寝てくれなくちゃや~だ」

 

「ダメだこの前なんて一緒に寝ようとしたら、話が止まらなくなって結局寝られたのは夜中の2時なんだからな。辛い時は早く寝る!」

 

「やーだー!お願い見捨てないでぇ~!」

 

「ダメなものはダメ…」

 

千歌が俺の袖をキュッと握って…涙目になりながら上目遣いをする…

 

ダメだ…今日くらいは押しに負けちゃいけない!

いつもこのパターンにやられてるんだから…流石に少しくらいは学ばなきゃ…!

 

「だって…悠之君がそばにいてくれないと…さみしいもん…」ウルウル

 

「でもな、今日は体調悪いんだから、早く寝た方が楽だぞ?」

 

「でも…急にお腹が痛くなっちゃったら…悠之君に一早く来てもらえないし…。」

 

「だ、だけど…な?千歌……?」

 

「それに…悠之君が一緒にいてくれたらきっと治るのも早くなると思うんだ…」

 

千歌俺の手を自分のお腹に当てる…同時に距離を詰めてくる

 

「お願い…」

 

 

それに…耳元で喋るから吐息が当たってくすぐったい…。

 

さて…普通の男子ならわかるだろう…普段は明るくて活発的な女の子が少し弱々しい雰囲気を出して、なおかつこんな風にお願いされたら答えは1つしかない。

 

 

 

「えへへ~ありがとう悠之君~♡」ギュ~

 

 

結果…こうなる。

 

 

 

「あ~やっぱり悠之君は温かいなぁ~♡」

 

 

はぁ…寝起きだから全然眠くならないや…

 

 

 

「千歌…胸当たってる…。」

 

「ふぇっ!?ご、ごめん…///」

 

「柔らかい…もっと当ててもいいよ。」

 

「もう…エッチ…///」

 

 

そんなこんなで、千歌の症状が治るのに三日かかった…そして、その三日間…同じような日々が続いた…。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

~翌朝~

 

「ふぅ…やっと治ったぁ~!」

 

「そっか、お疲れさん。」

 

「でもよかったの?完全に症状が治りきるまで待たなくても……」

 

「デート中に貧血とか、吐き気とか、頭痛とか、そういうのが出てきたら楽しくないだろ?」

 

「たしかに…やっぱり悠之君は優しいね♪」

 

「そりゃあどうも。じゃあ…行くぞ。」

 

「うん♡」

 

 

~♪♪♪~

 

「それにしても、春に入りたてだってのに随分と暑いな。」

 

「ほんとだね~薄着で来て良かったかも~」

 

千歌がバックの中からタオルを取り出して、肩と頬を拭く…。

 

髪を少し伸ばしてからか、千歌のワンピース姿が凄く似合っている…軽く肩も出してて、春らしくて可愛いらしく着こなせてる…。

 

 

「悠之君?おーい?」

 

「ん?どうした千歌?」

 

「さっきから…肩ばっかり見てる。」

 

「そ、そうか…な?」

 

「絶対見てたって…肩を出すのってやっぱり千歌には早かったかなぁ…?」

 

「ううん、そんな事ないよ。今の千歌の雰囲気にすごく似合ってる。」

 

「ほ、ほんと…///」

 

千歌がニヤけそうなのを頑張ってこらえてる…

 

「隣で歩いているのが俺でいいのか…?って思っちゃうくらいに素敵だよ。」

 

「もうっ悠之君だってかっこいいんだからそんな事言わないでよ~」

 

「そうか?ごめんごめん。」

 

 

二人で会話してるとやっぱり自然と笑顔になれる…

 

 

「あ、見てみて!ソフトクリーム屋さんがあるよ!」

 

「急に暑くなったから売り出したって感じだな。よしっ買いに行くか。」

 

「うん!」

 

「すみませんバニラ2つで」

 

 

2本で300円か…まあまあってところかな。

 

 

二人でベンチに座る…ちょうど木陰の下なので、風通しがとても良い…。

 

「良いベンチもあるもんだねぇ…あ、悠之君!1口ちょーだい♡」

 

「いいけど、千歌も同じ味じゃなかった?」

 

「いいのいいの♡」

 

 

無邪気に口を大きく開ける…見た目は大人っぽくなってもやっぱり千歌は無邪気な笑顔が1番可愛い。

 

 

「あー……ん~っ!やっぱり美味しい!」

 

「そりゃあ同じ味ですから。」

 

「ちがうちがう~悠之君が食べさせてくれるから美味しいの♪」

 

「またまた~」

 

「はい!悠之君もあ~ん♡」

 

「あー…やっぱりバニラだな。」

 

「もぉ~返して欲しいセリフと違う~!」プンスコ

 

~☆☆☆~

 

 

 

 

 

それにしても心地よい風だ…ここに座っているだけで寝られそうな感じだ…。

 

 

「千歌そろそろ……ありゃ寝てる…。」

 

なんか肩が重たいと思ったよ…。

 

10分くらい…だからな?

 

 

 

~Zzz…~

 

 

「~じ君」

 

ん…?あぁ…きっと 俺もつられて寝ちゃったのか…でも…まだ少し意識が遠いな…

 

「中々起きないなぁ……う~ん…あ、そうだ!」

 

 

おや…今度は何を…?

 

 

少し目を開けると千歌の顔が至近距離に迫っていた…。

 

 

 

え………?

 

 

 

柔らかい感触が唇全体に伝わる……この瞬間に俺の体の全神経が目覚めた…。

 

 

「やっと起きた~♪」

 

「ち、ちちち千歌ぁ!?一体何を…して…///」

 

「おぉ~顔を真っ赤にしてる悠之君もこれは中々レアな…」パシャパシャ

 

「ちょっ…///写真はよせええええ!!!」

 

 

 

 

♢

 

二人で買い物をしていると、千歌が何やら俺の横顔をじっと見つめてくる…

 

「千歌…?」

 

「……」ジーッ…

 

「ちーか?」

 

「おわぁっ!な、なに悠之君?」

 

「俺の顔になにか付いてたか?」

 

「い、いや…悠之君ってピアス開けてたんだね。」

 

「ピアス?あーこれ?」

 

自分の耳たぶについてるピアスを揺らす。

 

「これはノンホールだから、ピアスは開けてないよ。」

 

「のんほーる?」

 

「こういうタイプは穴を開けなくてもピアスがつけられるんだ。付けてみる?」

 

「うんうん!」

 

自分のピアスを外して千歌に付けてみる…。

 

 

「うーん…これはメンズ用だからちょっと千歌には似合わないか…。」

 

手鏡を千歌に渡す…。

 

「どれどれ~?う…確かにこれじゃちょっとヤンキーみたいだね…」

 

「千歌もピアスがしたいのか?」

 

「うん、最近ちょっと気になってて…穴を開けなくてもいいならちょっと付けてみたいな~」

 

「よし、じゃあちょっと見に行こう。」

 

 

自分の行きつけの店に案内する…。

 

 

「ん~どういうのが似合うかな~?」

 

「千歌が付けるなら少し小さめくらいなのが可愛いく見えるかもな。」

 

 

あれこれ悩んだが、やっぱり……

 

 

「これ!このお揃いのにしようよ!」

 

ま、アクセサリーとなるとやっぱりカップル系のやつが1番いいかもな。お揃いにもなるし。

 

「だな。千歌には1番これが似合ってるしそれが良さそうだな。」

 

 

早速購入し、そのまま千歌に付けてみる…。

 

「これは右と左、どっちに付けたらいいの?」

 

「男は左、女の子は右につけるんだよ……はいできた。」

 

 

鏡で確認する…。

 

「おぉ~似合ってるかな?」

 

「あぁ、可愛いらしくてとてもいいよ。」

 

「ありがとう♪悠之君もすっごく似合ってるよ♡」

 

「ほんとか?ありがとうな。」

 

 

外を見ると、すっかり夕日に変わっていた…。

 

「そろそろ家に帰ろっか。」

 

「そうだね~夕飯の支度もしなくちゃね。」

 

「今日は何にしようか~」

 

「千歌はね~今日はハンバーグがいい~」

 

「え~一昨日食べたばっかじゃなかった?」

 

「ハンバーグは特別なの~♪」

 

「やれやれ、仕方ないな~」

 

 

二人で手を繋ぎながら真っ直ぐ家に帰る…夕日がピアスを綺麗に照らしていて、少し眩しい…。

 

 

 

 

今日またひとつ…思い出の宝物が増えた。

 




高海千歌(大学生…この作品の場合)

変わった点

・また少し胸が大きくなった。

・髪を伸ばした…セミショート→セミロングに

・相変わらず無邪気☆



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